俺、踏み台転生者にされました   作:サクサクフェイはや幻想入り

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分岐ルート
第百話Ⅱ 


「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

遠くから悲鳴が聞こえる。 いや、実際遠くじゃないのかもしれないが些細な問題か。 俺の刃は奴をとらえた。 刀を振り下ろしたのだ、返り血がひどい。 刀を握った手を見ても、何処を見ても血だらけだった。 切ったものを見れば、アレだけ騒いでいたのにもかかわらず、今は静かだ。 自分から流れ出ている血だるまの中で、ピクリとも動かない。 それを俺は、何も思わず見下ろしている。 すると、何か黒く、金色な物体が目の前のものを回収している。 俺を睨みつけて。 赤い瞳を見て、それがフェイト・テスタロッサだと、ようやく俺はこの時気が付いた

 

「理樹君......」

 

ほとんど無意識につぶやかれた自分の名前に、反射的にそちらを向けば、高町なのはが悲しそうにこちらを見ていた

 

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その後のことは、よく覚えていない。 誰かから罵倒されたような気がするし、そうでないのかもしれない。 俺はクロノに拘束され、アースラに転移させられた。 今は厳重に拘束され、クロノの目の前に座らされていた。 クロノの他に監視員もいるようだ

 

「どうしてこういう状態になったか、分かるか?」

 

「・・・・・・」

 

何を怒っているのか、クロノはこちらを睨みつけている。 対して俺は無言。 血が付いたまま、クロノに向かい合っている

 

「答えろ、神木!」

 

「アレを、手にかけたからだろ」

 

「正確に言えば違うが、大筋はあっている。 お前が振り下ろした刀は、奇跡的に致命傷にならなかったそうだ。 だが、数ミリずれていたら藤森を殺していたんだぞ!」

 

「・・・・・・」

 

数ミリずれていたら殺していた、ということは殺し損ねた。 その事実に俺は、残念に思ったのか、ホッとしたのかよくわからなかった。 自分のことながら、自分のことがよくわからない。 冷静に自分のことが判断できないらしい

 

「確かに、藤森はお前のサーヴァント(家族)を貶した、だがそれが殺していい理由にはならない。 神木、君にならわかるはずだ」

 

「・・・・・・」

 

クロノが何を言っているのか、俺にはさっぱりわからなかった。 何も答えない俺を見て、クロノはため息をつく

 

「・・・・・・事情聴取をしようと思ったが、今の君はどこか虚ろだ。 すこし、時間を置こう。 すまないが、君の戦闘能力などを考えて、拘束だけはさせてもらう。 ・・・・・・すこし、時間をおいて冷静になってくれ」

 

クロノは退室し、俺は監視員に立たされ移動させられる。 俺は俯き、手を引かれるままに歩く。 だんだんと通路は薄暗くなっていき、入るように指示されたのは薄暗い部屋。 監視員は、仕事を終えればさっさと行ってしまう。 俺は、壁に背を預け座り込む。 拘束されたままなので、ミノムシのような状態だ。 これが今の俺にはふさわしいのか、それとも不満に思えばいいのかわからない。 どうも、いつもの調子が出ない。 いやそもそも、何時もはどんな風に過ごしていたのか。 どうも自分があやふやだ。 心にぽっかりと穴が開いたような。 デバイスであるペイルも取り上げられたため、話し相手もいない。 いやそもそも、話すようなこともないのだが

 

「・・・・・・」

 

天井を見上げて、どれほどの時間が経ったか、それでも俺は天井を見上げていた。 だが、そんな静寂も終わりを告げる。 俺が連れられてきた入り口のほうから物音がする。 足音からして五人か? 今更、俺に会いに来る奴がいるのかとも思ったが、それでも天井を見上げる。 そして、俺に牢屋の前で足音はぱったりと止んだ

 

「マスター......」

 

そう、悲しそうに俺を呼ぶ声に視線を向けた

 




そんなわけで、別ルートです。 少し短いですが...... 分岐としては読んでいただいた通り、九十九話からの分岐です。 分岐は今のところこれしか考えていないので、本筋とこの分岐の二本で行きます。 続編は、リフレクションを買うまで待ってください。 少しはこっちも続きますので、ではではー
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