前世のせいで得た力は仮面ライダー 作:世界の破壊者
―――仮面ライダーブレイド。現代に1万年の時を経て蘇った53体の不死身のアンデットと戦い封印して
今回の戦闘シーンは「覚醒」辺りを聞きながらだと楽しめるかも。
2学年次2組の生徒は困惑していた。あるものは呆け、開いた口が広がらないものもいれば目の前で起きたことを理解できてないもの大勢のいた。がそれも無理はないだろう。
彼らからすれば学院に通って勉強をし、友人とたわいもない話をしたりするはずの学院で突然テロリストが現れ、段々とクラスに馴染みつつあった先生が殺されたと告げられたのだ。そこに近寄りがたかったとはいえクラスメイトが突然奇妙な姿に変わり、テロリストに殴りかかりもすれば混乱の一つもするだろう。
これが鍛えられた軍人などであればすぐに正気に戻っただろうが彼らはまだ学生であった。だから彼らが正気に戻るには……
「くっ、貫け閃槍!!!」
「全員机の下に伏せろ!!!」
その混乱から正気を誰かに引きもどしてもらわなければならなかった。目の前の奇妙な存在から……いや、クラスメイトから声をかけられ全員ようやく正気に戻る。そして、皆我先にと自分の机の下にもぐるものの、その多くは机の陰から始まった戦いを見つめていた。
―――*―――*―――
「くっ、貫け閃槍!!!」
戦闘になれているのかユウキはすぐさま1節詠唱で魔術を行使して反撃しする。今のユウセイは仮面ライダーブレイドである。その身体能力からすればこの程度の攻撃なら別に避けること自体は簡単だが、今うかつに避ければ突然の事態で数多の処理が追いついておらず呆けているクラスメイトの誰かにあたりかねない。
だから、ユウセイは腰から醒剣ブレイラウザー引き抜き、敵の放ったライトニングピアスを逆袈裟で切り裂きそのまま相手に走りよりながらクラスメイトに隠れるよう指示を出した。
「全員机の下に伏せろ!!!」
当然相手も黙って近づかれるわけではないものの、ユウセイの速度の方がわずかに速くユウキに接近し左腕を斬り血が舞った。
「糞――がはっ!?」
左腕は斬ったものの切断したわけではない。ユウキは魔術を使って身体能力を向上させようとしたがユウセイはその隙を与えず間髪入れず相手に蹴りを入れ、クラスの校庭側の窓にたたきつける。その一連の動きに無駄はなく、
(なんなんだこいつは!?)
ユウキが相手にしているのは、ただの学生のはずだった。確かに面妖な姿をしているだけで冷静に対処すれば勝てると最初は思っていた。だが戦ってみると予想とはまるで違う。ただの子供がなぜこれほど戦闘なれをしているのか?なんなんだコレは!!
先ほどのパンチと蹴り。そして窓にたたきつけられた衝撃と砕けたガラスの破片によるダメージで一時的に立つことさえできなくなったユウキは、唯一することのできた思考を張り巡らせる。一体どうやればこいつを丸見込められる、いや見逃してもらえるかと。
ユウキにはすでに先ほど顔を殴られた際に沸き起こった怒りなどみじんもなかった。ほんの少しの攻防で悟ってしまったのだ。目の前の存在に自分はどうやっても勝てない。このままでは自分が殺される。この期に及んで命乞いをしようと考える彼にとって、とてつもない力を持っていても目の前の奇妙な者の正体は少年である。だから、必死に命乞いすれば助かると思ってしまった。……相手にその気がないというのに。
相手を蹴り飛ばし、窓に叩きつけたユウセイはすぐさまブレイラウザーに付けられたオープントレイを展開する。そこには♠の2~10までのラウズカードが並べられていた。ユウセイはそこから迷わず♠の5「キックローカスト」、♠の6「サンダーディアー」、♠の9「マッハジャガー」のラウズカードを引き抜きブレイラウザーに
「KICK」「THUNDER」「MACH」
3枚のラウズカードを読み込ませた瞬間、ユウセイの周りに巨大なラウズカードが展開され、ユウセイがブレイラウザーを頭上に掲げ地面に突き刺した瞬間ブレイラウザーがコンボ名を読み上げ、3枚のラウズカードの効果が発揮される。
「ライトニングソニック」
次の瞬間、ユウセイは超高速での助走からの空中高くジャンプに入る。
「――」
