姉がラスボスらしいので腹パンを目指す事にした!   作:緑化

5 / 5
難産しました、後々大幅に書き直すと思います


五話 猫と少女とやっぱり猫

 

夢を見た。

 

それは子供の頃の夢で姉と一緒に暮らしていた頃の夢だった

 

 

 

「亮介は料理上手になったわよね」

 

 

「姉ちゃんが料理しないからだろ。それより皿を洗うのに集中してくれ、また皿を割るぞ」

 

 

「私だって少しは成長してますー これくらい軽い軽い あ…」

 

 

 

姉の手から皿が滑り床に落ちて割れた

 

 

 

「……成長してる?」

 

 

「あ、あははー ごめんなさいね」

 

 

「はぁ、怒ってないから箒とちりとり持ってきて」

 

 

「はーい」

 

 

 

そんな何処にでもあるような日常の風景。

 

バツが悪そうに笑う姉と仕方ないと笑う俺。

 

たった二人の家族で色々と大変だけれど楽しく笑って過ごしていける。

 

その頃はまだそう思っていたんだ

 

 

 

 

─────

 

 

 

 

 

「………朝、か」

 

 

ベットの上で目が覚めた。

 

ここは二課施設内の自分に割り当てられた部屋だ。

 

起き上がりスマホで時間を確認すればいつも起きるより早い

 

 

「……懐かしい夢だったな……さて、どうすっかな」

 

 

 

目が冴えていて二度寝する気にもならない。かと言って部屋の中に居るのも何だか気が乗らない

 

 

「…散歩でもしますか」

 

 

一人呟き、服を着替えてから部屋を出て地上へと向かうエレベーターへと乗り込む

 

 

「……ヒエログリフみたいだよなぁ」

 

 

エレベーター内から見えるエレベーターシャフトの内壁はまるで遺跡にあるような絵画とも言えない幾何学な模様が描かれている。

 

何の意味が有ってこんな物をエレベーターシャフトの内壁に描いたのか知らないが設計時に指示した奴は余程、自己顕示欲の強い奴かナルシストだろう

 

 

「……この光景を見てると昔やったゲームを思い出すなぁ…タイトルなんだっけ?」

 

 

 

思い出したガイアな幻想紀だ、面白かったなぁ、あれ。

 

日がな一日やってたわー ある日、仕事帰りの姉が転んだ拍子に電源切られて大喧嘩になったわ。

 

またやりたくなってきた、あのゲームどこにしまったっけ? ああ、実家の押入れだ。

 

暇が出来たら探しに行ってみるのもいいな……売ってないだろうな姉のやつ? もし売ってたら泣くぞ

 

 

「…ネットも探しておくかな」

 

 

エレベーターが地上に着いた音を耳にして開かれる扉から出て外に繋がる通路を進む。

 

通路を出て日光が当たる場所を歩いていく

 

 

 

「……うげぇ、スーファミって今こんなに高えの? 今時のゲーム機本体買うぐらいに高いじゃん」

 

 

 

「……そこの……ど…て……!!」

 

 

スマホを操作しながら歩いていると何やら遠くから声が聴こえてくる。

 

なんだ、人の声? どっから…

 

 

「右よーし、左よーし、下よーし、後は…」

 

 

左右を確認、足元を確認してから、上を見れば少女が木から落ちてきた

 

 

「そこの人どいてー!!」

 

 

「やっぱりかーい!!」

 

 

ふん!と落ちてくる少女を両手で受け止める。親方ぁ! 空から女の子が!?

 

 

 

「ハラホロヒレハレー」

 

 

「なんて?」

 

 

受け止めた少女は、君今何歳?と言いたくなるようなネタを口にしながら目を回していた。

 

この状況をどないせと?

 

歩いていたらいきなり上から少女が落ちてきて受け止めたら気絶してました。

 

人に話せるかこんなん!? 通報されるわ!

