強くなりたい、どこまでだって。いつか私がみんなを守れるように。
ーー高町ヴィヴィオーー
魔法少女リリカルなのはVivid、始まります。
第24話
***第24話***
「じゃあ、ママ。いってきま~す!」
「はーい、いってらっしゃい。ヴィヴィオ♪」
JS事件から4年。ミッドチルダ郊外のとある一軒家。管理局のエースオブエース、高町なのはの1人娘、高町ヴィヴィオ。彼女は昨日から、St.ヒルデ魔法学院の4年生。なのはとフェイトに貰った彼女のインテリジェントデバイス、クリスと共に学院に向かう。
学院に着くと、親友のコロナとリオに挨拶をする。
「ごきげんよう、ヴィヴィオ」
「おはよー!ヴィヴィオ」
「2人ともおはよう♪」
「ヴィヴィオ、今日は一人なの?」
コロナはヴィヴィオに尋ねる。一人で来たという事は恐らく、『彼女』は仕事なのだろう。
「うん。今日は一人。フェイトママと朝早くに出掛けたよ」
『彼女』はよく学院を休む。病気やサボりではない。フェイトやティアナの執務官補佐(と言っても正式な補佐ではなく、あくまで任意の手伝い)の仕事や、聖王教会の仕事(主に翻訳と古代ベルカの歴史編纂)がその理由。3年生の時など、コロナがついうっかり『彼女』の執務官補佐の仕事の事をクラスで喋ってしまい、次の日もみくちゃにされる、なんて事があったりした。
「そっか。いつも仕事ばっかりで大変だよねぇ。処で、今日もノーヴェさん来るんだよね?」
リオは最近、ヴィヴィオとコロナが格闘技、ストライクアーツをしている事を知った。2人とも成績優秀で、文系少女だと思っていただけに、結構な衝撃だった。(ヴィヴィオの場合、同い年だが姉、という優秀な家庭教師がいるお陰だが。)ストライクアーツ有段者、ノーヴェ・ナカジマに教えてもらいながら練習をするのは最近の楽しみになっている。
そんなやり取りをしていると、チャイムが鳴る。クラス全員が席に着く。ひとつだけ席が空いている。
「皆さん、おはようございます。出席を取ります。それと、『テスタロッサ・ハラオウン』さんはご家庭の事情で今日はお休みです。」
担任の先生が、説得力のない休みの理由を話す。家庭の事情、なんて言われると、クラスの視線が当然ヴィヴィオに集まる。もう少し他に言い方はなかったのだろうか、とヴィヴィオは内心で溜め息をついた。
***
《ティアナ、そっちに追い込んだよ!》
《了解、フェイトさん!クロスファイア・フルバースト!!》
とある凶悪犯罪組織の壊滅が、今日の仕事。構成員のその数約300。他に人員を割けなかった為、ランスター執務官とテスタロッサ・ハラオウン執務官に合同捜査の白羽の矢が立ったという訳である。この2人なら相手が多くても大丈夫、と思われたからなのだが……いい迷惑。
《撃ち漏らしだよ、ティアナ!》
『大人モード』のアリシアはティアナの弾丸からなんとか逃げ延びた構成員を、片っ端から殴り倒している。哀れ、犯罪組織は数分で壊滅。何せ相手が悪かった。
「はい、これで全員逮捕、と」
ティアナ達3人は、全員をバインドで拘束。思っていたより早く片付いた。3人の仕事が余りに早く確実な為、こうした犯罪組織壊滅の仕事は増えている。依頼人は誰とは言わな……ちょっと黒いあの提督だったりする。
「ハァ。フェイトさん、最近多くないですか?こういうの」
「まあ、早く帰れると思えば。ね?アリシア」
「……私、今日はホントは学校行きたかった」
ヴィヴィオやリオやコロナと談笑したり、一緒に勉強したりしたかった。4年生になったばかり。学校でやりたい事だって沢山ある。それでもクロノの頼みだからと、こうして出てきている。
「先に戻っても良いよ、アリシア。後は護送だけだから私とティアナでやっておくから」
そう言ってアリシアに帰宅を促すフェイト。その際にアリシアは「最近格闘技の実力者ばかりを狙ったストリートファイターがいるらしいから気をつけて」と忠告を受けた。それに。
「『覇王』?」
アリシアはあからさまに不機嫌を顔に出した。その喧嘩屋は自らを『覇王』と名乗っているらしい。アリシアにとって覇王の名は大切なクラウス・イングヴァルトの別称。それを只の喧嘩屋ごときが名乗るなど許せない。
「私が捕まえてやるんだから!」
