こんなの常識外れだ!でもそれが「テイルズ学園」   作:シラハネ

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更新が遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
執筆時間が確保出来ず、目標より3週間も遅れて投稿です。

このところ不定期更新で本当にすいません。



第15話

6限終了後の1年3組の教室。

今はHRの時間だ。

 

「さて、連絡事項は以上です。何か聞いておきたいことはありますか?」

「1つだけいいですか?」

「ええ。どうぞ、カノンノ」

「掃除用具入れに球形の物があったんですけど、あれって何ですか?」

「有毒の化合物です」

 

ジェイド先生の返答にクラスの空気が凍り付く。

予想外の返答だったので、カノンノが尋ね直す。

 

「先生、今何て……?」

「猛毒の化合物です」

「若干変わった!?しかも毒性強くなってるよ!」

「大差ありませんよ。結局は毒なんですから」

 

現在問題なのは毒の強さではない。

なぜそんな物が、掃除用具入れにあるかということが問題なのだ。

 

「何で毒物が教室に!?」

「処分しようとして忘れていました♪」

「ノリ軽くない!?」

「大丈夫ですよ。思い出したからにはちゃんと処分しますから」

 

処分すると聞いて、クラス一同安心する。

すると、処分の方法が気になったリタが尋ねる。

 

「どうやって処分するのよ?」

「ディストに投げ付けます」

『最悪の方法だったよ!』

「そうでもないんじゃない?」

「ちょっとリタ!?」

 

さすがに酷いと思ったカイルが、驚きながらも質問する。。

 

「考え直してよ!ディスト先生は何も悪くないんだよ!?」

「大丈夫よ。生命力は半端じゃないし」

「確かにそうだけど……」

「あ、ジェイド先生が出張してた時の化学の授業のことだね」

 

レイアがその時の出来事を思い出す。

 

「そう。あの時の実験のことよ」

「なんたらマンガンとなんたら水素水の分量を間違えて、大爆発を起こしたもんな」

「二酸化マンガンと過酸化水素水」

「それそれ。あれ、普通なら死ぬよな」

「……何か大丈夫な気がしてきたよ」

 

リタとロイドの会話を聞いたカイルは、気持ちが変わってきたようだ。

 

「実験の失敗は聞いていましたが、ディストがやったんですか」

「先生、すごい嫌な予感がするんですけど……?」

「やはり、ディストに投げ付けることにしました」

「大爆発のこと、知られたなら仕方ないよね……」

「いえいえ、そんなことは関係ありませんよ」

 

カノンノはジェイド先生の返答に驚く。

いや、カノンノだけでなくクラス全員が驚いてる。

 

「そうだよね。ディスト先生だって、悪気があってやったんじゃないし」

「大爆発のことは気にしませんよ。むしろ喜んでいます」

『(ですよねー……)』

 

やはり、ジェイド先生はとことん鬼畜のようだ。

 

「皆さん、化学室は誰の管理下にあるかご存知ですよね」

「ジェイド先生だろ?」

「その通りです」

「それが何の関係があるんだよ?」

 

ロイドが質問しているが、クラス全員が意味は分かっていない。

すると、ジェイド先生が再び話し出す。

 

「さて問題です。化学室で問題が発生しました。誰の責任でしょうか」

「問題を起こした奴だろ?」

「その通りです。ですが、後始末は私の仕事です」

「あ、余計な仕事を増やしたから、ディスト先生はやられるわけか」

「その通りです。冴えてますね、ロイド」

 

あっさりと認めたジェイド先生。

八つ当たりだが、誰一人、指摘する者はいない。指摘したら巻き添えを受けるからだ。

 

「と言うわけでロイド、カイル。サクッと殺ってきてください♪」

「「殺らねーよ!!」」

 

まあ、当然の反応だろう。

 

「何で!?何で俺たちが何の恨みもないディスト先生を!?」

「それ以前にノリが軽すぎるよ!ちょっとそこの醤油取って。みたいなノリじゃないか!」

「ふむ……」

 

ジェイド先生は少し考える。数秒後、再び話し出す。

 

