こんなの常識外れだ!でもそれが「テイルズ学園」 作:シラハネ
文化祭も終わり、いつも通りの日常に戻ったテイルズ学園。
1年3組も、もちろん例外ではなく生徒同士が楽しそうに話している。
「それ本当か!?」
「はい。確かな情報です」
「あの喫茶店が、ルミナシア市に支店を出すって噂は本当だったんだね」
冒頭から驚いているのは、ルークとシンクの2名である。
「ありがとう、すず」
「いいえ。それはそうと、なぜ私が高校生をやっているのでしょうか?」
「真顔で冗談を言うキャラがほしいなぁ……って作者が考えていたからだよ。
年齢はこの作品ではほとんど無意味だからね」
「ご丁寧にどうも」
裏事情は気にしないでいただきたい。
2人に情報提供をしていたのは、藤林すずである。
「それにしても、嬉しい話だなぁ」
「その喫茶店、そんなに人気なの?」
「ああ。町内で一番人気の喫茶店なんだ」
「その喫茶店が何でルミナシア市に?」
「そろそろ店舗を増やすことが噂になっていたんだ。
まさか本当だったなんてなぁ……」
ジュードの質問にガイが丁寧に答える。
「ふん……。やはりアビス町の出身は浮かれているな」
「そう言うアッシュも何かそわそわしてない?」
「……うるさい」
カイルの指摘は図星のようだ。
「すず、いつ開店するかまで分かるか?」
「今週の平日中には開店です」
「今日は金曜日だから……今日じゃねえか!」
「その通りです」
すずが冷静に答える。早速、役割を果たしてくれて何よりである。
皆が話していると、教室の戸が開きジェイド先生が入って来る。
「皆さん、朝のHRを始めますよ」
そう言うと同時に皆席に着く。
それを見てからジェイド先生が話し出す。
「皆さん知っているかもしれませんが、学園の近くにに喫茶店が開かれました。
ぜひ利用してください。地図は放課後にお渡しします」
「開店時間はどうなってるんだ?」
「午前9時から午後10時です」
ロイドの問いに対するジェイド先生の答えを聞いて、ガイが疑問を持つ。
「外出届を出せば遅くまでいてもいいのか?」
「ええ。ですが、お店に迷惑のないようにして下さいね」
「もし迷惑をかけたら?」
「いやですね。分かっているでしょう?」
『(ああ、お仕置きか)』
ジェイド先生の不適な笑みを見て、クラス全員が察する。
「そうそう。シンクにアッシュ。
昼休みに職員室に来てほしいと、伝言を預かっていたので今伝えましたよ」
「「(雑だな……)」」
2人は心の中で呟く。
「連絡事項は……ああ、忘れてました。
ロイド、アッシュ、カイル、廊下にお客様が来ていますので逝ってきてください」
『字が違う!』
渋々と3人は廊かに出る。そこにいたのは、あの人物だった。
「ぶるあぁぁ!!」
『字合ってた!明らかに怒ってるよ!』
そう、バルバトス先生である。鬼の形相(元々)で3人を待っていたのだ。
「貴様らぁ……。文化祭ではよくもやってくれたなぁ!」
『すいませんでした!』
「今日の俺は紳士的だぁ……。ワールドデストロイヤー1発で勘弁してやるぞぉ!」
「1発で死ねるよ!ていうか校舎崩壊するよ!」
カイルのツッコミも虚しく、バルバトス先生は発射体勢に入る。
「カイル!これを使え」
「わ、分かった!……はっ!」
アッシュはオールディバイドを投げ渡す。カイルは不覚にもそれを使ってしまう。
カイルは使ってから思い出す。
バルバトス先生の前でアイテムは……。
「アイテムなぞ……使ってんじゃ……ねえぇぇ!!」
「ぎゃあぁぁ!!」
そう、死亡フラグである。斧は所持していなかったので、全力のアッパーがカイルを襲う。
アッシュが、オールディバイドを渡したのはせめてものの優しさであろうか。
「(済まねぇカイル。だが、元々はお前の腹痛が原因なんだ。
お前の腹痛がなかったらバルバトス先生が出演することはなかったんだ。
自業自得ということで納得してくれ)」
「絶対に納得しないよ!」
アッシュの心を読んだカイル。なぜ読めるかは追求してはいけない。
1人を殺ったバルバトス先生は去って行った。
「死んでないから!ちゃんと生きてるから!」
「お前、けっこう元気だな……」
「(俺、文化祭が終わって主人公に復帰したのに完全に空気だ……)」
ロイドよ。なに、気にすることはない。
朝から一騒動あったが、授業は予定通り行われ昼休み。
アッシュとシンクは職員室に向かう。
「ああ、来ましたね」
「遅いぞ、2人とも」
職員室に入って来た2人に、ジェイド先生と、金髪の女性が声を掛ける。
「あれ?僕たちに用事があるのって、リグレットのおばさん?」
ズギューン!
