これからどうなりますやら…
「お、お……」
「ぼ、ぼ……」
ロア=アルフォンスこと天翔光一は謎の空間に迷い込み、気が付けば空から海へと落下をしていた。
そこで見つけた『艦娘』と呼ばれる少女を救うが、爆発に巻き込まれ気絶する。
目覚めた場所は見慣れぬ施設であった。
そして、少女との再会を果たし、光一は提督と呼ばれる人物の元へとやってきた……しかし
「「俺(僕)がいるぅぅぅぅ!!!???」」
出会ったその人物は光一と瓜二つの青年であったのだ……
『任命のCaptain』
「ちょ、ちょっとタイム!」
「お、おう…こっちもタイム!」
白い服を着た光一、もといそっくり提督がそう言い、両隣にいた二人の女性を自分の元に招き入れスクラム状態になった。
「ちょっと、長門、陸奥。僕この状況聞いてないよ!?」
「すまない、正直どう報告すればいいかわからなかった…」
「そうね、あまりにも瓜二つだったんで、もしかしたら提督の知り合いかと思って、直接会って聞いてもらった方が早いかなって?」
「だからって、驚くなとか何も言ってくれなかったじゃないか?」
「あら、知り合いだったら再会のサプライズになるかなって思ったんだけど?」
「そんな、サプライズいないから……」
一方、光一もまた吹雪、睦月、如月、夕立を招きスクラム状態となる。
「えっ、なに、ありゃどういう事だ!? 俺がいるぞ!俺が!?」
「正直、私達だって驚いています」
「あの時に助けてくれたのが司令官だと思ったんですが…」
「お兄さんを連れて帰ったら、提督さんはその場にいたし…」
「お兄さんって提督さんの双子っぽい?」
「あいにく俺には双子も兄弟もいねえよ……」
それから、互いのスクラム状態が解かれて元の配置にならび立つ両者。
「いきなり失礼なことをしたね、改めて自己紹介を……僕はこの『鎮守府』の司令を任されている『天翔刀真(てんしょう・とうま)』です」
「ぶはっ!?」
「えっ!?なんで急に?」
「いや、そのな……おほん。俺は天翔光一、よろしく頼む」
「えっ!?」
「なんと…」
「あらあら…」
あまりにも似た容姿に同じ『天翔』の姓名に周りは驚きの声が上がっていた。
「君のおかげで大切な仲間を救われた。ありがとう」
席を立ち上がり、机から離れた刀真は軍帽を脱いで、お辞儀をする。
「いや、そこまでしなくても……」
「そこまであるんだよ、あの時、帰還する中で誰一人とも如月の様子に気が付けなかったのだから…君が来なければ今頃…」
もしも、光一があの場所で落ちてこなければ、如月はこの場にはいなかっただろう……
刀真をはじめ皆がもしものことを想像していたのだろうか、暗いムードになってしまった。
「だぁ、もう暗くなるなって! 現にこうして本人は無事なんだから、もういいじゃねえか!? なあ?」
「は、はい!そうですね!」
光一に同意を求められた如月も慌てて頷く。
「じゃ、この件はこれで終了。で、これからの事なんだけどよ……まずはこの鎮守府ってのと、この子達の事についてだ」
「そうだね……長話になるけどいいかい?」
「いいぜ」
「わかった。陸奥、何か飲み物を用意してくれるかい?」
「確か紅茶があるわ、それでいいかしら?」
「うん、お願いするよ。吹雪達は解散してくれていい、ここにいても退屈だと思うから」
「いえ、そんな事は…」
「夕立は退屈そうな顔をしてるよ?」
そう言われて一同が夕立の顔を見ると…
「ぽい!」タイクツデス!
