主人公の代わりにプラチナ世界を救うことになった 作:モナカアイス
という前回のあらすじ
アメル(ポッチャマ)、スミレ(ラルトス)、フウラ(フワンテ)、サクラ(チェリンボ)
細かく装飾が施されており、高級感のあるこの大きな扉をギギィ…という立て付けの悪そうな音とともに開け、少し怯えながらも小さく、お邪魔しますと今にも消え入りそうな声をかける。
が、洋館の雰囲気から見るに、明らか廃墟と化したこの大きな洋館では、当然中に人が居るわけもなく、大きな扉の開閉音がよりいっそう大きく掻き立てるだけであった…。
「…小説だと、こんな感じの描写が入りそうだわね…。」
「フワ~?」
「な、何でもないわ…。」
学校の図書館で、よく本を…特にミステリー系を読んでは犯人の正体に驚いていたわね、懐かしいわ。
…でも、今回はミステリー系ではなく、ホラー系の方ね。
…か、帰りたい…!!
うぅ…怖い。私、こういうのダメなのよね…怖くてお風呂とかトイレになかなか行けなくなるタイプなのよ…。
まだ夕方になる前ぐらいだから明るい方だけど…。ゲームよりものすっごく怖い雰囲気が漂ってるんだもの!こんなの誰が来ても怖いわよ!
でも…そんな事ではサクラを探すことは出来ないわ!私なら出来るわよ!と自分自身に強く言い聞かせ、洋館内に入ると自動で扉がバタンッ!と大きな音を立てて閉まる。
「ヒィッ!…こ、こういうお約束みたいなの、忘れてたわ…。」
「フワワ~?」
「だ、大丈夫よフウラ。さあ、サクラを探しましょう。」
相変わらずノンビリとした感じで大丈夫かと尋ねてくるフウラに返事をしてから改めて洋館内を見渡してみた。
見たところ、洋館の構造は大体ゲームと一緒かしら。違うとしたら、左右の壁にはいくつかの扉が並んでいるぐらいかしらね。
ゲームでは、正面にある両開きの扉…おそらく食堂ね。それしか無かったけれど、流石に現実では他にも部屋があったというぐらいで、特に驚くことではないわ。
その両開きの扉の横に、2階へと続く階段があるわね。見たところ、2階の部屋も少し増えたぐらいで特に変わっていないみたいだし…そうね。
まずは…左側の部屋から行きましょうか。
確か何かのマンガで、迷ったときは左!みたいなのを聞いたことがあるわ!
うん、それで行きましょう!
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探すなら多い方がいいのと、少しは怖さが和らぐだろうと思ってアメルとスミレも出したけど…無理!
この洋館が怖すぎてもう早くココから出たいわ!
「うぅ…もう、帰りたい…。」
「ポチャ、ポーチャァ…!」
そうよね、そうよねアメル!ココ…ほんっと怖いわよね!
フウラはゴーストタイプだからいいとして、スミレよく平気でいられるわね!その精神が羨ましいわ!
私が強く抱きしめたからなのか、アメルも強く私を抱きしめ返してきた。身体も小さく震えて泣き出さないように必死に堪えているように見える。というか、私も泣きたいわ…。
とりあえずは1階の全部の部屋を見て回ったのだけれど、サクラの姿は無かった…けれど、ホコリで小物類の位置が変わっていることに気づいて、誰かが来ているのは見て分かったわ。
…こういうの、ミステリー小説とかであるわよね…。
だからサクラがココにいる可能性は充分にある、そして今のところ怪奇現象なども起こっていないけれど…それよりも怖すぎるのよ!この洋館!
何で人物画ばかりあるのかしら。変に視線を感じて捜索に集中できないじゃない!
それに、人形もあり過ぎよ!何なのあの数は!20体ぐらい居たわよ!不気味過ぎるわよ!
しかもフランス人形!何でよりによってフランス人形なのよ!日本人形も怖いけど…今にも動き出しそうで怖いわよ!
というか、何でフランス人形あるのよ!?何かの嫌がらせなの!?
