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鎮守府内の廊下は、全面板張り。
そのため、靴の音がよく響く。
「 はわわっ、司令官さんなのです!」
「 これは声をかけるべきだね」
「 なんて声をかけようかしら」
「 私に任せてちょうだい!」
あまり天井が高くないからか、そこに居た駆逐艦
の子達の会話もよく響いた。
これは……俺から声をかけた方がいいかな?
と思った矢先。
「 司令官、こんにちは!少しお話しましょ!」
栗色の短い髪に八重歯、腕まくり。
そしてちっこい。元気。そんな子が走って来た。
生前はこんな子が妹に欲しいなと思って…ゴホン
それに続いて同じ位の子が3人ぴょこぴょこと。
「 司令官さん、ご機嫌ようです」
「 ご機嫌よう、司令官 」
「ご機嫌ようなのです。」
たしか、もらった資料にここに所属する艦娘の
一覧があった。その中で、たしか第六駆逐隊と
紹介されていた。電、雷、暁、響だったな。
「 こんにちは、どうしたんだ?」
「 新任の司令官だからね。どんな人なのか知って
おこうと思ってね」
そう言って口を開いたのは、ほかの3人と雰囲気が
違う、流れるような銀髪の少女だった。
そのクールな雰囲気が、その幼い容姿も相まって、
妖精のような美しさを醸し出している。
「 君が響……だよね。」
「 そうだよ。響だよ。その活躍ぶりから、
不死鳥の通り名もあるよ。」
「 ……響だけズルいわ。暁も司令官とお話
したい!」
こちらは黒髪のしゃんとした少女、暁。
記憶が正しけれは、同じ特型駆逐艦だったはず。
「 暁、だよね。宜しく。」
そう言ってかがんで目線を合わせる。
上から見下ろすのは良くないからな。
しかし
「 ええ、暁よ!でも、子供扱いしないで!
暁は立派なレディなんだから!」
!?
「 はわわっ!電もお話したいのです!」
電と名乗った少女 もとい幼女は、雷とよく似た
顔立ちだったが、大人しくて気弱そうだった。
それにしても、はわわって……可愛い。
「 雷も忘れないでよね!」
きゃいきゃい。幼稚園ですか?ここ。
「 まあまあ、1人ずつ頼むよ」
「 それじゃぁ私からいくよ。」
と響。
「 そんな!響ずるいわよ!」
「 雷ちゃんは少し黙るのです。」
電が雷の口を塞ぐ。意外に気が強いのか?
「 司令官はこの鎮守府をどうしていきたいと
思ってるんだい?あんまり挨拶の時触れなかった
だろう。個人的に聞いておきたかったんだ。」
俺は少し考える。アレ?どうしたいんだ?俺?
よく分からないままここに来たし、なあ。
「 まだあまり考えてないな。
逆にさ、君達はどうして欲しい?」
「 暁は消灯時間をもう少し遅くして欲しいわ!
レディだもの。夜更かし位するわ!」
うーん、確か消灯は 寮によって違ったよな……
駆逐艦だから確か……10時だったな……
改て暁を見る。ちょこん。
「 大人のレディにも、睡眠は大切だぞ。
睡眠は身長を伸ばすし、肌も綺麗にしてくれる」
「 そ、そうよね。暁早めに寝ることにするわ!」
何たるチョロさ……いや、素直さ……かわゆす。
「 他に無いか?」
「 司令官、いっぱい私を頼ってくれても
いいのよ!遠征の時は呼んでね!」
「あぁ、分かった。頼むよ」
「 はわわっ!司令官さん!」
「ん?どうした?」
「 いい鎮守府にしてくださいなのです!」
「もちろんだよ。君達も、頑張ってな!」
「「「「(`・ω・´)ゝ」」」」
4人が去ったあと、廊下には俺ひとりが残った。
俺のスクリーンには、彼女たちの敬礼が映って
いた。あんな小さい子達まで
戦っているのだ。
俺は廊下の天井を見つめた。俺に何が出来るのか。
艦娘とは何なのか。深海棲艦とは何なのか。
何をしてやれるのか。
この戦いを終わらせられるのか。
………………………………………………
いや、雷が言っていたな。
「 私を頼ってもいいのよ!」って。
そう、誰かを頼ってもいいのだ。
そうしてこの戦いを終わらせていけばいい。
いつの間にか陽は傾いてきて、窓から差し込む。
そして廊下を茜色に染め上げた。
そう言えば昔、家の近くに、夕陽の綺麗な場所が
あったっけ……ここから見る夕陽も、それに劣らず
綺麗だ。夕陽は常に明日を見ていて、俺たちを優しく
包み込んでくれる。
この日、俺はその夕陽に誓った。
必ず、皆守りきる、と。
皆が笑顔で、夕陽を見に行ける、その日まで。
夏休みが終わります……
こんな夕日を見る季節がやってきますね。
これからもご愛顧宜しく御願いします!