「 私がこの鎮守府の新しい提督となったものだ。
これから君達を指揮することになる。
今は何も分からず、迷惑をかけることになると
思うが、よろしく頼む。」
鎮守府の真ん中にある、多目的運動場。
そこで俺は、この鎮守府にいる全ての艦娘の前で
挨拶をしていた。
きちんと艦種別に並んだ艦娘達は、数えて28名。
そのそれぞれが違う表情をする。
不安そうなもの、目を輝かせるもの、
緊張でガチガチになっているもの。
実に様々。そんな中、大淀さんの声が響く。
「 これより、艦娘から提督への質問時間と
なります。あるものは挙手を」
ザザッッッッ!
俺の予想に反して、多くの手が上がった。
「 それでは……雪風さん!」
「 はいっ!」
雪風、と呼ばれた艦娘はなんというか、
幼女だった。しかも、恐ろしくワンピースが短い。
しかも透けている。何がってそれは……あれがだ。
ただ、手を上げる様子はとても元気が良くて、
ついつい笑顔になってしまう。
「 しれぇは、これからどんなことを目標に
やって行こうと思っていますかあ?」
どんな事って言われてもなあ……
俺はここに来たばかりで何もわからないからなあ。
「 取り敢えずは深海棲艦から海を取り返すことを
最優先で行動しようと思う。皆も大変だと思うが
よろしく頼む。」
………………
「 司令、それは作戦時、艦娘の轟沈阻止よりも
作戦の遂行を優先するということですか 」
「 不知火、質問の許可を与えていませんが…」
口を開いた不知火という艦娘は、優等生って感じ
の子だった。目付きは鋭く、貫禄がある。
それはそれとして轟沈とはなんだ?大淀さんは司会
をしているから聞けないしな……
取り敢えず答えておこうか。
「 それは臨機応変だな。だが基本は人命尊重だ」
「 わかりました」
不知火の顔が若干笑顔になる。常にその表情で
いて欲しいな。怖いから。
心なしか他の艦娘達も表情が柔らかくなっている。
これで良かったようだ。
「 他に質問はありませんか?」
この後も絶えず質問は続いた。しかし初めの質問の
ように深刻な質問は無かったので気は楽だった。
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「 これで提督の今日のスケジュールは終了です。
執務は明日からですので休んで下さっても結構
ですし、艦娘と話して来ても構いませんよ。」
大淀さんはそう言ってニッコリ笑うと、寮の方へ
歩いていった。
「 あの……大淀さん」
「 はい?何でしょうか、提督?」
大淀さんは黒髪を揺らして向き直る。
「今日はありがとう。いつかまた、よろしく」
「 えっ、あっ、提督、頑張って下さいね」
「お、おう」
大淀さんの予想外の反応にこちらまでキョドって
しまう。笑いかけたら、耳まで真っ赤にしていた。
大人っぽい大淀さんも実は初心なのかもしれない。