こんなの常識外れだ!でもそれが「テイルズ学園」   作:シラハネ

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第9話

「皆さん、昨日の遠足は楽しめましたか?」

 

質問をしているのはお馴染みの1年3組担任、ジェイドだ。

遠足については前回参照です。

 

「ああ!楽しかったぜ!」

「悪くはなかったよ」

 

ジェイド先生の問いにロイド、シンクが答え、他の生徒も満足そうにしている。

 

「それはよかったです。それにしても、現実とは残酷なものですね」

「どういう意味だよ?」

 

ルークが不思議そうに尋ねる。

 

「明後日は中間テストですが?」

『……え?』

 

クラスの空気が凍りつく。

 

「ちょっとまて。今何て言った?」

「明後日は中間テストですが」

 

ルークが聞き返すがジェイド先生の答えは変わらない。

聞き間違いではなかったようだ。

 

「何でテストがあるんだよ!」

「また学園長の独断か!?」

 

ロイドは突然の発表は全て学園長のせいにしているらしい。

 

「いえいえ、今回は予定通りですよ」

 

そう言ってジェイド先生は年間予定表を見せる。そこには確かに中間テストとある。

 

「本当だ……」

「学園長はわざとテスト前に遠足を入れたのか?」

 

ロイドが脱力しているとガイが質問する。

 

「学園長は典型的な遊び人ですよ。遠足はたまたまです。

そもそも、そんな意地悪を学園長が考えると思いますか?」

『(考えないな。ジェイド先生は考えそうだけど……)』

 

生徒は一斉に心の中で考える。

 

「むしろ学園長は今回はあなたたちの味方だと思いますよ。

テストの延期を提案していましたから」

『おお……』

「……ん?じゃあ何で3日後にテストなんだよ。

学園長の出した案は大抵は通るのに」

 

正確には強引に通しているわけなのだが。そのことを疑問に思ったルークが尋ねる。

 

「さあ~、なぜでしょうね~?」

『(絶対にアンタが原因だな)』

「で、アンタは学園長に何て言ったんだよ?」

「楽しいことの後には必ず辛いことがあります。

それを今、体験してもらいましょう。必ず良い社会勉強になるでしょう。と言いました♪」

『(この陰険鬼畜メガネ……!)』

 

生徒の心がシンクロする。

 

「ですが、遠足のために十分な勉強が出来なかった者がいるも事実です。

ですので今日と明日の授業は全て自習と決まりました」

「さすがにそうなるよね」

「まあ当然だよな。いきなりテストって言われて自習なしだったら困る」

 

学園の決定にシンクとガイは納得している。

予定表にはしっかりテストと記載してあるので勉強しておくのが普通なのだが。

 

「とりあえず皆さん、化学室に移動しましょうか」

 

ジェイド先生の指示に従い、化学室に移動する。そして化学室。

 

「私は隣の準備室で実験をしています。

質問などがあれば遠慮なく来て構いません。では頑張って下さい」

 

そう言い残しジェイド先生は隣の教室に移動する。

 

「なあロイド、勉強するのか?」

「何言ってんだよルーク、するわけないだろ」

「そうだよな!」

「おう!俺の嫌いな物は一にトマト、二に先生の制裁、三に勉強だぜ!」

 

話がまとまり2人は遊びだす。他の生徒も最初は勉強していたが次第に遊び始める。

結局、皆ほとんど勉強せずにあっという間に6時限が終わり放課後。

 

「さて、今回のテスト範囲ですが中学までに習ったことを中心に出題します」

「何かすごく適当感があるんだが気のせいか?」

「そんなことはありませんよ。これには学園の先生が全員賛成しています」

「おいおい、本当かよ?」

「高校の勉強は中学の勉強の延長ですよ。

今回のテストは皆さんがちゃんと中学の内容を覚えているか確かめることが目的です」

「そういうことか」

 

ジェイド先生の言葉に質問をしたガイは納得する。

本当はテストの内容を考えるのが面倒だったかららしいが彼らが知る由はない。

 

「でもよ、少しくらいどこが出るか教えてくれてもいいんじゃないか?」

「そうよ、2日で復習するにしたって限界があるわよ」

「ああ、その範囲だと理科はとてつもない量になる」

 