「これは貴方たちにしか頼めません」

「「そんなわけないだろ!!」」

「手数が多いロイド。…………そしてカイル」

「俺の特徴は!?」

 

特徴を言われないカイルは納得がいかないようだ。それに親友のロニが抗議する。

 

「先生!カイルにはちゃんと特徴がある」

「ロニ……」

「魔神剣が使えない」

「これは受け継がれた英雄の剣だ!斬空!天翔剣!」

「ぐわぁぁ!」

 

宙に舞うロニ。彼は本当に親友なのだろうか。

 

「2人とも。これは貴方たちの使命です」

「「えっ……!」」

「クラスの危機を救うのは貴方たちなのです」

「何かカッコイイ……」

「カイル!騙されるな!」

 

カイルが騙せれているが、ロイドは大丈夫のようだ。

 

「俺やります!」

「ありがとうございます」

「俺は……」

「目の前で困ってる人も救えなくて、世界再生なんてやれるかよ♪」

「シンフォニアを強引に持ってくるな。そして今、世界再生は関係ない」

 

ロイド、冷静に突っ込む。

 

「俺は絶対にやらな……」

「無数の流星よ。彼の地より来たれ!メテ……」

「やらせていただきます」

 

土下座して頼むロイド。恐怖政治には勝てないようだ。

 

「善は急げです。HRを終わります」

『(善じゃないよ……)』

 

ツッコミも虚しくHRは終了する。

ロイドはジェイド先生から球形の物質を預かり、カイルと教室を出て行った。

 

「……あれ?」

「どうしたの?カノンノ」

「掃除用具入れにまだあるんだけど……」

「何がよ?」

「猛毒の物質」

 

アーチェとカノンノは、素早くジェイド先生の方を見る。

すると、ジェイド先生は不適な笑みを浮かべる。

 

「先生、2人に何を渡したんですか?」

「爆発物を詰め込んだ物質ですが?」

「……何で平然としてるんですか!?」

「毒物を渡すなど、一言も言ってませんよ?」

「確かにそうですけど……。じゃなくって!」

 

もちろんカイルとロイドは、爆発物を渡されたなど思ってもいないだろう。

 

「そもそも、生徒に危険物の処理をさせるのが間違ってるよ!?」

「でも……毒物よりは爆発物のほうが安全じゃない?」

「そういう問題じゃないよ!」

「大丈夫ですよ。死にはしませんから」

「死んだら大問題だよ!」

 

カノンノが必死に突っ込む。しかし、効果はないようだ。

 

「カノンノ落ち着いて」

「だってアーチェ……」

「その通りです。少し落ち着きましょう」

「先生は黙っててください」

「ロイドとカイルよ?大丈夫だって」

「…………それもそうだね」

 

納得してしまって良いのだろうか。

ジェイド先生の制裁を受けても、変わらずピンピンしている2人ではあるが。

 

「そういえば、どうしてあの2人にしたんですか?」

「何がです?」

「毒物の処理」

「爆発物ですが?」

「どっちでもいいです。危険物には変わりありません」

 

落ち着いたカノンノ。再び冷静に反応する。

アーチェも理由には興味があるようで、ジェイド先生の返答を待っている。

 

「あの2人が私の授業で寝てばかりいるからです」

「……それだけ?」

「はい。それだけです」

 

答えを聞いた2人は小声で話し出す。

 

「よかったねアーチェ。最近は起きてて」

「ジェイド先生の授業だけは、寝ないことを誓うわ」

 

他の授業なら寝て良いわけではないのだが……。

 

「ロイドたち、大丈夫かな~」

「それは爆発物を無事に処理出来るか。って心配してるの?」

「ディスト先生に爆発物を投げ付けて、爆発に巻き込まれないか。って心配」

「ディスト先生はどうでもいいんだね……」

 

カノンノは、少しだけディスト先生に同情した。

 

「アーチェも言うようになりましたね」

「陰険で鬼畜な教師を毎日見てればこうもなるわよ」

「誰ですか。そんな酷い教師は」

「「(アンタよ)」」

 