ユウキが何かを言おうとするものの、それよりも早く超高速の雷を纏ったキック――ライトニングソニックがユウキに叩きこまれた。先ほどユウキが叩きつけられ、所々割れていた窓はライトニングソニックを叩きこまれたユウキの衝撃に耐えきれず完全に砕け散る。そしてユウキはそのまま外に飛び出て空中で爆発し死んだのであった。
―――*―――*―――
「………」
あのテロリストがライトニングソニックをもろにくらい爆発したのを確認して俺は変身を解除した。
別に無理に解除しなくてもいいというか解除しない方がいいのだが、このままだとクラスメイトが怖がるかもしれないし。
仮面ライダーの外見って知らない人が見たら怖がるだろうしな……
「みんな、だい……あっ……」
そんな風に思ってクラスメイトの方を向くとそこにあったのは俺を見て恐怖におびえたクラスメイトの目だった。
……よくよく考えればわかりきっていたことなのだ。
突然現れたテロリスト。
それを、変な姿に変わってどんな理由があれど、テロリストをクラスメイトが殺した。
しかも快く思っていなかったクラスメイトがだ。
そんな者を見る目が恐怖になるのは酷く自然だろう。
前世の記憶で知っていたはずなのに俺は忘れていた。
元々のこの
……心のどこかで俺は思っていたのかもしれない。
この力で誰かを助けてたら皆の目が変わるかもって……
「……ギイブル。みんなとバリケードでも作って立てこもっていてくれ。二人を助けてくる」
胸に痛みを覚えすぐにでも逃げ出したい衝動に駆られるがそんな暇は今の俺にはない。
学校にあのテロリストの仲間はまだ2人いる。
そしてそいつらに連れてかれたティンジェルとフィーベルが。
さっきは人数の関係で割り込んだらクラスメイトに犠牲者が出たろうから何もできなかったが今なら各個撃破ができる。
変身もあと1回なら特に問題もない。
問題は俺がいない間に残った連中がクラスのみんなを人質にされる可能性なのだが……
「………ちゃんと助けてこい。それで手を打ってやる」
そう言って、いつも通りの調子で眼鏡をクィッと上げ、ギイブルは俺の願いをきいてくれた。
本心では怖がっているのかもしれないが、それでも表面はいつも通りにしてくれただけで俺は十分うれしかった。
「……ありがとう」
そう一言つぶやき、俺のことを怖がるクラスの皆に背を向けさらわれた二人を助けるためクラスから飛び出した。
―――*―――*―――
「はぁ……とりあえずどうにかしてバリケードを「ぎ、ギイブル」……なんだカッシュ」
システィーナとルミアの二人を助けるため教室を出ていった友人を見送りどうやってバリケードを構築しようかと悩んでいたの僕にクラスメイトの中でも仲の悪いカッシュ=ウィンガーが珍しく話しかけてきた。
「あ、あのさ……ギイブルは知ってたのか?ユウセイのあれ……」
「……いや、今日初めて知った」
「な、ならなんでそんなに平然としてるんだ?」
……要領がつかめない。カッシュの奴はなぜこんなにも不思議な顔を……ああ、なるほど。
カッシュの要領のつかめない質問に疑問に思い周囲を見回すとクラスの全員が似たような表情でこちらを見つめていた。その様子はまるでおびえているようで同時に困惑していた。
その様子を見て僕はようやくわかった。
皆こう思っているわけだ。
―――あんなものを見てどうして平然としていられるのかと。
「……別に平然としているわけではないさ。これでも十分驚いてる……それだけか?」
あんな異能か魔術かよくわからない代物をユウセイが持っていたなんてな。
前々から変な行動をする友人とは思っていたが……まあ、今更そのうちのレパートリーが1つ増えただけだろうと納得している自分もいるわけだが。だが、カッシュが聞きたいのはそれだけではないはずだ。
なにせまだ納得したという表情になってない。
「……こ、怖くないのか?ゆ、ユウセイの奴あんな力を持っていて……そ、その「人殺しをして?」……ああ。だって、あいつ平然と……」
どこか言いにくそうにしているカッシュに僕はあえてその部分を言葉にする。
まあ、わからなくもない。と言うよりは当然の反応なんかもしれない。だが……
「怖くない……と言えば嘘になるがそこまで言うほどのことでもないと思うだけさ」
