過去と現在と魔法少女と   作:アイリスさん

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第35話

***第35話***

 

早朝、海鳴の海上。高速で激突する影が2つ。

 

海面スレスレを飛ぶはやては、上空に向かって剣十字の杖を振りかざす。

 

「『ブリューナク!』」

 

多数の魔法弾が高速で撃ち出され、相手に向かっていく。

 

「甘いわね」

 

プレシアは自らの周りに瞬時にその倍の雷を発生させて迎撃。

 

「クッ‥‥‥リィンフォース!」

 

《はい、我が主!》

 

二人はシールドを展開、それを防ぐ‥‥‥と見せかけてプレシアの真後ろに魔力刃を多数展開、それを解き放つ。

 

「『バルムンク!』」

 

しかし、プレシアはまるで後ろに目が付いているかのように正確にそれに同数の雷を向かわせ、迎撃。

 

「夜天の主‥‥‥まだ力を使いこなせていないようね」

 

表情一つ変えないプレシア。はやては彼女を見上げ、杖を構え直す。額には、汗が流れる。

 

「こっちは魔法初心者やのに。もう少し手加減してくれへんのかな?」

 

いくらはやてが夜天の主と言えど、まだまだ魔法を覚えたばかり。その技術はなのはの足元にも及ばない。あと数年もすればその名に相応しい超一流の魔導師にもなれるのだろうが、現状ではプレシアを打ち倒すのは非常に厳しい。

 

「せめて、もう少し降りて来てくれへんと‥‥‥」

 

はやては上空へと飛び上がる。剣十字の杖に魔力を纏わせ、プレシアに向かっていく。

 

「行くよ!!」

 

プレシアはフォトンランサーを多数展開。はやてに向け放つ。はやてはそれを避けつつ近付く。

彼女の持つデバイスにはやての剣十字がぶつかり、乾いた音が響く。

 

「邪魔をしないで。時間がないの」

 

「プレシアさん‥‥‥もう眠って。貴女はもう居らん人なんよ」

 

はやては1度離れてプレシアの真上へと上がる。その周りに10数本の魔力のダガーを発生させた。

 

「『ブルーティガードルヒ!』」

 

自動誘導でプレシアに迫るダガー。彼女は少し後ろに下がり、それを迎撃。爆発が起こる。

 

(掛かった!)

 

プレシアはようやくはやてが多数仕込んだ設置型バインドに掛かった。少しだけ顔をしかめたプレシアを見据え、はやては頭上に魔法陣を展開する。

 

「『彼方より来たれ、宿り木の枝。銀月の槍となりて、撃ち貫け!』」

 

魔法陣に7つの巨大な光の矢が現れる。はやてはそれを、未だ拘束されているプレシアへと放つ。

 

「『石化の槍、ミストルティン!』」

 

7本の光が走る。それがプレシアの元へと到達‥‥‥‥‥‥が、手応えはない。

 

《逃げられたようです、我が主》

 

「結構頑張ったんやけどなぁ」

 

ユニゾンを解除したはやては、プレシアが先程まで居た場所を睨む。彼女が本気でぶつかって来なかったのは、自身が闇の欠片と理解しているからか。

 

「『時間がない』言うとったし、分かってるんやね。‥‥‥‥‥‥アリシアちゃんに会わせてあげたい気もするなぁ」

 

「ですが、彼女は闇の欠片。それに、プレシアは何をするか分かりません」

 

「分かってるよ、リィンフォース」

 

プレシアが危険なのは分かるが、親子の再開もさせてはあげたい。はやてはモニターを開き、クロノに通信を繋いだ。

 

「ごめんな、クロノ君。逃げられてもうた」

 

 

***

 

アリシアはベッドから上半身だけ起こし、寝惚け眼で辺りを見回す。

 

(‥‥‥‥‥‥?)

 

テーブルを見ると、紅茶に口を付けるリニスの姿。そこで漸く月村邸に泊まった事を思い出したアリシアは、隣に寝ていた筈のアインハルトが居ない事に気付く。

 

「おはようございます、アリシア。良く眠れましたか?」

 

起きた事に気付き、挨拶をしてくるリニス。まだ寝惚けているアリシアも挨拶を返す。

 

「‥‥‥おはようございます、リニス。ええ、とても良く眠れました」

 

リニスがその返事に少し驚く。まだ頭が起きておらず、リニスの疑問符の理由が理解出来ていないアリシアは、更に続けた。

 

「リニス、アインハルトは何処へ行きましたか?」

 

「アインハルトなら日課だと言って走りに行きましたよ。‥‥‥アリシア、まさかそちらが地ですか?」

 

リニスの言った事の意味がその場では理解出来なかったアリシア。ゆっくり考えて頭が起きたのか、少しの間を置いてその表情を憂いを帯びたものへと変える。アリシアはベッドから降りてリニスの隣に座り、紅茶を一口飲んでから話し始めた。

 