2人は心の中で突っ込む。決して口には出せない。

 

「アーチェ、2人を捜しに行かない?」

「そうね。2人とも単純だからディスト先生に遊ばれてそう」

「「…………」」

 

2人は出来てしまった。

ディスト先生に遊ばれ、多くの人に迷惑をかけるロイドたちのイメージが。

 

「行こっか」

「急いで2人を止めないとね」

「さて、ディストの焼死体でも見に行くとしましょうか」

「(どんだけ威力のある爆発物なのよ……)」

 

急いでロイドたちを止めようと、2人はロイドたちを探し始めた。

 

それでは、ロイドたちの様子を見てみるとしよう。

 

「ディスト先生、どこにいるんだよ~」

「あの人がこんなに隠れるのが上手いなんて……」

 

30分近く探している2人だが、未だに見つけることが出来ていないようだ。

そして、ディスト先生は決して隠れているわけではない。

 

「とりあえず、調理室に行こうぜ」

「何で?」

「腹減ったんだよ~。ルドガーもそこにいるから、何か恵んで貰おうぜ」

「すごく図々しい話だね」

「腹が減ってたら戦は出来ないだろ」

「まあ、何でもいいよ。情報は得られそうだし」

 

反対の立場にいるカイルも内心は、期待していたのは余談である。

そして、調理室。

 

「ルドガー、ディスト先生見なかった?」

「そこにいるぞ」

「「え?」」

 

ルドガーが指差す先には、お菓子を食べているディスト先生がいた。

 

「これは美味しいですね。レシピが欲しいくらいです」

「それはよかった」

 

生徒と教師の、平和な会話である。しかし、そこに……。

 

「「ディスト先生覚悟ぉ!」」

「甘いですよ」

 

不意を突いた2人だが、軽く避けられる。

 

「ハーッハッハ!ジェイドの差し金でしょうが、私は簡単にやられませ――」

「蒼破刃!」

「がはっ!」

 

当たってしまった。当たらないと覚悟して放った、カイル本人も驚いている。

 

「ルドガー……、私はこれで失礼しますよ」

「あ、ああ」

「「待てっ!」」

 

ディスト先生は、素早く窓から出て行った。それを見た2人も……。

 

「行くぜカイル!」

「うん!逃がすもんか!」

「2人とも待て!」

 

窓から飛び降りた。ルドガーが止めたが一歩遅かった。

もちろん歩けるわけもなく、2人は重力に従い落下する。因みに5階から飛び降りた。

 

「……2人とも大丈夫か?」

「ああ、大丈夫だ」

「心配かけてゴメン、ルドガー」

「そ、そうか。(本当に人間か?あの2人)」

 

普通なら大怪我だが、2人はピンピンしている。

 

「これもディスト先生の策略だったのか……」

「まさか俺たちを5階から飛び降りさせるなんて……」

「「許さねぇ!」」

 

もちろん、そんなわけがない。話を聞いたら、ディスト先生もびっくりだろう。

 

「ルドガー。ディスト先生が食べてたお菓子、俺たちにも分けてくれよ」

「悪い。先生が全部食べて、もうないんだ」

「「なっ……!」」

 

2人はすごくショックを受ける。直後、2人は顔を見合わせる。

 

「カイル!」

「ロイド!」

「「あの野郎!絶対に許さねぇ!!」」

「(……後で2人のために作っておくか)」

 

食べ物の恨みは恐ろしいものである。今回は逆恨みに近いが。

 

「2人とも。ディスト先生は体育館の方に行くって言ってたぞ」

「サンキュー、ルドガー」

「行くよ、ロイド」

 

殺意を出しながら、2人は体育館に向かって行った。

そして、体育館。まずは外を捜すようだ。

 

「いないな」

「体育館の中かな?」

「……なあカイル。あれって……」

「どうしたの?」

 

体育館の中に入ろうとした2人だが、体育館の裏に隠れている2人組を見つける。

何をしているか、気になったロイドは声をかける。

 

「何してるんですか?リッド先輩、ユーリ先輩」

「ん?ああ、ちょっとな」

「お前らフレンを見たか?」

「見てないですけど……」

 

