提督。それは異世界から来た高校生   作:屋守 竜

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真実と報道

夜になると、鎮守府内はやはり暗くなる。

 

いかに軍事施設と言えど、毎日夜間訓練を行う

 

わけではないようだ。

 

また、今日は夜戦訓練もないから、俺は鎮守府内

 

をぶらつくことにした。

 

流石に寮の近くをうろつくと、怪しいヤツとしか

 

映らないので却下。取り敢えず、酒保(コンビニ)

 

に行くとしようか。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

「 こんな所で司令官!買い物ですか?酒ですか?」

 

そう言ってカメラを構えたのは、重巡青葉。

 

加賀曰く、この鎮守府において、良くいえば

 

情報屋、悪くいえばおしゃべりパパラッチという

 

扱いらしい。ほら今もカメラを構えて……

 

「 おいおい、撮らないでくれよ。ただの買い物

 

じゃないか。」

 

「 何言ってるんですか!新任の提督の私生活は

 

あらゆる艦娘の注目の的。売れる情報を集める

 

のがマスメディアの使命です!」

 

「 俺ごときの情報で売れるならマスメディア

 

要らんのんじゃないか?」

 

青葉は、はぁ?という感じの顔をする。

 

そんなに変なこと言ったか?

 

「 そんなご謙遜を……それより司令官!

 

ちょっと取材良いですか?」

 

ええ?俺飲み物とつまみ買いに来ただけなんだけど…

 

「 まぁいいか……」

 

すぐ買えるし。

 

「 ありがとうございます!司令官!

 

じゃあ質問です!

 

司令官の女性の好みは?」

 

「 そんな真面目な顔して聞くことがそれか!」

 

「 いや大事な事ですよ!この鎮守府の士気に

 

関わることです!」

 

「 そうなのか……?っていやいや、訳分からん。

 

まぁ答えるだけなら……」

 

「 ありがとうございます!それでそれで!

 

肝心の司令官の好みは?」

 

青葉……目がキラキラしてるよ……

 

「 んー、まぁ元気が良くて、健康的な子かな?

 

と言っても確たる好みは無いけど……

 

冷静で落ち着いた子もいいと思う。」

 

「 なる程……可愛ければいい好色漢ってことです

 

ね!青葉新聞に脚色した上で書いておきます!」

 

そう言って駆け出そうとする青葉。その襟首を

 

無言で掴み、引き寄せる。そして酒保の壁へと

 

追い込んだ。壁と俺で青葉を挟む形になる。

 

これ、ヤバくないか?明らかにやりすぎた。

 

当の青葉は、その壁ドンじみたシチュに顔を

 

真っ赤に染めてこちらを睨んでいる。

 

「 司令官!ひどいじゃないですか!

 

こっちはちょっとからかっただけなのに……

 

こんな……」

 

青葉の目は潤んで、その声も手も少し震えている。

 

少し怖がらせてしまったか……こっちは上背もある

 

し、やりすぎたな。

 

「 ごめんごめん、ちょっと脅かしてやろうと

 

思っただけなんだ。けどやりすぎたな。

 

怖い思いをさせて、すまない。」

 

なおも青葉は潤んだ目でこちらを見ている。

 

こっちが悪者みたいじゃん。

 

「 でもな、ちゃんと真実を載せてくれよ。

 

頼んだぞ!」

 

俺はそう言って青葉を解放した。

 

「 こちらこそ……すみませんでした。

 

でも司令官、さっきのは少しドキッとしました!

 

お詫びに今度何か奢って下さい!」

 

俺は立ち去り際、手を挙げた。

 

「 あぁ、分かったよ。」

 

こうして何故か帰った俺は、酒保で何も買うこと

 

なくこの日を終えた。なんで帰ったんだろうな?

 

ほんと……

 




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