***第21話***
「ママが絶対助けるから!ヴィヴィオのホントの気持ち、聞かせて!」
「‥‥‥一緒に居たいよ。助けて、ママ」
大粒の涙を流し、言葉を絞り出すヴィヴィオ。なのははそれを見て、決意を改たにする。
「助けるよ。いつだって、どんな時だって!!」
激痛の走る体に鞭を打ち、レイジングハートを構える。ヴィヴィオを何重ものバインドで拘束。
「ちょっと痛いかも知れないけど、我慢できる?」
「うん」、と泣きながらも頷くヴィヴィオを見て、今度はレイジングハートに問いかける。
「レリック本体のみの破壊、ブラスタ-3フルドライブなら行けるよね‥‥‥レイジングハート?」
なのはの身体を案じ《master!!》と言って反論しようとしたレイジングハートに、「大丈夫、信じて!」とその言葉を静止する。身体がかなり不味いのは分かっている。けれど、ヴィヴィオを助けなければ。やがて《‥‥‥all right,master.》とその意を汲んだレイジングハートは、ブラスターモード3を展開する。自分には勿体無いくらい優秀なデバイスに感謝しつつ、4つのビットとレイジングハート本体の先端に可能な限りの魔力を収束させる。
「いま助けるからね、ヴィヴィオ。『スターライト・ブレイカー』!!!」
5つの巨大な光が一斉にヴィヴィオに降り注ぐ。「あぁぁぁ!」と悲鳴を上げるヴィヴィオの身体からレリックを引き剥がし、さらに魔力を集中させる。やがてレリックにヒビが入り、爆発。辺りが煙に包まれる。
「はあ、はあ、はあ、ヴィヴィオは?」
レイジングハートを杖代わりに何とかその場に立つなのはは、ヴィヴィオのいるであろう方向を確認する。
***
「俺はエースでも何でもねぇ。只の臆病者だ。それでもよ、出来の悪い後輩共に、道を作るぐらいの事は出来らぁな!」
ヘリの後部ハッチを開けたまま、自身の狙撃銃型デバイス、ストームレイダーを構え、一撃で次々とガジェットを落としていくヴァイス。
「中は奥に進むほどAMFの濃い空間だそうだ。さあ行け!行って隊長達を拾ってこい!!」
自らの狙撃が作り出した侵入路。その先を睨み、ヴァイスは叫ぶ。「「「はい!!」」」と叫んだ3人。スバルは魔法陣を展開。
「『ウィングロード!!』」
バイクに乗りその上を走るティアナ、スバルと、その脇を飛行するアリシア。そのアリシアに、ヴァイスは念話を飛ばした。
《必ず生きて帰ってこいよ。犠牲になろうなんて許さねぇからな、聖王様よ》
《ありがとう、ヴァイス。必ず、戻って来ます》
***
「ホントに魔力が全然結合しない!」
「でも私は戦闘機人モードでなら走れるし動ける!」
ティアナは横目で左のスバルを見やる。戦闘機人モード。目が黄色く光っている。この魔力の結合しない中でも、マッハキャリバーは問題なく可動し、頼もしく隣を走る。そして、右を見やる。
「まさか聖王様だったとはね。今のアンタ見たら信じられるかも。色々納得だわ」
「すみません。何だか騙すような形になってしまって」
アリシアはごく普通にティアナの脇を飛行している。魔力の一切が結合しないこの空間で、だ。アリシア曰く、『ゆりかご』がアリシアの聖王核を認識して異物認定から除外しているから、らしい。
そうして急ぐ3人は、視界に3つの影を見つける。そして聞こえてきた、怒鳴り声。
「無茶です!ヴィータ三尉!!」
「うるせぇ!無茶でも行かなきゃいけねぇんだ!」
「ですが!!」
「うるせぇ!」
見えてきたのは武装局員とヴィータ副隊長。キズだらけで身体を引きずりながら前へ歩くヴィータと、それを止めようとしている局員。
3人はそれに追い付き、ティアナがヴィータに向かって走り出す。
「スバル、アリシア、アンタらは隊長達の所に行きなさい!私は副隊長を!」
スバルとアリシアを見送り、ティアナはそこに留まった。今にも倒れそうなヴィータを支えようと駆け寄り、抱き上げる。
「アタシは大丈夫だ!早くなのはの所へ行ってやれ!」
先を急げと抵抗するヴィータを無理矢理バイクのうしろに乗せるティアナ。「すまねぇ。なのはを‥‥‥頼む」と言うとヴィータは意識を手放した。ここまでかなり無理をしてきたようだ。その身体がティアナに寄りかかる。背中に、ドロッとした液体の感触。
「うそっ!副隊長!?」
かなりの出血。ティアナは語りかけるが、ヴィータは反応しない。息はしているし、脈もある。だが、これは不味い。早く治療をしなければ。ヴィータを乗せたバイクは来た道を戻っていく。
スバルの残したウィングロードを使い、ヘリに戻ったティアナはすぐにシャマルの元に駆け寄る。
「シャマル先生!ヴィータ副隊長が!」
「ヴィータちゃん!?」
やはり不味い状態のようだ。シャマルはここでは充分な治療は無理と判断。
