勇者ゆいちの冒険   作:やさかたくみ

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天然ボケ?

 とりあえず、ドラゴンの背に乗っているのだから、そこら辺のへろへろモンスターに遭遇するはずもない。恐れをなして逃げているのだ。

 

 オレの勝ち(下衆顔)

 

 このままラダトーム城へ一直線だ!

 

ローラ姫「あの…、本当にこのまま城に乗り込む気ですか?」

ゆいち「いけませんか?」

 

 姫に嫌われては後々困る。

 

ローラ姫「いえ、面白いかなって」

 

 ……………。

 

 微妙な心境だ。オレは純真無垢な姫を想像していたのだ。ま、ある意味純真無垢かもしれんな。天然ボケってのも好きだし。

 

 どんどん突き進む。やっとのことで城が見えてきた。さすがドラゴン。移動速度が速いこと速いこと。でも、ルーラの方がもっと速い。

 

 案の定、城が騒がしい。そりゃそーか、ドラゴンに乗ってきたのだから。

 

ローラ姫「お父さまー」

王「おお、ローラよ」

 

 驚いてるだろーなぁ。

 

王「楽しそうではないか」

 

 ! いいんかそれで。この親にしてこの子ありってカンジだ。

 

 どうなってるんだよこの国は。トップがこれじゃ、すぐにでも傾くぞ。メルキドからもっと搾り取れよ。仕方ない。姫をゲットしたら、こんな国からさっさとトンズラだ。

 

 とりあえず、姫を王に一時預ける。ドラゴンは自らの手で処分。ごめんな、みんなが驚くから。

 

 姫から王女の愛をゲット。わっほう。もうすぐ生身ももらってあげますからね。

 

やっぱり…

 しくじった。ドラゴンを生かしておくべきだった。移動速度がダウンしてしまったではないか。くそぅ。

 

 さて、どうしたものか。

 

選択肢1 このまま歩いて移動する

選択肢2 元祖おおさそりで移動する

選択肢3 やっぱドラゴンが気に入った

選択肢4 がんばってゴーストの背に乗る

 

 他の選択肢はボツ。うーむ………。

 

 ピカ~ン、4に決定。脈絡なくったってい~じゃん。

 

 方針が決まったので、さっそく実行に移す。しかし、なかなかどうして。こんなレベルになってしまうとゴーストが逃げてしまって、手綱をセットできない。くぅ。

 

 追いかけて追いかけて。そのうちゴーストにすら出会わなくなってしまった。はたと周りを見渡してみる。

 

 どこだここ。

 

 え~っと、たしかラダトームからゴーストを追って…。

 

 ふっと目を上げると、メイジドラキーがいる。

 

 こいつしかいない…

 

 さっとメイジドラキーを捕まえる。そして、その背(?)に乗る。

 

ゆいち「さぁ、めざすは竜王の城」

 

 メイジドラキーが言葉を理解できるかどうかなんて関係ない。そう…楽しければいいのだ。ふはははは。

 

 言葉が通じたのかどうかはわからないが、とりあえずメイジドラキーは南下を始めた。このまま行くと、海に出るのだが、微妙に竜王の城からずれている。どうなるんだ?

 

 海の上を突き進んでいる。違うって! 方向が違う!

 

 どうやら浮く力はあるものの、風にながされて南東へと向かっている。

 

 しばらーく流されると、もう完全に陸の上にいる。埒があかない。

 

 降りたい…

 

 でも、どうやったら降りられるのだろうか。さっぱりである。でも早く降りないと、このまま流され続けて、全く別の世界へ行ってしまいそうだ。それだけはご勘弁を。オレはあくまでドラクエ1の住人なんだ。わかってんの? メイジドラキー。

 

 飛び降りるのはイヤ。だって痛いから。たぶん。

 

 気が付くと高度が落ちている。きっとメイジドラキーが疲れたに違いない。でもラッキー。非常に嬉しい限りである。どこで降りることができるんだろうか…山の頂とか海とかはイヤ。なんか眼下には山が迫っている。あの頂上にだけは降りるなよ、わかったな。

 

 小一時間後、ちいさなほこら付近で飛び降りた。まぁ飛び降りたと言っても1メートルくらいの高さからだから何のことはなかった。

 

 飛行機の代わりになったメイジドラキーはその辺に転がっている。どうしてやろうかな。

 

 役に立ってくれたのだし、エサでもあげて山に返してやろう。

 

 でも待てよ。何食うんだ? しかもここの山に返しても意味がない?

 

 とりあえず持っていた乾肉一欠片を与えた。食べた。あとは、自分で行動を起こすだろう。じゃぁな。

 

 オレはほこらへと歩む。

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