メタルギアREXを出したいがためだけに書くIS小説 作:てつのはぐるま
メタルギアREXを書きたくて作りました!
若干重めの話かもしれませんがなんとかなるんで読んでいってくだされば嬉しいです!
-ダァン!
私の放った銃弾が男の顔をぶち抜いた。
脳漿をぶちまけながら後ろに倒れる男を見て思う。 人の命は儚いものだ、と。
いや、儚いというよりかは安いといった方が正しいのかもしれない。
10kgもないL字形の物と、親指ほどの大きさもない鉛の塊さえあれば奪えるのだから。
だから人間は、きっと死体が1番美しい。
人間の元から持つ物の中で安いのは命だけだ。
その後は、全部が高い。 目も、心臓も、性器も、全部が高く売れる。
肉の一片だって売れるし、食おうと思えば食える。
だから俺は人間が好きなんだ。 息をしていなくて、何も考えていなくて、心臓も動いてなくて、後は腐っていくような人間が好きだ。
その人たちは私に、何も言わずに物をくれる。 現金も、宝石も、体も。 何一つ文句を言わずに差し出してくれるんだ。
「ねえ、お前もそうなってくれるでしょ? 美人のおねーさん。」
だから、目の前にいるおねーさんが大好きだ。
これは一目惚れだ。
彼女はできるだけ数を少なく殺して、死体で遊ぼう。
楽しみだ。 柔らかいんだろうなぁ。 甘いんだろうなぁ。 苦いんだろうなぁ。 しょっぱいんだろうなぁ。
「うーん、美人って言われるのは悪くないけど、殺されるのも死体を弄ばれるのも私の趣味じゃないかな? もちろん弄ぶのも好きじゃないけどさ。」
「なんだぁ、つれないなぁ… 俺の初恋だったのに。」
「それは光栄だね。 束さん嬉しいな。 君みたいに可愛い男の子の初恋だなんて。」
「おねーさん、何いってるの? 俺は女の… あれ? 俺? 私? 男、女…? まあいいや、俺があなたを殺してからハッキリさせれば。」
「…思ってたより、酷い状態だね。」
「私は元気だぜ、おねーさん。 ああ、そうだった。 俺はかっこいい女の子だ。 私は俺は元気だよ?」
あれ… あれ? 私? 俺? 男女? 俺私? どっち、どっちだったっけ?
…まあ、いいか!
「いくよっ! お姉さん!」
彼女の、きっと美しい体に傷をつけないように、絞め殺そう!
縄を取り出して走る。
「おいで!」
おねーさんに飛びかかると拳を突き出してきたので足の裏で踏みつけて避け、くるりと後ろに一回転して着地する。
そのまま姿勢を下げ、おねーさんの目の前まで走る。
「あはっ!」
「なるほど、速いね。」
目の前に迫る爪先を左手で受け止めようとすると、きっちり掴んだのにも関わらずその勢いで吹き飛ばされてしまう。
「ありゃ? やるね、おねーさん。」
「そりゃそうさ、なんてったって束さんは細胞単位でオーバースペックだ! でも… もう、話してる余裕もないかな?」
「もっとお喋りしようぜ!?」
再びおねーさんに襲いかかろうとすると、なんだが眠くなって寝てしまった。
-♢-
「…あ、起きたね!」
「うーん? あ、おはようおねーさん。 俺は今どうなってるの?」
私の前でベッドに横たわり、拘束される少年は私の心を酷く痛めた。
彼は洗脳教育により、心の中での男女の境界線が… いや、肉体さえも中途半端な物に変えられている。
元は男だったんだろうけど、心の中では自分を女と思う部分がある。 体は、性器は退化してないけれど精巣はどうだか怪しい。
「…ごめん、ごめんね。 私のせいで…」
「何いってるんだ? おねーさんが悪いわけないじゃない! 私は男の人のせいでこうなったんだぜ?」
「いや、私の所為なんだ…」
正確には私の所為ではなく、私の作った物の所為だ。
…
私が宇宙を夢見て作り上げたそれは、現在は競技用の機械になってしまっている。
宇宙空間での活動を目的としたマルチフォーム・スーツ。 それは今、銃や剣を持たされ戦わされているのだ。
そしてそのISは女にしか扱うことができない。
これによって世界には女尊男卑の風潮が広まった。
そして一部の男達はISに乗れる男を作ることでその風潮を無くそうとした。
その中で作られたのが彼なのだ。
元は男だが、洗脳により自らを女と認識し、体のホルモンバランスを崩され、その体も女に変えられようとしていた。
そして彼は、精神が崩壊した。
女の自分と、男の自分と、そしてISに乗った時のための戦いの知識。
それらがスクランブルエッグのように混ざり合い、歪な形で纏まった。
そして彼は彼をそうした施設から逃げ出したのだ。
そしてその歪んだ思考のままに生きていた。
「私が、きっと君を直してみせるから。」
寝転んだまま首を傾げる彼の表情は無邪気なものだった。