別にあそこ子供部屋とかじゃ…え、趣味なの?しかも部屋的に男の人の…か、変わった趣味を持ってる人もいるのね…。
変なことに気づいてしまったからなのか、寒気を感じてアメルをより強く抱き締める。
アメルが若干、苦しそうにしているのを見て慌てて力を緩めたが、それでもアメルを手放すつもりはない。手放したら1人だと感じてしまいそうで、余計に怖くそれでいて心細く感じてしまう…。
…1人?あっ、そうか…。
「ラル、ラルラ?」
「!…だ、大丈夫…うん。大丈夫よ、スミレ。サクラを早く探し出さないとね。」
そうだったわ。今、サクラは1人でいるのよね…。1人で怖くて…泣いてるかもしれないのよね…。
「…改めて。サクラを探しに行きましょう。サクラが私たちを待っているわ。」
「っ!ポッ、ポチャアッ!」
「ラル、ラルルー。」
「フワァ〜。」
うんっ!そう決まったら、この調子で洋館を…あっ、そうだ!
そうよ、ココって森の洋館じゃない!
だとしたら、森の羊羹が…いえ、この場合はレシピかしら?あるかもしれないわね…!
食堂にはそれらしい物は無かったから…ゲームと同じく、2階にあるのかしら?
…ふふ。そう考えると、2階へ行くのも楽しくなってくるわね…!
「みんな、よく聞いて。今、思い出したんだけど。この洋館にはものすっごく美味しい羊羹があるのよ!サクラのついでに、それも見つけましょう!」
「ポーチャア?」
「甘くて冷んやりとした、美味しいお菓子よ。きっとみんなも気にいると思うわ。」
「ポチャアァ!ポチャ、ポチャポー!」
ふふ。アメルも大分と元気が出てきたみたいね。スミレたちも、やる気になってきたみたいだし…。
「それじゃあ。サクラ改め、羊羹のレシピも頑張って探しに行きまっ《ガタッ》しょおぉぉおおっ!?」
「ポチャアッ!?」
ちょっ…い、いきなりなによ!ビックリして思わず変な声出しちゃったじゃない!
今のは…に、2階から…かしら?今いる右側の部屋の真上から聞こえてきたわよね…。あっ、もしかしてサクラ…?
「…い、行きましょう。もしかしたらサクラかもしれないわ。」
「ポッ、ポチャァ…。」
アメルと一緒にスミレも抱きかかえ、フウラに側にいるように言ってから、部屋を出て階段を一段ずつ慎重に上がっていく…。
ちなみに、今もそうだけど。捜索中もサクラを呼びかける声をナシで捜索していた。
…こ、こういう時に声をあげると、その…ダメな気がする…のは私だけかしら?
確か…聞こえてきたのは2階へ上がって右側の部屋からだったはず、位置的に奥の方かしら…。
階段を上がって右側の回廊を進み、部屋の扉を開けようとすると…
「うおおぉぉぉ!オレのポケモンー!」
「キャアアアァァァッ!!?」
「うわぁっ!?」
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「えっ、レイカのポケモンも?じゃあ一緒に探そうぜ!」
「…えぇ。」
…最後の男子がコレか…。はぁ…まぁ、顔は悪くないけど。中身がダメね、子ども過ぎるわ。
なるほどね…何となく、エムリットとアグノムの仲が悪いわけが分かったわ。
どうやら話を聞く限り、バトルを積極的にやるタイプの人ね。
ジム巡りをしてない私にとっては、有難いことだわ。
「あぁ、そうそう。カイセイは…その、お宝は見つかったの?」
「いんや、まだだぜ。それに、モミさんが言うには、お宝は隠し部屋?みたいなところにあるって言ってたし。オレ、まだそれを見つけてねぇんだよ。」
「ゲームにはそのお宝とか無かったし、隠し部屋のようなものも無かったけど…裏設定とかかしら。」
何の話かと言うと。カイセイがココに来た理由は、トレジャーハンターであるモミさんに、この洋館にお宝があることを聞いたからのだと言う。
モミさんも1度来てみたのだが、そのような物は見当たらなかったらしい。また挑戦したいが、今は他の物に夢中なのだとか…。
