俺、踏み台転生者にされました   作:サクサクフェイはや幻想入り

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第百四話 エピローグⅡ

「おーい、アリサ、すずかー!」

 

「アリシアと、ようやく来たみたいね」

 

「遅かったね、神木君」

 

「そもそも、誘われていなかったからな」

 

何故かついてきたアリシアに引っ張られながら、酒を飲んでいる大人組の方に連行される。 こっちはあまり近づきたくないのだが、まぁ仕方ない。 アリサ・バニングスと月村すずかの両親に軽い挨拶をして、アリサ・バニングスと月村すずかに手招きをされたので、そちらに近寄る

 

「誘われなかったって、どういうこと?」

 

「言葉通りの意味なんだが?」

 

アリサ・バニングスが不思議そうに聞いてきたので、適当にコップをとり腰を下ろしながら自分の分とアリシアの分を注ぐ。 酒が散乱しているが、ちゃんとジュースをとったので問題ない

 

「なのはちゃんが誘うっていってたけど......」

 

「まぁ、俺もなのはも忙しかったからな」

 

場所を選んだのか、意外にも桜は散っていなかった。 それを見ながらジュースを飲む。 平和だななんて思いつつ、ジト目なアリサ・バニングスと月村すずかの方を見る

 

「なんだよ」

 

「本当にそれだけなのかと思ってね」

 

「それだけも何も、部署も違うし所属も違う。 会おうと思っても気軽には会えないだろ」

 

「会おうと思わなかったじゃなくて?」

 

「相変わらず失礼だな、月村すずか」

 

笑顔で威嚇してくる月村すずかを睨みつけ、黙らせておく。 やはりこの女、どこか黒い。 アリシアはこの話し合いをニコニコ見ているだけで、止めようとはしない

 

「大体俺を避けているのは向こうだ、そういうのは向こうに言ってくれ」

 

「ま、それもそうよね。 わかってはいたけど」

 

「・・・・・・」

 

「わかってたんなら言うなよ、って顔だね」

 

コイツ等...... そろいもそろって、分かっているなら言うなという感じだ。 俺の様子を見て、楽しそうに笑うアリシアに、微妙な表情のアリサ・バニングス。 月村すずか? 相変わらず笑顔で何を考えているかわからない。 声もかけずに立ち上がり、その場から離れるが、アリシアたちは何も言わなかった。 それどころか、三人で盛り上がっているようだ

 

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散歩と言いつつ、結構歩いてきてしまった。 と言っても、公園を一回りしたくらいだが。 あまり席を外しすぎるのも何か言われそうなので戻るかと思い、歩みを進めようとすると前から見知った顔が

 

「よう、なのは」

 

「あっ....... 理樹、君?」

 

「なんでいるのって顔な」

 

暗い表情のなのはだった。 俺を見た途端、顔をそむける。 気まずい雰囲気だが、どちらかから話さなければいけない。 そう思い口を開いたが、出てきたのはどこか責めるような言い方になってしまった。 別にそんなつもりはなかったが

 

「そんなこと、ないもん」

 

「そうか」

 

会話が終わってしまう。 やはり俺は、なのはとの距離感をどこか測りかねているらしい。 まぁ、今まで拒絶していたんだ、すぐにはすぐ切り替えられるはずもない。 それはなのはも、だ。 風が吹き、桜が舞う。 風に流され、桜の花が宙を舞う。 まぁ散っていないと言っても、それはほかのところと比べれば、だ。 今日が花見でよかったのかもしれないな。 なんて考えながら、なのはのほうに歩き始める

 

「いつまでもここに居ても仕方ないし、行くぞ」

 

「・・・・・・」

 

なのはの手を取り、歩き始める。 昔も、どこかこんな感じだった気がする。 俺がなのはの手を引き、俺の友達と遊ばせる。 昔を懐かしく思う自分に苦笑しつつ、歳取ったななんて思う。 まぁ、実年齢考えれば納得なんだけど。 そんなことを考えていると、握られている手の力が強くなった気がする。 ともかく、ゆっくりと歩き続ける。 宴会場に近くなったのか、段々と声が聞こえてくる。 結構距離は離れているはずだが、ここまで聞こえるって結構騒いでるよなぁ、なんて思いつつ手を放そうとする。 のだが、離してくれない

 

「なのは?」

 

「・・・・・・離しちゃ、嫌だもん」

 

「と言っても、近くなってきたから繋いでたら、何か言われるぞ」

 

「・・・・・・」

 

今度は答えずに、首を横に振る。 はぁ...... なんか本当に昔に戻ったような感じだ。 昔、会った頃だと毎回こんな感じだった。 だから、ずっと手をつないで遊んでいた。 動きにくかったけどな。 喧騒に近くなる中、不意になのはが聞いてくる

 

「・・・・・・誘ってなかったのに、どうして?」

 

「クロノがな、書類を片付けているときに来てな。 行かなくてもよかったんだが、まぁ来ないと来ないでうるさそうだったしな」

 

「・・・・・・」

 

「ま、それはそれとして。 別に気を使わなくてもいいぞ」

 

「え?」

 

「俺のこと誘うように、言われてたんだろ? 忙しいのは分かってるし、こっちも忙しいが、もう決めたからな、逃げないって」

 

「理樹君」

 

振り返ってなのはにそう言えば、なのはが泣きそうな顔でこちらを見ていた。 いやいや、これからみんなのところに戻るのに、そんな泣きそうな表情も困るのだが。 俺もなのはも、歩み寄らなければならない。 今はまぁ、ぎこちないけど、いつか普通になるように。 昔みたいとはいかなくても、普通の関係に戻れるように。 そんなことを考えながら、歩き始める。 大人組の大部分は騒いでいるためか、子供と数人の保護者が固まっている。 俺はそっちのほうに歩き始めると、俺に気が付いたのかアリシアとはやてが手を振っていた。 なんか小さく悲鳴が聞こえたが、よくわからん

 

「いよ」

 

「どこ行ってたんや?」

 

「散歩だよねー?」

 

何て騒がしく迎えられ

 

「なのは、アンタどこ行ってたのよ!」

 

「え、えっと、えとえと......」

 

アリサ・バニングスに詰め寄られ、助けを求めるように見てくるなのはを無視しつつ、みんなの輪に加わった

 




そんなこんなで完結です。 長い間(?)ありがとうございました。 本当に途中で心折れて書く気がなくなったり、モチベーションが上がらず...... なんてことがありましたが、皆さんのおかげで無事に完結しました!

この後の予定ですが、活動報告のほうで改めて書きましたので、お手数ですが意見をお願いします。 

本当に、ありがとうございました!
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