こんなの常識外れだ!でもそれが「テイルズ学園」 作:シラハネ
ピオニー学園長の気まぐれによって決定した文化祭。今日はその当日。
1週間という準備期間にも関わらず、予定通り開催されている。
「まさか本当に1週間で出来ちまうなんてな」
「人間、頑張れば案外何でも出来るものだよ」
ルークの呟きにシンクが答える。
「そういえば、ロイドはどこなんだ?
いつもなら、こういうイベントの時は一緒に過ごすのに」
「ああ、ロイドなら初日はコレットと過ごすって言ってたよ」
「彼女と一緒にか……」
ロイドとコレットは、少し前から恋人関係にある。
彼女がいないルークは羨ましそうに言う。
「ティアには告白しないの?」
「ブッ!」
シンクの突然の問いに、ルークは飲み物を吹き出す。
因みに、ティアは2人の幼なじみで、同じテイルズ学園の1年生だ。
「な、何でこのタイミングでティアが出てくるんだよ?」
「何となくだよ。何でそんなに動揺してるのかな?」
「そ、それは……」
シンクはニヤニヤしながらルークと話す。
逆にルークは焦っており、顔も若干赤くなっている。
「好きなんだよね?ティアのこと」
「俺は別に……」
「好きなんでしょ?」
「…………」
2回目の質問にルークは小さく頷く。
「全く……。中等部の時から何一つ進歩してないんだね」
「話しているだけでも緊張するんだぜ。告白なんて……」
「自分の気持ちに正直になりなよ。悪い結果にはならないと思うよ?」
「俺、ティアが何組か知らないんだ」
「後で分かるよ」
シンクの話を聞いて、ルークは少し考え、そして決心したようだ。
目の色が変わった。
「俺、頑張って告白してみるよ」
「良い結果になるのを祈ってるよ」
「劇より緊張しそうだぜ」
「とりあえずお腹空いたから、昼食でも食べに4組に行こうか。
喫茶店をやってるみたいだし」
「もう1時だもんな。行くか」
さりげなく4組に行く提案をしたシンクは笑みを浮かべていた。
ティアが4組の生徒であることをシンクは知っているからだ。
上手く誘導したというわけだ。
しかし、ルークはそんなことは知らない。2人は4組に向かう。
「けっこう繁盛してるみたいだな」
「順番待ちがあるわけでもないんだし、さっさと入ろうか」
ルークを先頭に2人は教室に入る。すると……
「お帰りなさいませ……。ご主人様……」
「……ティア?」
そう、ティアがいかにも恥ずかしそうにメイド姿で挨拶をしてきたのだ。
それを見たルークは硬直する。
「ル、ルーク!?」
「駄目だよティア。もっと明るくやらないと」
「そんなこと言われても……」
驚いてるティアの元に、カノンノが現れ、注意をする。
「あれ?どうしてカノンノが?」
「楽しそうに見えたから、お手伝いを頼んでみたら喜んで了承してくれたんだ」
「そういうことか」
シンクは納得したようだ。そして半ば放心状態のティアに話し掛ける。
「ティア、僕たちはお客なんだから案内してよ」
「あっ……。ごめんなさい。こちらになります」
「ルーク、行くよ」
「…………おう」
ティアに案内され2人は席に着く。
そして、ティアはメニューの案内をして素早く立ち去って行った。
「ルーク、いい加減こっちの世界に戻って来なよ」
「……シンク、お前こうなること分かってたな?」
「ティアのクラスが分かってよかったね」
もちろんシンクは確信犯である。
「とりあえず、昼食を決めようか」
「……そうだな」
2人はそう言ってからメニューに目を通す。
そして、注文も決まり、ティアを呼び出す。
「ご注文は?」
「オムライスを2つ頼むよ」
「畏まりました。ご主人様」
ルークが注文を言って、ティアは料理を取りに行く。
そして数分後、再びティアが戻って来る。
「お待たせしました」
「ありがとう」
「久しぶりだな、ティア」
「そうね。中等部の卒業式以来かしら」
「高等部での初顔合わせが、そんな姿とは予想してなかったけどな」
「私だって予想してなかったわよ」
ルークもティアと話を始める。
「4組はメイド喫茶なのか?」
「違うわ。普通の喫茶店よ。その証拠にウェイターもいるわ」
「じゃあ何でそんな格好なんだ?」
「担任の発案のせいよ」
「4組の担任って誰だ?」
「レイヴン先生よ」
「……なるほどな」
ティアの返答を聞いたルークは少し呆れる。
レイヴン先生はスケベ教師として有名なのだ。