 

 

「ニャー」

 

 

「はい?」

 

 

少女が抱えていたのであろう子猫がぴょこと顔を出して目があった

 

 

 

「お前が原因か……木に登って降りれないなら「ニャー」…腹減ってんのか?」

 

 

「ニャー」

 

 

 

少女の腕から抜け出した子猫は亮介の頭へと登ると彼の言葉に同意するように肉球パンチを繰り出した

 

 

 

「俺の頭は家じゃ無いぞ……ニボシでいいか?」

 

 

「ニャー!」

 

 

「さいですか。だったら最高級のニボシをやるよ」

 

 

 

ニボシは好物です!と言わんばかりに子猫の猫パンチ十六連打を受けながら亮介は少女を休ませる場所を探すのだった

 

 

 

 

────

 

 

「う、うーん…わたし…ここは公園? なんでベンチに寝てるんだろ?」

 

 

目が覚めて周りを見れば学校に行く途中の公園だった。

 

なんでわたし寝てたんだろう? えーっと確か未来と一緒に学校に行く途中で子猫の声が聴こえて…未来と分かれてから子猫を助けようとして……

 

 

 

「そうだ、子猫! あの子は無事…かなって、へっ?」

 

 

そこまで思い出して少女は慌てて起き上がり奇妙な光景を目にした

 

 

「いいかアイリーンよ、お前には偉大な先人からヒントを得て名を与えたのだからそれに相応しい教養を身につけねばならない、意味は分かるな?ってこら、話しはまだ終わってないぞ、ニボシを食うな、奪うな、この駄猫が!」

 

 

 

そこには少女が助けた子猫相手にニボシの奪い合いを繰り広げる青年の姿があった。

 

え、えぇー? なにこの光景、わたしまだ夢でも見てるのかな?

 

 

「お、起きたか、大きな怪我が無くて良かったよ。はい、これ」

 

 

「あ、わたしの鞄。あの、ありがとうございます?」

 

 

「状況が分かってないみたいだから説明しとくと君はアイリーン、この子猫な。んでアイリーンを助けようとして木から一緒に俺の上に落ちてきたんだよ。ほら、お前も礼を言え」

 

 

「ニャー」

 

 

「あ、そっかわたし木から落ちて…ってそれだとわたし助けようとして逆に助けて貰ったんですね、あ、ありがとうございます!」

 

 

「礼はいいよ。人(?)助けもいいけど程々にしないと。君が怪我したら親御さんや友達が泣くぞ」

 

 

 

アイリーンを両手で抱えながら言う青年に少女は困ったように笑う

 

 

「あはは、すいません。わたしってどうも人助けとなると後先考えないみたいで。それでいっつも未来に、あ、わたしの友達で親友なんですけど、その子に呆れられちゃうんです」

 

 

「そっか、それは難儀だなぁ。けど身体が動いちゃうからどうにも出来ないってやつかな?」

 

 

「そ、そうなんです! その通りで困った人とか見るとついつい身体が動いちゃって…どうして分かるんですか?」

 

 

「何となくかな。さてそろそろ行かないないと遅刻するぞ」

 

 

 

スマホで時間を見せてやると少女は見る見る間に顔を青くして立ち上がる

 

 

「あ、あの本当に助けてくれてありがとうございます! わたし、立花 響って言います。もしまた会えたらお礼しますので! そ、それじゃ!」

 

 

「慌てて転ぶなよー」

 

 

頭を下げてお礼を言ってから響は慌てながらリディアンへと走って行った

 

 

「お前さんの助け人は慌てん坊だな?」

 

 

「ニャー」

 

 

いつの間にか頭に移動していたアイリーンに問えば呑気な鳴き声が返ってきた

 

 

「立花 響か…元気そうで良かったよ」

 

 

酷い怪我をしていたが後遺症もなく無事に助かったようで良かった。

 

彼女は二年前のライブでの被害者だ。当時、助けてからどうなったかは情報閉鎖だのだかで聞くことは出来なかった。

 

散歩して良かった。奏にいい土産話ができた。

 

命を懸けて守れた人がいたのだから奏も喜ぶだろう

 

 

 

「それじゃ、散歩再開といきますか…着いてくるか?」

 

 

「ニャー」

 

 

もちろんと鳴くアイリーンを頭に乗せたまま亮介は街の方へと歩いていくのだった

 