「危なっ!」
「ぐはっ!」
リグレットという女性が放ったゴム弾をシンクは避ける。
そのせいで、アッシュにゴム弾が直撃する。
「まだまだ甘いな、アッシュ」
「とばっちりじゃねえか!俺は何も言ってねえよ!」
「大丈夫?アッシュ」
「お前が原因なんだよ!」
騒ぐ元気があるので、たぶん大丈夫だろう。そう判断したリグレットは話を始める。
「早速だが、本題に入ろう」
「手短によろしく」
「分かった。……2人とも喫茶店を手伝え」
「「…………は?」」
まあ、至極当然の反応だろう。突然、喫茶店を手伝えと言われたのだから。
「もちろん毎日ではない。放課後の時間がある時だけでいい」
「何で僕たちが?お断りだよ」
「同じアビス町出身同士という情けはないのか?」
「情けは人の為ならず、だ」
「アッシュ、意味が違うから」
冷静にシンクが指摘する。
因みに、[情けは人の為ならず]というのは、
人に情けをかけておけば、後で自分に見返りがやってくる。というような意味だ。
「ふむ……アッシュ、ちょっと来てくれ」
「何を言っても手伝わないからな」
「そう言うな。これの中身を見てくれ」
リグレットはそう言ってアッシュに封筒を手渡す。
「ふん、何が入っていようが俺の意志は……」
「どうだ?」
「(馬鹿な……!なぜこいつがナタリアの浴衣や振袖の写真を持っている!?
彼氏の俺ですら写真を持つことはおろか、見たことがないんだぞ!)」
アッシュはすごく迷っている。写真も欲しいが、何よりもプライドがあるのだ。
「こんな物で俺の意志が揺らぐとでも思ってい……」
「手伝ってくれるならば、これを無料で提供しよう」
「よし、手伝おう」
「感謝するぞ。
言っておくが、この写真は本人の許可を得ているから盗撮などの心配はないぞ」
誘惑に負けたアッシュ。その様子を見ていたシンクが呆れる。
「意志弱いなぁ……」
「シンク、お前にはこれだ」
リグレットはそう言って、竜骨の仮面を出す。それを見て、シンクの態度が変わる。
「これって……」
「そう、仮面愛好家にとっては伝説にすら近い代物、ジューダースマスクだ」
「もう一度返答を聞こうか、シンク」
「仕方ない、手伝ってあげるよ」
「感謝するぞ」
シンクもアッシュと同じように物欲に負けてしまった。
リグレットは勝ち誇った表情だ。話が纏まり、2人は教室に戻った。
そして時間が経ち、放課後。
「ルーク、ガイ、喫茶店に行ってみないか?」
「ああ、いいぜ」
「シンクは誘わなくてよかったのか?」
「今日の放課後は用事があるって言ってた」
ロイドがルークの問いに答える。話が纏まり、3人は移動する。
そして、喫茶店前。
「オラクル?」
「喫茶店の名前さ」
ガイが答える。
見た目は、どこにでもありそうな普通の喫茶店だ。
「とりあえず入ろうぜ」
「そうだな」
ロイドが扉を開けると、2mはあり、体格の良い男が声を発する。
「いらっしゃいませ」
「失礼しました」
「「………は?」」
ロイドは威圧されたようで、扉を素早く閉める。その行動にルークとガイが呆れる。
「何やってんだ、ロイド」
「これは喫茶店じゃない」
「喫茶店だよ。失礼だな」
『シンク!?』
ロイドの文句に、シンクが店内から出て来て答える。
シンクがいることなど予想してないので、3人は驚く。
「何やってんだよ。こんな所で」
「バイトだよ。アッシュもいるよ」
「そんなことより!さっきの大男は何なんだよ!?」
「君も知ってる人だよ。無愛想だけど」
「無愛想は余計だ」
まだ落ち着かないロイドの問いに、シンクが余計なことを加えて答える。
すると、先程の大男が現れる。
「ロイド・アーヴィング。地理の特別授業でもしようか?」
「断る!!」
「ルーク、お前なぁ……」
「地理?」
「お前たちの地理を担当している、ラルゴだ」
「…………あ!」
どうやら、ロイドは大男のことを思い出したようだ。
「授業で毎回寝てるからな。分からんのも無理はない」
「その……すいません」
「今の俺は教師ではなくウェイターだ。特に何も言わん」
「話が纏まったならさっさと入って。後ろに迷惑だから」
ロイドとラルゴが話しているとシンクが声を掛ける。
振り向くと、けっこう列が出来てしまっている。
「2人とも入ろうぜ」
