艦隊これくしょん~提督はご先祖様?~   作:サウス零

6 / 6
本当にご無沙汰しております。
続いておりますとも、はい!


6・孤独のAircraft carrier

賑やかなカレー大会が終わっての数日。

 

鎮守府には新たな打電が届いていた。

 

通信担当の大淀が暗号解析を始め、内容を指令室にいる刀真達の前に立つ。

 

「暗号の解読終わりました。FS作戦の次なる目標と作戦詳細の通達です。」

 

「報告を」

 

「はい。作戦目標は戦地『MO』本鎮守府には空母機動部隊と攻略支援部隊の出撃命令が出ています。」

 

「了解した…」

 

「ようやく、動くんだね…」

 

そう言いながら、窓の外を眺める刀真。

 

青い空がこれからの作戦に導く先に何があるのか……

 

 

 

 

 

 

『孤独のAircraft carrier』

 

 

 

 

 

鎮守府沖にて、ロア率いる第七特務機動部隊は出現した深海棲艦の部隊を迎撃していた。

 

「主砲!砲撃開始!!」

 

「当たってください!」

 

戦艦『榛名』と軽巡『神通』が先制の砲撃が炸裂、大半の敵艦にダメージを与える。

 

「さあ、いくわよ~」

 

「にひひっ あなたって、遅いのね!」

 

「見つけたよ!」

 

それに続き、如月、島風、時雨と駆逐艦の魚雷を展開。

 

「アウトレンジ、決めます!」

 

「フレイムカノン!!」

 

追い打ちに瑞鳳の艦載機とロアの攻撃が敵艦隊を撃沈させる。

 

鎮守府に帰還した一同の前に大勢の艦娘が集まっていた。

 

話の内容を聞くと、第五遊撃部隊の空母『加賀』が同部隊の空母『瑞鶴』を庇い、中破状態となってしまう

 

直ぐに修理を行おうとしたが、作戦展開により修復材を使い切ってしまったのだ。

 

その為、先に被弾した赤城は長時間の入渠を余儀なくされる。

 

明日にはMO作戦に参加する為、加賀の出撃は不可能となり、加賀の代わりに瑞鶴の姉である『翔鶴』が編成する案を具申することとなった。

 

 

 

「うぅぅぁぁ……!!」

 

「吹雪ちゃん大丈夫?」

 

「うぅ……たぶん…」

 

「たぶんって…」

 

休憩中の公園にて吹雪が頭を抱えて唸っていた。

 

睦月と夕立もその姿に心配している。

 

部隊で唯一の旗艦が駆逐艦である自分に不安を語り始めた。

 

旗艦に指名されて、不安の中上手くやって行けそうだった時に今回の事となったこと。

 

いつも口喧嘩の絶えない加賀と瑞鶴がいつかいいコンビになれそうだと思っていたが、すっかり自信を無くしてしまった。

 

「それはないっぽい」

 

「うん、私もそう思うよ。だって吹雪ちゃん頑張ってたもん。私も夕立ちゃんも知ってるし、きっと私達なんかより第五のみんながもっといっぱい気付いてるよ」

 

「そうかな…?」

 

「そうだよ、じゃなきゃあのすっごいクセ者っぽい人達なんて速攻解散してるっぽい!」

 

「うん!」

 

「そうだな、俺もそう思うぜ…」

 

新たな声に顔を向けると三人の前には光一と如月がいる。

 

「あの『クセ者達』を上手く束ねているんだ。もう少し自信持てって!」

 

「そうそう、『さらにクセ者な』隊長さんが言っているんだから…」

 

「そうそう、さらにクセ者な俺が言うんだから……ってコラッ!?」

 

二人の漫才みたいな会話に吹雪達に笑いがこぼれる。

 

「ありがとう、睦月ちゃん、夕立ちゃん、如月ちゃん、隊長さん。やっぱり友達って嬉しいね♪」

 

しばらく会話する中…

 

「あれ、いつの間に隊長さんも友達になってたっぽい?」

 

「あっ、そう言えば!?……ええっと…?」

 

「何でそんな顔をする……」

 

「そうそう、だって隊長さんは『艦隊のお兄ちゃん』だもの…ね♪」

 

「それまだあったのかよ!?」

 

未だに呼ばれる謎の通称に光一は不満でたまらないのであった。

 