しかし、範囲を知っても量が多いことは事実だ。範囲を少しでも知ろうと

チェスター、アーチェ、アッシュが話し出す。

そう思ってるなら最初の自習で少しでも勉強するべきなのだが気にしてはいけない。

 

「一理ありますね。他の教科はともかく理科は私が担当ですのでお教えしましょう。

今回の理科は化学からしか出題しません。それも元素記号のみです」

「……本当にそれだけか?」

「ええ、今回の目的は復習です。どれだけ勉強していたのか楽しみにしていますよ」

「フン、100点をとる。驚かないよう心の準備だけはしっかりしておくんだな」

「言いますね~。では100点をとれなかったら彼女の名前を全力で叫んでくださいね」

「いいだろう」

 

ジェイド先生の返答を聞いたアッシュは自信満々に答える。やる気十分のようだ。

 

「ちなみに今回のテストは全科目とも4択のマークシート方式ですので

大丈夫とは思っていますが5教科の合計が300点未満の者は補習です」

『何だと……!?』

 

補習と聞いた瞬間、クラスの空気が凍り付く。

 

「それでは皆さん、頑張ってくださいね~♪」

 

ジェイド先生は一言残して教室を素早く後にする。

 

「なあルーク、5教科全て満点で合計は何点だ?」

「何言ってんだよロイド、当然500点だろ」

「つまり1教科の目標点は?」

「……60点だな」

 

話が終わった2人は顔を真っ青にする。

そしてすぐにロイドとルークの補習常習犯はシンクの元に駆け寄る。

 

「「シンク!一緒に勉強しようぜ!!」」

「自習の時に真っ先に遊びだして何言ってんのさ」

 

すごくごもっとも。

 

「今回は絶対に補習から逃れるからさ!」

「2人ともそう言って一緒に勉強するけど結果出したことないよね」

 

実はシンクの言う通りなのだ。

2人は中学の頃から勉強を教えてもらってはいるが補習を免れたことは一度もない。

 

「まあいいよ。とりあえず寮に戻ろうか。必要な物を準備して4時に教室集合ね」

「「ありがとうシンク!!」」

 

3人は寮に戻る。そして4時になり全員が教室に集まる。

 

「それじゃさっさと始めようか。分からない所があったら聞いていいから」

「「ああ!」」

 

勉強が始まり30秒後、早速ロイドが尋ねる。

 

「なあシンク」

「えっ!早過ぎない!?まあいいや。どうしたの?」

「何から勉強したらいいんだ?」

「知らないよ」

 

さすがに答えようがないらしい。それから1分後、再びロイドが尋ねる。

 

「シンク」

「何?」

「7×8の答えは?」

「……56」

 

相変わらず九々は出来ないロイドだった。さらに10分後。

 

「シンク」

「今度は何?」

「元素記号って何だ?」

「教科書の後ろにあるよ」

 

基礎中の基礎から入るロイドだった。

それから40分後、今度はルークが尋ねる。

 

「数学ってどう勉強するべきなんだ?」

「ひたすら問題を解くことが大事じゃないかな」

 

その他にも質問は多々あったが3人とも集中して2時間勉強し、時刻は6時50分。

 

「2人とも、一旦区切ろうか」

「えっ、今何時だ?」

「6時50分だよ。あと10分以内に寮に戻らないと罰則」

「じゃ戻ろうぜ」

 

3人は勉強を区切り寮に戻る。

その後も3人はしっかり勉強したらしい。そして翌日も3人は一緒に勉強している。

 

「ロイドとルークが真面目に勉強してるシーンって貴重だと思わない?」

「授業中ほとんど寝てるからそう見えるんだろ。さ、俺たちも勉強するぞ」

「う~、アンタに教えてもらうってのが何か腹立つ」

「教えてくれって頼んできたのはお前だろ!」

 

痴話喧嘩をしながらもアーチェとチェスターも勉強を始める。

お互いに成績は似たようなものなのだが、カップルのような2人だ。

アーチェは一緒に勉強する口実にしたのだろう。

 

「ガイ、一緒に勉強しないか?」

「お前が人を頼るなんて珍しいな」

「今回は俺も必死なんだ」

 

ガイとアッシュも共に勉強を始める。

アッシュは普段はあまり人を頼ろうとしない。その彼が自分から他人を頼っている。

それだけ今回は必死ということだ。

 

「ロニ、何で皆急に必死になったの?」

「ジェイド先生が補習宣言をしただろ?

