剱崎は電話をかける
しばらくして電話が繋がる
『ンだよォ!良いとこでよォ!アァ!?』
「………終わりだ」
『……ツマンネェな』
「そうか。………恐らく今頃決着がつくころだ」
『ナンだと?』
「………とりあえずここに来てくれないか。場所は───」
◆
「決着がつくったどういうことだよ剱崎ィ」
一方通行がやってきて
「俺らがメンバーをボコボコにしてた間に何があった」
「なーに、たいしたことではないよ」
◆
剱崎が削板に遭遇する少し前
剱崎は電話をしていた
「おい」
『どうした?
「……
『もちろん』
◆
被験者である少女は逃げる
(何であいつがいるのよ!)
殺しても死なない化物から逃げるため
全力で駆ける少女に
「おっとその先は通行止めだよ、お嬢さん」
変態が声をかけた
◆
「エインヘリヤルに行かせただァ!?」
「ああ」
「勝てんのかあいつ?」
「被験者の女は一方通行の劣化。これは一方通行にも言えることだが」
「あ?」
「重力を操作できない」
「なめてンのか、できるっつーのそのくらい」
「
「………」
その言葉に黙る一方通行
その沈黙が事実であることを示していた
「操作された重力を反射した暁にはお前が空に墜ちることになる」
「へぇ、いいこと聞いた」
「メルヘンには重力操作は無理だろォ」
「やってみるかモヤシ!」
「上等だゴラァ!」
その光景に溜め息をつく斬
(久々に見たな……この光景)
「このっ!」
少女が蹴り飛ばした瓦礫が一斉に飛んでいく
「……!」
エインヘリヤルはそれをいとも簡単に地面に叩きつける
そして少女にかかる重力の向きをかえた
「がっ!?」
横に落ちたのだ
「下位互換とは聞いてたが、存外やるねぇ。ヤバい達しそうだ」
「気持ち悪いんだよ!」
少女は叩きつけられた壁に触れ、腕が壁に飲まれ
「……これは」
少女の重力は正常に、否、少女自信がベクトルの向きを変えているのだ
「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁァァァァァァァァァァAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」
建物そのものがエインヘリヤルに向かう
(これは自転h)
物凄い衝撃と轟音に反応する四人
「あの変態大丈夫なのか!?」
垣根が叫ぶが斬はそっけなく
「大丈夫だろ変態だからな」
「いやなんの理由にもなってないぞ?」
珍しく削板に突っ込まれた
そんな中一方通行はあることに気づいた
(んだァ?空気の流れがおかしくなってやがる)
その理由を知ってる斬は微笑をうかべ
(終わったな)
「はぁ……はぁ……どんなもんよ!」
土煙に向かって叫ぶ
少女は相手の死を確信していた
自分の演算能力がパンクするほど酷使したのだ
死んでもらわなくては困る
「いいねぇ……昂ってきた。もっとだ!」
土煙の中から人影が1つ
少女の顔色はみるからに悪くなる
「もっと、君のリビドーを見せてくれ!」
両手を掲げたエインヘリヤルの上には黒い球体
(あれは球?……違うあれは)
孔
「君に理解できるかい?このブラックホールを!!!」
エインヘリヤルは自転砲で飛んできた建物を全てブラックホールで飲み込んでしまったのだ
「さて、1つ質問だ。君は重力で
「?」
その刹那、少女の横を何かが通る
振り向けば抉られた地面
エインヘリヤルはニヤリと笑い
「終幕だ、アナゲンネーシス!!!」
重力の弾丸が一斉に飛んでいく
それは演算能力がパンクしている少女にとっては
脅威以外の何者でもなかった