前世のせいで得た力は仮面ライダー   作:世界の破壊者

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……やっと仮面ライダー要素を出せた。
ちょっとだけど。


第二話 覚醒

 あのフィーベルとグレン先生の決闘からグレン先生は何も変わらなかった。魔術師同士の決闘の決めごと?知ったことか状態である。逆にこのこと聞いたうちの居候が顔色悪くなるとかどういうことやねん。しかも日に日にひどくなったというべきか……今日なんて教科書を黒板にくぎ打ちである。クラスの大半の人は先生にはもう期待を向けておらず自主勉強に励んでいる。かく言う俺も……

 

 

「おーい、ギイブル。次のテスト範囲の予想教えて」

 

 

 次のテストの予想の範囲を友人のギイブルにねだっていた。

 

 

「少しは自分で勉強しろ」

「いやだって、自分でやると問題が……」

「………お前の魔術詠唱とかのたびに起きる体調不良はどうにかならんのか」

 

 

 無理です。体調不良はトラウマ黒歴史が刺激され思い出すせいなのでどうしようもないです。そして、なんだかんだ言いながら教科書を片手に解説してくれるギイブル君、君は本当に最高の友人です。

 

 そんな風にギイブルに勉強を教わっているとクラスが騒がしくなる。どうも、わからないところを聞いたティティスにフィーベルが先生を罵倒しながらティティスを引っ張って勉強を教えようとしたのだがどうもあのやる気0のグレン先生がフィーベルの罵倒にめずらしく自分から食いついたようだった。

 

 なんか話を総合すると、フィーベルの主張は魔術は偉大で崇高なもの。グレン先生は、魔術は何の役にも立たない人殺しの道具。そんなもん学んでいる暇があればもっとましなことしてろとのこと。

 

 ……いや、まあ正しいとは思うけど非常勤とはいえ魔術講師がそこまで言うなんて、なんかあったのかなと一人考えているとバチンと言う音と共にフィーベルが先生の顔をはたき泣きながら教室から出ていった。……マジかよ、女の子泣かせるとかサイテーとか言える雰囲気でもないし、先生自身も今更後悔しているのか苦虫を噛むかのような顔をしていた。結局授業はそこまで。先生はいつもの事く……いやいつもよりも心なしか足取りを重くして教室から出ていった。

 

 

「……ユウセイ、お前はどう思う?」

 

 

 その日の帰り際ギイブルは珍しく自分から俺に声をかけてきた。

 

 

「なにが?」

「さっきの先生とシスティーナの主張だ。お前はどっちが正しいと思う?」

 

 

 いや、なんで俺に聞くの?そういうのは、もっとまじめに魔術で進路を考えている奴に聞けばいいのに……そんな風に考えながら周囲を横目で見るとなぜか全員帰る準備をしていたはずなのにこちらを見つめていた。あのすいません、これいじめですか(震え声)?クラスメイトに見つめられ、ましてや唯一の友人ともいえるギイブルの質問に下手な答えはできなくなった。

 

 

「……正直どっちも正論だろ。フィーベルのように純粋に魔術が好きで崇拝して研究するのも、グレン先生の言うように魔術が人を殺す道具であることも」

「……そうか」

「ただ……結局のところ使い方しだいだろ何事も」

「どういうことだ?」

「そのまんまの意味だよ。……結局どんな便利なものでも使い方次第。この羽ペンだって本来は書くためのもだけどさ目にさせばもう立派な凶器だろ?」

「……そうだな」

 

 

 前世の知識で言うところのダイナマイトがいい例だろう。あれも本来は鉱山の人々の仕事が少しでも楽になればと思って生み出されたのに結局戦争で使われ、膨大な犠牲者を生み出した。

 

 

「ああ、だから魔術もそうだろ。大切なのは学んでそれをどうするか。人の役に立つことに使うか殺すための道具に使うか……魔術なんてやり方次第でいくらでも化ける。だから、大切なのは自分の学ぶ魔術がそのどちらにも傾き、自分がそれを行ってしまうかもしれない。それを自覚しておくことが大事なんじゃないか?というか、そうでないとこの学院だってただの犯罪者育成学院だぞ?」

 

 

 そう、結局どんな力も使い方次第なのだ。魔術は間違いなく人を殺す力であると同時に人を助ける力にもなる。とりあえずその認識を持つことが大切なのだろう。……自分持つ力を自覚せず、自分の力と向き合わなければ手痛いしっぺ返しがいつか自分に降りかかるのだから。

 

 

「……ふっ、確かにな。ユウセイにしては真っ当な事を言うじゃないか」

「一言余計だ」

 

 

 本当に余計だよ、と言うかなんで笑うし。そんなことを思いながら俺は荷物をまとめ教室から出ていった。

 

