(もしかしたら追加があるかも……? だがハーレムにはしない!)
金剛姉妹達との任務から数日…
光一は一人、食堂に向かって歩いている。
その右手に持つのはまだ力が戻らない『フォーム換装』のMDがあった。
「マーメイド以外は回復の兆しは全くナシ……か」
視界を前にせずT字通路の合流点に差し掛かった時……
ドンっと誰かにぶつかってしまってしまう、その拍子に手にしていたMDが飛びあがり床に落ちる。
視線を声がした方見ると一人の艦娘が座り込んでいた。
「大丈夫か?」
「……もう、前方不注意じゃないか」
「わ、わりぃ……」
「いいよ。僕も走っていたし、お互い様だね」
「そうだな……あり?ディスクはどこだ?」
手を差し伸べて艦娘の立ち上がって気付いた光一がきょろきょろと辺りを探す。
ふと、艦娘は自分の足元に見慣れないものを見つけて拾い上げた。
「もしかして、これを探してるのかい?」
と差し出されたのは先ほど持っていたMDである。
「おお。それそれサンキューな!」
「はい、どうぞ」
彼女からMDを受け取った瞬間……
ビシッと小さな電撃が光一の肉体に走る。
静電気かと思ったが、ふとMDに光が宿っているのに気付く。
「大丈夫?」
彼女の声に引き寄せられ、気が付くとMDの光は消え、彼女が不思議そうに光一を見ていた。
「あ、ああ……大丈夫だ」
「君があの提督そっくりな凄い隊長なんだね、僕は白露型駆逐艦2番艦の『時雨』だよ、よろしくね」
「白露……、どこかで聞いた………ああっ、夕立の姉ちゃんか!?」
「そうだね、夕立とは姉妹艦だから……ああっ!!みんなを待たせているんだった。ごめん隊長、僕はこれで」
「お、おおっ」
時雨が慌ただしく走っていく、それを呆然として見送る光一であった。
改めて時雨が拾ってくれたMDを見ると変化が起きている
《Priest》
浮かび上がった印、目覚めの時が迫っていた………
『理想のFleet』
朝食を済ませた光一は、刀真から呼ばれて執務室にいた。
そこで聞いた話は全艦娘の再編成をするとのことだ。
理由は前々から考えていたことであり、前回の特務で謎の敵が吹雪を狙っている情報が入ったことで、
各艦隊の練度強化の為に部隊を一新することになった。
そんな話に自分はわざわざ呼び出す理由にはならないと聞いてみると刀真からこんな言葉が返ってきた。
「光一。君だけの『艦隊』作りたくない?」
「お前、本気か!?」
刀真から説明は続く、吹雪を狙う謎の人型に対抗する為に光一専属の艦隊を結成。
その際に光一の探す2人の深海棲艦を捜索をやりやすくする為と一石二鳥の狙いを示した。
「それじゃあ俺の目的をそいつらに教えなきゃならないよな?」
「だから、君自身の『目』と『勘』で『信頼出来る艦娘』を探すのさ」
「お、おおっ……」
それから一週間、光一はメンバー探しに当たる。
だが、艦隊に対する知識がほとんどない光一にとっては困難な問題であった。
『目』と『勘』だと言われても、どうやって決めればいいかさえも分からない状態だったが、ふとあることを思い出した。
先日の時雨との出会いでディスクが彼女の手に触れた時に反応が起こりディスクの文字が浮かび上がるのを……
一週間後……
鎮守府に所属する全艦娘の艦隊が解散し、新規登録の手続きを行う
その任命は提督である刀真から書類を渡されてそのまま各部隊の隊員寮へと移動するのであった。
肝心の吹雪は第五遊撃部隊に所属、メンバーは空母『加賀』と『瑞鶴』雷巡の『北上』と『大井』
最後に戦艦『金剛』……と、チームの団結力は最悪。
そんな重苦しい空気に吹雪は不安いっぱいだったのを後から聞いた話であった……。
