レミリア提督   作:さいふぁ

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謹賀瑞雲!

続編にもうしばらく時間が掛かりそうなので、間を持たせるのに簡単な登場人物・設定等の紹介を。


レミリア提督 登場人物紹介

登場人物紹介

 

 

レミリア・スカーレット

500歳以上? 元欧州屈指の大悪魔にして、現幻想郷紅魔館当主。「運命を操る程度の能力」なる眉唾な力を持っていると主張するが、お付きのメイドから支持されている以外は身内でさえ眉唾扱いしている。そして、そのメイドですら本気で信じてはいない。

昔はとんがったところがたくさんあったが、500年も生きてきて色々と丸くなる。この先も幻想郷で穏やかに暮らしていきたいと思っているが、ひょんなことから外の世界に来て鎮守府に着任することになり、所属の艦娘と交流を深めることになった。

カリスマがあるようで実は既にスーパーノヴァ・レベルで盛大にカリスマブレイクしている。ちなみに、「咲夜のことはババアになっても愛す」が座右の銘。

作中最強クラスの戦闘力。戦闘力は、だが……。

 

 

赤城

あかぎさんじゅうさんさい。艦娘歴16年のベテランで、同僚の加賀と共に多数の戦線に出撃して、世界屈指の撃沈スコアを残す。その功績が認められたのと、加賀共々一航戦を独立して運用出来るようにするため、わざわざ鎮守府が一つ作られた。また、赤城もそれを利用し、鎮守府のメンバーを選定、各地から引き抜きを行った。

かつては同型艦の艦娘にもなった実姉が居たが、某大震災で亡くなってしまう。そのことは赤城の心に影を落とし、今の鎮守府を作る動機にもなった。

ワーカーホリック気味、というか完全にワーカーホリック。生来の真面目さとそれ故に楽しみを食事にしか見出せなくなり、花より団子、仕事が恋人です! を地で行くようになる。花もなく枯れゆく自分を自覚して超絶焦り中だが、お菓子の他に牛丼を食べたり、バーガーを食べたりしていたら徐々に丸くなってしまった。

 

 

加賀

赤城の同僚で、着任以来コンビを組んでいた。硬化した表情筋、超コミュ障、ストイック過ぎる性格が仇となって、初対面の人には怖がられることが多い。根は優しく思い遣りのある性格である。

艦娘になる前に妹が一人おり、「実姉妹」の艦娘として天城型の再来と期待されていたが、妹に適性は現れず、それをプレッシャーに感じてしまった妹が自殺するという悲別を経験している。悲嘆に暮れた加賀を慰め、支えてくれたのが他ならぬ赤城で、以来加賀は赤城に並々ならぬ恩義を感じている。

なお、赤城の他には漣と特に仲が良い。お互い本音を出せないという点では非常に共通するのでどこかシンパシーを感じている模様。

 

 

金剛

こんごうさんじゅうななさい。最古参で最年長の艦娘。かつては同型艦の榛名とペアを組んで行動しており、しかも当時は一航戦の二人も同じ鎮守府所属だったので今でもこの四人は仲が良い。今は榛名だけが別の鎮守府に行ってしまっているが、何かの折に集まった際は四人で飲みに行く。赤城の誘いで今の鎮守府にやって来た。

政治的な事情から、艦娘になった順番が二歳年下のウォースパイトと逆転しているため、公的には「二番目」の艦娘であるが、実際に艦娘になったのは金剛が先。

ベテランらしく、みんなの頼れる大先輩。優秀な軍人らしく、どんな時も落ち着いていて的確な判断を下せる。しかして本性は、祖国で告ってきた後輩(同性)へ碌に返事もせずに日本にとんずらこいた上、未だに返事していない真性のヘタレである。

 

 

川内

夜戦バカではなく夜戦の鬼。ハードモードな人生を歩んできた苦労人。艦娘たちには「体質」として認識される特殊能力があり、川内の場合はスターライトスコープと同じく、微小な光を捉えられる目である。

