過去と現在と魔法少女と   作:アイリスさん

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第49話

***第49話***

 

「どうや?アリシアちゃんとお揃いにしてみたんやけど」

 

「あっ、あっ、ありがとうございます」

 

ミッド郊外の八神家。インターミドルへの参加にはデバイスを持っているのが最低条件。今迄所持していなかったアインハルトはアリシアやルーテシアの紹介ではやてと出会い、専用のデバイスを作成してもらった。今日はお披露目と細かい調整の為に訪れている。

『アリシアとお揃い』と言われ、頬はおろか耳まで真っ赤になっているアインハルトを見てニヤニヤしているはやては、どうやら確信犯のようである。

 

「やっぱりアリシアちゃんとお揃いの物持ってたいやろ?‥‥‥ま、それはそれとして、や。名前はどうするんや?」

 

「もう決めてあります」

 

恥ずかしそうに俯きつつも、そこは確りと答えるアインハルト。アリシアも一度迷ったあの名前である。

 

「個体名称登録。『アスティオン』。愛称は、ティオ」

 

アインハルトがティオを掲げ、セットアップ。大人モードの姿へと変わる。

 

「うん、なかなか良さそうやね。細かい調整してしまうから、ちょうこっちに来て?」

 

「はい、八神司令」

 

はやての後ろに付いて、家へと入っていくアインハルト。これからリインがアインハルトに合わせてティオの微調整をしていくのだが、その時のはやての心の中は‥‥‥。

 

(『虎で』って頼んだんやけどなぁ‥‥‥リインとアギトに外装任せたら結局猫になった、なんて言えへんわ。アハハ‥‥‥)

 

***

 

一方。アリシアはコロナと共に海鳴市に居た。その海鳴公園。二人の周りを覆う、虹色のベルカの結界の中。

 

「ねえ、本当に大丈夫なの?」

 

「大丈夫大丈夫。ちゃんとエイミィに言ってきたでしょ?」

 

不安そうなコロナと、何処吹く風の様子のアリシア。おいそれと魔法の使えないミッドではなく、敢えて管理外世界での特訓を選んだ。只でさえコロナのゴーレムは目立つ。ミッドの指定訓練場では直ぐに話題に為りかねないし、そうやって目立ってしまえば現無敗のチャンピオン、ジークと同じ『エレミアの技』と虹色の魔力光を使うアリシアはどうあっても周りの眼を引く。

 

「でっ、でも‥‥‥」

 

コロナは尚も不安そうである。それもそうだろう。アリシアは「もしかしたら魔法使うかも知れないけど、その時は結界はちゃんと張るようにするね?」と何とも曖昧に話しただけ。「分かったよ、程々にね~」と然程魔法は使わないだろうと考えていたであろうエイミィの様子を思い返し、コロナは心配そうに辺りをキョロキョロと見回している。

 

「大丈夫だよ。ほら、始めるよ?」

 

そんな不安は全く意に介さないアリシアが、コロナを促す。漸く決心して、コロナは足元に魔法陣を展開する。

 

「そうだよ、コロナ。先ずは、両手に」

 

アリシアの話を聞きながら、コロナが両手にゴーレムの拳を創成。と言ってもゴライアスのそれではなく、もっと小さな所謂『籠手』程の大きさ。岩石で出来た籠手である。

 

「こっ、こうかな?」

 

「まだまだだよ、コロナ。もっと薄く、もっと固く。もっともっと魔力を集中して」

 

言われるままに集中し、拳の魔力を洗練していくコロナ。アリシアがコロナにさせているのは、エレミアの『鉄腕』の再現である。

 

時間は掛かったが、何とか形にはしたコロナ。だがアリシアが妥協する様子は無い。

 

「うん。『初めてにしては』良いよ。これからもっと良くしていこうか。それじゃ、構えて。その『鉄腕』を最低限使いこなせるようにするよ?」

 

時間は足りない。はっきり言って、大会迄に全てをマスターは出来ない。それでも何とか形にしてやりたいアリシアは、残された時間をできる限り有効に使い鍛えるつもりだ。不敵な笑みを浮かべ「うん、それじゃ始めるよ?」とアリシアが構え、コロナと向き合う。

 

「はい、師匠!」

 

コロナも構える。アリシアに教わり、もうすっかり板に付いてきたエレミアの構え。

 

「うん、今日からはその『鉄腕』を最大限生かしていくから。今日からはちょっと厳しくいくからね?」

 

******

 