範囲も教えたのにも補習に引っ掛かったらどうなるか……」

「……生き地獄だね」

「そういうことだ」

「2人とも、一緒に勉強しようよ」

 

ロニとカノンノが話しているとカイルが勉強の誘いをする。その後は3人で勉強していた。この日の自習時間は昨日とはまるで違い、異常なまでに静かだったらしい。

そして放課後。

 

「ロイド、お客さんだよ」

「この問題を解くまで待ってくれ」

「彼女は待たせちゃダメなんじゃない?」

「今行く!」

 

彼女と聞いた瞬間、ロイドは素早く動き出す。

 

「悪い、待たせた」

「ううん、こっちこそ勉強の邪魔してごめんね」

「気にすんなって!何か用があるんだろ?」

「うん、これを渡しに来たの」

 

そう言ってからロイドの彼女、コレットは鉛筆を2本手渡す。

 

「これは?」

「お守り。今回のテストはマークシートだから迷ったら転がすといいよ」

 

渡した鉛筆は鉛筆でもコロコロ鉛筆のようだ。

 

「コレット、ありがとな」

「うん。マルタと勉強する約束だからもう行くね」

「おう、またな!」

 

別れの挨拶を交わしロイドは勉強に戻る。そしてそれから時間は経ち6時。

変わらず勉強していると2人の女子生徒が教室に入って来る。

 

「あれ、アンタたちまだやってたんだ?」

「ヤッホー、3人とも頑張ってるね~」

「リタにパスカル。どうしたんだ、何か忘れ物か?」

 

教室に入ってきた2人、リタとパスカルにロイドが来た理由を尋ねる。

ちなみに2人ともロイドたちと同じ、1年3組の生徒だ。

 

「うん、リタが教科書を1冊忘れてね~」

「あたしたちはすぐに帰るから気にしないで続けていいわよ」

 

リタはそう言ってから自分の机から教科書を取り出す。

その後、2人は教室を後にする。そして6時50分になり3人は寮に戻る。

 

「そういえばシンク、コレットって賢いのか?」

「賢いよ。中学からテストは常に上位に入ってたよ」

「マジかよ!?リタやパスカルは?」

「あの2人は別格だね。学年のトップは今までずっと彼女たちが争ってるくらいだし」

「つまり、あの2人はテストで1位か2位しかとってないってことか?」

「そういうことだね。努力も惜しんでないから本当に天才だと思うよ」

「なあロイド、コレットに勉強教えてもらえばよかったんじゃないか?

天才とまではいかないけど賢いみたいだし、何よりも付き合ってるんだからよ」

「からかうなよ~、ルーク」

 

他愛のない会話を交わしながら寮でも昨日と同じように勉強をする。

そして時刻はあっという間に11時。

 

「2人とも、そろそろ終わろうか」

「もう11時か。あっという間だったな」

「それだけしっかり勉強したってことだよ」

「これなら補習は回避出来るかもな」

「多分大丈夫だよ。それじゃ明日は頑張ろうか」

「「おう!!」」

「シンク、明日は8時に教室行こうぜ」

「最後の復習もしたいし、寝坊して遅刻は最悪だからな」

「7時30分に起きてなかったら叩き起こすから」

 

やる気充分で3人は各々の部屋に戻り明日の準備をしてから眠り出す。

そして翌日の教室。シンクは呆れながら2人と話している。

 

「……何で朝から秘奥義を使わないといけないのかな」

「「……悪かったよ」」

「勉強を頑張ってたのは認めるよ。でも本当に叩き起こすことになるなんてね」

「「これからは気をつけます……」」

「まあいいよ。最後の復習といこうか」

 

3人は最後の復習を始める。が、ロイドが突然慌て出す。

 

「やべっ!!」

「どうしたんだよロイド?」

「俺、国語だけ全く勉強してねえ!」

「「は?」」

「国語だけノータッチだったんだよ!」

 

ロイドの衝撃の発言を聞いた2人は当然質問を始める。

 

「何で!?何で国語だけやってないの!?」

「対策プリント貰って、勉強しやすかっただろ!?」

「そのプリントの存在を忘れてたんだよ!」

 

ロイド、さすがにそれは愚行ではないか。

 