それでその話を聞いたカイセイが、面白そうだと思って洋館内へ入り私同様、一階から順に探しているときに、住処を荒らされていると思ったゴーストタイプのポケモンたちが襲いかかってきたらしい。
相性の良いクロウ(ヤミカラス)で対処していたけれど、さっきの部屋でバトルしていた時に「さいみんじゅつ」を受けてしまい、寝てしまったとのこと。
それで下の階から何やら物音が聞こえ(おそらく私が捜索していた時の音)、目を覚ますとクロウが居なくなっていることに気づいて、慌てて扉を開けたところで私と鉢合わせたらしい。
…最悪のタイミングだったのね…。
まぁ、でも…私はこの洋館に入ってから1度もポケモンに会っていないから、カイセイがバトルをしてくれていたおかげで、バトルをせずに済んだのかもね。
そこ…だけ!は、感謝しておくわ。
「…それで。カイセイは1階と、2階はもう全部見たの?」
「いや、まだ2階の全部は見てねぇよ。まだ中央の扉は見てねぇんだ。」
「中央…確かゲームでは、その扉の先は廊下になって、いくつか部屋が並んでいたわね。」
やっぱり、中央の扉の先へ行かなくちゃいけないのね…。
もし、ゲームと同じ構造と仕様があるのなら、あの…あの部屋は…。
「ん?どうしたんだレイカ?顔が青いぞ?」
「っ!な、何でもないわよっ!さ、さっさとサクラとクロウを見つけて帰りましょう。早くポケセンに行って休みたいわ。」
「っ!そうだな。クロウがオレを待ってるかもしれねぇもんな!よぉし、絶対に見つけ出してやろうぜ!」
…ふぅ。な、何とか誤魔化せた…のかしら…。
と、とりあえずこのまま気づかれずに…
「それにしても、お前忙しいよなっ。」
「…え、忙しい?何の事…?」
「顔だよ。最初に驚いてちょっと涙が出てたり、次に何かホッとして、話してるときは呆れてたり、考え込んだかと思ったら急に顔を青ざめ始めたりして…ハハ、レイカっておもしれぇな!」
…み、見られてた!?しかも涙も見られてた!ていうか何コイツ、意外と鋭いわね。
…もしかして。私って感情が顔に出るタイプ?いやいや、そんなまさか…
「あっ、ほらっ!今も顔が…「あっ、あーもう、うっさいわねっ!とっとと次の部屋に行くわよ!」…お、おう?(急にどうしたんだ、コイツ。何に怒ってるんだ…?)」
---
その後、2人で中央の扉の先へ行き、廊下に出て左から順に見て回ることにした。
そして全ての部屋を見回ったが、サクラもクロウも居らず、ゴーストタイプのポケモンも姿を現すことはなかった。
「う〜ん…いねぇな。クロウたちも、他のポケモンも。」
「むしろ、これだけ静かだと逆に不気味ね…。」
全部の部屋をカイセイと私のポケモンと一緒に捜索してみたが、結局何も見つからなかった。
ゲーム内だとちょっとしたイベントがあるテレビのとこや女の子の幽霊が出る部屋なども特に注意深くして探していたけれど、そういったイベントもなく終わった。…良かった…。
でも、私たちのポケモンがココに居るのは確かだし、探さないといけないことに変わりないわ。
そう思ってカイセイに言うと、カイセイも同じように諦めていないらしく、もう一回、1階から順に捜索することにした。
ココは部屋の中だから部屋の電気のおかげで明るくて見やすいけれど。窓から外を見ると大分、暗くなってきてるわね…。
早く見つけなきゃ…とカイセイと一緒に部屋を出ようと扉に手をかける。
…が、その前に扉が一人でに開ききり、そこには暗闇にぼんやりと白い顔だけの者が、こちらを覗いているのが見えた。
驚きのあまり声が出ず、そこで私の意識は途切れ、気を失う事となった…。
も、文字数が4444文字だ…何この数字… …すごい!(怖さよりも感動が勝った(笑))
アスカが出てないので、サブタイトルはレイカちゃんのセリフからにしました。(いつかこうなるって思ってた)
クロウ(ヤミカラス)
…次回の更新については明日の活動報告で。