 

 

―――*―――*―――

 

 

 

「……大事なのは自分の学ぶ魔術がどういうものか理解しておくことか。まったく、珍しく真っ当な事を言うじゃないか」

 

 

 僕は友人であるユウセイが出ていった扉を見ながら先ほどユウセイが言ったことを口にだしていた。……ユウセイは気づいていなかったもしれないが今日のクラスの雰囲気は最悪と言ってもよかった。その原因はあのロクでなし講師とシスティーナの口論だった。システィーナの主張はある意味クラスの大勢の主張と変わらなかった。だが結果、それを正面から論破し魔術は人殺しの道具であるという先生の主張にクラスの多くは自分は何を学んでいるのかどうしたらいいのかという不安や恐怖に支配されていた。かく言う僕も少なからずそう思ってしまった。だが、ユウセイだけはいつもと何も変わっておらず、いつも通り帰宅しようとしていた。

 

 だから僕は、尋ねたくなった。先生の主張とシスティーナ、僕たちの主張一体どちらが正しいのかと。結果は全くの予想外だったが。ただ、ユウセイは時々こういうところがある。まるで僕たちよりも少し年上のような、何か僕たちの知らない何かを知っているかのような……

 

 

「そうだよな……大切なのは自分が学んだ魔術をどう使うかだよな!!」

「そうですわ!!大切なのは人を傷つけるためでなく誰かを助けようとする心ですわ!!!」

「……うん、そうだよね。私も魔術を人の役に立つために使いたい!!」

 

 

 そんな風に思考に浸っているといつの間にかクラスの雰囲気が変わっていた。あいつの一言でクラスの皆の持っていた不安や恐怖が無くなったのだろう。何だかんだと言ってあいつはクラスのみんなを支えている。まあ、突発的に奇妙な行動をとるせいで皆積極的に関わりずらいのが欠点か。……今度無償で勉強を教えてやるか。

 

 そんな風に思うギイブルだが彼は知らない。周囲とはあまりなじまなず、仲間思いなところがユウセイとそっくりで、似た者同士とクラス内で噂されていることを。

 

 

 

―――*―――*―――

 

 

 なんかグレン先生が覚醒しました。何を言っているかわからない?

 大丈夫俺もわからない。なんか今日は珍しく遅刻もせずにグレン先生が来たと思ったらフィーベルに頭を下げて謝罪した。挙句の果てに――

 

 

「ユウセイもありがとな。……そうだよな、使い方次第で人の役にだって立つことはあるもんな」

 

 

 これである。ちょっと待って、なんでそこで俺の名前が出るの?俺何も言ってないよね!?確かに帰り際そんなようなことギイブルと話していたけど……あれ、もしかしてそっち経由?クラスの誰かがグレン先生にちくったの!?グレン先生が好意的に受け止めてくれてるからいいけどやめろよ!!!!下手したら目を付けられるじゃん!!!俺の成績をそんなに下げたいんですか!?いじめかよ!!!

 

 

「ただ……お前ら本当に馬鹿だよな」

 

 

 とか頭を抱えているとグレン先生がクラス全員を馬鹿にしてきて来た。当然全員「ハァ!?」となる。ただ、先生のこの発言ちゃんと理由があるらしく、先生の言い分的には俺達が魔術のことを何もわかっていないから馬鹿らしい。

 

 

「ショック・ボルト程度も1節詠唱もできない3流魔術に馬鹿にされたくないね。ユウセイだって1節詠唱…いや、改変して一言で詠唱できるというのに……」

 

 

 すいません、ギイブル。それは、詠唱が黒歴史を思い出させるので思い出さないために必死に頑張った結果なんです。無茶苦茶悲しい理由なんです。お願いだから俺の心にダイレクトアタックは勘弁して!!!

 

「ほう、そいつはすげえな。けど今ショック・ボルト程度って言ったな?やっぱりわかってねえなお前ら」

 

 そして、グレン先生は語る。ショック・ボルトを4節詠唱で唱えるとどうなるかと。……前任のヒューイ先生の時に試験でショック・ボルトをやるとなり、1週間徹夜で頑張って呪文減らそうと試行錯誤していた時にやったような気がする。なんだっけ?誰かわからないのかな~と周囲を見るとどういうわけか視線が俺に集中していた。――グレン先生含めて。

 

 えっ、なにこれ?改変して一言で詠唱できるから行けるだろうってみんな思ってるの!?ちょ、勘弁してくれません!!!あーでもこれ言わないと単位がやばいのでは……もう適当に右手の法則で言おう。

 

「あ~右に曲がるでしたっけ」

「おっ、正解だ。なら5節ならどうだ?」

 

 当たってたーーー!!!っていうか連続!?別の奴に当てろよ!!!