「お前のせいで入るに入れなかったんだけどな」
「ルーク、お前も若干ビビってただろう」
「言わなくていいって!」
話しながら3人は店内に入る。
中も外観同様に普通だ。
シンクが案内をして、3人は席に着く。
「注目が決まったら机のボタンを3連打して。銃弾が飛んで来るから」
「絶対にしねえよ!」
「冗談だよ。1回でいいよ。椅子が飛んで来るから」
「ボタン押したくないんだけど!?」
「じゃ、ゆっくりしてってね」
「出来るか!不安しかなくて落ち着かねえよ!」
ルークのツッコミも虚しく、シンクはその場を去る。
「とりあえず、何か頼もうぜ」
「そうだな。ガイ、お勧めは?」
「そうだなぁ……。コーヒーとサンドイッチでどうだ?」
「まあ、無難な組み合わせだな」
「じゃ、それにしようぜ」
ガイの提案が受け入れられ話が纏まった。後はボタンを押すだけだ。
『…………』
『ジャンケンポン!』
「げっ……」
「ルーク、よろしくな」
どうやら、ルークがボタンを押すようだ。
「それじゃあ……押すぞ?」
「……ああ」
ルークは恐る恐るボタンを押す。すると、人が椅子に乗って飛んで来る。
「本当に椅子が飛んで来たよ!?」
「ハーハッハ!さあ、注文を言いなさい!」
「何やってるんですか……。ディスト先生」
この椅子に乗ってやって来た人はディスト。
テイルズ学園の教師で、生物の担当である。
「見ての通り、ウェイターですよ」
「見ての通りだと、飛ぶ椅子に乗って喜んでいる危険な人なんですけど?」
「生物の評価を1にしますよ、ルーク?」
「中学からずっと1だから、痛くも痒くもないぜ」
「威張るな、ルーク」
脅迫のつもりだったディスト先生だったが、ルークには全く意味がなかったようだ。
「ディスト先生、注文を言ってもいいのか?」
「もちろんです。早く言いなさい」
「コーヒーとサンドイッチを3人分お願いします」
「分かりました。それでは失恋しますよ」
「どうぞご自由に」
「て言うか、アンタと付き合う物好きなんていないだろ」
自分なりにボケたディスト先生だったが、冷たく返される。
落ち込みながらディスト先生はカウンターに戻って行った。
「ディスト先生にラルゴ先生か。何で先生たちが働いてるんだよ」
「それはですね、学園長が推薦したからです」
「どこから現れたんだ……?すず」
ロイドの呟きに、突如すずが現れて説明する。その行動にガイが質問をする。
「数分前に店内に入りました。そしたらガイさんたちがいたので、入れてもらおうかと」
「構わないが……、何で話の内容が分かったんだ?」
「だって私一応忍者ですから」
最後の一言は何の説明にもなっていないが、気にしてはいけない。
「ま、まあいいや。それで、学園長が推薦したってどういうことだ?」
「職員室にいたアビス町出身の先生全員に声を掛けていました」
「何でアビス町なんだ?」
「喫茶店の本店がアビス町にあるからです」
本店の味をよく知る人物を推薦したということだろう。
「なるほどな」
「……待てよ?アビス町出身の先生全員……?」
「それでは、私はこれで失礼します」
そう言ってすずは素早く店から出て行く。
「どうした、ルーク。顔色が悪いぞ」
「ガイ、すずはアビス町出身の先生全員って言ったよな?」
「ああ。言ってたな」
「それがどうしたんだよ?」
「……まさか?」
ガイはルークの言いたいことに気が付いたようだ。
すると、長髪に眼鏡のよく知る人物が現れる。
「おや皆さん、早速来ましたね」
「「…………はぁ」」
「ルークにガイ、登場と同時にため息はさすがにどうかと思いますよ?」
ジェイド先生が出ると、ルークとガイが落ち込む。
「喫茶店がバイオレンスになるのかと思うと……」
「大丈夫ですよ。一般客にはちゃんと対応しますから」
『生徒は!?』
「気分ですね」
「同じように対応しろよ!」
さすがは陰険鬼畜教師である。
「冗談はさておき、コーヒーとサンドイッチです。どうぞ」
「……誰が料理したんですか?」
「リグレットですが?」
『よし、安心出来る』
ジェイド先生が作っていないと知り、3人は安心する。
「あとはこれを。コーヒーには必要かと」
「砂糖か。ありがとな」
ロイドはジェイド先生から受け取り、コーヒーに入れる。