しばらくして、光一は間宮で軽食をしていると…

 

「通達です、第五遊撃部隊、駆逐艦・吹雪。天翔隊長、提督室に出頭して下さい」

 

大淀からの通信で吹雪と光一は呼ばれた。

 

吹雪と合流して提督室のドアの前に立つ二人。

 

「天翔光一、入るぞ」

 

「駆逐艦、吹雪入ります!」

 

ガチャリとドアを開けると中には長門と刀真が待っていた。

 

しかし…緊張のあまり、手足が同時に動いてロボットの様な歩き方をしてしまう吹雪。

 

「手と足が一緒に出ているぞ」

 

「ガチガチだね」

 

「現実で出来るんだな、そういう歩き方」

 

「ハグッ!?」

 

「そう緊張するな、提督はお前をけん責するために呼んだのではない、逆にあのメンツをまとめていると褒めておいでだ」

 

「本当ですか!?」

 

「本当だよ、あの面々は僕もなかなかあんな風には出来ない。吹雪、君が来てくれて嬉しく思うよ」

 

「あ、ありがとうございます……」

 

「そんな君だからこそ、聞いておきたい事があるんだ…」

 

刀真は長門に軽いアイコンタクトを交わして会話の内容を彼女に繋いだ。

 

「提督は明日の作戦、加賀の代わりに翔鶴を入れるか否はお前に判断を任せるそうだ」

 

「あっ…」

 

「先ほどの様子見るに、瑞鶴のメンタルも気になる…どうだ。やれるか?」

 

「それは…」

 

ふと、吹雪は先ほどまで話していた瑞鶴との事を思い出す。

 

加賀とは喧嘩混じりでのやり取りする中、自分を庇った加賀を大破させてしまった責任を感じており

 

机に置いてあった手拭いで作ったウサギを握っている。

 

そんな彼女の為に吹雪は決断した。

 

「やれます!」

 

「わかった。よろしいですか提督?」

 

「うん、もちろんだ。」

 

吹雪の答えに安心して笑みを浮かべる刀真。

 

「では、改めて出撃が決まったことでもう一点話しておきたい事がある。」

 

「はい」

 

「明日の作戦について……いや昨今の深海棲艦との戦闘にて、提督はある深刻的な懸念を抱いておられるからだ」

 

「深刻な懸念だ?」

 

「そう……これは遊撃部隊である旗艦である吹雪と隊長である光一に聞いてほしい内容なんだ……」

 

刀真のいう『深刻的な懸念』とは……

 

 

 

 

 

夜は更け、日時はMO攻略作戦開始の朝を迎える。

 

「第三艦隊、旗艦・夕張、出撃します!!」

 

鎮守府に警報が鳴り響き、出撃デッキが稼働し、着々と艦娘が編成され出撃していた。

 

光一の第七特務機動部隊も戦地『MO』へと向かっていく、進行ルートは先に発進した夕張の率いる艦隊を護衛する形で進行するのであった。

 

そして、MOまでの海域を順調の進んでいく中、全員に一斉の通信音が響いた。

 

「緊急通信、MO攻略本隊が多数の急降下爆撃で進行停止!?」

 

「なお、戦闘は現在も継続中。されど敵空母の位置は発見されず進行困難、速やかな発見と撃破と求む……隊長!?」

 

「ちっ、もう仕掛けてきたか! 瑞鳳、神通、索敵機発進!!」

 

「わかったわ!」

 

「はい!」

 

瑞鳳と神通はそれぞれ持つ艦載機を飛ばして海域の索敵に当たっていく…

 

「隊長、榛名達はどう動くのですか?」

 

「俺達も隠れている敵空母を探して落とす、それに先に向かった夕張達も引っ掛かっている可能性がある。」

 

「2番機から報告。敵艦隊が接近中、機種は戦艦1、空母1、軽巡1、駆逐3よ」

 

「こちらも報告です、反対方向から敵艦隊を発見、編成は瑞鳳さんのと同じです。」

 

「っちぃ、上等だ!各員戦闘準備、まずはこいつらからだ!!」

 

『了解!!』

 

 

最初に接敵した敵艦隊は容易く撃沈、続いて増援の艦隊も撃沈に成功した。

 

その呆気なさにロアは違和感の感じられずにいた。

 

先の時に言っていた刀真の『深刻的な懸念』を思い出す。

 