かつてはその目を活かして夜戦部隊を率いていた。その頃は一部督戦任務もこなしており、どんな無理難題でも、忌避されるような内容であっても、徹底して遂行する姿勢から、当時の部下たちからは「鬼」と畏怖された。一方で、同じ艦娘でさえも撃ってきた反動から、誰かを救いたいという強い思いを抱いている。しかし、幾人かの艦娘の救助に失敗したことで、その強い思い故にトラウマを抱えることになってしまった。ちなみに、駆逐艦ばかりを好くので、ロリコン疑惑を受けている。

 

 

木曾

キャプテンキソー。海賊のようないかつい見た目に、デカい軍刀を引っ提げ、おまけに性格まで超男勝りな艦娘。艦娘に惚れられる艦娘。北方海域を中心に戦ってきた歴戦の艦娘で練度が高く、改二改装を経て雷巡になっている。

トレードマークの右目の眼帯は、北方で戦っていた時の傷跡を隠すためで、現在右目の視力はほとんどない。この傷を負うことになった作戦で部下の艦娘を喪っており、それ故か修復材でも傷跡は消えなくなってしまった。

今では傷のことも戒めだと思い、過去共々受け入れている。ちなみに、好きな色はパステルピンク、好きなアイスブランドはサーティワン。

 

 

第七駆逐隊嚮導艦。初任が現在の鎮守府で、七駆編成も同時。かつては標準的なデスロン(DesRon:駆逐隊)と同じく四隻編成だったが、その内の一人の艦娘が脱走まがいの事件を起こし、六ケ所村の海軍病院に措置入院させられてしまう。このことが、彼女の中で軍組織に対する決定的な不信感を植え付けることになり、後の粗暴な言葉遣いと態度へと繋がった。

口が悪すぎて軍法会議に放り込まれそうになったことが何度もある。が、事情を汲んだ上官に恵まれて今までお咎めがなかった。口調以外の勤務態度は優秀で、能力も高く、しかも年長者には絶対に逆らわないので、多少の口の悪さは大目に見られている。

 

 

駆逐艦漣、出るっ!(`・ω・´) 第七駆逐隊の二番手で、猪突猛進しがちな曙の軌道修正役。だが本人も強烈なキャラクターの持ち主で、明るいというよりやかましいタイプ。お菓子やパンなどを三人の相部屋に多数買い溜めしている。

基本的に誰とでもフレンドリーに話せるが、これは本人が意図して作ったキャラクター性によるもの。加賀との仲は特別で、彼女の前に限ってはこのキャラクター性を脱いで接することもある。心にもないことならべらべらと喋れるが、本心から思っていることとなるとなかなか言い出せないという意味でコミュ障。その点で言えば、口下手すぎて本心が出せない加賀とは共通しており、お互いに実は似た者同士であると思っている。

 

 

デカァァァァァいッ説明不要!! 鎮守府四大巨乳の一角にして、七駆の調整役。間を取り持つのが上手く、頭の回転も速いので赤城も何かと頼りにすることが多い。一見奥手に見えるが、積極的になる時は本当に積極的。一歩離れたところから物事を見ているので、アクの強い曙と漣をコントロールするのも上手。

加賀や漣以上に本心を明かさないが、同僚の脱走事件で傷付いており、心の底ではもう誰も失いたくはないと思っている。その分、軍組織への不信感は曙以上に強く、秘書艦の赤城でさえ一定程度の信用しかしていなかった。

意外と正義感と腕っぷしが強く、入隊前には痴漢や万引き犯の捕縛に学生ながら助力して感謝状を贈られたこともある。そのため、曙も漣も、潮には逆らおうとしない。

 

 