「な、なんでだ!?」
僕のことを心底理解できないという表情でカッシュを含めたみんなは見つめてくる。
まあ、確かによく知る隣人があんな力を隠し持っていて人殺しをすれば怖いし軽蔑するのが普通なのかもしれない。けれど……
「……別に隠し事の一つや二つ誰しも持っているものだろう。カッシュにはないのか?誰にも知られたくない秘密とかは」
「そ、それは……ある」
僕にも……まあ、ある。
だから、ユウセイがあんな力を隠すのはわからなくもない。
それにだ、
「あいつに人殺しをさせたのは僕たちだ。ならその僕たちが怖がるのは手を汚したアイツに対して失礼だろう」
「ど、どういうことですの!?私たちは何も「だからだ」……えっ?」
今まで聞きに達していたはずのウェンディ=ナーブレスが突然割り込んできた。
心外だと、僕の言っていることが理解できないというかのように。
「単純な話だ。あれだけの力があるなら敵を無力化にとどめることもできたはずだ。なのにあいつはそれをしようとはせず殺した。……あいつはこのあと浚われた二人を助けにいかにといけない。だが敵が生きていて教室に僕たちだけ残すと目が覚めた敵のせいで僕たちに被害が出かねない……だから僕たちの安全を守るためにはあいつは殺すしかなかったんだ」
そう、ユウセイは僕たちを守るためには敵を殺すしかなかった。半端な甘さで生き残らせれば死人が出かねなかった。だからユウセイは僕たちを守るためにその手を汚す決断をした。
クラスの誰もが息をのむ。恐怖や困惑で理解していなかったのだ……あの場で一番つらく覚悟ある決断したのは他でもないユウセイだったことを。
「……どちらかと言えば自分のふがいなさの方が憎い。少なくとも、もう少し力があればあいつにこんな決断させていなかっただろうからな」
「ギイブル……」
いつの間にか握りこぶしになっていた手から血が垂れる。それを労わるかのようにカッシュが話しかけてくるがその痛みよりも自分の弱さや友人にそんな決断させてしまった自分が情けない。
「……まあ、そう言うわけで僕は特にあいつの行動に何か言うつもりはないし今後の付き合いも変えようとは思ってない」
「お、俺!!」
そう結論付け僕はバリケードを作ろうと席から立ち上がりドアに向かおうとしたのだがそれをカッシュが大声をあげ遮ってきた。
「俺は最低だ!!あいつは俺達を守ろうとしたのに俺は……」
「……僕の妄言かもしれないぞ?」
「いや、多分あってる。……あいつ何だかんだ言って優しいから。だから俺、戻ってきたらお礼を言う!!……それで友人になる!!」
「……そうか」
先ほどまでの恐怖や困惑の感情はその顔から消えていてカッシュの顔には覚悟を決めた感情がはたから見ても出ていた。……カッシュもユウセイの奇妙な行動で助けられた一人だったな。……なんかやりすぎてどう接したらわからなかったと聞いていたが。
「……それに前助けてもらった時のお礼もちゃんと言いたい。もう逃げたりしない……付き合い方にアドバイスとかあるか?」
「……さあな、自分でみつけるんだな」
そう言って少しだけ笑みを作り眼鏡を上げる僕とカッシュのやり取りを見ていたセシル=クレイトンはカッシュの発言を聞いて何か決断したのか突然席を立ち上がる。
「ぼ、僕もユウセイに礼を言う!!!」
「わたくしも!!!」
「お、俺も!!」
カッシュに触発されてかクラスから次々とユウセイに礼を言う、友人になると発言して席から立つ人がで始める。
その顔には先ほどまであった恐怖や困惑などといった表情はない。
「……なら、まずはこの局面を乗り切らないとな。ここで誰か捕まったら全部無駄になる」
「「「「おう/うん!!!」」」」
そう言ってクラスの皆は次々と席から立ち上がり簡易的なものや魔術を持ちよってバリケードを構築する。
多分これでクラスは大丈夫だろう。
「……後は頼むぞユウセイ」
そう言って二人を助けるために必死に走っているだろう友人にエールを送り、バリケードを構築しようとしているクラスの皆の中に混じるため僕も席からたちあがったのだった。
―――*―――*―――
「はぁはぁ……何処だよ、たっく」