「私の格好、変じゃないかしら……」
「に、似合ってると思うぜ?」
「あ、ありがとう……」
平然としているが、実は2人とも緊張している。しかし、中々良い雰囲気だ。
「あのさ、俺たちのクラス演劇をするんだ。もしよかったら見に来てくれないか?」
「何時から行うの?」
「3時からだ」
「それなら大丈夫よ。見に行くわ」
約束を取り決めた直後、コレットがティアを呼んだため、ティアは仕事に戻って行った。
「頑張ったね、ルーク。僕はこの場にいるのが若干辛かったけど」
「それは……悪かった」
「まあいいよ。演劇、頑張らないとね」
「そうだな」
昼食も取り終わり、2人は会計に向かう。
「ティア、2人分で400円ね」
「ありがとうございました。ご主人様」
「開き直っちゃったみたいだね」
「ええ。仕事と割り切って頑張るわ」
会計も終わり、2人が教室を出ようとすると、ヴァン先生が現れる。
「ティア、様子を見に来たぞ」
「お帰りくださいませ。ご主人様」
『(ええっ……!?)』
ティアから黒い台詞が聞こえたが、2人は気のせいということにして教室を出て行った。
「2時か。集合は2時30分だから、まだ若干時間が余ってるな」
「それじゃ、適当に見て回ろうか」
2人は適当に歩いて時間を潰すことにしたようだ。
そして色々と回り、2時30分になったので体育館に向かう。
「来たな、2人とも」
「あれ、俺たちが最後か?」
「ああ。そして他の奴らはすでに準備が終わっている」
「悪い。それじゃ準備してくるよ」
「衣装は更衣室にいるロイドに預けてある。演劇、頑張れよ」
「あ、ああ」
アッシュのいつもより明らかに優しい態度に、ルークは若干引いていた。
が、大して気にせずロイドの元に向かう。
そして、ロイドの手前数十メートルという所でロイドが叫ぶ。
「ルーク、衣装だ!受け取れ!」
「投げんな!普通に渡せ!」
叫びも虚しく、衣装は投げられルークの頭にたどり着く。
「ロイド、別に手渡しでいいじゃねーか」
「一度でいいからやってみたかったんだよ。若気の至りってやつだ」
「ふぅ……。まあ、いいけどよ」
呆れながらルークは着替えだす。
「そういえば、今日のアッシュは機嫌が良いよな」
「ナタリアとデート出来たからじゃないのか?」
「ロイドもコレットとデート出来て機嫌良さそうだな」
「楽しんできたぜ」
ルークはアッシュの機嫌の良さの理由に納得したようだ。
ロイドも同じ理由で機嫌は良さそうだ。
話を聞きながら、ルークは着替え終える。
「よし、行こうぜ」
「ああ」
2人は舞台袖に移動する。既に全員が揃っている。
そして開演5分前。一同は円陣を組む。そしてルークが話し出す。
「たった1週間だけど頑張ったんだ。最高の舞台にしようぜ!」
『おう!』
いよいよ演劇開始だ。
なお、ここから演劇終了まで地の文は、ナレーターであるシンクの台詞になります。
また、『(……)』は観客のツッコミです。
昔々、ある所にお爺さんとお婆さんがいました。
お爺さんは山に狩りへ、お婆さんは川に洗濯に行っていました。しかし……。
「おいアーチェ!何でいつも洗濯した後のほうが汚れてるんだよ!?」
「知らないわよ!川が汚いんじゃないの!」
「そんなわけないだろ!だいたい、洗濯しただけで何で洗濯物がボロボロになるんだよ!」
「汚れを落とすために光属性の魔術を使うからよ。今日は、レイを使ったわ」
『(そりゃあボロボロになるわな……)』
お婆さんの洗濯の出来の悪さに、お爺さんは言いました。
「役割交代だ。オレが洗濯をやる。お前は狩りに行け」
「か弱い乙女に、狩りや竹を切ったりさせるわけ?」
「か弱い乙女?そんなのどこにいんだよ」
「メテオスウォーム!」
「てめぇ……!疾風!」
なぜか夫婦喧嘩が始まってしまいましたが、日常茶飯事なのでたいしたことありません。
『(過激すぎるだろ……)』
なお、これは2人の愛情表現です。よっ!2人とも熱いね。
「「後で絶対ぶっ飛ばす!」」
そんなこんなで役割は代わり、翌日からお爺さんが洗濯に行きました。
「全く、洗濯ぐらい出来てくれよ……」
文句を言いながらお爺さんが洗濯をしていると、川から大きな梨が流れて来ました。
『(桃は!?)』
しかし、お爺さんは梨が嫌いだったので無視しました。
『(えー……)』
「桃が食べてぇな……」
