【カゲロウデイズ】如月伸太郎の穏やかな日常【連載】 作:粋詩 幽
早速ですが、8/15に登録して8/15からカゲプロ小説連載開始なんて、どこのカゲプロ厨なんですかね・・・?
今年で18になりますが高校生の最後の夏なので、未完成だった作品を、プロットから見直して投稿しようと思ったのがきっかけです。
私は、前、マリーが大好きだったのですが、去年、4年間共に過ごしてきた友人を亡くし、カゲロウデイズを読み直して初めてシンタローが好きになりました。
ドッペルゲンガーみたいなものです。たぶん。
そんなシンタローの日常を書いてみたくて、妄想を膨らませ、ついに書き上げたのがこの作品です。
もし宜しければ楽しんで頂きたいのですが、何分経験不足も甚だしいので、お手柔らかにお願いいたします。
プロローグ
けたたましいサイレンの音で目を覚ました。心臓が一気に高鳴り、白い天井が目に映る。状況を全く理解できぬまま、脇にある机をなぎ倒し、ベッドから転げ落ちた。
「……ッ!」
右のすねを大きく打った。焼けるような痛みが一瞬遅れて脳に伝達される。
痛みと爆音への恐怖で涙目になりながら、雪崩(なだれ)落ちた布団をたぐり寄せ体に巻き付けると、サイレンが止まった。
***
8月15日。真夏日。少し前までは隕石衝突やらマヤ文明のなんやらで世界が消滅するだのしないだのと騒がしかった世間も、今や平和になっていた。
職業柄とは言ったものの、本来ののオレは十八歳のの普通の男子高校生である。しかし今は自主的自宅謹慎を行い、ネット界隈の住人と意見交換に勤しむ合間に自宅を守る警備員をしている。基本的な勤務内容としては、知識0から初めた同人音楽制作の傍ら某動画サイトの新着動画に愛ある批判コメントを日夜投下し続けるというもので、この職についてからもう二年になる。ちなみに作品はまだない。
だがしかし今日は珍しくやる気に満ちていた!
PCデスクにどっかりと座り込み、今朝母に供給されたサンドウィッチを頬張りつつ打ち込みソフトを睨みつける。目指すは某動画サイトランキング一位、着うた&カラオケ配信、メジャーアルバム……!
とどのつまりはちやほやされたいのである。
日頃はその高い志も虚しく、ものの数十分で朽ち果てて批判コメント職人として邁進するのがデフォルトになっていたが、このサンドウィッチには母の愛以外にも特殊な成分が入っていたのだろうか、まるで神が降臨したかのようにフレーズが溢れ出してくる。
「これは……売れるッ!!」
そう口に出しつつポチポチと打ち込み作業を続ける。ありえないほど順調な作曲作業に内心恐怖すら抱く。
その時、足に毛の感触が触った。下を見るとそこには物欲しそうな顔をした殿(ウサギ)がこちらを見つめていた……
「殿、今ご飯の時間にするからな」
殿の朝食の準備をしようと席を立った時だった。肘に嫌な感触が当たった。
──キーボードとマウスに炭酸飲料が注がれていた。
悲鳴を上げた。嫌な汗が額を流れ、慌ててティッシュをキーボードに叩きつける。
染み込んでいく糖液に最悪の事態が頭をよぎる。
考えてはいけない。今はこの命を救うことだけに全身全霊を傾けるのだ!
拭き取りを終え、慌てて各キーを入力するが、反映されるのは「o,r,t」のキーのみ。
どうやら手遅れだったようだ。無念の涙が頬を伝う。
涙を吹きつつ止まった画面を見つめていたら、ふとチャイムの音が聞こえた。
静かにドアの先の玄関へと耳を澄ませた。声の主は……どうやらいつもの来客のようだ。
今はそんな状況下ではないが、玄関重い足取りでへ向かった
「……やっぱり榎本か、なんか用か?」
ゆるく制服の上にセーターを着て、暑そうに手で顔を扇ぐ、いかにも女子高校生な榎本貴音は不機嫌そうに突っ立っていた。
「はぁ?ナンカヨウカ、じゃないでしょ今日はDEADBULLET-1989-の全国大会があるから見に行こうって話だったでしょ!?駅前の公園集合ってメールも…」
完全に忘れていた。先日の夜、榎本と遙先輩とゲーセンに行った。各自練習成果を全国大会で発揮できるようミューティングを念入りに行い、完璧な作戦を立てていた。迂闊だった。
「そうだったな、と、とりあえず着替えて…」
「いいから行くよ!ほら急いで!」
日が振り返すような真夏日。揺らめくカゲロウはどことなく楽しげに揺れた。
プロローグはこんな感じです。
やはり、じんさんの文章を真似るのは下等の字書きには無理みたいです・・・・(´・ω・`)
つたない文章ですがめげずに頑張って完走したいです。
次回更新は来週になるかもしれません・・・!
ご感想、ご意見などお待ちしています。
【次回予告】
大事な用事を忘れ、貴音に引っ張られ向かった先は・・・?でシンタローは無事に全国大会に出場できるのか!
次回、「Long Midsummer Day」お楽しみに!