東京喰種 -二人の境界線-   作:のりちゃん

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第1話

-21区の路地裏-

 

「ひ、ひぃッ……!」

 

俺は走った。必死に、腕を大きく振って。

 

「オイオイ逃げてんじゃねェよォ!!」

 

後ろから迫り来るのはターゲットの喰種。俺が逃げられる訳が無い。無力な俺なんか… ────

 

 

俺は運動神経音痴で頭も悪く何も取得が無いただの三等捜査官。10区担当だけど、あまりにも役立たず過ぎて21区の手伝いに回されちまった。今は上司に着いてきて任務遂行中だ。後を付いているとふと、上司が振り向いた。

 

「俺はあっちを見てくる。お前は此処で待機だ。」

 

「了解です。」

 

そのまま俺は上司の命令に従いその場で待機していた。ところが…上司の姿が見えなくなった瞬間、その出来事は起きた。

 

「よォ、テメェは…神田智徳か?」

 

目の前に現れたのは資料で見た今回のターゲット"双頭黒戌"だった。俺はクインケを展開しては直ぐに相手に斬り掛かる…が肩を抉られたと同時にクインケも弾き飛ばされる。俺じゃ到底敵わない、と確信した俺は情けないが相手を後にして逃げた。

 

___

 

そして…今に至る。俺は逃げ続けていたが、もはや行き止まり。目の前には壁、後ろにはターゲット……逃げ道なんてなかった。

 

『××。本当にこの子なの?君の狙いは』

「あァ、コイツだ……ッたく、手間掛けさせんなよ。」

 

相手は一人の筈なのに、まるで誰かと会話している様に一人でぶつぶつと呟いている。俺は抵抗出来ずに相手に背を向け怯えるだけで精一杯だった。そんな俺に喰種が嘲笑っているかの様な声質でこう告げてくる。

 

「ハッ、無様で間抜けなノリト君…そんなテメェには俺様が力を貸してやるよ。良かッたなァ?俺様と同じ名前で…、殺されなくてよォ」

 

「…?それってどうい……ぅ」

 

相手の言っていることがさっぱり分からなかった。それに何故俺の名前を知っているのかも。痛みで思考もままならない俺は相手から鳩尾に強烈なワンパンをくらえば一瞬で意識を失ってしまった。

 

..........................................

 

ゴ-ン…ゴ-ン……

 

「…ン?」

 

俺様は鐘の音で目を覚ました。此処は教会、俺は此処に住んでるから俺の家でいいのか…まぁ、居眠りでもしちまったんだろう。

それにしても随分と昔の夢を見た…そういえば俺様が変わったのはあの時からだった。あの"俺様"と言ってた奴は一体……。

 

『おはようお兄ちゃん…随分とぐっすりでしたね。仕事続きで疲れが溜まってたの?』

 

考え込んでいた時にふふ、と微笑み乍声掛けてきたのは俺様の弟。歳は17歳、深紅のロングの髪を後ろに結んでる…ま、本当の兄弟じゃねぇんだけど。此奴は此処の神父であり俺様の同居人でもあるな。

 

「あァ、疲れてた。つか俺様どんくらい寝てた?」

 

『ええと、帰ってきて直ぐに倒れるように寝てたので…12時間くらいは寝ていたような』

 

俺様がいつも寝てる睡眠時間に二倍した時間帯を聞けば少し吃驚して慌てて時計を見てみた…ヤベェ、10時、遅刻じゃねぇか。

 

『…その、起こさなくてごめんなさい。お兄ちゃんにゆっくり休んでもらいたくて……遅刻ですが、ちゃんと連絡はしておきましたので。朝ご飯はちゃんと食べて行くんですよ?』

 

「あ―、へいへい。」

 

俺様はリビングに行き、朝食が並べられてあるテーブル席へと座り食事を済ませた。

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