「ヴァイス君、ティアナ、あとはお願いね?」と言い残しヴィータをアースラの医務室へと運ぶ。その二人を見送り、ゆりかごの方を見やるティアナとヴァイス。
「アリシア、ちゃんと帰って来ますよね?」
「あぁ。約束したからな。帰ってくるってな」
「アンタも、ちゃんとご主人様の無事を祈ってなさいよ」
《ニャァ‥‥‥》
ティアナの問いに、ライゼは切なそうに鳴いて答えた。
***
アースラの医務室の中。
「こんな大怪我して。何が、泣かせる訳にはいかない、よ、もう」
ベッドの上で眠るヴィータを見ながら、涙を堪えて呟く、シャマル。その時だった。
「だから、ちゃんとこうやって帰って来たじゃねえか。その‥‥‥すまねぇな。また心配かけちまった」
いつから起きていたのか、ヴィータはいつになく素直に謝った。
それを見て我慢できなくなったシャマルは、「ばかっ!」と一言呟くように言うと、ヴィータを抱き締めて涙を流した。
***
一方、スカリエッティのアジトへ突入したフェイトは、スカリエッティと抵抗するナンバーズを拘束。シャーリーやシスター・シャッハの協力もあって、生体ポッドの中の人々も無事保護できた。その中には、メガーヌ・アルピーノの姿もある。
「ちゃんと治療すれば、意識も戻るだろうって。ほら、ルーテシア?」
エリオは拘束されているルーテシアを、担架の上で眠るメガーヌの所まで連れていく。
「母さん‥‥‥」
ルーテシアは小さく呟き、メガーヌの手を握る。久々に触れた、暖かい母親の手。
「メガーヌさんもルーテシアも、私が責任を持って見守るから。だから安心して」
隣に立つフェイトが、ルーテシアに約束する。自分のような悲しい思いをする人は、これ以上はいらない。メガーヌが目を覚まし、落ち着くまでは面倒を見るつもりだ。
「フェイトさん、エリオ、キャロ。ごめんなさい。それから、ありがとう」
うっすらと涙を浮かべ、しかし確りと話すルーテシア。それを見て笑顔が溢れるフェイト。
空を見上げると、ゆりかごが爆発するのが見えた。ようやく終わったんだ、と、フェイトも安堵した。
はやてに通信を入れようとした、丁度その時だった。フェイトに通信が入る。相手は、クロノ。
《フェイトか。ようやく終ったよ》
《クロノ!此方も片付いたよ。みんな無事?》
フェイトの言葉に、何故か顔を曇らせたクロノは少しの間を置いて、口を開く。
《その事なんだが。なのはもヴィータも、はやても、勿論ヴィヴィオも無事だ。戦闘機人も逮捕した。しかし、だな‥‥‥》
《何?何かあったの?》
フェイトは首を傾げた。みんな無事、犯罪者も逮捕。地上組も犯人は逮捕したし、みんな無事だ。なら他に何が問題なのか。クロノのこの雰囲気はどうしてなのか。
《アリシアのことなんだが‥‥‥‥‥‥》
***
エリオとキャロの制止を振り切り、フェイトは走っていた。もう数時間は経っただろうか。信じない。まだそうと決まった訳じゃない。この目でそれを確認したわけじゃない。昔、アルフだって、プレシアが始末した、と言ってからちゃんと無事出てきた。
《姉さん!お願い、返事して!姉さん!!》
何度もアリシアに通信を入れるも、返事は帰って来ない。最悪の結末が頭をよぎる。信じたくない。確かめるまでは、信じられない。宛があるわけではない。でも、探さなきゃ。姉さんはきっとどこかにいる。『ゆりかご』と一緒に消滅したなんて、信じない。もう、家族を失うのは、イヤだ。神様でも何でもいい。姉さんを死なせないで。フェイトはアリシアの生存を信じ、ひたすら走る。
《フェイトちゃん?》
その時。フェイトに長距離通信が入る。モニターを見れば、地球にいる親友、月村すずか。隣にエイミィもいる。
《すずか?》
《フェイトちゃん、あのね‥‥‥》
フェイトさん走る、の回。
狙った訳ではないですが、STS編はフェイトさん→はやてさん→なのはさんの順にスポットが当たりました。
アリシアさんの運命やいかに←棒読み
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セイン「セインと」
ウェンディ「ウェンディの!」
セイン・ウェンディ「突撃インタビュー!!」
ウェ「祝、私退院!」
セイン「まて、ウェンディ。今日のゲストは誰だ。」
ウェ「アリサ・バニングスさんスけど?」
セイン「やっぱりか!前回以外ゲスト決めてんのお前だろ!」
ウェ「な、何のことッスかね~」メガオヨグ
セイン「おい、ウェンディ!!」
アリサ「……もう出ていい?」
セイン「すいません、アリサさん。この馬鹿に付き合わせちゃって。」
ウェ「ばっ、馬鹿はひどい!!」
アリサ「別にいいわよ。アタシ次回出番もセリフもあるし。鮫島も出るわよ?」
セイン・ウェンディ「「へっ!?」」
アリサ「何よ、どうしたの?」
ウェ「アタシなんか、名前しか出てないのに~」
セイン・アリサ「「あ~」」