「ぽい……」ハイハイ…
「なんか通じ合ってる!?」
不思議なコミュニケーションを見た後、吹雪達は執務室から退室し、刀真と光一に二人の女性が残った。
「そう言えば、彼女達の紹介がまだだったね、長門」
「私は長門型1番艦、長門だ。よろしく頼む」
「お、おお…」
長門と呼ばれた女性の気迫に思わず光一はすくんでしまう
「もう、相変わらずね、長門は……はいどうぞ」
「あ、どうも…」
もう一人の女性から紅茶を受け取り、机に置く。
「私は、長門型2番艦の陸奥よ、よろしくね♪」
軽くウインクをされてしまい、長門とは別の意味ですくんでしまう光一であった。
「まずはこの世界で起きていることを説明しよう……」
刀真からの説明が始まる……
時は遡り、2000年代初頭。
太平洋を始めとした海の奥、深海から突如出現した謎の生物『深海棲艦』。
人に近き存在でもある彼らに人類はコンタクトをとるが、問答無用の攻撃にコンタクトを取ろうとした調査団は壊滅…
敵意を持っての行動と認識し、交戦を始める人類だが……
既存の戦闘機、戦艦、各武装が全くと言っていいほど効果がなく、編成された戦闘部隊は返り討ちに会ってしまうのだった。
その影響で海域の大半が彼ら深海棲艦によって支配されてしまうのだ。
もはや、人類は全滅するだけかと思われたが……救いの女神が現れた。
それが……『艦娘』と呼ばれる少女達。
一件、女学生の姿をしている者もいれば年相応の女性の姿を持つ者たち。
背中や腕に軍用艦の武器を模した艤装と呼ばれる武器を使い、深海棲艦の軍団を海域を追い出すことに成功する。
話が通じ合って友好的であると受け入れ、話し合いの場を設けて、彼女たちの事について聞いてると
自分達はかつて人類が築いた「軍艦」の魂が生まれ変わりだと主張した。
それを聞いた人類は本人立会いの元で武器を調べてみると、軍艦の武器が共通の武装が多数発見される。
そして、人類は深海棲艦から取り戻した地域を中心に最大の防衛線『鎮守府』の建築に着手。
残りの海軍を中心に『提督』を育成する事になった。
だが、『提督』となれるのは、ほんの僅かな人間だけで、特に艦娘と共に現れた『妖精』とのコンタクト能力。
更には、窮地の先は冷静な判断力がとわわれている。その他にも軍人としての訓練を乗り越えなければならないのだ……
そして、話が終わり、ほっと一息を入れる一同。
「ここまでがこの世界で起きている事だ……」
「……」
一息を入れて、刀真が先に少し冷めた紅茶を口に入れた。
「『艦娘』に『深海棲艦』か……俺がいた世界とは似ているようでかなり違うようだな…」
「やはり、君は別の世界の人間なんだね?」
「やけにあっさりと信じるな?根拠はあるのか?」
「如月達が君を連れてきた時、君は不思議な姿をしていた。それに預かっている装備を調べさせてもらったけど、我々の世界とは違う技術であることが分かっているからね」
後は君自身の言葉だけ…そう言いながら、もう一口。
光一も残りを一気飲みで紅茶を飲みほした。
「なら、どうするか見当はついてるだろ、提督さん?」
「ああ…長門、陸奥。一時間後に全艦娘をグラウンドに集合、彼を新たな協力者として鎮守府に迎え入れる」
「わかったわ」
「了解した……」
長門と陸奥が執務室を出て、待機している艦娘達を集めに向かった。
それからしばらくして……刀真は語り始める。
「一つだけ、あの子たちに言っていないことがあるんだ……この鎮守府に赴任して数日にある夢を何度も見たんだ」
「夢?」
刀真が見たという夢……
見慣れない鉄の建物に囲まれた夜の風景に近くには白いドレスを身に包まれた吹雪が一人。
彼女はただただ刀真を見つめていた。
「そして、突然降下してきた天使が一人が現れ……」
空から白い羽を持った天使が吹雪に向かった突撃をする。
「吹雪と激突して、夢が終わった……その日の翌日、今の吹雪がこの鎮守府に配備されたんだ」
「……」
「そして、君が現れた……この繋がり、何かあるんじゃないかって確信している」
「だとすれば、俺の見たあの幻も大きく関係しているのかもしれないな……」
「幻?」
今度は、光一が説明する。
コウワンとホッポと呼ばれた人物を探す目的を刀真に話した。
「港湾と…北方…意外な名前が出てきたね?」
「知っているのか?」
「ああ、と言っても軍の資料で見た程度だけどね……となるとその件は慎重に進めないと」
「構わない。手掛かりさえ教えてくれれば、俺自身で動く、世話はかけねぇよ…」
「了解だ……よろしく頼むよ。天翔隊長」
「おう!……ん?隊長!?」
刀真が立ち上がり握手を交わしたが、聞きなれない単語の登場に光一は惚けてしまった。
数分後、鎮守府のグラウンドにて所属している全艦娘達が集まっている。
「全員、静粛に!」
静かになったその中に刀真と光一の二人が前に出て、皆の前に立つ。
「本日付で我が鎮守府に新たな仲間を招き入れる」
光一を前に出ると、皆が驚きの声を上げる。
光一を初めて見た者にとって、提督のそっくりさんが現れたのだから…
「彼には新たに特別遊撃部隊の隊長を務めてもらうことになる。皆仲良くしてくれ!!」
これが、光一と艦娘達とのファーストコンタクトであった……
NEXT…
光一達との艦娘とのファーストコンタクトは無事に果たされた。
そんな時、特別任務の出撃を頼まれる。
編成された艦隊には吹雪も参加することになっていた。
そして、出会った高速戦艦の四姉妹……
次回『熱烈のDiamond』
「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、テェ~トォ~クゥ~♪……あれ?これは提督じゃなくて…………アナタ、誰デス!?」
「今頃かよ!!?」