提督。それは異世界から来た高校生   作:屋守 竜

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陽炎型と提督と

ピチュピチュ ピチチチチチチー

 

俺はいつも通り小鳥のさえずりで目を覚ました。

 

「 ふあぁあぁあぁあぁー、よー寝た。

 

えっと今は……5時半か……少し早いが……

 

外に出て歩くかな」

 

提督室から出ると、いつも吹いていたあの風が

 

髪を揺らした。潮風だ。あちらにいた時は嫌い

 

だったのだが、こうしてここでこの風に吹かれて

 

いると、それも悪くないと思ってしまった。

 

提督室は執務室のすぐ隣にあり、階段を降りれば

 

すぐ外に出られる。そしてその

 

すぐ前には運動場がある。

 

俺はそこを歩くことにした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「 おい。まだ5時半だよな……」

 

運動場には既に10人近い艦娘がおり、自主トレを

 

していた。

 

声をかけようか。

 

「 やぁ、皆早いんだな!」

 

取り敢えず運動場の周りを走っていた艦娘に

 

声をかける。4人1組で走っていたその子達は

 

声をかけると走るのをやめ、こちらに来てくれた。

 

「 提督さんやないね!朝早いんじゃねえ」

 

懐かしい、いや、コッテコテ過ぎて新鮮な

 

広島弁で話しかけてきたのは、蒼い髪を美しく

 

纏めた豊かな胸をお持ちの娘だった。

 

「 えっと……君は……」

 

「ウチは浦風じゃ。提督、よろしゅうね!」

 

浦風がその大きな目でウインクする。

 

浦風ということは、この見た目で駆逐艦……

 

揃って幼かった第六駆逐隊の子とはエラい違いだな。

 

「 司令、どうした?朝が早いんだな。」

 

「 提督!おはよう!」

 

「司令官、おはようございます。意外に早起き

 

なんですね。」

 

一緒に走っていた3人も駆け寄ってくる。

 

これは凄い。何がすごいって……ご想像に

 

おまかせする。

 

「 あぁ、おはよう、皆。えっと、まだ全員の

 

顔と名前覚えてないから自己紹介をお願いできる

 

かな?」

 

よく考えてみれば、全員の顔と名前の載った

 

一覧は加賀さんから渡されている。

 

ただ、昨晩では読みきれなかったので、不明瞭

 

な所がどうしてもあるのだ。

 

それに、直接話をして信頼関係を築くことも

 

大切だしな。この機会に名前を覚えておこう。

 

「 磯風だ。よろしく頼む。」

 

なんというか、大人っぽい雰囲気で美しい黒髪の娘

 

が磯風。

 

「 谷風だよ!これからお世話になるね!」

 

この3人の中でいちばん元気が良さそうで、

 

少し子どもっぽい娘が谷風。

「 浜風です。よろしくお願いします」

 

そして、浦風と並ぶほど立派な胸をお持ちの銀髪

 

ショートカットの娘が浜風。うん、覚えた。

 

「 第六駆逐隊の子達と違って……君達は随分と

 

大きいんだな。あの娘達は小学生ぐらいだった

 

けど、君達は高校生ぐらいに見える。」

 

「 それは私達が最新の陽炎型だからだろう。

 

精錬された美しさと性能を保証する。」

 

と磯風が胸をはる。体勢のお陰でその豊かな

 

双丘が強調される。これを直視することは俺には

 

できなかった。

 

「 そうなのか……皆、期待しているよ!」

 

俺が少し視線を逸らしたことに気づいたのか、

谷風は俺の顔を覗き込みながら笑った。

 

「 谷風におまかせだよ!提督の期待に添えるよう

頑張るね!」

 

「 司令の期待に必ず応えよう。」

 

「 司令官もデスクワーク、頑張って下さい」

 

「 ウチも応援しとるけんね!」

 

そう言って彼女らはまたランニングに

 

戻っていった。

 

谷風は少し子どもっぽいと思ったが、もしかしたら

 

いちばんあざといのかもしれない。

 

それが天然なら、とても可愛いんだがな……。

 

あの笑顔は、危険だ。




夏休みが終わったので投稿ペースが落ちます。
申し訳ございません。
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