「とりあえず落ち着こうぜロイド」

「そうだよ。パニックになって今までに勉強したことも忘れたら最悪だよ」

「どうすればいい!?」

「……国語は捨てよう。マークシートだから適当にやっても点は取れるはず」

「わ、分かった」

 

2人がロイドを落ち着かせ、シンクは最後の手段をロイドに進める。

納得したロイドは他の教科の復習を再開する。

やがて時間になり、担任のジェイド先生が教室に入って来る。

 

「それではテストを始めますよ」

「(コレット、俺に力を貸してくれ……!)」

 

ロイドはテスト開始前にコレットから貰った鉛筆に祈りを捧げていた。

そして祈りが終わると同時にテストが始まる。

 

ここから先は問題の一部を生徒の回答と共にお見せします。

なお、台詞はシンクの心の中での突っ込みです。

 

1時間目、数学 

 

次の式の計算をせよ。

1、7×8   ①78  ②15  ③56  ④7800

 

2、5+5×9   ①30  ②50  ③70  ④90

 

3、4x-3y+20-4x   ①-3y+20  ②0  ③8x  ④20

 

「(さすがに簡単すぎるでしょ……。ロイド、せめて問1だけは正解してよね)」

 

ゼロス、ルークの回答

1、③  2、②  3、①

 

ロイドの回答

1、③  2、④  3、①

 

担当のコメント(ハロルド)

あら?ゼロスは当然としてルークも正解してるじゃない。天変地異の前触れかしら。

ロイドもけっこう正解してるし、今回は全体的に出来が良さそうね。

皆点数上がりそうだし、これは良いデータが取れそうだわ。

 

2時間目、社会

 

1、クレイオ3世が、嵐を鎮めるために風の精霊に生け贄を捧げる儀式を行った遺跡は?

  ①アスカード遺跡  ②マスタード遺跡  ③カスタード遺跡  ④遺跡船

 

2、1000年前に発生した天上軍と地上軍の戦いは?

  ①人魔戦争  ②天地戦争  ③天と地の戦い  ④1000年戦争

 

3、GC版テイルズオブシンフォニアが発売されたのは何年か?

  ①3000年  ②2500年  ③2003年  ④2023年

 

「(まともな選択肢少なくない!?問3なんて正解以外は未来じゃないか!)」

 

ガイの回答

1、①  2、②  3、③

 

カイル、ロニの回答

1、③  2、②  3、③

 

担当のコメント(リフィル)

ガイはさすがね。カイルにロニ!問1を間違えるとは何事だ!

2人は休日に私と遺跡探索だ!・・・それにしても今回は正答率が高いわね。

赤点になりそうな生徒はいなさそうね。問題が易し過ぎたかしら。

 

3時間目、英語

 

次の英語を和訳せよ

1、tale  ①尾  ②物語  ③タレ  ④英雄

 

2、destiny  ①運命  ②運  ③スタン  ④カイル

 

3、abyss  ①深淵  ②ルーク  ③暗闇  ④聖なる焔の光

 

「(これは正解しないとまずいよね……。て言うか、実名使っていいの!?)」

 

パスカルの回答

1、②  2、①  3、①

 

アーチェの回答

1、②  2、②  3、①

 

担当のコメント(ヴァン)

パスカルは余裕のようだな。アーチェも惜しかったな。しかし、今回の出来の良さは

想像以上だな。さすがに簡単にし過ぎたか。

 

4時間目、理科

 

次の元素記号が何を表しているか答えよ

1、Au  ①銅  ②銀  ③金  ④鉄

 

2、As  ①水素  ②フッ素  ③ヒ素  ④塩素

 

3、Ba  ①バリウム  ②ベリウム  ③カリウム  ④リチウム

 

「(ロイドこれ解けるのかな……。元素記号って何か聞いてきたくらいだし……)」

 

リタ、ロイドの回答

1、③  2、③  3、①

 

マルタの回答

1、②  2、③  3、①

 

担当のコメント(ジェイド)

リタはともかく、ロイドが全問正解とは……。何か悪いものでも食べたのでしょうか。

マルタもほとんど正解していますし、今回は皆さん本当に頑張ったようですね。

 

5時間目、国語

 

次の漢字の読みを答えよ

1、禿鷲  ①コンドル  ②アッシュ  ③チェスター  ④誰がハゲだ!

