対空砲火はわずかだが、練度の高い各艦は巧みに敵の攻撃を躱していた。しかし、敵艦載機の数は非常に多く、少しづつではあるが、手傷が増えていった。
「流石にこれは厳しいですね……榛名さん、
陽炎さん、不知火さん、大丈夫ですか?」
「はい!榛名は大丈夫です!」
「不知火も問題ありません」
「私も大丈夫よ!」
3人はこの作戦の要だ。相手がそれに気づいているかは分からないが、彼女達にあまり傷を負わせるわけにはいかない。彼女たちにはまだやることがあるのだから。
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四国沿岸を自然に紛れて進む艦娘たちがいた。
水雷戦隊である。敵偵察機に見つからないように、そして速く。夜には四国を抜ける敵艦隊に接敵しなければならない。彼女の率いる部隊は夜戦が得意で、彼女自身も闇に紛れて行動することには慣れていた。最も、隣の軽巡は夜になったら騒ぎ出す艦なので、目を離すとすぐにバレそうではあるが。
「とにかく偵察機に見つからないように!
ちゃんと着いてきてくださーいー!」
とは言うものの、駆逐艦たちはきちんとついてきてくれている。霞、雪風、響、暁。みな歴戦の艦たちだ。信頼してくれている娘たちと提督に応えられるようにと、彼女は拳を握りしめた。
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ヲ級の見立ては正確だった。中途半端な艦隊を囮として砲撃戦に備えた艦隊を主力に添える。その主力と思わしき艦隊を艦載機が発見したのだった。
「戦艦級2、重巡2、ソレ以下ガ2……アレハ空母カ?」
そのすぐ後、艦載機から交戦中の旨が報告され、わずかの後に通信は途絶えた。
「堕トサレタ……カ。護衛用ノ空母ダッタカ。主力デアロウ艦隊二空母ヲツケルアタリ、余程ノ保守派トミエル。」
彼女達の目的は他の海域の深海棲艦との合流及び自身の修理、再戦力化である。彼女には艦娘側の運用がこれを把握出来ていないものに感じられた。正直、戦艦2隻程度の襲撃では足止めにしかならない。こちらが敗れる道理がない。絶対的な自信があった。
西方海域への到達は時間の問題だ、そう確信した。
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「第一艦隊と第二艦隊はいずれも接敵、航空機による襲撃で、多少の損害がでたみたいだけど、乗り切ったみたいね。」
「そうか……何とか第一段階は突破したか……あとは直接の砲戦か……榛名と不知火、陽炎はどうだ?」
「みんな小破でとどまってるみたい。金剛さん達の砲撃戦の間には着けそうね。」
「ここまでは計画通りだ。だが、想定よりも敵の大型艦が多い。夜戦部隊には苦労させるかもしれない……各部隊に大破艦が出た場合は速やかに離脱し、必ず1隻の補助を着けるように伝えておいてくれ。必ずしもこちらの思うようには行かないだろうからな。」
「ええ、わかったわ。
……大丈夫。作戦は十分練られてる。練度だって悪くない。きっといい風が吹いてくれるわ。」
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「Oh、shit! 少し被弾してしまいマシタ。」
「大丈夫よ、心配ないわ。まだ小破よ」
「青葉はぜんっぜん大丈夫です!」
「摩耶様は被弾ひとつしてないぜ!」
「なっかちゃんも、大丈夫!」
「ウチは若干被弾しとるけど……大丈夫、いってみよう!」
金剛達は作戦に気づいた深海棲艦の艦載機の襲撃を受けたが、龍驤の艦上戦闘機と摩耶の対空砲火によりこれを退けた。被弾こそあるものの、その戦力はほとんど落ちることなく深海棲艦へと向かっていった。その進撃もまた深海棲艦には読まれていたが、その後ろから高速で進撃して来る3隻には気づいてはいなかった。