カイルの返答を聞いたユーリたちは話し始める。

 

「そろそろここに来るか?」

「今回は来たらすぐ分かるけどな」

「あんなに怒り狂ったフレン、俺も初めて見たぜ」

「何をしたんですか、先輩方」

 

学園でも温厚で知られているフレンが、怒り狂うなど珍しく思ったロイドが尋ねる。

 

「それはな……」

 

ユーリが話し出す。

ということで、回想です。

 

生徒会室。椅子に座っていつも通りに、ボーッとしているリッド。

仕事を黙々とこなすフレン。今はこの2人しかいない。

 

「会長、少しは働いてくださいよ」

「そう言われてもなぁ……」

「書類に印鑑を押すとか、いくらでも仕事はありますよ?」

「やる気が出ねぇんだよなぁ」

 

リッドにやる気がないのは、いつものことである。

 

「よく生徒会長になろうと思いましたね」

「そんなわけないだろ。なぜか推薦されたんだよ」

 

他愛のない話をしていると、生徒会室に1人の生徒が入って来た。

 

「会長、サッカーしないか?」

「面倒だからパス」

「ユーリ、仕事があるだろ」

 

入ってきたのはユーリである。仕事そっちのけで遊ぶ気満々だ。

 

「仕事なんていつでも出来るじゃねーか」

「もっと肩の力抜けよ、フレン」

「さすが会長。話が分かるじゃねーか」

 

性格の似た2人だけに、気が合うようだ。

 

「俺がミスするごとに、クレープ作るからサッカーやらないか。会長」

「10個作ることは覚悟しろよ、ユーリ」

「そう来なくっちゃな。行くぜ」

 

そう言ってからユーリはボールを投げる。それをリッドはヘディングで返す。

お互いに返し続け、ボールが飛び交う。

 

「2人とも!サッカーなら外で――」

「フレン、パス!」

「えっ!?ぐふっ!」

 

フレンは上手く返せず、顔面にボールが当たる。

更に運悪くボールがインク瓶を倒し、書いていた書類は真っ黒になってしまった。

 

「やべっ……!」

「大丈夫か、フレ……ン……?」

「恒久なる彼方より現れ……闇を滅せよ!」

「逃げるぞ、会長!」

「当たり前だ!」

「ディバインストリーク!」

 

2人が窓から飛び出た直後、極太のレーザーが窓ごと吹き飛ばす。

当たっていたら間違いなく、重症だっただろう。

 

「とりあえず、どこかに隠れるか」

「仕方ないな」

 

そうして現在に至るわけだ。

回想終了。

 

「というわけだ」

「「(明らかにこの2人が悪いな……)」」

「そういうわけで、フレンに俺らのことは内緒な」

「はぁ……」

「そろそろ移動しようぜ、ユーリ」

「ああ。じゃ、お前らも気をつけろよ」

「「(何を……?)」」

 

そう言って生徒会の2人は去って行った。

 

「ディスト先生のこと、聞き損なったね」

「まあ、気にしないでおこうぜ」

「そこの2人」

 

話していたロイドたちに、1人の生徒が声をかける。

 

「リッド会長とユーリ副会長を見なかったかい?」

「……フレン先輩?」

「ああ、そうだよ」

「(いつもと全然違う……!)」

 

現在のフレン。

鬼の形相で、背後には黒いオーラが溢れ出ている。子供が見たら泣くレベルかもしれない。

 

「会長たちか……。カイル見たか?」

「俺は見てないよ」

「そうか。見つけたらすぐに教えてね」

「「(怖っ……!)」」

 

さすがに、この状態のフレンに教えるわけにはいかないようだ。笑顔が怖い。

 

「それじゃ、僕は行くよ」

「見つかるといいですね」

「そうだね」

 

フレンは返事をして去って行った。

 

「怖かったな」

「会長たち、逃げ切れるといいね……」

「そうだな……。さあ、俺たちもディスト先生を捜そうぜ」

 

2人は体育館に入る。

すると、空中で浮いているディスト先生を見つける。

 