そして、吹雪が団結しようと奮闘している頃……
「という訳で、今日から君達は『第七特務機動部隊』として俺と共に戦ってもらいたい、よろしくな!」
「はい、頑張りますわ♪」
嬉しそうに最初に返事をしたのは『如月』。最初に出会った艦娘でもあり、いきなりの危機を救えた彼女。
恩を返す為に手助けをする術を探していたが、この艦隊で貢献できる事に嬉しく思っていた。
「にひひっ、今度は負けないんだからね~♪」
鎮守府一のマイペースガール『島風』。
スピードにはだれにも負けないと自負していた彼女に思わぬライバル登場で
毎日一度はかけっこ勝負を挑まれて続けた故か気が付いたら一緒に行動するようになった。
「うん、よろしくね」
曲がり角でごっつんこと漫画のような出会い方をした『時雨』。
彼女には艦隊の内容についていろいろと話を聞くことができメンバー集めにも協力してくれたのだ。
「「「よろしくお願いします」」」
残りのメンバーは順番に軽巡洋艦『神通』、軽空母『瑞鳳』、戦艦『榛名』
みな光一のディスクに大きな反応を示した6名である。
「まあ、これからすることは特にないんで俺はこれで…」
「わーっ、ちょっと待ってよー!」
「ん?何だよ?」
「如月ちゃん達とはいろいろ話してたみたいだけど、私達3人はあの時に会ったきりなんだよ?」
「吹雪ちゃんからはお話を聞いてはいましたけど、直接的な交流がありませんでしたし」
「そうですね、榛名も南西諸島での件以来、機会がありませんでしたね…」
「では、今日の課題は『隊長さんのアレコレ聞いちゃおう』ですね♪」
そう言いながら、光一の背後を取る如月、島風と時雨も同じ位置にいて光一を見ている。
如月の意見は満場一致であった……
更に数日後…
「ああ……昨日はひでぇ目にあった」
間宮での食事会という名の『尋問会?』を毎日に行われていたので精神的に参った光一はため息をついて歩いている。
「仕方ないさ、提督そっくりな隊長に皆は興味津々だったんだもの」
付き添う時雨が笑みを浮かべてそう言う、彼女が話を一旦切り上げてくれなければまだ続いていたであろう……
「そう言えば、今日の出撃予定は?」
「ええっと、第五遊撃部隊が一度ありますね……」
「まだ続いていたのか?旗艦決め?」
今日の予定を榛名が返答する。
現状の第七特務機動部隊は第五遊撃部隊と同様の任務をしている。
時には、第六駆逐隊に混ざり、遠征任務も受け持っていた。
「その用です…」
「金剛じゃダメなのか?」
「お姉様も指揮に失敗したの事です…」
「まあ、あのメンツじゃなぁ……」
空母の加賀と瑞鶴のやまない喧騒、北上と大井は常に二人で一緒でなければイヤだと、
まとめれそうな金剛も根拠のない発言に吹雪がだいぶ参っていた話を睦月と如月からの伝手で聞いていた。
「ねえ、隊長。今日は僕達はどっちにするの?」
「そうだな……遠征の方に……」
鎮守府全体に警告音が響き渡る……
「これは……?」
「どうやら、今日はこっちだな……第七特務機動部隊は全員集合の上で発進用意!」
「「了解!!」」
大淀からの情報だと、偵察機が鎮守府近海に深海棲艦達の艦隊が接近中との事。
艦の種類は『雷巡チ級』を中心とした艦隊が鎮守府を目指し北上している。
「第五遊撃部隊、及び第七特務機動部隊は直ちに出撃、敵艦隊を駆逐せよ!!」
刀真から指令に二つの艦隊が出撃した。
《第七特務機動部隊は第五遊撃部隊の後方からの支援を頼む!》
「了解だ」
刀真からの個人通信で光一達第七特務機動部隊は第五遊撃部隊の後方に配置、状況を見守ることになった。
最初は各艦娘がそれぞれ好きに行動をし始めたが、吹雪がそれを止め指示を出す。