そして早速飲む。が……
「がはっ!」
「「ロイド!?」」
「コーヒーが……しょっぱい」
「ジェイド先生、まさか……」
「ロイドに渡したのは塩ですが?」
ジェイド先生は謝る気など一切ないようだ。
「コーヒーに必要って言ったじゃないか!」
「言いましたが……砂糖とは言っていませんよ?」
ジェイド先生は悪びれる様子もなく答える。
「普通は砂糖だって思うだろ?」
「あらゆる危険を想定していれば、回避出来た事態です」
「喫茶店で危険なんてそうねえよ!」
ルークがそう言った矢先、何かが図上を掠める。
「…………は?」
「今のは、銃弾か」
「ガイ、冷静に言ってるけど、それってすげえ危険だぞ」
ロイドがツッコミを入れる。
すると、カウンターの方から怒声が聞こえてくる。
見ると、ジェイド先生を除いた店員が全員集められている。
「ディスト!何度言えば分かる!椅子で移動するのは止めろ!」
「分かりました!ですから、拳銃を収めてください!」
「む……悪かった」
「それでは私はこれで失礼します」
ディスト先生はそう言って移動する。しっかりと椅子に乗って。
「……あ」
「貴様!」
リグレットは再び拳銃でディストに撃つ。銃弾が店内を飛び交う。
「なあ2人とも。いつもこんな感じなのか?」
「「そんなわけあるか!」」
ルークとガイが同時にツッコミを入れる。
「先生、これって大丈夫なのか?」
「防弾ガラスですし、大丈夫でしょう」
「そういうことじゃない!」
ルークが突っ込む。
すると、先程からリグレットに撃たれている、ディスト先生が飛んで来る。
「ジェイド!助けてください!」
「いや、こっち来るなよ!」
「天雷槍!天雷槍!天雷槍!雷神旋風槍!」
「ぎゃあぁぁ!!」
『(容赦ねえなぁ……)』
ジェイド先生の怒涛の攻めに、ディスト先生は倒れる。
そしてジェイド先生はディスト先生を外につまみ出す。
「これで大丈夫でしょう」
『(1人を除いてな……)』
ディスト先生がつまみ出されたことで、
リグレットは店員たちの元に戻り、再びお説教を始める。
「ラルゴ!アッシュ!もっと愛想良く接客をしろ!子供が怯えているだろう!」
「間違いなくコイツの拳銃が原因の気がするが……」
「言うなよ?ディストみたいになりたくなければな」
「何か言ったか?」
「「な、何でもない……」」
リグレットに拳銃を構えられ、2人は話すのを止める。
いまさらだが、銃刀法違反とかは気にしてはいけない。なぜなら、喫茶店だからだ。
「意味分かんねえよ!」
若干空気のロイド、ツッコミご苦労である。
それはさておき、最後にシンクが説教をされる。
「お前には一言だけ言わせてもらうぞ」
「断る」
「仮面を外せ」
「断るって言ったのに……」
反抗は無意味のようだ。
「ならば力ずくで外させてもらう」
「やってみなよ」
挑発の直後、銃弾が再び飛び交う。一般客になぜ当たらないのは謎である。
「2人とも、出ようぜ」
「「そうだな」」
「またのお越しをお待ちしていますよ」
『絶対に来ないから』
3人は綺麗にハモる。そして外に出る。
「色んな意味ですごかったな……」
「味はよかったぞ?塩入りコーヒーは置いといて」
「まあ、個性的な店員……。いや、先生が揃ってたからな」
3人が話しながら歩いているとヴァン先生と、
奇妙な人形を持った1人の少女がやって来る。
「お前たちか。喫茶店はどうだった?」
「リラックスしてもらえたなら……嬉しい」
「あれでリラックスはなぁ……」
「ああ、さすがに厳しいな」
「2人とも、この子は?」
ロイドが少女について尋ねる。
「そっか、ロイドは面識ないのか」
「彼女はアリエッタ。1年4組の生徒で、アビス町出身だ」
「よろしく……」
「ああ、よろしくな!」
ガイが紹介をして、アリエッタとロイドは挨拶を交わす。
少し会話をした後、ヴァン先生が話をする。
「3人とも、アリエッタと仲良くしてやってくれ」
「ああ」
「もちろんだ」
「当たり前だろ」
3人の返事を聞いて、アリエッタも嬉しそうにしていた。
「そういえば、喫茶店について言いたいことはあるか?」
『店員の変更を希望する』
そう言い残して3人は帰って行く。
意味が分からないまま、ヴァン先生とアリエッタは喫茶店に向かう。
「…………何だこれは」