「オリヴィエは過去の歴史上の人物。例え前世だったとしても、今の私はアリシアです。大分『アリシア』も板に付いてきたつもりですが‥‥‥時々、こうしてオリヴィエとしての地が出てしまう時もあります。アインハルトやフェイトには悲しい思いはさせたくありません。ですから、なるべく気を付けてはいるのですけれど‥‥‥」

 

リニスも一口紅茶に口を付ける。「優しいのですね、貴女は」とだけ言葉を掛けて席を立つ。

 

「‥‥‥‥‥‥リニス、何処行くの?」

 

「聞かないでくださいよ、アリシア」

 

「あ、トイレだね」

 

「アリシアは全く」と口にしてはいるものの、顔は穏やかに笑っているリニス。釣られてアリシアもクスクスと笑う。ただ一人、早朝ランニングから戻り、部屋の外で扉の取っ手に手を掛けて止まっていたアインハルトだけが悲しげな表情を浮かべていた。

 

 

***

 

《もしもし、フェイトちゃん?》

 

「おはよう、どうしたの?」

 

アースラの一室で目覚めたフェイトは携帯を取った。相手は、すずか。

 

《あのね、フェイトちゃん。今、家にリニスさんが居るの。フェイトちゃんの家庭教師の》

 

「本当!?すずかの家に!待ってて、今直ぐに行くから!」

 

興奮気味に電話を切ろうとしたフェイトに、すずかは周りを気にしているのか、少し小声で続ける。

 

《待って、フェイトちゃん。あのね‥‥‥‥‥‥アリシアちゃんも、居るの》

 

「え?」

 

フェイトは思わず携帯を落としそうになった。聞き間違いでなければ、今すずかは確かに『アリシア』と言ったか。

 

「すずか、アリシアって」

 

《うん。フェイトちゃんのお姉さんの》

 

経緯は分からないが、リニスもアリシアもすずかの家に居る。フェイトは1度瞳を閉じ、念話でアルフに連絡を取る。

 

《アルフ、今からすずかの家に行くよ》

 

《どうしたんだい、フェイト。こんな朝から》

 

《居るんだ。リニスとアリシアが、すずかの家に》

 

《‥‥‥何だって!?》

 

二人は高鳴る胸を抑えてアースラを後にする。行き先を告げるのも忘れて、一路月村邸へと向かった。

 

***

 

朝食を取った後、3人は部屋で今後について話し合っていた。

 

「まずは、二人が転移してきた場所へ行ってみましょうか。何か手掛かりが残っているかも知れませんし」

 

「でも、リニスさん。転移場所は空中なんです。目立ってしまわないでしょうか?」

 

「そうだよ、リニス。この世界じゃ人は飛ばないし、かと言って結界を張ったら管理局に見付かっちゃうし‥‥‥」

 

悩んでいた3人は、不意に2つの魔力を感じる。それも、良く見知った魔力の。

 

「これって‥‥‥!!」

 

アリシアが口を開いたのと同時に、コンコン、とノックをしてすずかが入って来る。申し訳なさそうな表情で。

 

「すずかさん、貴女まさかアリシアの事を‥‥‥」

 

リニスの言葉に、すずかは「ごめんなさいっ‥‥‥私、フェイトちゃんに話しました」と深々と頭を下げる。

すずかの気持ちも分からなくもない。心優しいすずかの事だ。恐らく、姉妹を会わせてあげたかったのだろう。

 

「アリシアさんっ!」

 

「‥‥‥‥‥‥会おう、アインハルト。これ以上、みんなに迷惑はかけられない。でも、情報はなるべく隠して、ね」

 

 

 




大魔導師vs.夜天の主。本気で行かないプレシアと未熟なはやての回。

次回、遂にリニスがフェイトちゃんと接触。

***
セイン「セインと」
ヴィヴィオ「ヴィヴィオの!」
セイン・ヴィヴィオ「「突撃インタビュー!」」
セイン「あれ?陛下、ウェンディはまた休みなの?」
ヴィヴィオ「うん。まだ戻って来てないよ」
セイン「このまま戻って来なくていいのに」
ヴィヴィオ「まあまあ。今日のゲストは、すずかさん!」
すずか「こんにちは、二人とも。ヴィヴィオちゃん、久しぶり」
ヴィヴィオ「お久し振りです!」
セイン「さて、えっと‥‥‥え?コレ聞くの?」カンペ
セイン「すずかさん、すずかさんのSSが少ない事をどう思いますか?」
すずか「えっと、私は別に、そんなに目立たなくても‥‥‥。アリサちゃんと百合展開になったりっていうのもちょっと」テレテレ
ヴィヴィオ「どうしてそこで照れてるんですか?」
セイン「そうですよ。すずかさんの百合展開なんて言ったら、この作者なんて‥‥‥」ビクッ
ヴィヴィオ「セイン、どうしたの?」
セイン「いや、命の危機を感じた」
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