ギイブルに後を任せ教室から飛び出したもののどこに向かえばいいかなんてわからなかった俺はもう学校中を走り回っていた。どうして家の学院はこうも広いのだろう。
壁に手を当て息をととのえながらいっそのこと校庭の方を見るべきかと俺が考えた瞬間―――かなり巨大な爆発音が学院中に響いた。
「……行くしかないか」
他に手掛かりなんてない。
少なくとも敵の様子から見てすぐにティンジェルに何かするとは思えなかった。となると危険なのはフィーベルだ。そしてこんな爆発は普通起こるはずがないと考えると……まあ、フィーベルだろう。案外何か反撃でもしたのかもしれない……割と手が出るやつだし。
「音がした方向もそう遠くないしな」
向かうと決断した俺は先ほどの♠のマークとは違い、今度は古代文字を思わせるような絵柄が浮き出ているタロットカードを前に構える。
すると次の瞬間タロットカードは光り教室の時同様消失する。
消えたタロットカードの代わりにユウセイの腰には霊石アマダムを埋め込んだベルト、アークルが出現しておりその中心は赤く染まっている。
ユウセイは右手を前にだし構え、アークルの左腰の部分を左肘で、その上を右手で押し、叫ぶ。
「変身!!!」
そう言って走り出したユウセイの体は足から徐々に細胞が変わり生体鎧が形成されていく。
それを感じながらユウセイは爆発音がした方向へと向かったのだった。
―――*―――*―――
「たっく、ちょっとこれやばいな……」
学院の外で敵に襲われ学院に異常が発生していることを察したグレンはすぐさま学院に向かい、凌辱されそうだったシスティーナを敵を倒し助けたものの追い詰められていた。
愚者の世界という固有魔術によって魔術戦にはほぼ無敵なグレンだが、本人の魔力総量は少ない。
グレンの切り札であるイクスティンクション・レイはこの魔術を生み出したセリカに比べれば威力は弱いものの、十分な火力を誇る。だが、貴重な魔術触媒の
グレンは攻めりくるボーンゴーレムの軍勢を撃退するためにイクスティンクション・レイを使用しておりすでにマナ欠乏症になっていた。
すぐさま逃げようとしたグレンとシスティーナだったが敵はグレンたちの退路を断つかのように立ちふさがっていた。
「……まさか
敵の周りには浮いている剣が5つある。
それだけで嫌な気がしているがそれよりも聞き捨てならないことがあった。
「
「……3人です」
横にいるシスティーナに先ほど聞いたことを確認するがさっき理科室で言われたことと同じ返答が帰ってくる。
グレンが倒した敵は学院の外で1人、理科室で1人……厳密には一人は敵の手でだがどう考えても1人足りない。
つまりだ……
(俺たち以外にもこいつらと戦ってる奴がいるってことか……何者かわかんねえが助かるぜ)
生徒の実力をグレンは知っている為生徒の誰かとは思わなかった。
どうやって侵入したかもどうして敵対しているかもわからないがこの状況でこの情報はありがたい。
うまくいけば敵の敵は味方理論で協力できるかもしれないからだ。
「………さてと」
グレンはこの状況を潜り抜ける方法として思いついたのはシスティーナを敵から逃がし戻ってくるまで時間稼ぎをしての奇襲だった。システィーナがグレンの意図に気付く必要がある博打であるものの他に手はない。
そのためシスティーナをイクスティンクション・レイによって崩壊した壁から下へと突き落とそうとした瞬間敵の後ろから誰かが走る音が聞こえたのは。
「ウオォォ!!!!」
「ッ!?」
次の瞬間うなりをあげる声に敵が振り向いた瞬間、謎の乱入者は敵へ飛びかかり拳を振りかざす。
敵は浮遊している剣でその拳を防ぐものの、そのままではまずいと悟ったのか右へ剣ごと体をひねり謎の乱入者によっての攻撃をいなす。
それによってその謎の乱入者はグレンたちと敵の間に立つように着地した。
「……なるほど教室にいた仲間を殺ったのは貴様か。―――何者だ!!」
謎の乱入者―――下半身は黒、上半身は赤い鎧にクワガタのような角をもつ乱入者はその問いに静かに答えた。
「俺は―――仮面ライダーだ」
それはある世界で存在した古代より蘇ったリントの戦士―――仮面ライダークウガの姿だった。
良かったら感想や誤字脱字報告などお願いします。
それでは。