舞風

第四駆逐隊の一人で、鎮守府では一番の新参。一番のロリ。そして、一番肉体派かもしれない。ダンスなら何でも踊れる運動神経の持ち主。朗らかで人懐っこく、いつもニコニコと笑みを絶やさないが、それが空元気であるというのは鎮守府の中では共通知となっている。同僚の萩風と嵐を亡くしたことを引きずっており、よく笑っていても本心から笑うことはなかった。

意外と戦闘力は高く、しかも血の気が多い。普段は前述の通り人懐っこいのだが、一度スイッチが入ると非常に交戦的になる。艦娘ながら白兵戦も得意で、体格で劣っていても果敢に攻める度胸と、相手を圧倒出来る技を持つ。愛称は「マイマイ」。特技はカポエイラ。

 

 

のわっち

第四駆逐隊の(書類上の)嚮導艦。とにかく堅苦しく、生真面目。何事にも冷静に努めようとしているが、実は意外と感情的。精神的には未熟なところも多いが、殊、射撃に関しては抜群の成績を修めており、同じ艤装を背負う舞風と比べても命中率に有意な差がある。

舞風と同じく萩風と嵐の一件を引きずっている。よく舞風が踊っているのを横で見ているが、その踊りが彼女にとって悔悟や謝罪の意味を持っているのに気付いていながら、自らもまたそこに贖罪を見出している。平たく言えば、傷の舐め合いである。

ちなみに、目立ちたがらないくせにええ格好しい。「のわっち、のわっち~」で全てを台無しにされ、泣きが入る。

 

 

加藤

演 阿○寛。……ではなく、そっくりさん。そっくりだとよく言われる。階級は少将。出世志向がとっても強いが、イマイチパッとしないので中々上に上がれずにいる。ある日突然レミリアの着任が決定し、目前に迫っていた念願の司令官の座が遠のいたので、レミリアをこれ以上ないくらい逆恨みしている(的外れではないのだが)。

後に何とか念願叶ったものの、今度は加賀の喪失と一航戦の崩壊という、鎮守府のアイデンティティを揺るがす事態に陥り、敗戦の将の烙印を押されてしまう。艦隊運営自体は地に足の着いたものであり、職務もそつなくこなしていたので、組織人としては優秀であった。ただ、それ故に奇をてらった空母水鬼の戦術にはまってしまい、さらに挽回しようとしたところで……。

 

 

榛名

金剛型三番艦。現呉鎮守府筆頭秘書艦。日本ではネームシップの金剛、二番艦の比叡に続き、姉妹艦の霧島と共に三番目の艦娘として着任した。よって、金剛に次ぐキャリアの長さを誇るが、前線に出るだけでなく、在英大使館に駐在していたり、諜報部門に所属していたりと、異色の経歴を持つ艦娘でもある。艦娘としての戦闘能力や指揮官としての能力も高く、現在の呉や、横須賀などの大規模な拠点で秘書艦を務めている。

出身の家系も歴史的に由緒正しいものであるためか、軍内部だけでなく、政官財界あらゆる方面に広範な人脈を持ち、それ故に海軍制服組の影の権力者として恐れられている。ちなみに、無類の洋菓子好きで、とりわけ間宮製菓がお気に入り。賄賂を渡すなら金より間宮、という噂がまことしやかに囁かれている。

 

 

ウォースパイト

英国艦隊旗艦の艦娘。ブリティッシュロイヤルレズ。幼少より特殊な環境で育てられた箱入り娘。現在は栄えある王立海軍“艦婦”艦隊(Women's Freet Service)を率いる女傑で、「代将」の階級を持つ。政治的都合から先輩の金剛と着任時期を前後させられているので、公的には世界“初”の艦娘である。深海棲艦との戦いに人々を鼓舞するための国境を越えた活動が評価され、軍人ながらタイム誌の「世界で最も影響力のある100人のリスト」に掲載された。