彼が言った内容とは、

 

『各鎮守府に使用されている無線機の暗号を深海棲艦が解読し作戦内容を把握されている』

 

との事…だが、確信はまだ無い。

 

深海棲艦は未知なる存在な為、何処までの知力と技術を持っているのかはまともな情報収集が出来ていない。

 

長門からは最悪な事態に対応できるよう心構えを唱えるが、ロアにとってはこの世界の転移自体が最悪状態である。

 

考えても仕方がない、今は戦地『MO』への進行を最優先にすることにした。

 

しばらくして、夕張率いる第三艦隊の援護、攻略部隊の祥鳳を救出し、MOへと進んでいく第七特務機動部隊。

 

更に朗報が入る。

 

珊瑚礁島沖にて第五遊撃部隊が敵機動部隊を発見、空母ヲ級1隻大破と1隻轟沈による撃退に成功した。

 

それに対して空母『翔鶴』が中破状態だが、航行は可能である。

 

その情報に皆が喜びの声を上げてハイタッチなどを交わして笑顔になっていた。

 

そんな中……

 

「あれ、隊長は?」

 

「それが…」

 

「野暮用が出来たって、別行動。戦闘が終わった直後にだね」

 

島風がロアの姿がないことに気付き問いかけてみると、神通が困った表情を浮かべ、時雨も困った感じで答えた。

 

「ええーっ!? MOに着いたらかけっこしてくれるって約束したのに~!!」

 

「野暮用って攻略作戦中なのに一体何処に行ったのよ?!」

 

「でも、深刻な顔を浮かべていました……何も無ければいいのですが」

 

「隊長さん……」

 

瑞鳳は作戦中に何をやっているのかと呆れ、榛名は一瞬見たロアの表情に不安を感じる。

 

如月は、ロアが居るであろう沖を見つめるのであった……

 

 

 

 

 

 

image BGM 「スカルハート見参」

 

 

そのロアはというと、先の戦闘中に全く別方向に進路を進めている敵艦隊を見つけた。

 

最初は遠い所で僅かな反応だった為に気のせいかと思ったが、なぜか不安感が湧きあがり行動を起こす。

 

直後に神通、時雨、榛名に後の指令を伝えて別行動を開始したのだ。

 

「隊長としてはよろしくない行動をしちまったな~。瑞鳳あたりが呆れてそうだ……」

 

我ながら無責任なことをしたと自虐していたが、敵艦隊をキャッチしてその方角へフルブーストで向かった。

 

見つけた敵艦隊に向かって降下するロア、だが敵艦隊はロアの姿を確認しても無視し航行を続ける。

 

一体何があるのだろうかと先を見るとそこには驚きの光景があった。

 

「ヲキュ!!」

 

「「「「イキュ!!」」」」

 

何と深海棲艦の一種である空母「ヲ級」と駆逐「イ級」4隻が同じ深海棲艦と戦闘中。

 

ヲ級の飛ばす艦載機が敵の軽巡「ヘ級」を撃破。

 

対して敵の駆逐「ハ級」6隻が魚雷を展開、イ級にダメージを与えている。

 

その奥には人型の機械兵士「アーマーノイド・アーミー」が黒い装備に包まれ、ライフルを構えていた。

 

「こいつはたまげたってか……っ、まずい!!」

 

軽母「ヌ級」3隻が艦載機を仕掛けると、ヲ級の周りにいたイ級達が散開させられ、

 

その隙を付くように、戦艦「ル級」が砲撃がヲ級を捉えてしまった。

 

ダメージを受けしまうヲ級は中破状態で攻撃能力を失ってしまう、

 

杖を支えに立ち上がるが、目の前には戦艦の砲塔が狙い炸裂する瞬間だった……

 

突然飛んできた火炎弾がル級にダメージ、砲撃の無効化に成功した。

 

謎の砲撃にヲ級が飛んできた方向を見ると、そこにロアの姿があった。

 

「お前は…」

 

「ヲ?」

 

「いや、詮索は後だ。お前らの相手は俺だ!!」

 

ロアが水色のMDを取り出し、左腕のアームパーツに装填する。

 

《Change on Mermaid.with Destroyer!!》

 

金剛姉妹との戦闘で使用した水中戦スタイル『マーメイド・フォーム』に換装。

 