お爺さんが言った直後、願いが届いたのか、今度は大きな桃が流れてきました。
「おっ!今日はツイてるな」
運よく流れてきた大きな桃を、お爺さんは持って帰りました。
「帰ったぞー」
「何よ、その大きい桃」
「川で拾ったんだよ。運ぶの大変だったぜ」
「ふーん。で、洗濯物はどうしたの?」
「……いけね!川に置いてきちまった!」
「さっさと取ってきなさいよ」
お爺さんは慌てて川に戻りました。それにしても、マヌケなお爺さんですね。
「ナレーター!後で覚えとけよ!」
空に向かって突然叫びだしたお爺さん。さっさと家に戻りなよ。
「くっそ~……」
『(ナレーターの人、鬼だ……)』
家に戻ると、お婆さんはお腹を空かせているようでした。
「チェスター、晩御飯まだ?」
「今から準備するよ」
お爺さんは手早く夕飯を作りました。
そして、夕飯を食べ終えてから、2人は桃のことを思い出しました。
「この桃どうするよ」
「せっかくだし食べない?」
「そうするか」
話はすぐに纏まり、桃を食べることになりました。お婆さんが包丁を持ちます。
「大きいから切りづらそうね~。一気にいくわよ」
「は?おい、アーチェ!中には……」
「……それっ!」
お婆さんは勢いよく桃を両断しました。
「うおぉっ!?」
「あっ……」
「し、死ぬかと思った……」
「(危なかったなルーク。アーチェはお前のことを完全に忘れてたぞ……)」
何と、驚くことに桃の中から男の子が出てきました。
「お婆さん、俺を殺す気ですか?」
「中に人が入ってるなんて、普通は考えないわよ」
「う……」
男の子は何も言い返せませんでした。
「だいたいアンタ、何で桃に入ってたのよ」
「大人の都合です」
「生まれたばかりなのに、何で話せるのよ」
「……大人の都合です」
「子供にしては大きいわね」
「…………大人の都合です」
「アンタ子供でしょ」
「早く話を進めろよ!」
男の子はさすがに我慢の限界がきたようです。
すると、傍観者だったお爺さんが話し出します。
「とにかく、生まれてきたんだから名前を付けようぜ」
「それもそうね。……トンヌラなんてどう?」
『(まさかのドラ〇エ5!?)』
お爺さんのネーミングセンスにお爺さんは呆れます。
「何でだよ……。桃から生まれたんだから、桃太郎でいいだろ」
「仕方ないわね。それでいいわよ」
「よし、お前は今日から桃太郎だ」
男の子は、桃太郎と名付けられました。
桃太郎はお爺さんたちと一緒に暮らし始めました。
あるときはお婆さんと一緒に山に行きました。
「それじゃあ、今日は竹を切るのを手伝ってね」
「分かった」
桃太郎はお婆さんのお手伝いで竹を切りはじめました。
しばらく竹を切っていると、一本の光る竹を桃太郎は見つけました。
『(かぐや姫!?)』
「お婆さん、光る竹があるよ」
「何だっていいわよ。どんどん切っちゃって」
お婆さんの指示通り、桃太郎は光る竹を切りました。
すると、中には男の子が入っていました。
「ぶるぁぁぁぁ!!」
「はあぁぁ!?」
竹から叫びながら飛び出て来たなまはげに、桃太郎は絶叫しました。
「誰がぁ……なまはげだあぁぁ!!灼熱のバーンストライク!」
『(いや……どう見てもなまはげなんだけど……)』
「何やってんだ!バルバトス先生!シン……ナレーター、大丈夫か!」
ナレーターは難なく危険を回避しました。問題ありません。
術を放って少し落ち着いたなまはげは、桃太郎に尋ねました。
「おい貴様、俺は何をすればいいのだぁ!」
「いや、知りませんよ!それより、カイルはどうしたんですか!?」
「奴なら真剣勝負中だぁ」
「誰とですか?」
「己自身だ。腹痛はこの世で最強の敵だぁ!」
「トイレかよ!」
何をするべきか分からないなまはげは、自分の欲を満たすことに決めました。
「桃太郎と言ったな」
「一度も名乗ってないけど!?」
「英雄はどこにいる?」
「(ガン無視か……)知らねぇよ」
「ならば、auはどこだぁ」
「携帯ショップにでも行けよ。au以外もいるぞ」
『(さりげなく舞台から降ろそうとしてるよ)』
桃太郎の助言通りに、なまはげは携帯ショップに向かいました。
どっと疲れた桃太郎はお婆さんと帰ることにしました。
しかし、お婆さんの姿は見当たりません。
『(何でっ!?)』
「(おい待て!こんな展開、台本にはないぞ!?なまはげも予定外だったけどよ!)