「いたぞ」

「まだ気づかれてないみたいだね」

「頼むぜ、カイル」

「任せてよ。……蒼破刃!」

「なっ……!」

「しまった!」

 

カイルが放った風の刃は、ギリギリで外れてしまう。

それにより、ディスト先生に気づかれてしまった。

 

「キーッ!まさか見つかってしまうとは!」

「場所が分かってたら簡単に見つけれるよな」

「目立つもんね」

 

2人の会話を聞いてディスト先生は納得がいかないようだ。

 

「どうして私の居場所が分かったのですか!」

「ルドガーが教えてくれたよ」

「何ですと!?これは明確な裏切りですよ!」

「えっと……どういうこと?」

 

ディスト先生の言っている意味が分からず、カイルが尋ねる。

 

「彼と約束したのですよ!」

「何を?」

「お菓子の試食をする代わりに、私の居場所は内緒にする約束ですよ!」

「俺たちに文句言われてもなぁ」

「それよりも、すごく図々しい約束ですね……」

 

2人は呆れながら答える。そして、カイルの言う通り、図々しい約束である。

ルドガーには何一つメリットがない。

 

「とりあえず、捕まってくれない?ディスト先生」

「お断りです!陰険ジェイドの元になんて、絶対に行きませんよ!」

「鼻水垂れてるぞ?」

「本当ですか!?」

 

ロイドに言われ、ディスト先生は素早く確認する。

しかし、それはロイドの嘘で、実際は垂れていない。

 

「やっぱり気にしてるんだな」

「そういえばジェイド先生が言ってたね」

「ああ。気にしなくて良いと思うぜ?」

「「鼻垂れディスト先生!」」

 

この情報は以前に、ジェイド先生から聞いたものだ。

2人の挑発にディスト先生は怒りを隠せないようだ。

 

「2人とも、覚悟しなさい!」

「「(あ……、鼻水垂れてる……)」」

「行きますよ!」

「かかって来い!」

 

戦闘開始かと思われたが、ディスト先生は2人を無視して体育館の入口に向かった。

 

「ハーッハッハ!私は逃げ切れば何の問題もないのですよ!」

「卑怯だぞ!」

「逃げるが勝ちですよ!」

 

そのまま逃げ切れると思っていたディスト先生。しかし、そう上手くはいかなかった。

 

「タービュランス!」

「ぎゃあぁぁ!!」

「ジェイド先生!?」

 

術を放ったのはジェイド先生のようだ。

 

「見つけましたよ、ディスト」

「ここにいましたか」

「絶対に食べてもらうわよ」

 

上からジェイド先生、フレン、マルタである。

 

「何でフレン先輩が?」

「会長たちはどうしたんですか?」

「生徒会室で仕事に励んでいるよ」

「「(捕まったのか、会長たち……)」」

 

ロイドとカイルはリッドたちに同情した。

何をされたかは不明だが、酷い目に遭ったことは確実と思ったからだ。

 

「で、何でフレン先輩までディスト先生を?」

「生徒会室のドアを破壊したからだよ」

「えっと……、ディスト先生は体育館にいましたよ?」

 

ロイドたちがディスト先生を見つけたのは体育館内。

生徒会室に行く時間はなかったはずなのだ。

 

「会長たちを捕まえて仕事再開と思った時に、変なロボットが来てね。

ドアを破壊したんだよ」

「それだけでどうして私が犯人になるのですか!」

「『天才、ディスト作!カイザーディストS参上!ハーッハッハ!』

と言われれば誰でも分かります」

『(アホだ……)』

 

さすがに全員が呆れ果てる。なぜ名乗ったのだろうか。

 

「それじゃ、マルタは何でディスト先生を?」

「私、ナタリア、リフィル先生の共同料理を前から馬鹿にしてるのよ。

ルドガーのお菓子はいつもしっかり食べるくせに」

『(それは誰も食べたくないよ)』

「それは酷い話だね」

 

全員がしっかり突っ込んだ。味覚音痴のフレンだけは、別の反応だったが。

 