だが左右の腕部に小型の連装砲と腰にチェーン付きの錨が追加装備されていた。

 

「たあっ!」

 

すぐさまに空高く飛びあがり、左腕部の連装砲を2連、両腕で4連と連続射撃を仕掛ける。

 

命中精度は精密機械の如く。敵艦隊の進路上を捉え夾叉を起こし、次々と動きを留めてしまう…

 

「次はこいつだ!」

 

再びの連携砲撃に脚部のレッグガン・ミサイルを発射。

 

発射されたミサイルは飛ぶことなくそのまま海に落ちていくと動き出して敵に向かって進んでいく。

 

そう、これはミサイルではなく魚雷である。

 

護衛役の駆逐達が落とされて軽空母3隻は焦るように艦載機を射出。

 

艦載機の機関砲がロアをつつくように攻撃をするが、ロアには全く効いていない。

 

そのまま、しゃがんで腰についている錨とチェーンを持ち、それを思いっきり投げ込んだ。

 

錨は見事ヌ級の顔面にめり込む。

 

「でぃぃぃえぇぇぇぇやぁぁぁぁ!!!!!!」

 

つながっているチェーンを両手持ちにして、ヌ級ごと振り回して大回転。

 

海面に軽い渦潮を起こし吹き飛ばしたその先には、もう2隻のヌ級に当たり大爆散。

 

残りは戦艦ル級だけ、すぐさまにロアは大型の槍『マーメイド・ランス』を構えた。

 

怯まずル級が主砲を攻撃するがロアの気迫に押されて狙いが甘くなり、攻撃が軽い旋回行動で回避される。

 

なりふり構わず砲撃を行った為に水柱を大量に起こしてしまう、それによってロアの姿を見失ったル級は辺りを見渡し構えている。

 

海面から光が飛び上がってきた瞬間…

 

ル級は空に舞い上がっていた。そして、そのまま突撃するロアの姿を見つけても……

 

マーメイド・ランスが突き刺さり爆発を起こし、ル級はそのまま海の底へと消えていくのだった。

 

残るはアーミーの三機。だが、彼らにとってロアの乱入は予想外だったのか、ル級が撃破されたと同時に撤退していたのだった。

 

その姿を見届けたヲ級は一言……

 

「モシカシテ、アノヒトガ…?」

 

 

 

 

追われていたヲ級達を安全な場所に一時避難させるロアはメットを解除して、目の前にいる面々に声をかけていた。

 

「お前ら、全員大丈夫か?」

 

「ヲキュ~!」「「「「イキュ~!!」」」」

 

ダメージを負っていたヲ級の傷は『プリースト・フォーム』の治癒能力で直したので、元気そうに答えた。

 

改めて、ヲ級達の姿を確認した。

 

ヲ級自身は以前に刀真が見せてくれた資料で大まかな姿を見ていたが、隣にいる4隻のイ級がどことなく丸みが多くあり、

 

どこかディフォルメされたぬいぐるみの姿を持っていた。

 

「う~ん、なんでお前らが仲間たちに襲われていたんだ?」

 

「ヲッ!」

 

唐突にヲ級が手を出して、光一に何かを訴えている。

 

「ん?手と手を合わせてしあわ…っ!?」

 

ヲ級と手を合わせた瞬間、光一には信じられない光景が広がった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トラック島…

 

ここにはFS作戦実行のために前線基地があり、艦娘の入渠、補給と各鎮守府に引けを取らない設備が配備されている。

 

迫りくる作戦の為に集まる艦娘達。

 

そんな中、光一は一人別ルートで到着した。

 

「ふぅ~……全く、こんな時に大きな手掛かりが見つかるなんてな…」

 

そう呟く光一の言葉の意味とは、追われていたヲ級は光一に何を伝えたのだろうか?

 

 

そして、FS作戦の始まりの時が迫るのだった……。

 

 

 

NEXT……




戦術的の勝利は得たが、戦略的に敗北をしてしまった艦隊

攻略の前に戦力的に激しい消耗、体制を整えるために艦娘達にはしばしの休息が与えられた。

空母ヲ級からのメッセージである場所へと光一は向かい再びコンタクトを取ることになる。

そこで聞かされた深海棲艦の状況に光一は……

次回『深海のTruth』


「そうか、ならば……!」

「どうするヲ?」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。