 

「………射程が落ちる?」

「流石だな。んじゃあ一部を無しで言うと?」

 

 ……よしもう消去法でいいや。こういうこと言うっていうことは発動しないはないはず。かと言って左に曲がるとかだと4節の時と逆になるだけだから多分違う。射程が落ちるはもう出たから………

 

 

「出力が落ちる?」

「正解!お前らも極めたっていうならユウセイぐらいは言えるようにならねえとな」

 

 

 すいません、全然極めてません。全部あてずっぽうです。だから皆も先生もそんな目で見ないでください!!!おれはただ詠唱したくない一心で頑張った糞野郎なので!!!

 

 そんな俺の思いとは関係なく先生の講義は続く。魔術は世界の心理を追い求める物ではなく、人の心を突き詰める物だと先生は語る。……やばい、すごい申し訳なく思ってきた。黒歴史がどうこうとか言っていてすいません。   

 

 でも、先生?言葉が人の意識に影響を与えるかどうかで割とガチの顔で告白はどうかと思います。実際に報復と言わんばかりに教科書を投げられていたが……

 

「ま、まあとにかくだ、魔術には文法とか公式見たいのがあってだな、深層意識を自分が望むように変革すれば――まあ・とにかく・痺れろ」

 

 

 そんな適当な呪文でショック・ボルトが発生していた。……なにそれ!?そんなんで発動するの!?今すぐ俺のショック・ボルトのパクリ詠唱変えたい!!

 

 

「そうだな……ここはできるやつにやってもらうか。ユウセイちょっとやってみてくれ」

 

 

 ……なんとなく指名される気はしていた。周囲を見ると皆が期待にこもった瞳で見つめてきている。アハハ、もうどうにでもなれ~

 

 

「サンダー」

 

 

 八つ当たり気味に手を先生の方に向けて魔術を詠唱し発動する。……そこ、あるライダーのもつカードのパクリとか言わない。

 

 

「あっぶね!?お前狙っただろ!!」

「イエイエ、ソンナマサカー」

「棒読みじゃねえか!!たっく……とまあ、深層意識に覚え込ませれば俺ぐらいのことをやれるぜ」

 

 

 すいません、もうどうでもいいのでテストにでるとこだけ教えてください。もう色々疲れた俺は頭を抱えながら心の中でそう叫んだのだった。

 

 

―――*―――*―――

 

 グレン先生が覚醒してから先生の授業は他のクラスの人も含め連日満席だった。ごく一部の席以外。……そうだよ、俺の席周辺だよ。満席だというのに俺の右隣だけは妙に空いてるんだよ。他のクラスメイトも俺に近寄ろうとはせずヒソヒソ話してるし絶対悪口だよ(白目)

 

 

「……その、なんだ。僕はあまり窮屈なのは好きじゃない。……だから助かっている」 

「あ、あのユウセイ君にもいいところはあるから、いつか皆もわかってくれるよ!!」

「……自業自得とはいえ、あんまり落ち込まないようにね」

 

 

 ギイブルやティンジェルやフィーベルが慰めてくれて正直泣きそうになった。最後の人は暴言を言っていたように思えたが俺は気にしない。

 

 

「……なあ、お前なにかしたのか?」

「……俺が聞きたいです」

 

 

 流石にまずいと思ったのかグレン先生が一度相談に乗ってくれたのだが全く心当たりはない。モモタロス達に体を貸したことはあるものの悪さや騒ぎは起こすなって言っていたし……まあ、普段の俺は特異点でも何でもないからモモタロス達が何やっていてもわからないのだが……あれ、なんか不安になってきた。というか、もしかしなくても原因じゃね?と思い至るも、ぶっちゃけ仮にそうだとしたらどうしようもないし、多分相手が悪いので気にしないでおこうということにした。だって俺抵抗できないし。

 

 数日がたち俺のボッチ状況がより明確になる一方、グレン先生が覚醒しロクでなし魔術講師というレッテルが徐々にはがれていぅたなか、俺達2学年次2組は休日なのに学院に来ていた。というのも、俺達2学年次2組は前任のヒューイ先生が辞めて授業日数が足りてなかった結果、その補講である。色々悩み事多い先生だったけど優しくてテストの採点甘くていい先生だったのにな……今頃どこで何やってるんだろ。

 

 

「……どうした?」

「いやさ……今頃何してるのかな~ってヒューイ先生」

「さあな。まあ、元気でやっているんじゃないか?」

 

 

 天井を向いてぼーっとしていた俺を心配してか話しかけてきたギイブルとヒューイ先生の事を話題にしていると教室のドアが開く。するとそこにいるのは我らのグレン先生などではなく……

