提督。それは異世界から来た高校生   作:屋守 竜

16 / 31
遅くなりました。次からはもう少し早く投稿したいです……


提督の知 演習1

普段は艦娘たちがワイワイと食事を楽しんでいるであろう食堂も、一度提督が座れば作戦会議の場へと早変わりする。演習の事を知らない艦娘達は、今回の集合の意味を当てようと考えていた。もちろん、最年少(見た目)の第六駆逐隊も例外では無い。

 

「 今回の集合って何の話があるのです?」

 

姉妹でも末っ子となる電が三人、暁、響、雷に尋ねる。四人は同時にこの鎮守府に着任したのだが、あの時と同じく暁を長女、響を次女、雷を三女、電を四女としている。性格的に見れば暁が長女というのはいささか不安があるのだが、四人では最もしっかりものの響が上手く立ち回っているのでなんだかんだ良くまとまっている。電の疑問にも三人がそれぞれの憶測を話すのは、性格の違う姉妹が故か。

 

「 きっと司令官は私たちと楽しく食事がしたい

のよ!私も一人前のレディとして頑張らなく

ちゃ!」

 

「 私もそう思う。まだここには司令官と話した

ことのない娘も多いみたいだからね。」

 

「 もしかしたら何か大きな作戦があるのかも

しれないわ!私たち第六駆逐隊の出番ね!」

 

「 何なのか分からないのです……

あっ!司令官さんが来たのです!!」

 

電の見たとおり入口から現われたのは提督だった。初めの着任の挨拶の時と同様にきっちりと軍服を着込み、帽子を浅くかぶっている。着任した時より帽子が浅いのは彼の艦娘達への親近感故だ。

 

「 総員、敬礼!……休め!」

 

ザッ!……ザッ!

大淀の号令に合わせて艦娘達が敬礼する。さすが艦艇の魂と言ったところか、動きが完璧に揃っている。それは提督が感動するくらい。

「 や、やぁみんな、今日は集まってくれて

ありがとう。わざわざ夕食の時間に呼び出して

すまない。実はみんなに大事な話があって、

その事についてみんなの意見を聴こうと思って

集まってもらったというわけだ。」

 

「 というのが一つで、もう一つはみんなで食事を

して仲を深めたいと思ったからなんだけど……」

 

「…………」

 

「……提督ゥ♪」

 

「 だそうだよ電」

 

提督の言葉に十人十色反応を見せる艦娘達を尻目に、提督は言葉を続けた。

 

「 実は三日後に佐世保の鎮守府と合同で演習をする

ことになっていたらしいんだ。俺が着任する前に

決まっていたことらしくてな……突然のことで悪い

んだが今から概要の説明と編成について話して

いきたいと思う。いいかな?

加賀さん、資料配ってもらえる?」

 

「 はい」

 

空母三人の先頭に並んでいた加賀は手に持っていた大きな封筒から大量の小冊子を取り出した。それをいくつかに分け、艦種ごとに並んだ艦娘達の先頭の娘に渡していく。全員に渡ったのを確認すると、提督は話を続けた。

 

「 はい、二ページを開いてくれ。ここにある通り、

今回の演習の目的は佐世保鎮守府の主導で行なわ

れる南西海域攻略のデモンストレーションだ。

その為に俺たち呉は深海棲艦側、あっちは艦娘側

という設定で演習を行う。こちらは中枢防衛と

補給線の防衛、あちらはどちらも破壊することが

勝利条件になってる。あっちは二艦隊で来るが、

こっちは三艦隊分まで艦娘を動員できる。詳しい

ことは書いてあるものを読んでくれ。ここまでで

何か質問はあるかな?」

 

「ちょっちええか?」

 

ぴょこんと手を挙げたのは、空母列の最後尾にいた小さな艦娘だった。狩衣のような上着にスカート、なんというかサンバイザーみたいなものを被った元気良さげな娘だ。

 

「 あぁ、許可する。ええと……」

 

「 空母の龍驤や。覚えといてな!それよか……」

 

「 何でこっちは三艦隊であっちは二艦隊なん?

不平等やん」

 

提督は、"なんか大阪弁っほいな"と思いながらも続けた。

 

「 それについて何だが……深海棲艦は泊地側だから

何隻出てくるかわからないから、とりあえず攻め手

より多くしているらしいのと……

一番は予算だってさ。三艦隊もつれてこれんって」

 

「 案外そっちのご都合なんやな……」

 

「 あとな龍驤。お前少し勘違いしてる点があるぞ」

 

多くの艦娘がはてなマークを浮かべるような顔をする。

 

「ん?どうゆうこっちゃキミィ?」

 

「 よーくその一文、読んでみてくれよ。ほんとに

そこに三艦隊と書いてあるか?」

 

艦娘達は一斉に冊子を開き、その文に目を通す。徐々に彼女たちの表情が驚きに変わっていく。

「 あっ!ホンマや!!!三艦隊分十八隻って

書いてあるわ!」

 

「 そうゆう所をしっかり把握しておかないと

作戦に支障が出ることもあると思うぞ。

今回はこれがネックになっているかもしれない」

 

艦娘達はお互いに顔を見合わせた。

 

「 提督……もしかして物凄いインテリだった

んでしょうか……」

 

「 司令官さん、すごい目の付け所なのです!」

 

提督は提督で艦娘からの賞賛を一身に受け満足そうだった。

 

「 まぁとにかく、少し作戦の方もかんがえてきた

から……加賀さん、海図、お願いします。」

 

加賀さんはいつものように端的にはい、と返事をして海図を広げた。




次回から演習が始まります。今まで見てきてくださった方、初見の方も本当にありがとうございます。感想ご要望がございましたら是非お願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。