イギリスを含めたEU諸国海軍は対深海棲艦任務に合同で当たっており、この合同部隊には非EU加盟国ながらロシアも参加している。ウォースパイトは実質的にこのEU+ロシア艦隊の旗艦でもあり、イギリス海峡での救出作戦を成功に導き、地中海から深海棲艦を追い出して欧州のライフラインを確保した功績で勇名を馳せた。

同性愛者であることを自覚しており、もし深海棲艦との戦いが終わったなら、カミングアウトして想い人と添い遂げようと考えている。最近Twitterを始めた。

 

 

紅美鈴

うだつの上がらない門番。「くれないみすず」と読めることを利用し、そう名乗って自販機会社に潜入していた。基本的には緊急時のサポート要員として、紅魔館メイド長の命により派遣された。紅魔館の中ではレミリアに仕えていた時間が一番長く、メイド長の先輩にあたるのだが、現在は一介の門番であるため、立場は下となっている。

元々外の世界にあった紅魔館で使用人をしていただけあって、ある程度文明社会には慣れており、適応力も高い。トラックからポルシェまでなんでも運転出来る万能妖怪。なお、咲夜さんのお仕置き用サンドバッグも兼任。

 

 

十六夜咲夜

レミリアの秘蔵っ子。目に入れても痛くないほど可愛がられているメイドさん。本人はその寵愛に応えようとやや空回り気味。化け物だらけの紅魔館に所属していながら、種族は人間のまま。度々主人から吸血鬼にならないかと誘われているが、思うところがあって断っている模様。レミリアが外の世界に行くことには最後まで反対しており、説得も受け付けなかったが、最終的には渋々主張を取り下げた。その代わり、美鈴を応急要員として派遣した。

元々は外の世界の人間で、レミリアの賞金首目当てで侵入し、敗北してそのまま飼い慣らされてしまった。何だかんだ尽くしている内にすっかり気に入られ、今では一番のお気に入りになってしまった。でも、お給金は出ない。最近帳簿と睨み合っていることが多くなった。

 

 

博麗霊夢

言わずと知れた楽園の素敵なお巫女さん。チャーミングポイントは脇。やから。山の神社の可愛い風祝さんによると、参拝客が来ないのは立地の悪さや寄り付く妖怪の多さではなく、その性格のせい。

口は悪いしがめついが、来るもの拒まずの姿勢が多くの妖怪を引き付けている。レミリアも彼女のことを気に入っているが、霊夢はレミリアのことはあまり深く考えていない。しかし、しばしばレミリアはパーティに誘ってくれるので、美味しいもの目当てで割と大切にしていたりはする。

咲夜さんに胃袋を握られているので彼女には逆らえない。

 

 

東風谷早苗

山の神社の可愛い風祝。参拝客倍加キャンペーンを開催したり、神徳増倍のお守りで人を釣ろうとする俗な聖職者。でも信仰や宗教については神職らしく真面目に考えている。実家の神社に放火して、信仰が完全に失せたところで神と共に幻想入りをしてきた。

信仰の獲得には熱心で、営業に余念がない。人と人、人と事物、人と神を繋げる「縁」が何よりも大切で、その「縁」を繋げるために日夜活動している。そして、一度「縁」が結ばれたなら、その「縁」を維持するために早苗は奇跡を起こすことさえ躊躇わない。

また、最近幻想郷に来たこともあって、艦娘や深海棲艦についての一般レベルの知識を持っている。咲夜さんの紅茶は三度の飯より好き。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

舞台設定等

 

 

 

赤城さんの鎮守府

東日本の太平洋側、某地方都市に存在する海軍の拠点。大湊警備府よりこじんまりとした造りながら、大型艦船が接岸出来る桟橋を備え、艦娘を運用する上での施設が一通り揃っている充実した基地。

赤城ら一航戦の母港に設定されており、艦娘母艦「硫黄島」の母港でもある。

 

 