 

「また会えたらいいな」

 

 

「ニャー!」

 

 

「そうかそうかお前も気に入ったか、俺もだよ……あ、お前が一緒の方が言い訳には良かったか?」

 

 

「ニャー」

 

 

知らないと鳴くアイリーンを頭に乗せてリディアンから予鈴が鳴るのを耳に彼は思う。

 

どうせまた会えるだろうと意味も無く確信出来ていた。

 

『同じ立場、いや、同じ境遇の、人間だ』

 

おそらく彼女は、彼女自身知らないんだろうが『融合適合者』であることは会って分かった

 

 

 

「左腕が痛えなぁ」

 

 

 

同じ融合適合者だからだろう、さっきから左腕自身(アガートラム)が喜びに歓喜しながら嫌がらせの如く鈍痛を発してくる

 

 

 

「『人の出逢いは何時だって未来の自分に捧げるプレゼントだ』か」

 

 

 

昔、そう俺に言った奴がいた。

 

そいつは人との出会いを喜び、別れを新たな出会いとして糧とした。

 

そんな人となりに憧れたもんだが、そう生きるには中々…

 

人生経験が足りないってやつなんだろうな

 

 

 

 

────

 

 

 

「いやぁ、これがキングクリムゾンか…」

 

 

 

時間は経ちに経って夜、俺的にはふらわーでアイリーンと共にお好み焼きを食べてから腹休みに工業区のビルの上で昼寝をしていたら何時の間にか辺りは暗くなっていた。

 

これがキングクリムゾンでなければ一体なんだと言うのか?

 

まぁ、寝てただけなんですけどね

 

さて帰るかね、そう思い立ち上がった時に胸元に閉まっていた通信機が着信を知らせる。

 

この通信機が鳴るって事はノイズが出やがったか

 

 

 

《こちら亮介、現在地は工業区。状況は?》

 

 

 

通信機に出て直ぐに場所を伝えてから状況を問うと通信機から司令である弦十郎の声が聴こえてくる

 

 

 

《市街区にノイズが発生し、そこから民間人の少女を二人追って工業区まで移動した。今、セレナ君はヘリで学校だったツバサとカナデはバイクでそっちに向かってる。亮介は先に民間人を保護してくれ!》

 

 

《了解》

 

 

 

 

───Balwisyall Nescell gungnir tron

 

 

 

 

 

短く答えてから動き出そうとした時に歌が聞こえた。

 

聞こえた歌は聖詠、シンフォギア装者がシンフォギアを装着するときに歌う起動プロセス。

 

瞬間、オレンジ色の光が天を貫く様を見た

 

 

《高反応のシンフォニックゲインを確認! アウフヴァッへン波形照合……これは…ガングニールです!!》

 

 

 

《ガングニールだとぉ!? 亮介!!》

 

 

《見えてる!!》

 

 

 

通信機から聴こえる声に答えながら亮介はビルの屋上から大きく跳躍した

 

 

 

「ジャック、オン! アガートラム!!」

 

 

空中を落ちながら亮介の意思に応じて光の輪が左腕に等間隔で三つ展開し一際、輝いた後に集束すると左腕から無数の機器類が飛び出しそれが左腕へと戻った時には銀色の左腕が露わとなった。

 

瞬間、シンフォギアにより強化された視力が他のビルの屋上に二人の人影を見つけた。

 

それは朝に会った立花 響と彼女より小さな少女がノイズの群れに囲まれていた

 

 

「間に合え!!」

 

 

左手でビルの外壁を削り落下速度を調整して両足で踏み込み外壁を陥没させて一気に二人の元へと跳躍する。

 

大気を切り裂き二人が居るビルの屋上に辿り着くと両足で着地の衝撃も交えながらノイズを踏み砕き更に跳躍、両手にショットガンを背から抜いて周りのノイズへと斉射。

 

発射の反動を利用して宙を舞うように回転してノイズを撃ち払い二人の元へと降り立つ

 

 

 

「やぁ、立花ちゃん朝ぶり! 朝に言ったろ、人助けもほどほどにしとけってね」

 