仕方ない。とりあえず帰るか」
桃太郎は1人で家に帰りました。すると、お婆さんはすでに帰宅していました。
「あら、遅かったじゃない」
「いつの間に帰ったんだ!?」
「時計が3時になったら帰るって言ったじゃない」
「一言も聞いてねぇよ!
だいたい、何で時間が分かったんだよ。舞台から時計は見えない位置にあるのに」
「腕時計は乙女の必須アイテムよ」
『(……そうか?)』
お婆さんに振り回されることが多い山でのお手伝い。
次は、川に行った際のお爺さんへのお手伝いを見てみましょう。
「よし、洗濯を始めるか」
「はいよ」
2人は早速、洗濯を始めました。
すると、川から大きな穴子が流れてきました。
「お爺さん、穴子が流れて来たぞ」
「何言ってんだよ。穴子は海水魚だぞ。川にいるわけないだろ」
「やけに筋肉質な穴子だなぁ」
「……ほっとけ。さっさと洗濯を終わらせようぜ」
お爺さんはスルーしようとしましたが、そうはいきませんでした。
「ぶるぁぁぁぁ!!」
「またアンタかー!!」
桃太郎は絶叫しました。
「お爺さん、ぶっちゃけた話、これはアドリブですよね?」
「ああ、アドリブだ」
『(ぶっちゃけたよ!)』
「auは……どこだぁ!!」
「この川を下って行ったらあるぞ」
「感謝するぞぉ」
穴子は再び川に流されていきました。
「誰が……穴子だあぁぁ!!」
『(ツッコミ遅っ!)』
「急がないとauが逃げるぞ?」
「……今日の俺は紳士的だ。運がよかったなぁ」
今度こそ穴子は流れていきました。
そんなこんなで、桃太郎は幸せな日を過ごしていました。
それから数年後、都で鬼が暴れているという話を3人は聞きました。
正義感の強い桃太郎は、これを見過ごすことができませんでした。
「お爺さん、お婆さん、俺は鬼退治に行きます」
「「ん、いってらっしゃい」」
「ええっ!?少しは引き留めるとかしろよ!」
「いやだって、アンタがいなくなると食費は浮くし……。ねえ、お爺さん」
「ああ、洗濯物も減るんだ。正直言って楽になるからな。なあ、お婆さん」
「正直に言いすぎだろ!」
2人は桃太郎を快く送り出そうとしていました。
「アンタも立派に成長したし、もう独り立ちしてもいいかもしれないわよ?」
「まだ12歳だよ!」
「え?17歳じゃなかったっけ」
「リアルの年齢を出すな!」
「12歳でも単身で生活している子はいるのよ?」
「そうだぞ。家がない子はそうやって生活しているんだ」
「俺の家はここにあるよ!」
「居候が何言ってんのよ」
「お前ら俺に恨みでもあんの!?」
『(桃太郎の扱い酷っ!)』
桃太郎は半泣きになりながら出発しようとしました。
すると、お婆さんが引き留め、1つの袋を渡しました。
「これを持っていきなさい」
「……何、この強烈な臭いのする袋。中身は?」
「30年くらい放置しておいたきびだんごよ」
「いらねえよ!」
「武器になるかもしれないわよ?」
「本来は食品だぞ!?」
納得がいかない桃太郎の様子を見たお婆さんは、家に戻り別の袋を渡しました。
「昨日作ったきびだんごよ。これなら文句ないでしょ?」
「ありがとう。それじゃあ、行ってくるよ」
「気を付けて逝ってらっしゃい」
「絶対にそんなこと思ってないだろ!」
『(頑張れ、桃太郎)』
こうした桃太郎は旅立ちました。
しばらく歩いていると、1匹の犬がやってきました。
「ワン!ワンワン!」
「普通にしゃべれよ!」
「犬が話すって冷静に考えるとおかしいよな」
「今はいいよ!夢見ようよ!」
「人の夢は儚いぞ」
