切り裂きジャック(猫耳尻尾付)でダンジョンに行くのは間違いか?   作:ユーベル

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入団試験(1)(2)(3)を統合しました


原作開始の10年前とロキファミリア入団試験(模擬戦前)

どうも~、ジャックちゃんで~す。

いやぁ~、ダイダロス通りを火星まで吹っ飛ばした後にね、自分の身だしなみ確認してて気付いたんだけどさ、猫耳猫尻尾が生えてた。

何か何処かのコラ画思い出したぞ。

まあ、それはヘヤノスミスにでも置いといて。

あ、間違えた。

それは部屋の隅にでも置いといて。

ダイダロス通りを火星まで吹っ飛ばしてから4年間何してたかと言うと、オラリオ周辺のダンジョンの入口を魔法で埋めたりとか、犯罪者を殺して金目物を奪ったりしてた。

そしたらさあ、『切り裂き事件』だなんて騒がれちゃってさぁ。

いやぁ、参った参った。

まあ、そんな感じでその日暮らしをしていました。

食事?

フランカの料理とかが腰の多目的携帯袋型Will'Oドライブ兼量子格納装置の中に入ってたから問題無かった。

ルビークラブとか虹の実が出てきたときはびっくりしたけど。

で、リスト確認したらトリコの食材や料理まで入ってた。

ドユコト?

思考放棄して考えるの辞めたけど。

まあ、そんな感じで4年間生きてきたけど、そろそろ原作に関わろうと思ってね。

あ、そこ、今『もう原作に関わってんじゃん』って考えたろ?

確かに原作に関することに関わったよ?

オラリオ周辺のダンジョン入口封鎖とかさぁ。

でも違う。

わたしは登場人物(・・・・)に対しては、まったく(・・・・)と言っても良いほど干渉(・・)していない(・・・・・)の。

つまり、登場人物(・・・・)に対して、干渉(・・)するために(・・・・・)行動を開始するの。

んで、今何処に居るかと言うと、ロキファミリア(・・・・・・・)本拠(ホーム)『黄昏の館』に居ます。

何で此処に居るのかと言うと、これからロキファミリア新団員募集の試験が有るからです。

試験内容は戦闘か面接、若しくは両方でしょうけど。

素でチーターな転生者をなめないでね?

ロキファミリア諸君。

 

―フィン―

やあ、初めまして。

僕はフィン・ディムナ、ロキファミリアの団長を務めている。

レベルは5だ。

今日は新団員募集の試験を行うために本拠の修練場に居るわけだが、何人試験を突破して我ファミリアの新たな家族になるのか楽しみだ。

因みに、試験内容は僕との模擬戦闘と、僕とリヴェリアとガレスとロキによる4対1の面接だ。

まあ、僕との模擬戦を突破しなければ面接はしないんだけどね。

 

―第三者―

 

それは小さな、本当に小さな違和感だった。

その違和感に誰も気付く事は無く、試験は進んでいった。

その違和感が表面化したのは、たった一人の(・・・・・・)真っ黒なローブ(・・・・・・・)を纏った(・・・・)人物が(・・・)前に出たときだ(・・・・・・・)

その人物は背が小さく、真っ黒なローブを纏っているために性別も種族も分かりにくくなっていた。

唯一解るのは、腰の辺りが時折動くため獣人系だろうと言うことだけだった。

その姿を見て誰もが笑った。

『何処かのガキンチョが親に内緒で試験を受けに来た』と。

誰かが言った、「ガキは家に帰ってママのおっぱいでもくわえてな」と。

だが、フィンは違った。

黒ずくめの人物と対峙してからずっと、親指の疼きが(・・・・・・)止まらない(・・・・・)のだ。

いや、親指の疼きだけじゃない(・・・・・・・・・・・)第六感が(・・・・)全身が警告(・・・・・)を発していた(・・・・・・)

『まともにやり合えば負ける(・・・)』と。

試験開始の合図を出す前に、その人物は動いた。

試験者の居る方へ(・・・・・・・・)

そのまま試験会場から出ていくのかと思いきや、受験者の一人に近づいていった。

その場に居た全員が困惑した。

『何をする気なのか』と。

 

「犯罪者発見、駆除します」

 

それは年端もいかぬ少女の声であった。

さらに困惑するなか、その少女(・・)手馴れた様に(・・・・・・)犯罪者と断定した人の(・・・・・・・・・・)腰に挿してある剣を(・・・・・・・・・)左手で抜くと(・・・)いつの間にか(・・・・・・)右手に持っていた剣で(・・・・・・・)左肩から腹部にかけて斜めに切り下ろし(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)、左手に持った剣で喉を切り裂き(・・・・・・)顔面に突き刺した(・・・・・・・・)

しかも、右手に持った剣は振り切ったと(・・・・・・)同時に(・・・)粉々に砕け散った(・・・・・・・・)

それは奇しくも、『切り裂き事件』の被害者(・・・)である犯罪者達(・・・・)共通した(・・・・)殺され方(・・・・)であった。

その少女は何事も無かったかのようにフィンの前に戻り、何処から取り出したのか新しい剣を2本持って(・・・・・・・・・・)構えるのであった。

 

―ジャック―

 

あはは。

さすがにここまで殺れば気付くでしょ?