 

2、鯱  ①サメ  ②マグロ  ③シャチ  ④カツオ

 

3、山車  ①やまぐるま  ②だし  ③さんしゃ  ④やましゃ

 

「(ちょっ!問2、3はともかく問1はまずいでしょ!デコハゲの2人叫んでるよ!)」

 

2人とは当然アッシュとチェスターだ。テスト妨害ということでジェイド先生が

魔術をぶっ放す。しかし今回は2人は絶対に悪くないだろう。

 

カノンノの回答

1、①  2、③  3、②

 

アッシュ、チェスターの回答

1、④  2、③  3、②

 

アーチェの回答

 

1、③  2、③  3、②

 

担当のコメント(クラース)

カノンノはまあ当然だな。アッシュとチェスターも惜しかったな。

……アーチェ、チェスターがお前の回答を知ったら泣くんじゃないか?

やはりジェイド先生の問題は却下するべきだったか。

それにしても今回は皆出来が良いな。何かあったのか?

 

そんなこんなでテストも終わり放課後。

 

「で、2人とも今回はどうなりそうなの?」

「俺はたぶん大丈夫だ」

「俺は国語が出来てたら大丈夫だ」

 

ロイドの返答を聞いてシンクは疑問に思いロイドに尋ねる。

 

「出来てたらって勉強してないんでしょ?」

「ああ、ずっとコレットに貰った鉛筆を転がしてたぜ」

「完全に運任せじゃないか!」

 

シンクが突っ込む。だが、それ以上言っても仕方ないのでそれ以上は何も言わなかった。

そして運命のテスト返しの日。

 

「さて、今回のテストですが皆さん本当に頑張りましたね」

「そんなに良かったのか?」

「ええ、このクラスから補習者は1人も出ませんでした」

「本当か!?」

「それどころか学年のトップ3は全員このクラスから出ました」

 

補習者なしの知らせを聞いてロイドはホッとする。

そしてジェイド先生の衝撃発表にクラス全員が驚く。

 

 

「さて、それでは返却しますよ。どうせですから成績順に返却しましょうか」

「おっ、いいなそれ」

 

ジェイド先生の提案にガイが賛成し、他の生徒も肯定する。

 

「では、1位!496点でリタ・モルディオ!」

「ま、当然よ」

「む~、悔しいな~」

 

リタは嬉しさを示してはいないものの内心は喜んでいただろう。

彼女のライバルのパスカルは心底悔しそうだ。

 

「続きまして2位!492点でパスカル!」

「は~い。次はリタに勝つもんね~」

「いつでも受けてたつわよ」

 

パスカルは次こそはと意気込んでいる。クラスはその様子を微笑ましく見ていた。

 

「さて皆さん、3位が誰か気になるところではありませんか?」

「ああ、意外な人物だと面白いな」

 

アッシュが興味を示す。それに続くように他の生徒も気にしている。

 

「それでは3位!私も最初は驚きましたがこれは現実です。気を強く持ってくださいね」

「つまりそれほどまでに予想外の人物だったってことか」

「はい。驚きの3位!472点でロイド・アーヴィング!」

『……今何て言った?』

「3位!ロイド・アーヴィング!」

『……ええええええええ!!!???』

 

生徒全員が一斉に叫びだす。しかし無理もない。下から数えた方が早かったロイドが

まさかの学年3位なのだ。

 

「ちょっとロイド、結果表見せて!」

 

シンクがそう言って結果表をロイドに見せてもらう。そして周りに皆が集まる

 

「数学92、社会96、英語88、理科100、国語96!?」

「ロイド、国語96って何だよ!?勉強してなかったよな!?」

「理科に至っては元素記号すら分かってなかったのに100!?」

 

ルークとシンクは信じられないと騒いでいる。

 

「理科はシンクがヒントをくれたじゃないか」

「僕が?」

「元素記号は教科書の後ろだって言ったろ。だから全部覚えたんだよ」

 

さすがにそこまですると思っていなかったのかシンクは放心状態になる。

 

「国語はどう説明するんだよ!それなりに難しかったぞ?」

「いや、実はさ自信持って答えれたのは半分くらいだったんだ」

「それで何で96点がとれたんだよ?」

「これを転がしてた」

 

ルークの問いにロイドはある物を取り出す。そう、コレットから貰ったコロコロ鉛筆だ。

 