「やかましいわ!」
犬に怒る桃太郎。何とも奇妙な光景です。
その後、冷静になった桃太郎は、犬に旅のお供を頼みました。
「なあ、きびだんごやるから鬼退治に力を貸してくれないか?」
「いいぜ。仕方ないから力になってやるよ。感謝しろよな」
「(めっちゃ腹立つ……!)それじゃあ、約束のきびだんごな」
桃太郎はきびだんごを献上しようと袋を見ました。
しかし、すぐに袋を閉じました。
「(……何!?あの毒々しい色の物体!しかも意味不明の気泡が弾けてたし!
こんなん食ったら、命がどうなるか分かったもんじゃないぞ!?)」
「ん?どうしたんだよ。早くきびだんごをくれよ」
桃太郎は無言で袋の中身を見せました。それを見た犬は言いました。
「きびだんごはいいや。けど仲間にはなってやるよ」
『(何が入ってんだよ!?)』
「……悪いな」
「犬って呼ぶの何かと不便だろ?名前付けてくれよ」
「じゃあ、ロイドで」
「まあ、それが本名だしな」
「言わなくていいよ!」
犬に仲間になってもらった桃太郎は旅を再開しました。
すると、次は猿が駆け寄ってきました。
「桃太郎、きびだんごをよこせ。そしたら仲間になってやる」
「(めっちゃ生意気だ!まあいいや……)ほらよ」
「何だ、やけに素直だ……な」
「仲間になるのか?」
「きびだんごはいらねえが、仲間にはなってやる」
「悪いな」
「名前を付けやがれ」
「アッシュにする」
「ネーミングセンスないな。お前」
「ほっとけ!てか、自分の名前を自分で馬鹿にするなよ!」
こうして猿が仲間になりました。
旅を再開して歩いていると、次はキジが飛んできました。
「桃太郎さん。きびだんごはいらないから仲間にしてくださいな」
「ついにきびだんご拒否したよ!」
「あっ、名前はカイルね」
「仲間になる気満々だったよ、このキジ!」
「ならないと話が進まないじゃないか」
「そういうことは言うな!」
キジが強引に仲間になり、桃太郎たちは旅を続けました。そして数日後。
「ついに見えたな。鬼ヶ島」
「さくっとやっちまおうぜ」
「俺の足を引っ張るんじゃねえぞ」
「腕がなるな~」
『(キジのアンタは腕じゃなくて翼だろ……)』
一同は鬼ヶ島に上陸しました。しかし、そこにいたのは驚きの人物でした。
「ぶるぁぁぁぁ!!」
「何でアンタがいんだよー!!」
「川に流されていたらこの場所に漂着したのだぁ」
「マジかよ!?」
「……こいつは」
「ああ……」
「間違いないね」
「どうしたんだよ?」
「「「本物の鬼だ!!!」」」
「はあぁ!?」
桃太郎は叫びましたが、時すでに遅し。3匹の動物たちは一斉に攻撃を始めました。
「「「うおおぉぉ!!」」」
「貴様ら、待て!よく見ろ!ぬ、ぬわあぁぁ……!」
「バルバトス先生ぇー!」
「何だよ、騒々しいな」
「鬼の親玉だ!」
「一気に倒すぞ!」
「ロニ、逃げろー!」
「は?ちょっ!?お前ら、待てって!ぐわあぁぁ……!」
『(動物強っ!)』
3匹の動物たちはそのままの勢いで鬼を殲滅しました。
少しだけ鬼に同情した桃太郎は、きびだんごを置いていきました。
そして、そのきびだんごはなぜかその後爆発し、鬼ヶ島は跡形もなく消し飛びました。
『(きびだんごって名目の兵器じゃん!)』
こうして鬼を倒した桃太郎はお爺さんたちの元に帰ることにしました。
「ただいま!」
「……ちっ。お帰りなさい。怪我はしてない?」
「今の舌打ちは何だよ!?」
「よく帰って来たなー。嬉しいぞー」
「めっちゃ棒読みだけど!?」
『(桃太郎、歓迎されてねぇ……)』
