俺、踏み台転生者にされました 作:サクサクフェイはや幻想入り
おはこんばんにちわ、神木理樹です!・・・・・・俺はいったい誰に自己紹介をしているんだろう、しかもハイテンションで。 そんな些末なことはさておき、ゴールデンウィーク、一般的な家庭なら家族とゆっくり家で過ごすか、家族で泊りがけで出かけるなんてことをすると思うのだが、うちの一家はジュエルシードを探していた。 でもよくよく考えると、去年までも修行しているか家でゆっくりしているかなどで、ゴールデンウィークは出かけたことがない。 そう考えるとどこか出かけてもいいのではと思うのだが、今は目の前の件に集中しよう
「ハサンさんは今頃温泉でしょうか?」
「一応偽名で旅館に泊まれるようにはしたけど、泊まってるとは思えないんだよなぁ......」
今日の街の見回りはマシュと行っているのだが、マシュと話すのはハサンのこと。 本当に休んでいいと言ってはいるのだが、昼間つまり俺が学校に行っている間だけしか休んでいない。 今回は監視をしつつ温泉などでゆっくりしてもらうために偽名まで使って旅館に予約したのだが、泊まってる気がしない。 俺がため息をついているとマシュは隣で苦笑していた。 今日の街の見回りでのジュエルシード結果、収穫なし
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『マスター殿!』
『ハサン? どうしたんだ』
『ジュエルシードが発動しました!』
『わかったすぐに向かう』
夜も更けそこそこ遅い時間、ハサンから念話が飛んできた。 内容を聞いてみるとやはりというか、ジュエルシードが発動したようだ。 急いで着替えをして転送魔法の準備をする、ハサンの位置は大体わかるので転送をすると
「マスター殿、こっちです」
「ハサン、どういう状況だ」
「まだ発動したばかりですが、この通りです」
草むらから状況を見るに今いるのはフェイト・テスタロッサと使い魔だけで、封印も終わったようだが魔力反応が近づいてくる。 どうやら主人公の到着のようだ。 何か話しているようだが、使い魔が襲い掛かる。 だが使い魔はユーノが自分ごと転送魔法を使い、二対一になる。 気を引き締めるフェイト・テスタロッサ、先に動いたのはフェイト・テスタロッサで、高町なのはに切りかかる。 戦力的には不利だが、前回の戦いからそこまで時間がたっているわけではないので、高町なのはを戦闘不能にしてから雑種を相手にするのはいい判断だが、雑種がそれをさせまいとフェイト・テスタロッサと高町なのはの間に入るが、そうはさせない
「ハサン、戦闘に介入する」
「わかりましたマスター殿」
俺の隣にいたハサンは霊体化して透明になる。 それと同時に気配も遠ざかっていくのを確認した俺は王の財宝を展開し、フェイト・テスタロッサと雑種の間に剣を射出する。 いきなり飛んできた剣に警戒し距離を開けるフェイト・テスタロッサ、雑種は俺のことを睨んでいる
「ふむ、嫁のピンチに颯爽と駆けつける俺、流石だな!」
「・・・・・・なんでお前は俺となのはの邪魔をするんだ」
「貴様などどうでもよい雑種、それに俺はなのはの邪魔などしていない。 もちろんフェイトのもだが」
「!」
俺がフェイト・テスタロッサの名前を呼ぶと明らかに警戒される。 まぁ、当たり前だな。 この時点じゃ誰も......いや、俺ともう一人は知ってるか。 ともかく知らないはずなので、警戒するのは当たり前だ。 だが俺はそれに気が付かないふりをして、フェイト・テスタロッサに話しかける
「ん? どうしたのだ嫁よ、俺としては見られるのは構わないが今は戦闘中だぞ?」
「・・・・・・神木君はなんでその子の名前を知っているの?」
フェイト・テスタロッサの不快度を稼いでいると、高町なのはが疑問に思ったのか俺に話しかけてくる。 まぁ、正直に俺が言うわけもないので、適当に誤魔化しておく
「ん? フェイトばっかりかまっていて寂しかったのか? だが安心しろ、俺はなのはも愛している!」
「そんなことを聞いているわけじゃないだろ、ふざけるな!!」