加賀と瑞鶴の索敵、吹雪が前に出て敵艦隊をけん制、その隙を狙って金剛の砲撃が炸裂。
しかし、直撃とならずだが、北上と大井の雷撃戦に繋げて、旗艦である雷巡チ級を撃沈させたのだった。
「雷巡チ級の撃沈を確認……どうやら、私達の出番はなさそうですね?」
「これで終わってくれれば、御の字……っ! 来たか!!」
勝利の余韻を浸っている第五遊撃部隊の前に水柱が起こし、そこから謎の人型深海棲艦達が出現した。
「な、なにこいつら!?」
「いつの間にこんな近くへ……!?」
人型を初めて見た加賀と瑞鶴は驚きを隠せない
「このEnemyは南西諸島に出てきたのと同じデス!!」
「どうして!? あれから姿を見せていなかったのに…」
一度、見たことのある金剛と吹雪はその不気味さに一抹の不安を感じる。
「こいつらも敵として来たのなら、倒すだけだね。行くよ大井っち!」
「はい、北上さん!!」
最初に北上と大井が雷撃戦で先手を取るが……
「えっ?」
「そ、そんな!?」
なんと、人型の深海棲艦は飛行して魚雷を回避したのだ。
飛行した人型の深海棲艦はそのまま機関銃を放ち、北上と大井にダメージを与えていく。
「ならば、艦載機で……五航戦、あなたも続きなさい!」
「言われなくてもっ!!」
弓を引いて艦載機を展開する加賀と瑞鶴だが、射程内には届いているがダメージが大きくない。
人型の深海棲艦は飛行しながら回避ステップを取り、徐々に吹雪へと近づいてきた。
「やはりブッキーを狙っていますネ! やらせません、Fire!!」
吹雪に近づかせまいと金剛が主砲で迎撃を行うが、命中せずに水柱が起こすのみ。
「No!?」
完全に狙いをつけられた瞬間……
緑色の矢が人型の深海棲艦の背中を貫き爆発を起こし弾き飛ばした。
「今のは…!?」
後方から第七特務機動部隊が進撃する中、軽空母の瑞鳳が弓を構えている。
「隊長、敵機に命中したよ!!」
「上出来だ。これより第五遊撃部隊を援護。各艦、戦闘開始!!」
光一と島風と神通が先行し、人型の深海棲艦を引き付ける。
その後方で瑞鳳の弓で援護射撃を行う、しかし矢は艦載機と変化せず赤色の光の矢が人型の深海棲艦を翻弄した。
「お姉様、ご無事で!」
「吹雪ちゃんもよかった……」
「榛名……Good timingデシタ」
「如月ちゃん……ありがとう」
榛名と如月が慌てて二人の元へと合流する。
そこに時雨も加わり……
「傷が大きい人はいる?」
「北上さんが!!北上さんが!!!」
「落ち着きなよ……中破ぐらいなら…っ!!」
「辛そうじゃないか、そのままでいて………っ!」
時雨の手から、緑色の粒子が浮かび上がり北上を包み込むと北上の受けたダメージが癒えた。
「あれ? 痛みが無くなった…」
「北上さん!!」
傷が癒え、痛みを感じないことに不思議に感じる北上に大井は喜んで抱き着いた。
「時雨……あんた、その力何なの?」
「そうだね、強いて言うなら………」
瑞鶴の問いに時雨は目をつむり、空で戦う光一を見て答えた……
「僕達と隊長の信頼の印かな?」
それから、人型の深海棲艦は撃破したが手掛かりは残らず、第七特務機動部隊は第五遊撃部隊と共に帰還するのであった。
NEXT……
結成した第七特務機動部隊は各々の力を大いに発揮することに成功した。
ここからはそのまま鍛錬していくのであったが、鎮守府にてちょっとした催し物が開催される……
その開催に秘書官・長門がかなり神妙な顔になっていた。
その内容とは………
次回『華麗なConvention』
「何で、俺はこっちに……?」
「だって、隊長さんツッコミ上手なんでしょ?」