「これってコレットに貰ったのだよな?」

「ああ、分からないところはこれで出た数字に従ったんだよ」

 

ロイドの返答を聞いてルークも放心状態になる。

会話を聞いていて少し気になったのかリタがロイドに尋ねる。

 

「ねえロイド、他の科目もその鉛筆を転がしてたの?」

「ん?ああ少しだけな。勉強した科目は全部7割解けたぜ。」

「ちょっと、何で今まで成績悪かったのよ?」

「授業の内容を覚えようとしなかったからな。覚えたらけっこう出来るんだぜ俺」

 

どうやら必死に覚えた結果が今回の成績のようだ。コロコロ鉛筆の影響も少しあるが。

 

「それなら九九も覚えちゃえばいいじゃない」

「無茶言うなよリタ。あれだけはお手上げだぜ」

『(あれこそ覚えるだけだろ……)』

 

生徒が一斉に心の中で突っ込む。

 

「コレットの鉛筆に感謝しないとな」

「なあシンク」

「何だいルーク?」

「コレットってすごいな」

「……そうだね」

 

2人は少しの間だけ放心状態だったが我に返った後は親友の快挙を素直に喜んでいた。

 

「フン、ただ運がよかっただけじゃねえか」

「アッシュ、そんなことを言うものではありませんよ。運も実力の内です」

「・・・そうだな。負け惜しみはよくねぇ。潔く負けを認めよう」

「結構。それはそうとアッシュ、今回の理科、このクラスでは最低点の52点でしたよ」

「……何?」

「約束、もちろん覚えていますよね?」

「……ナタリアァ!!!」

 

アッシュの絶叫がクラスに響き渡る。こうして波乱万丈の中間テストは幕を閉じた。

 




Δリタ・モルディオ
1年3組の女子生徒。人と素直に接することが苦手。要するにツンデレ。
成績は非常に良く、彼女にテストで勝つことは学年1位になることとほぼ同義。
パスカルは良きライバルかつ大事な友達。2年生のエステルとは親友。

Δパスカル
1年3組の女子生徒。常にマイペースで掴み所がない。しかし、明るい性格なので
友達は多い。リタとテストで毎回勝負をしている。なので成績は非常に良い。
周りからは天才と言われているが本人に自覚は全くない。

Δハロルド・ベルセリオス
テイルズ学園の数学教師。理科部門の教員資格も持っており理科教師のサポートを
することもある。学園の生徒からはマッドサイエンティストと呼ばれている。
だが本人は生徒のことはしっかりと考えている。画期的な発明を多くしている天才。

Δヴァン・グランツ
テイルズ学園の英語教師。元は音楽の担当を希望していたが採用試験の際に
超低音で歌い、試験官が大反対した。老けたように見えるが実は28歳と若い。
生徒の話には真剣に耳を傾ける良い先生。妹が1人いる。

Δクラース・F・レスター
テイルズ学園の国語教師。体にペイントをしていて見た目は少し怪しい人だが
常識人。現在29歳で年齢を少し気にしている。
良い先生なのだが、他の教師陣からよく弄られる。若いのに苦労人。

ロイド「インテリ、入りました!」

ルーク「チェンジで」

ロイド「酷くないか?」

ルーク「ロイドがテスト3位か……」

ロイド「俺、記憶力はいいんだぜ」

ルーク「そういえば、ドワーフの誓いを全部覚えるような奴だからな」

ロイド「補習という名の生き地獄もあったから必死にやったぜ」

ルーク「火事場の馬鹿力ってやつか」

ロイド「もし補習がなかったら、シンクに勉強を少し教えてもらってあとは遊んでたな」

ルーク「確かにそうだよな」

ロイド「そうだぜ」

シンク「アカシック・トーメント!!」

ロイド・ルーク「「ぎゃあぁ!!」」

シンク「どういうことかな、2人とも?」

ルーク「ど、どうしたんだよシンク」

シンク「補習がなかったら勉強しなかったんだ」

ロイド「……逃げるが勝ちだ!」

ルーク「俺を置いてくなロイド!」

シンク「雷雲よ刃となれ。サンダーブレード!」

ロイド・ルーク「「ぎゃあぁ!」」

シンク「ふう……」

ジェイド「次回もよろしくお願いします」

シンク「(また勝手に終わった……)」
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