 

 

「ズドン」

 

 

 謎の怪しい三・人・組・、生徒に躊躇なく軍用魔術使う奴……学校に犯罪者ってかテロリストとかなんで一度は誰もが考えるようなシュチュエーションが起きるんだよ。

 

 

―――*―――*―――

 

 

 ……最悪だ。

 明らかに犯罪者らしき男が3人……狙いはルミアだったようだがシスティーナもルミアを連れて行った男とは別の男につれてかれ、最後の頼みの綱の先生は殺されたらしくクラスの雰囲気は重苦しい。残った犯罪者の一人は僕たちを人質にしようとしているのかこちらに背を向け結界魔術を行使しているものの僕たちではかなわない腕前なのは明らかだ。だというのに……

 

(ギイブル、一瞬でいい。あいつの気をこっちに逸らせないか?)

 

 などとアホなこと小声で言ってきた。確かにルミアやシスティーナがつれてかれる際、異様に周囲を気にしながら白紙のタロットカードを握りしめていたのを隣の僕は気がついていたが……この状況で正気か?

 

(やめろ、死にたいのか?)

(放っておいても状況が悪くなるだけで、最悪犠牲者が増える……頼む信じてくれ)

 

 無駄に行動を起こしてもお前が死ぬだけだと案に言っているのにユウセイは机の下でが描かれた()()()()()()()()のタロットカードを握りしめ、いつもの勉強を教えてくれと頼むのとは全く違う真剣な顔で頼んでくる。

 ……しかたない。

 

(一瞬だぞ?それに軍用魔術は防げないからな)

(……ありがとう、十分だ)

 

 お前のその真剣さに免じて賭けてやる。だから――どうにかして見せろ!!

 

(5秒後に頼む)

(了解)

 

 5秒で?無茶苦茶言ってくれる……だが、やってやろうじゃないか。

 

 

「ストーンフォール!!」

 

 

 一節詠唱で土の属性のエレメンタルを呼び出し、土の壁を生み出す。ユウセイへの対抗心などの理由で以前から思考錯誤しており先生の教えを受け、つい昨日完成したばかりの一節詠唱魔術だ。

 

 

「愚かだな…貫け閃槍」

 

 

 壁で先が見えず声から判別するしかないが相手はいたって冷静に軍用魔術を1節で発動する。このままいけば僕の生み出した壁なんて一瞬で壊れるだろう。だが……

 

(一瞬注意をこちらに向けろというのは果たしたんだ。後は頼むぞ)

 

 あとはどうにかすると言った友人に任せるとするさ。

 

 土の壁が現れた瞬間ユウセイは飛び出す。

 

 

「変身!!!」「Turn Up」

 

 

 その瞬間、ユウセイの手に握っていたタロットカードが光り、ユウセイはいつの間にか腰に巻かれていたバックルのハンドルを引きながら叫ぶ。次の瞬間、ユウセイの前に青い壁オリハルコンエレメントが現れそれを潜り抜けた瞬間、ギイブルの生み出した土の壁をライトニング・ピアスが打ち砕いた。

 

 

―――*―――*―――

 

 

 天の智慧研究会のユウキはライトニング・ピアスを放ち終わり、すでにそこから思考を外していた。当然と言えば当然だろう。彼の腕前をもってすれば学院に所属する学生程度の生み出す壁など一瞬で壊せる。だから彼は、愚かな学生の反抗で人質の数が減った程度にしか思えなかった……そしてそれが命取りになった。

 

 ユウキが放ったライトニング・ピアスが土の壁を壊した瞬間、ライトニング・ピアスは誰も殺すことなく、その奥から飛び出してきた何かに弾かれ……そして――

 

 

「オラァ!!!」

 

 

 奥から飛び出してきた何かは、そのままの勢いでユウキの頬を殴りぬいた。

 

 

「がはっ!?」

 

 

 殴られた勢いでユウキはそのまま壁にたたきつけられる。何がどうなっているのか理解できない。だが自分が殴られたことだけは理解できた。それを成したであろう者が学生であることが余計に彼の殺意を駆り立てる。

 

 ―――惨たらしく殺してやる。

 

 その殺意を抱きつつ自分を殴ったであろう学生がいる方を見るとそこには自分が予想していたものとは全く違うものが目に写った。

 

 彼を殴ったであろう人物がいる場所、そこに学生服姿の少年少女はいない。変わりにいたのは上半身が銀色の鎧のようなものに覆われていて、その胸にはスペードのマークが描かれており、頭部が一本角のようになっている複眼が赤の戦士――――仮面ライダーブレイドが立っていた。




次回から本格的な戦闘です。
ギイブルはもっと活躍してもいいと思うのは私だけだろうか
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