 

「え? え!? 貴方は朝の? え!?」

 

 

「困惑してるところ悪いが取り敢えずはその子を守ってくれよ。俺はどうにも火力不足でねっと!」

 

 

 

困惑してる響に話しながら襲い掛かるノイズへショットガンを撃ち放ち塵へと変えていくが多勢に無勢。

 

チッ、やっぱ無理があるか。数で押される

 

 

 

「しゃーなし! お嬢さん方、フリーフォールは好きかぁ!」

 

 

「え!? きゃあああ!!」

 

 

 

両手のショットガンを捨ててノイズに向けて手榴弾をあるったけ放り投げ響を右脇に少女を左腕で胸に抱えて爆発を背にビルの屋上から飛び降りる

 

 

「わああ!! 来てます来てます前にもいます!?」

 

 

「黙ってろ! 舌噛むぞ!」

 

 

 

後ろからノイズの群れが追いかけてくるのを建物の外壁を蹴り落下角度を変えて避けると更に別の外壁を蹴り跳躍。身体が飛ぶ。しかしその先にも巨大ノイズが二体、待ち構えていた

 

 

 

 

「出待ちかよ! 」

 

 

 

 

 

──Croitzal ronzell Gungnir zizzl

 

 

──Imyuteus amenohabakiri tro

 

 

──Seilien coffin airget-lamh tron

 

 

 

 

三種の聖詠が聴こえた瞬間、巨大ノイズを大きな剣と無数の槍が貫き塵と化し着地点のノイズを蛇腹剣が切り払い亮介は着地する

 

 

 

「助かった三人娘!」

 

 

「なんだそのユニットみたいな呼び方!?」

 

 

「どうして兄さんはいつもアクシデントの最中に居るの!?」

 

 

「色々と聞きたいですが後で聞かせて貰います!」

 

 

 

横を走り抜けていく三つの人影を見送りながら亮介は抱えていた二人を下ろす

 

 

 

「二人とも無事だな。立花ちゃん、色々と聞きたいだろうけど今はその子を頼む」

 

 

「な、何が何やらわかりませんけど、わかりました!」

 

 

 

響に少女を任せてからチャイナレイクというポンプアクション式のグレネードランチャーを取り出し三人の加勢へと向かう

 

 

 

「火力支援を始める、当たるなよ!」

 

 

「へっ、逆に当ててみな!」

 

 

「よし、奏には集中砲火をくれてやろう! くたばれ!」

 

 

「げっ、マジでアタシ狙いかよ! 後で覚えてろよ!?」

 

 

「爆発音で聴こえんなぁ!!」

 

 

 

バコン! ドガン! とグレネード弾の爆発音が辺りに響き渡ってから数分後、そんなこんなでノイズは撃退し辺りは平穏を取り戻しのだった

 

 

 

「ふぅ、なんとかノイズは撃退できたな。あとは任せたぞ」

 

 

「あ、兄さんどこ行くの!?」

 

 

「ちょいと野暮用だ」

 

 

 

そう言ってその場を走って離れる亮介。

 

そうして目的の建物の外壁を三角蹴りで登り屋上へと辿り着くと辺りを見渡すと子猫が物陰からゆっくりと姿を見せた

 

 

「ニャー!」

 

 

「悪いなアイリーン、放ったらかして」

 

 

胸に飛び込んでくるアイリーンを受け止めて抱えると優しく撫でる

 

 

 

「怖い思いさせて悪かった。とりあえず俺は戻るけど、お前はどうする?」

 

 

「ニャニャ、ニャー!」

 

 

「そっか。んじゃ、寝床用意しないとな」

 

 

ついて行くと鳴くアイリーンを抱えて亮介は仲間の元へと向かうべく屋上から飛び降りる

 

 

 

「これから忙しくなりそうだ」

 

 

 

風を身に受けながら亮介は呟く。

 

 

様々な思惑が絡み合いながらどれだけ自分の思いを貫けるか

 

 

 

「やってやるさ」

 

 

 

貫いてみせる。

 

あの頃を取り戻す為にも

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。