激昂したようにいきなり切りかかってくる雑種、俺は焦ったように王の財宝から剣を取り出しかろうじて受け止めるふりをする
「毎回毎回貴様は......我と嫁の愛の語らいの邪魔を、いい加減にしろ!!」
「それはこっちのセリフだ!!」
激昂したように見せながら王の財宝を射出するが、それを避けた雑種はシューターをこちらに発射してくる。 それを舌打ちしながら俺は王の財宝を射出する。 再び切りかかってくる雑種だが、距離が離れたことによりスピードもプラスされているため、そのまま切り払われ吹き飛ばされる
「ぬぅ!まだまだだ!!」
何とか体勢を立て直すふりをして逃げながら王の財宝を射出、だが穴だらけの射線を縫うように近づいてくる雑種、俺は反転してさっきとは逆に切りかかる。 これだけ離れれば高町なのはやフェイト・テスタロッサも流れ弾で被害を負うってことはないだろう。 そもそも俺の転生の特典、王の財宝は味方との共闘には向かない。 味方居ないけど。 脱線はしたが、本気を出せば王の財宝は使わないがそれじゃあ意味がない。 つまるところ、俺は逃げながら戦って、自分の戦いやすい所に行くしかないわけだ
「お前は戦うのをやめろと言ったはずだ!お前の能力は危険すぎるんだ!」
「雑種如きが、我に指図をするな!!」
鍔競り合いから距離をとり、王の財宝を射出する。 雑種シューターを駆使しながら、俺に近づき切りかかる。 俺はかろうじて剣で受け止めているためか、切り傷が増える。 余裕は余裕なのだがわざと肩で息をしながら、高町なのはとフェイト・テスタロッサの方を見る。 やはり高速戦闘はフェイト・テスタロッサに分があるらしく、高町なのはは苦手な近接戦闘に持ち込まれていた。 どうも記憶に刻まれた戦闘より、若干だが近接戦闘が苦手なように見える。 やはり俺たちみたいなイレギュラーがいるためか、記憶に刻まれた通りというわけにはいかないようだな。 まぁ、闇の書事件に関わるつもりはないから、とやかくは言わないがこれに関しては目の前の転生者は考えているのだろうか? 何もかも原作通りにしろなんて言わないが、これから先雑種がいない状況で高町なのはが一人になったとき、原作より戦力の低下は致命的になると思うのだが。 それじゃなくても、さっきも言った通り、俺たちのせいで原作通りに行かない可能性もあるのに。 それにしても、マルチタスクを使用しているとはいえ、こうやって長いこと考え事しているのに攻撃してこないとは、完璧になめられてる。 あっちも苦しそうだし、もう終わりにするか
「はぁ、はぁ......雑種ぅぅぅぅぅ!!」
王の財宝を多数展開しそれを射出、穴だらけの弾幕だからこれまで通りよけられて、接近を許し剣をふるうが弾かれ手から剣が飛ぶ
「雑種がぁぁぁぁぁぁ!」
手元に王の財宝を出現させるが、拳が顔面に迫っていた。 剣をとるとするが俺は思いっきり殴られて吹き飛ぶ。 吹き飛ばされながら俺は雑種から見えないようににやりと笑った。 どうやら俺の作戦は上手くいったようだ。 地面に着地し、ゴロゴロと何回か転がり止まる。 近くから離れていく気配、毎度毎度思うのだが気絶したのを確認してから離れろよ。 結界も解除され魔力反応が全員離れてから俺は仰向けに寝転がる
「マスター殿、大丈夫ですか?」
「問題ない、ないんだが傷自体は治してから帰らないとタマモがキレるな」
「ですな」
俺が仰向けになると同時に近くに現れるハサン、どうやら心配してくれているようだ。 タマモのことを言うと仮面があるから表情はわからないが、苦笑しているような雰囲気が。 実際タマモはキレたら何するかわからないからな、こんなことで令呪消費するのは嫌だし
「温泉入ったかハサン」
「いえ、せっかくですが遠慮させていただきます」
「まったくお前は......」
今度はこっちが苦笑してしまう。 傷も治り周りの修復も終わったので、俺は起き上がりハサンに一言告げてから帰ることにした
「それじゃあ頼むなハサン」
「ありがとうございますマスター殿、では」
またも霊体化して消えるハサン、俺も帰るために歩き始める。 帰りは転送魔法じゃなくて飛ぶことにしたからな!