ソードアート・オンライン ~短剣使いの薬品売り~   作:斗穹 佳泉

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張り切って今日2ページ目です
やはり私は亀進行なので、さくさく進む方が珍しいです。
どうか飽きずに見てやってください。

ではではっ、どうぞ



私は薬品精製手

チリリリーン。

液体の入った丸底フラスコを象った紋を持つドアが開かれる。

そこはこの店の店主がせっせこ集めたお金でやっと手に入れ、つい先日開店した、アインクラッド唯一の、ポーション屋。

チャイムは、誰かが来店したことを店主に告げていた。

その音を聞いた店主は、読み込んでいたスキル説明ウィンドウを閉じ、開いた扉に向かって声をかける。

 

「はーい、いらっしゃい」

「やっほーミナ、どうなのよ商売の調子は?」

 

お客かと思ったけど、こんな風に話してくるのは彼女しかいない。

彼女の勧めで、私はこの店を始めた。

店は最近開店したばかりで、まだ情報屋にも載ってない。

そんななかでもお客がちらほらと訪れるのは、リズや、ミナと縁がある攻略組の人がいるからだ。

ちなみに、攻略組の中でも、このポーション屋を知っているのは、ごくごくわずか。

 

「まぁまずまずってとこかな。リズの方は?」

「私は、ほら、閃光様と黒の剣士様からがっぽりもらえるからさっ」

 

リズは笑いながら店を見渡す。

あたりにはポーションが武具屋のように並べてあり、店内は明るく、まるで私の店のよう……

 

「って、私の店の内装パクってない?」

「え、えっへへ~、気にしないっ。パクったんじゃなくて、リスペクトしたの!」

「それ、あんま変わらなくない?」

 

チリリリーン。

と、そこで救いのベルが。

 

「あ、お客さんだ。いらっしゃい」

 

リズを蒸留装置が置いてある奥の部屋へ押し込み、お客に笑顔を向ける。

 

「よぉミナっち、どうよ店の調子は?」

「あ、クラインさん、お久しぶりですね。おかげさまで良好ですっ」

 

やってきたのはギルド「風林火山」のリーダー、クラインさん。

この人との付き合いは、第二十八層でモンスターに囲まれていたところを、私も加勢してなんとか抜け出したところから始まっている。

ソロでポーションの材料を集めて回っている私を、何度かパーティに入れてくれたりと、とても優しい人だと思う。

 

「しっかし、ミナっちは白衣似合うよなぁ、もしかして医者とかの娘さんとか? あ、いや、わりぃ。あっちの世界のことを口に出すのはマナー違反だな」

「いえいえ、私は気にしませんよ? それより、今日はどのポーションを?」

「そうか、サンキューな。そうだな、そろそろリジェネポーションが切れてきたから、メンバーの分も買っとこうかなって思ってよ」

 

リジェネポーションとは、私が持つスキルでのみ作ることができるポーション。

効果は、バトルヒーリングと似たようなもので、秒間50ポイントHPを回復させ、持続時間は5分。合計15000ポイント回復させることができる。

モンスターが大量に狩れる場所では、これを飲めばほぼHPを気にせずに狩り続けることができるそうだ。(私の店に買いに来るプレイヤー曰く)

 

「いくついります?」

「んーそうだな、30個ほどかな」

「じゃあ75000コルになります」

「相変わらず高いなぁ」

 

笑いながらクラインは言う。

ポーション30個で75000コル。

1個あたり2500コル。

参考までに、今尚始まりの街で暮らしている人の1日の消費量、30コルくらい。

このポーション1個で、83日生きていけるという計算だ。

 

「これでもだいぶまけてる方ですよ? ほら」

 

とミナは店内に飾ってあるポーションの値札を見せる。

“リジェネポーション 

効果 バトルヒーリングと同様/飲めば秒間50ポイント回復する/持続時間5分/1個4500コル……値段は、原材料が迷宮内にあり、採取に命の危険があるため”

 

「うへぇ、えげつねぇ値段だな」

「私だって命惜しいですもん。なかなか大変なんですよ」

 

それを聞いて、クラインは、そうか、そうだよなぁと独り言を言いながら、ハッと思いついたような顔になって

 