日本海軍

日本国における軍事組織の一つで、主として海上・海中での活動を行う。日本国のほとんどすべての艦娘が海軍に所属しており、すべての艦娘が海軍内にて運用されている。

形式上は国連軍の一員として、国際協調の下、人類共通の敵である深海棲艦の駆除を行っているが、実際には各国の様々な内情や利権、感情論により、一体的な運用とはなっていない。その中で、所属の艦娘の兵員数が最大で、最も組織的に運用している日本海軍の発言力は強く、これと並ぶのはEU連合艦隊の旗艦であるウォースパイトを有するイギリス海軍、艦娘以外の海軍組織が最も大きいアメリカ海軍くらいであり、この三者を指して、「世界三大海軍」と呼ぶこともある。

 

 

深海棲艦

1950年代前半に突如として出現。その後徐々に勢力を伸ばして世界中の海に広がった新種の生物と考えられる。最初はソロモン諸島など、オセアニアの島々を襲っているだけだったが、1980年代に入って爆発的に増殖。タスマン海でのフェリー船撃沈事件以後活動を急激に活発化させて、世界の海運が壊滅的被害を受けてしまう。

目的は不明。人間や艦娘を見つけると無条件で襲って来る。50年以上研究され続けているが、未だに正体が分からない。遺伝子も分析不能な未知のもので、体の構成物質も人間には合成不可能なものだった。つまり、人間には深海棲艦が作れない。

唯一の弱点は艦娘による攻撃。一方で、通常兵器で撃破不可能で、足止めが関の山。一部戦術核が使用されたが、やはり効かなかった(一応損傷は与えられたようである)。ところが、真偽不明な噂話として、敬虔なカトリック神父が聖水を浴びせたら装甲が溶けて撃退出来たとか、シャチの群れに襲われているはぐれ艦を見た、といった証言が無数に報告されている。

 

 

艦娘

深海棲艦出現後、鹵獲した深海棲艦の構造を解析、得られたデータを応用して開発された、海上機動用携行武器システム運用者の総称。武器システムを「艤装」と呼ぶ。

潜水艦以外は海面に立つことが出来、妖精と呼ばれる一般には不可視な小さな生物を目視し、自分の手足のように使役することが可能。潜水艦は酸素ボンベなしでも長時間海中での行動が可能である。

何故か艦娘になれる適性を持つのは第二次性徴期から二十代前半までの女性のみであり、この理由はよく分かっていない。そもそも、艦娘自体、よく分からない深海棲艦の一部を利用した結果、思うような結果が得られたのでそれを利用しているにすぎず、深海棲艦共々原理的に不明なところが多々ある。

しばしば「艦娘は海に立つから泳げない」と言われるが、実際に潜水艦も含め、すべての艦娘は補助器具を用いても水泳が出来ない。その理由も分かっていない。

 

 

女神の護り

艦娘が艤装を一部でも装着することによって得られる効果。海に沈まない、脳や心臓を抉られても死なない、などの性質が付与される。背部艤装と艦娘の身体を接続し、艤装を固定する「装着部」と呼ばれるパーツのみでも発動するため、装着部が軽量で動きを阻害しない程度に小さいのもあって、陸上でもこれだけを着けて活動する艦娘も少なくない。装着部には装甲の発動スイッチもあり、アップリケ式などの追加装甲板以外では、基本的な装甲の展開を装着部の装着のみで発動させられるという強みもある。

艤装はそれ自体は金属の塊であり、大変な重量物であるが、それを人間体の艦娘が背負って支えていられるのは、「女神の護り」の効果の一つであるという仮説もある。

艤装が深刻な損傷を受けた時、この効果が消えることがある。その場合、艤装の自重により艦娘は直ちにその場に沈没、仮に艤装をパージしても艦娘は泳げないため、いずれにしろ溺死は免れない。戦闘中、敵の攻撃により「女神の護り」を失い、艦娘が沈没することを、「轟沈」と呼ぶ。

 

 