「……すごいね」
2人が見た光景とは……
「シンク!仮面を外せ!」
「力ずくで外させてみなよ。無理だとは思うけどね」
「お前ら、店内で騒ぐな」
「と言うより働け!」
「ジェイド怖いジェイド怖いジェイド怖いジェイド怖いジェイド怖いジェイド……」
「すいません。コーヒーを1つ」
仮面を外させようと銃弾を乱射するリグレット。
それを挑発しながら回避しているシンク。
2人を宥めるラルゴ。
怒りながら働いているアッシュ。
ジェイドに怯え切って机の下に隠れているディスト。
店内の状況など気にせず、仕事中にも関わらず注文を入れるジェイド。
と言う光景だった。
「アリエッタ、やれ」
「……いいの?」
「私が許可する」
「……分かった」
「どうやら退散した方が良さそうですね」
「ジェイド殿、どこに行く」
「ピオニー学園長からの用事を思い出しましたので失礼します」
アリエッタは術の詠唱を始める。
そして、一早く気づいたジェイド先生だけが喫茶店から出て行った。
もちろん用事というのは真っ赤な嘘である。
「始まりの時を再び刻め……!」
「なっ……!?」
「やばっ!」
詠唱に全員気づいたが、時すでに遅しである。
「倒れて!ビッグバン!」
『ぎゃあぁぁ!』
「なぜ私まで……」
「…………つい」
アリエッタの秘奥義を全員受けて倒れる。ヴァンは完全に巻き添えだが。
そして数分後。
「お前たち。何をやっている?」
『喫茶店経営です!』
「そうか」
『(納得するんだ……)』
全員が心の中で突っ込む。
「多少の騒動なら気にはせん」
「(多少じゃないよ)」
「リグレット。銃弾は危ないから、撃つならゴム弾にしろ」
「分かりました」
「(撃つことは非難しないんだ……)」
シンクが心で突っ込むが、誰にも聞こえるわけがない。
「よし。では頑張っていくぞ」
『はい!』
ヴァンの呼びかけに、シンクとアッシュを除いた4人が答える。
「アッシュ」
「ああ」
「「さっさと首になろう」」
そう考えた2人だが、叶うことはなかった。
そして、多少の騒動はあるものの、喫茶店は繁盛したらしい。
Δ藤林すず
1年3組に所属する女子生徒。忍者。真顔で冗談を言う。
色々な知識を有しており、運動神経も非常に良い。文武両道とはこのことである。
Δリグレット
テイルズ学園の教師で数学を担当。主に2年の授業をしているので、
1年生はあまり面識がない。常に拳銃を2丁所持している。
今回登場した喫茶店『オラクル』の副店長も務めている。
Δラルゴ
テイルズ学園の教師で地理を担当。優しい人なのだが見た目で損をしている。
ナタリアの実の父親。アッシュとは話が合うようで仲が良い。
Δディスト
テイルズ学園の教師で生物を担当。常に椅子に乗って行動する変人。
ジェイドのことをライバル視しているが、当のジェイドからは相手にされていない。
Δアリエッタ
1年4組の生徒。いつも奇妙な人形を抱えている。
人付き合いが苦手だが、友達がいないわけではなく、コレットやティアと仲が良い。
ヴァンの頼みで『オラクル』でバイトをすることになった。
シンク「約2週間ぶりの投稿だね」
すず「時間が空いてしまい申し訳ありませんでした」
シンク「今後も目標は変わらずに2週間で1話投稿だよ」
すず「しかし、作者の都合で、目標より遅くなるかもしれませんがご了承ください」
シンク「早速遅れてるんだけどね」
すず「言わないでおきましょう」
シンク「さて、今回は一気にキャラが増えたね」
すず「アビスの六神将が一斉に登場ですね」
シンク「何人が空気になるんだろうね。すでに空気になりかけのキャラもいるけど」
すず「そこは触れないでおきましょう」
シンク「はいはい。それにしても、リグレットと険悪だったなぁ」
すず「シンクさんが仮面を外せば良いのでは?」
シンク「お断りだよ」
すず「まだまだ騒動は続きそうですね」
リグレット「見つけたぞシンク!さあ、仮面を外せ!」
シンク「そんなに怒ってばかりだと老けるよ。おばさん」
リグレット「よし、殺す」
シンク「ごめん、すず。後は任せるよ」
すず「分かりました。逝ってらっしゃいませ」
シンク「あれ……?すずって味方じゃなかったんだ……」
すず「それでは次回もよろしくお願いします」