「ディスト、観念しなさい」

「私は捕まりませんよ!出でよ!カイザーディストS!」

「ミスティック・ケージ!」

「レイディアント・ロアー!」

「光竜滅牙槍!」

 

ディスト先生は生徒会室のドアを破壊したロボットを呼び出すが、

ジェイド先生、マルタ、フレンの秘奥義がロボットを破壊した。

 

「私のカイザーディストSが!!1年間の苦労がぁぁ!!」

「ロイド、今です!」

 

落ち込むディスト先生など気にも留めず、

ジェイド先生はロイドに爆発物を投げるよう言う。

もちろん、ロイドは爆発物とは知らない。

 

「お菓子の……恨みだー!」

 

掛け声と共にロイドは爆発物を投げ、見事にディスト先生に直撃する。

それと同時に、大爆発が起きる。

 

「ぎゃあぁぁ!ジェイドー!!」

「…………ディスト先生だし大丈夫か」

 

何気なく酷いロイド。ジェイド先生の影響だろうか。

これにより、体育館が半壊した。

生徒会のフレン、さすがに見過ごせないようだ。

 

「ロイド君、さっき投げた物は?」

「ジェイド先生に渡されたんだけど……」

「ジェイド先生、先ほどの爆発物は何ですか?」

「理科の実験の際に、ディストが作った物ですが?」

「あっ……。あの時の実験の失敗作か」

 

フレンの問いかけにジェイド先生はいつもの笑顔で答える。

それを聞いて、フレンがディスト先生に詰め寄る。

 

「ディスト先生、詳しい話を聞かせてもらいますよ」

「その前に治療をお願いします……」

「ファーストエイド。さ、行きますよ」

「キュアを使ってくださいよ……」

 

キュアを使わないのは、体育館を壊した原因を作ったからだろう。

 

「先生、どうするんだ?体育館の修理費」

「ディストの経費から差し引かれるでしょう」

「不憫だね……」

 

そんなこんなでドタバタしていた放課後も終わった。

半壊したはずの体育館は翌日、綺麗元通りになっていた。

そして、重症だったディスト先生も翌日に元気になっていた。

 

「誰か治癒術使ったのかな」

「何か自然に治ったらしいよ」

「マジかよ……」

「不死身……なのかな……」

 

ロイドとカイルは呆れ果てる。

これにより、ディスト先生は『不死身のディスト』と呼ばれるようになってしまった。

 

「ゴキブリの方が相応しい気もしますが……。ま、いいでしょう」

 

ジェイド先生の一言多い呟きは誰にも聞こえなかった。

 

「……次こそ!これから作成するカイザーディストRが!あの陰険ジェイドの!

鼻っ柱をへし折ってやりますよー!」

「……なぜここにいるかは問いませんが、

生徒会室では静かにしてくださいね?ディスト先生」

「スミマセン……」

 

フレンに言われ、おとなしくなるディスト先生。

今日もテイルズ学園は平和(?)だ。

 




ΔカイザーディストS
ディスト先生が作ったロボット。Sはスペシャルの略。
ジェイド先生の鼻っ柱をへし折るつもりで作ったがあっさり破壊された。
最初に生徒会室に現れたのは、ディスト先生が目的地の設定を間違えたため。


カノンノ「ここまで読んでくれてありがとう」

アーチェ「更新が遅くなってごめんね」

カノンノ「不定期更新だけどこれからもよろしくお願いします」

アーチェ「ディスト先生、不憫すぎない?」

カノンノ「そういう星の元に生まれちゃったんだよ」

アーチェ「これからも報われなさそうね……」

カノンノ「言わないであげて」

アーチェ「ま、いいんじゃない?1人はそういうキャラがいても」

カノンノ「(アーチェが黒い……)」

アーチェ「それじゃあ、今回はこれで終わりにするわね」

ディスト「次回もよろしくお願いしますよ!」

カノンノ「今を超える力になるの!刻め!ラヴ・ビート!」

アーチェ「いでよ!創世の輝き!ビッグバン!」

ディスト「ぎゃあぁぁ!!」

アーチェ・カノンノ「「次回もよろしくお願いします!!」」
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