「気持ちは分からなくもないけど、逮捕は出来ないわよ。被害届出てないから」
意気込むアリシアに、ティアナからの忠告。下手に手を出そうものなら、アリシアを逮捕、なんて事にもなりかねない。口惜しそうに「そっか」と返事を返したあと、アリシアは帰路に着いた。
***
「ごきげんよう、オリヴィエ」
「ごきげんよう、イクス」
その日の夕刻の聖王教会。その一室で談笑する、聖王オリヴィエことアリシアとイクスヴェリア。古代ベルカ時代、かつて『冥府の炎王』と恐れられた彼女は、アリシアに会う度申し訳なく思っている。忌々しい呪縛から自分を開放してくれた元機動六課の面々やヴィヴィオ達には感謝している。勿論アリシアにも。本来ならいつ目覚めるかも分からない眠りに着いている筈の彼女がこうして起きていられるのは、アリシアが居たからこそ。その代償に、ゆりかご撃墜当時は肘まではあった筈の彼女の右腕は、肩口近くまで義手になっている。当時アリシアは、「右手ならとっくに義手だし、肩近く迄無くなっても大して変わらない」と笑顔で話していた。
しかし、アリシアの右腕を生贄にしてもイクスが完全に呪縛から放たれた訳ではなく、起きていられるのは1日のうちせいぜい3~4時間程度。それでもイクスヴェリアは、今の平和な生活を享受できる喜び、感謝が尽きない。アリシアやヴィヴィオ、スバルらと過ごす時間は楽しいし、この世界の美しい物もいくつも見る事ができた。
と、アリシアと話し込んでいるうちに激しい睡魔が彼女を襲う。人よりちょっとだけ長い睡眠に落ちる前に、2人は「また明日」と挨拶を交わした。
丁度イクスが眠りに落ちた頃だった。学校の終わったヴィヴィオが部屋に入ってきた。
「お姉ちゃん?イクスは?」
「ヴィヴィ。学校お疲れ様。今日は一緒に行けなくてごめんね。イクスなら、ホラ」
そう言って寝ているイクスの方を見やる。学校が終わり急いで来たであろうヴィヴィオは、落胆の色をみせる。
「今日はもう眠っちゃったんだね。お話したかったのに」
「話せるよ。また明日にね」
アリシアは笑顔で話し、ヴィヴィオもそれに笑顔で答えた。
***
その日の夜。ミッド中央区の路地裏に2つの人影があった。一人は地面に力なく倒れている大男。もう一人は18歳くらいの女性。碧銀の髪を揺らし、目の部分にはバイザー。
「イテテテ。チクショウ、参った。俺の負けだ。約束だから教えてやる。『覇王』さんよ?」
「聞かせてください」
その男の話によれば、聖王のクローンと冥王の両方の行方を知っている女性がいるという。名を、『ノーヴェ・ナカジマ』と言うらしい。
「ストライクアーツの有段者だからな。お前と同じくらい強かったよ」
大男と別れ、碧銀の髪の女性は魔法を解いた。光が収まると、そこには12歳の少女の姿。
やっと。やっと見つけた手がかり。もうすぐ会える。会って確かめなくては。アリシアが命を掛けてまで助けた聖王のクローンにどれ程の価値が有るのかを。
それに、聞きたかった。アリシアは……オリヴィエは最後に何を思い、何を話したのかを。
アインハルトは 4年前のあの日を思い出していた。自身の人生の中でも最悪の日。アリシアを失った日。唇を噛み締め、目には涙が滲み、胸が痛む。クラウスの記憶にある、オリヴィエとの別れの記憶は確かに悲しい。しかし、それとはまた別の、現実に味わった耐え難い辛さ。
(アリシアさん。私は……)
あの時、少しだけすれ違ったが為に、未だにアリシアが亡くなったと思っているアインハルト。彼女は月の輝く空を見上げ、涙を拭った。
Vivid編スタートです。アインハルトさんにはこの展開のためだけに4年前に引っ越してしてもらいました。
***
セイン「セインと!」
ウェンディ「ウェンディの!」
セイン・ウェ「「突撃インタビュー!」」
ウェ「いやー、2回振りっスね!」
セイン「お前、前回なんで休んだ」
ウェ「キャロのほうが展開が面白いに決まってるからっス!」
セイン「……」
ウェ「さて、今日のゲストはオリヴィエことアリシアさんっス」
アリシア「あ、どうも」
セイン(あれ?出番少ない人じゃない?)
ウェンディ「っと思ったらもう時間!?また次回~」
アリシア「えっ!ひどいよ!」
セイン(うわぁ)