ロキファミリア団長、フィン・ディムナ殿。

 

―ロキ―

 

ヤッホー、ロキファミリアの主神ロキや。

いやぁ、今うちの新しい眷属(子ども)の募集をしとってな?

それで試験をしとるんやが…………何やあの子!

いきなり「犯罪者発見、駆除します」何て言って受験者の一人を切り殺しよった。

まさかとは思ったけんな、あの犯罪者のみを狙った『切り裂き事件』の実行犯かいな?

だとしたらこれはえらい掘り出し物やで。

まず声や。

ぎょうさん可愛らしい声やった。

あの声からしいてかなり幼い。

二桁届いとらんやろ。

声から想像するに、容姿もかなりの美少女と見た。

将来が楽しみやなあ。

次に何やが…………あの子、かなり(・・・)殺し慣れしとる。

いや、殺しだけやない、戦いそのものにも慣れとる。

あの大きな十字剣を構える姿だけでもよう解る。

武神でないうちが解るほどや、正面で対峙しとるフィンの方がビンビンに感じとるやろ。

恐らくあの十字剣は刃が潰されとる。

それでも油断できひん。

高確率で当たりやろうが、相手は『切り裂き事件』の実行犯。

闇派閥(イヴィルス)のレベル5を殺しとる。

同じレベル5のフィンでも倒されかねへん。

いや、確実に倒しに来るやろうな。

だけど、うちが言うことは只一つや。

 

「どっちも頑張りいや!」

 

―ガレス―

 

がはは、ワシはガレス・ランドロック。

ロキファミリアの幹部を務めとる。

しかし、受験者達の影に隠れるように居った黒いローブで全身をすっぽり覆った人物には全く気付かんかったわい。

いや、舞台に進み出てくるまで全く気付かんかった。

そやつが進み出た時、回りの受験者達が野次を飛ばしおったが、逆に受験者の一人を殺すという方法で黙らしおった。

それも、『切り裂き事件』の殺し方でのお。

一度、『切り裂き事件』で死んだ犯罪者を見たことがあったが、あの切り口は鮮やかな物じゃった。

あの時はどのような人物が殺ったのかよう解らんかったが、今ならよく解る。

あの者が殺ったのだと。

遠くて確認しずらいが、恐らく切り口は鮮やかな物じゃろう。

それに、何故現場に砕けた剣が落ちていたのか(・・・・・・・・・・・・)、ハッキリと解ったわい。

あれは、剣を振る速度が速く(・・)、剣その物が耐えきれずに壊れたためじゃった。

恐らくあの者は、どういう方法かは知らぬが、剣を大量に所持しとる。

現に、先ほどとは違う剣を両手に持っておる。

しかし、武人としての血が騒ぐのう。

フィンよ、今からでもいいから代わってくれんか?

 

―リヴェリア―

 

私は、リヴェリア・リヨス・アールヴ。

エルフの王族で、今はロキファミリアの幹部を務めている。

今日は新団員募集の試験があるのだが、とんでもないのが紛れ込んでいた。

最初は何も気付かなかったが、姿を現したと同時にその存在感が増した。

いや、それよりも恐るべきはその魔力量だ。

エルフである私は魔力に対して敏感だ。

だからこそ解る。

あの者の魔力量は人類の範疇を越えていると、化け物であると。

その魔力量は底が知れなかった。

例えるなら深い谷底を覗いているような感覚だ。

そんなヤツが居るとは思わなかった。

本当の意味で未知だった。

何が起きるのか解らない未知。

それが第一印象だった。

ところでガレス、その貧乏揺すりを止めろ。

 

―フィン―

 

今、僕の目の前に頭から足元まである真っ黒なローブを纏った少女が居る。

先ほど、受験者の一人を犯罪者と言って殺した彼女は、只静かに2振りの剣をこちらに向けている。

これはものすごい気迫だ。

レベル5であるこの僕が冷汗をかくほどだ。

後ろの方でガレスが戦いたくてウズウズしているのが解る。

とてもじゃないが、こんな化け物染みた人物を相手に加減は効かなさそうだ。

だったら、お望み通り戦わせてあげるよ、ガレス。

二人がかりで、ね。

そうと決まれば、

 

「ガレス!槍を2本持ってきてくれ!それと、キミの武器も!」

「おう!」

 

2対1でかからせてもらう!