その後、3人は幸せに暮らした……と信じましょう。
『(そこは言い切ろうよ!)』
「2人とも!俺、2人に拾われてよかったよ」
「それはよかったなー」
「アタシたちも幸せよー」
「(早く独り立ちしよう……)」
『(最後まで報われねえな……)』
おしまい。
ハチャメチャの劇も終わり、1年3組の教室。
「先生たちに聞いたけど演劇、大好評だったみたいだよ」
「お!やったな!」
「やったね!」
朗報に一同は喜ぶ。
「お疲れだったね、ルーク」
「誰のせいだと思ってるんだよ」
「バルバトス先生?」
「違えよ!」
呆れ気味のルークに、カノンノが話しかける。
「ルーク、お客さんだよ」
「ん、誰だ?」
「ティアだよ」
返答を聞いた瞬間、ルークは素早く移動する。
「ど、どうしたんだよ、ティア」
「少し話をしに来たの。今、いいかしら?」
「あ、ああ」
2人は教室から出て行く。その様子を見たマルタがシンクに言う。
「ティア、緊張してたね」
「ルークは気づいてなかったみたいだけどね」
「あの2人、どうなるかな?」
「なるようになるでしょ。両想いなんだし」
「やっとか~。じれったかったよね」
「近くで見てる側としては早く告白しろ!だよね」
「本当だよ」
どうやら、2人はとっくに思いに気づいていたようだ。
そして、鈍い人を除いた他のメンバーも気づいていたことは余談だ。
場所は変わり校舎裏。
「話って何だ?」
「演劇お疲れ様。頑張ってたわね」
「ハハ……。お客さんが受けてたらいいんだけど」
「大丈夫よ。皆満足そうだったわよ。私も楽しく見せてもらったわ」
「それならよかった」
話し終えると、2人の間に沈黙が流れる。
「(……今しかないな)なあ、ティア」
「えっ!?な、何?」
「……俺と付き合ってくれ!」
「(……告白!?ルークが私に!?)……私なんかでいいの?」
「ああ。俺はティアと付き合いたい」
「私も……ルークと……付き合いたい」
「本当か!?」
「ええ」
「ありがとう!これからよろしくな!」
「こちらこそお願いするわ」
そう言ってから、ティアは自分のクラスの後片付けがあると言い、戻って行った。
ルークも教室に戻る。
『おめでとう!ルーク!』
「情報早くね?」
「気にしない気にしない。告白、上手くいってよかったね。」
「ありがとな、カノンノ」
「応援するよ」
「シンクのおかげだな」
「僕はアドバイスをしただけさ」
「それでも、ありがとな」
文化祭、突然のことだったが何だかんだで大成功だった。
そして、この日はルークにとって色んな意味で忘れられない1日となった。
Δティア・グランツ
1年4組の生徒で、ルークやシンクの幼馴染。テイルズ学園の教師のヴァンの妹。
可愛いものが大好きで本人はそれを隠しているが、周囲にはバレバレ。
コレットや、その友達のマルタ、カノンノと仲が良い模様。
Δレイヴン
テイルズ学園の教師で国語を担当している。学園のスケベ教師として有名。
軽い性格だが、話はしっかりと聞く面倒見の良い先生。
Δバルバトス・ゲーティア
テイルズ学園の教師で、体育を担当。
性格は暴君そのもので、顔も凶悪だが何かとノリの良い先生。
ルーク「というわけで文化祭は終了だぜ」
マルタ「更新が遅れてごめんね」
ルーク「2週間で1話更新を作者は目標にはするらしいぞ」
マルタ「あくまで目安だから遅かったり早かったりするけど、そこは勘弁してね」
ルーク「でも、感想はちゃんとチェックするから、遠慮しないで送ってくれよな」
マルタ「それじゃあ、次回もよろしくね!」