艦娘母艦「硫黄島」

硫黄島型艦娘母艦一番艦。「いおうじま」と読む。元は強襲揚陸艦として建造された軍艦だが、艦娘の運用拡大に従い、ウェルドックなどを改装、艦娘の運用に特化した艦になった。艦娘はウェルドック内から直接海に発進する他、艦上で運用される輸送ヘリからの展開も可能。損傷した艦娘を回復させる入渠設備、艤装の修理も行える格納庫、必要な燃料と弾薬も積み込むことが可能で、艦娘用の広めの士官室など、さながら動く鎮守府と呼べるほど充実した設備を備える。その上、輸送ヘリ、武装ヘリ、さらに短距離発進型の無人機の運用能力もあり、非常に多機能である。その分価格は高騰しており、戦闘海域に赴く際には必ず直掩の艦娘を随行させなければならない。

艦のモデルは某星条国海軍のワスプ級強襲揚陸艦。名前の由来はイオージマ級強襲揚陸艦。同型艦に「沖縄」、「大宮」などがある。

 

 

MQ-4J トライトン(短距離離陸型)

某国で開発された大型の無人偵察機の洋上運用型を輸入して日本独自仕様に改造した無人哨戒機。硫黄島型の艦上からの運用も可能なように、短距離離陸能力や空中給油能力が付与されており、離陸重量の抑制と滞空時間の延長がはかられている。基本的には母艦からの管制によって制御されるが、P-3CやP-1のような有人の哨戒機の補助として運用される場合もある。これら有人哨戒機では近付くのが危険な深海棲艦の勢力範囲において情報収集するのが主な役割。任務後は母艦に着艦せず、陸上の基地まで飛んで行って着陸する。

日本はトライトン以外にも多種多様の無人機を運用している。

 

 

夜間戦闘部隊

かつて川内が率いていた夜間戦闘専門の水雷戦隊。編成当時新鋭だった白露型駆逐艦の時雨、夕立、海風、江風、涼風が所属しており、いずれも高い練度を誇っていた。

基本的には夜間戦闘において深海棲艦を撃滅することを主任務としていたが、少数精鋭で夜間の活動が主という性質から、ダーティな任務に駆り出されることも少なくなく、こうした任務の中には督戦任務――脱走した艦娘の捕縛またはその場での処刑――も含まれていたため、この部隊の存在自体が秘匿されていた。

建前上、部隊の指揮権は艦隊司令官が握っているが、督戦部隊でもあった同隊は、性質上防諜組織の情報保全隊の助言を受けて任務を遂行することとされた。しかし実際には情報保全隊が指図を行っており、実質的にその指揮下にあった。なお、当時情報保全隊付きの艦娘であった戦艦「榛名」が同隊の事実上の指揮官であり、督戦任務等の防諜案件はすべて榛名の指示で動いていたいう。艦娘は機密情報の塊でもあるため、その脱走は防諜組織である情報保全隊の管轄案件となるのである。

現在は解隊されて、当時のメンバーはバラバラに配属されているものの、情報保全隊付きの艦娘が実質的に同隊の任務を引き継いでいる、とのこと。

 

 

六ケ所村海軍傷兵院

青森県六ケ所村に存在する海軍病院で、日本で唯一艦娘の治療を専門的に行える病院。身体的、精神的な損傷により戦えなくなった艦娘が入院しており、艦娘たちの間では六ケ所の病院に送られることは事実上の戦力外通告であると恐れられている。

また、この傷兵院は大きく二つの施設に分かれており、一つは元来の病院施設であるが、もう一方は病院に付属する研究所である。研究所では艦娘や深海棲艦に関わる研究が行われており、内容は高度に秘匿されているため詳細は不明。このような施設の性質から、隣接して海軍特殊部隊の訓練施設も置かれており、非常時にはそこから兵士たちが警備のため出動出来る態勢となっている。

通常、艦娘が「六ケ所」という場合には主に病院のことを指すが、文脈によっては研究所を指す場合もある。


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