 

―ジャック―

 

あー、マジですか。

フィン・ディムナとガレス・ランドロックの二人がかりですか。

これは骨が折れそうだ。

方や機動性重視の槍使い。

方や防御重視の斧使い。

タンクと遊撃の組み合わせはちとキツイ。

武器破壊を狙った方が良いですかね?

左腕以外で何処か、マジで骨折するかも…………。

 

―第三者―

 

試験会場は騒然となった。

何故ならば、勇者(ブレイバー)フィン・ディムナが武器と重傑(エルガルム)ガレス・ランドロックの参戦を所望したからだ。

勿論その準備の間、ジャック・メアリスケルターは暇をもてあそんでいた。

とはいっても、フードを取らず、相変わらず暑苦しい黒一色の姿でであるが。

一応いっておくと、季節は春の中頃なんですけどね。

暇になりすぎたのか、手に持っていた十字剣を地面に突き刺し、壁際に座り込み丸くなってしまった。

この体勢でフィンとガレスが来るまで待ち続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~10分後~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ようやく戻ってきたフィンとガレスをローブにくるまったまま(・・・・・・・・・・・)見たジャックの第一声は

 

「迷宮攻略用のガチ装備じゃん、ヤダー」

 

で、あった。

 

―ジャック―

 

あー、もう、マジでヤダー。

フィンとガレスのタッグとか勘弁してよ。

て言うか、何で二人して重装備なの?

 

「ははは。噂通りなら、君はかなりの手練れだ。そんな人物に対して、模擬戦用の軽装備(・・・・・・・・)では失礼だろう?」

 

ああ、そう言うこと(・・・・・・)か。

少なからず、わたしの今まで行動は噂になっていて、素性は解らずとも相当できる(・・・)と踏んで、最大級の礼儀として本気の装備を持ち出してきたと言う訳か。

試験とか勝敗の関係無しに全力で(・・・)戦いたいから。

でもさあ、だからと言って…………。

 

「迷宮攻略用のガチ装備で来ること無いじゃないですか。しかも、わざわざ予備兵装まで持ち出してるし」

「おや、解るのかい?」

「一目見ただけで」

 

フィンの主装備は、ゴブニュ・ファミリア製作の『フォルティア・スピア』。

小人族専用の槍で、エランの森で取れる超稀少素材で製作されている。

それを両手に2本持っている。

…………。

確かフィン・ディムナの元ネタはケルト神話だったはず。

わたしと対峙した時、しきりに親指(・・)を舐めていた。

詰り(・・)、親指が疼いて(・・・)いたと言うことだ。

親指が疼くのは危険が迫っているとき。

危険が迫っているときに親指が疼く英雄は、ケルト神話のフィン・マックール。

フィン・マックールの生来の名はディムナで、金髪で肌が美しいことからフィン(金色の髪)と称されるようになったとされている。

次にケルト神話で槍使いとなると、一番有名なのはケルト神話アルスター伝説のクー・フーリンだが、彼ら小人族の崇めていた架空の女神の名は『フィアナ』。

その騎士団の名こそ『フィアナ騎士団』。

そして、本人はオラリオの女性冒険者の間で1、2を争う人気を誇る。

女性に人気でケルト神話フィン物語群の『フィアナ騎士団』の槍使いと言えばディルムッド・ディオナ。

彼は2本の槍(赤長槍破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)と黄短槍必滅の黄薔薇(ゲイ・ボー))と2本の剣(大なる激情(モラルタ)小なる激情(ベガルタ))を持っていた。

そう言えば、フィン・マックールの剣マク・ア・ルインって槍と同一視されてたんだっけ?

まあ、いいや。

ともかく、以上の事から彼が槍を2本装備しても違和感は無いわけだ。

それにエランって、アイルランドの古い呼び名『エリン』をもじったヤツだし。

…………。

誰に説明してるんだわたしは。

はあ。

ガレスの主装備は、ヘファイストス・ファミリア所属の椿・コルブランド製作の『グランドアックス』。

もう、斧と言う名の斬撃兵装じゃなくて斧と言う名の打撃兵装なんじゃない?

と言うかメイスの方が似合ってると思う。

ついでに言うと、ガレスって『アーサー王伝説』の円卓の騎士であるガウェイン卿の末弟ガレス卿じゃなかったけ?

リヴェリアの元ネタは解らんけど。

まあ、長々としゃべったけど、小回りの利く槍使いとダメージディーラーでタンクの斧使い。

これ、どう攻略しろと?

はあ…………仕方ない。

本気…………出しますか。

能力も、道具も、武器も。

全てを使ってぶつかりますか!

 

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