アリシアとコロナがそんな日々を送り始めたある日、ミッドの某所、早朝。

 

(アカン‥‥‥お腹空いた‥‥‥)

 

走っていた足を止めて、すぐ側にあった壁に寄り掛かった、フードをすっぽりと被った人物。

お腹を押さえて、その場に踞る。

 

「大丈夫ですか?」

 

通りすがりの少女に声を掛けられ、「大丈夫や」と返事を返す。‥‥‥が、『グゥ‥‥‥』と鳴るお腹。

 

「アハハ‥‥‥ちょ~っと、お腹空いてもうてな?」

 

「‥‥‥‥‥‥良かったら、どうぞ」

 

少女は持っていた袋を笑顔で手渡してくれた。中にはどうやらサンドイッチが入っているようだ。

 

「エエの?ありがとう!」

 

「いえ!私はこれで。無理しないで下さいね!」

 

笑顔を向けて、クルリと回れ右して去っていく少女。その様子に何かを感じつつも、「ありがとうな!」と手を振る‥‥‥ジークリンデ・エレミア。

 

少女と別れ、ジークはある違和感に気付く。こんな朝早くから、少女は一体何をするのだろうか?

 

(近所の掃除とかやろか?にしても、あの子‥‥‥なんやろ‥‥‥)

 

何というか、あの少女には不思議なものを感じる。理屈、というよりは本能で。

 

(前に会った事、あったんやろか?)

 

******

 

その日の正午。

 

「それじゃ、休憩しようか。お昼は何処で食べる?」

 

「あのね、アリシア。お昼‥‥‥朝会った人にあげちゃったの」

 

コロナはそうして今朝の出来事をアリシアに話した。早朝から走っていた女性がお腹を空かせていたようだったので、お昼ご飯にと持っていたサンドイッチをあげてしまったらしい。

「へぇ‥‥‥」と感心しているアリシア。

 

「八神司令に似てる話し方の人だったよ。顔はフードで分からなかったけど」

 

「そっか。それじゃ、お昼どうしよっか?‥‥‥そうだ、翠屋行こうか?」

 

翠屋と聞いて、コロナの表情が笑顔に変わる。なのはお手製のシュークリームなら、高町家で何度か口にしている。無論、頬が落ちる程美味しいそのシュークリームの本家。コロナも一度は行ってみたいとは思っていた。

 

「うん!行く行く!」

 

嬉しそうに頷くコロナを見て、アリシアがニヤリとほくそ笑む。『翠屋』へ行く意味は、実はもう1つあった。『古い友人』、高町士郎に稽古をつけてもらう為である。

 

そうしてまんまと翠屋に連れて行かれたコロナ。何も知らずに美味しそうにお昼を食べて、食休みをしつつ紅茶を飲んでいた時だった。

 

「やぁ、アリシアちゃん。大きくなったね」

 

「はい、士郎さん。お久し振りです」

 

声を掛けてきた士郎に笑みを返すアリシア。「その子だね?」とコロナを見て口元を緩ませている。

 

「えっと、こんにちは!」

 

誰だか理解しておらず、取りあえず笑顔で挨拶を交わすコロナ。まさか、目の前の人物が『ヴィヴィオの祖父』だとは気付いてもいない。

 

「やあ、コロナちゃん。始めまして。ヴィヴィオちゃんのお祖父さんです」

 

少し照れ臭そうに話した士郎に、固まるコロナ。およそそんな歳には見えない程若く見える士郎に驚く。‥‥‥因みに、このあとコロナは高町家の道場にてなのはの姉、美由希に散々打ち負かされる事となる。




士郎さんが本当に久し振りに登場。
アリシアの指導はまだまだ続きます。

***
セイン「セインと!」
イリヤ「イリヤの!」
セイン・イリヤ「「突撃インタビュー!」」
セイン「いやぁ、前回は申し訳ありませんでした。お陰でウェンディはあの通り!」

ウェンディ←泡を吹いて気絶中

イリヤ「そっ、それじゃあ今回のゲスト!‥‥‥ヒィっ」
霊夢「何で怯えてるのよ?」
セイン「だ~か~ら~!関係無いキャラ出すんじゃないってのに!」
霊夢「良いじゃないの。アンタも巫女なんでしょ?同類みたいなモンなんだから、私の出番くらい作りなさいよね」
セイン「いや、巫女じゃなくてシスターだから」
イリヤ「あれ?ここで霊夢さんが出てるって事は‥‥‥」
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