「ミ、ミナさん、お、俺がミナさんをまm――」

「ねぇミナ、そろそろ終わった?」

 

ガチャ、と蒸留装置が置いてある奥の部屋の扉が開き、リズが顔を出す。

 

「あれ、クラインじゃん。あんた知り合いだったの?」

「お、おま、なんちゅうタイミングで……」

「もー、お客の接待中は出てきちゃダメっていってたじゃない。クラインさん、さっきなんて言おうとしたんですか? リズのせいで聞き逃しちゃって」

 

ミナがそういうと、クラインは、

 

「あ、い、いや、いいんだ。ポーション、サンキューな」

 

といってそそくさと帰ってしまった。

さっきなんて言おうとしたんだろう。

なにはともあれ、今日も収入たくさん入ったから、よしとしよう。

店のドアに掛けているオープン・クローズの看板をひっくり返し、クローズにする。

店の中をちょこちょこっと片付けていると、ふと過去の事を思い出す。

 

私がこの店(ポーション店)をやろうと思ったきっかけは、始まりの街で、あるスキルを入手したからだった。

 

スキル名は「薬品精製手」。

“ポーションクリエイター”と読むこのスキルは、その名の通りポーションを作成するスキルだ。

SAOがデスゲームとなってから、私は少しの間、始まりの街に閉じこもった。

 

そりゃそうでしょ?

今まで、普通にゲームをしてきた。

FPSやTPS、ホラーやアクション、アドベンチャーまで、たくさんのジャンルのゲームをしてきたけど、命をかける、なんてことはなかった。

死んでも、リスポーンは当たり前。

とあるゲームでは、リス狩りすら当たり前だ。

とまぁ、それは置いといて、次勝つにはどうすればいいのか。それを考えるのが私の楽しみだった。

それが、私の日常だった。

 

突然日常が壊された。

私はただ怖くて、圏外にでるのすら怖くて、しかしすることも見つからず、ひたすら街を歩き回っていると、街の端っこに、寂れた道具屋を見つけた。

ドアを開けると、そこは割と大きな道具屋で、奥にはポーションを作る蒸留装置があるのがわかった。

 

小一時間ほど、ポーションが作られていく様を見ていると、道具屋の女主人に?マークが浮かび、

 

「あんた、ポーション作りに興味があるのかい?」

 

そこから先は、なにが私を動かしたのだろうか、さくさくとクエストをクリアし、蒸留装置と、白衣を報酬としてその女主人からもらった。

 

それから……

 

 

「で、これからどうするの?」

「ふぇ? なにかあるの?」

 

そこで黙々と片づけを見ていたリズに、現在に引き戻される。

 

「これから、私のフレンド主催のパーティーをするんだってば。来る?」

「え、う~ん……」

「あんた今日はこれからもう予定ないのよね?」

「え、まぁ、そうだけど」

「じゃあ問題なしね。私がレストランまで案内するから、ついてきて」

 

半ば強引に、パーティに参加することなった。

私、そのリズのフレンドがどんな人なのかまったく知らないんだけど……。

 

 

場所は最前線からはるか遠く、第二層。

人気のいない道を通り、案内されたレストランは……

 

「……あれ? 私、ここ知ってるよ?」

「え? ほんとに?」

「うん、第二層に着いてから割とすぐに来たよ」

「んー、じゃああいつがここ選んだのってなにか意味があるのかな?」

 

あいつ、とは誰のことだろう。

しかし聞く間はなく、リズは扉を開け入って行ってしまう。

 

「お、やっときたか、リズ」

「もお、遅いよリズったら」

「少しは遅れてる自覚を持って欲しいナ」

「うっさいわねえ、ちゃんと連れて来たでしょ。ほら、ミナも早く」

 

円形のテーブルに着いているのは、三人。

その三人は、まだ最前線が二層だったころ、私が命を助けてもらった三人だった。

 




作れるポーションについては、後々書いていこうと思っています。
この通り亀な上文字数も少ないですが、続けられるよう頑張りますっ。

感想等々、もしあればうれしいです。

ではではっ、また次回
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