俺、踏み台転生者にされました 作:サクサクフェイはや幻想入り
「いい加減にしなさいよ!!」
ここ最近の高町なのはの様子に堪忍袋の緒が切れたのか、アリサ・バニングスが声を荒げて高町なのはに詰め寄っていた。 いうまでもなく原因は、フェイト・テスタロッサのことだろう。 誰が見ても何か考え事をしている様子がわかり上の空、アリサ・バニングスがキレるのも仕方のないことだろう。 ここ最近はアリサ・バニングスが機嫌悪いのがわかっていたので、俺は特にちょっかいを出していない。 それにアリサ・バニングス達にちょっかいを出さなくても、ポイントは結構たまっているので後は原作に介入してポイントを稼ぐだけでいいのだ。 どうも雑種がなだめているようだが、アリサ・バニングスは肩を怒らせながら教室を出て行ってしまう。 それを追いかけて教室を出る月村すずか、残されたのは高町なのはと雑種だ。 雑種は高町なのはを慰めているようだが、その表情は一向に晴れない
「おいおいいいのか、嫁が落ち込んでるぞ?」
「俺にだってそういう気分じゃないときくらいあるさ。 それに雑種が慰めてるんだから充分だろ......」
そう言って机に突っ伏す俺、ここ最近に見られる日常だ。 俺が積極的に絡まなくなったせいか、友達はたびたびこうやって俺を煽ってくる。 それにクラスもいつ行くのか、なんて目で見てくるし。 他の奴らは面白くていいよな、こっちは死活問題だっていうのに。 内心ため息をつきながら、次の授業の準備をし始めた
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放課後、結局高町なのはとアリサ・バニングスが仲直りすることはなく、稽古事があるらしくアリサ・バニングスと月村すずかは先に帰ってしまった。 まぁ、子供ならあの程度の擦れ違いすぐに解消するとは思うのだが。 刻まれた記憶でも仲直りはしていたし、問題ないだろう。 俺には関係ない話か...... 俺はいそいそと帰る準備を進め、高町なのはと雑種より先に教室を出る。 一応発動していないとはいえ、ジュエルシードの監視はしているので放課後は忙しいのだ。 と言ってもその監視もタマモやマシュ、リリィがやってくれているので異常さえなければ俺の役割はあまりないのだ。 確か今日は夜が発動なので、それまで散歩でもして時間をつぶすことにする。 商店街に足を向ければ夕方時ということもあり、買い物中の主婦でにぎわっていた。 そんな平和な光景にほっとすると同時に、自分がひどく場違いなような気がする。 そんなことは表情には出さないが。 適当にたい焼きを買い、商店街をぶらぶらする。 くだらない考えなどすぐに頭の隅に追いやり、気の向くまま散歩をしていたのだが
「ありゃ、ビル街の方に来ちまったか......」
気の向くまま散歩をしすぎたらしい。 いつの間にかジュエルシードの発動地点の近くまで来てしまっていたし、時間ももうすぐ発動と言うところだった。 面倒なことになったわけなのだが、まぁビルの上からでも見学していればいいので、そこまで問題でもない
「マスター?」
「マシュ、なんでここに?」
まだジュエルシードは発動していないので、流石に結界を張るわけにもいかず、徒歩で人気のないところまで移動しようとしていると声をかけられる。 呼ばれた方を向くと、マシュが少し離れた所に立っていた。 俺の姿を確認すると急いで駆け寄ってくるマシュ
「マスターがどうしてここに?」
「散歩してたらここにな。 どっちにしろジュエルシードが発動するし、ちょうどいいかなって思って人気のない所に移動しようとしてたんだ」
「そうだったんですね。 っ!?」
「魔力を打ち込んで強制的に発動したみたいだな。 結界は間に合ったようだし、行くぞマシュ」
マシュと話し込んでいると、フェイト・テスタロッサが行動を開始したようで、急いで結界が張られたようだ。 俺はいつものようにその上から結界を張り、マシュの手を引き近くの屋上まで飛ぶ。 そうして屋上を飛び移ること数回、現場近くまで行くとちょうど封印が行われたようだった
「すごい魔力のぶつかり合いですね......あれでちゃんと封印されたのでしょうか?」
「いや、されてない」
雑種がどこにいるのかは知らないが周りを見回しても姿がなく、高町なのはたちはジュエルシードが封印されてないことに気が付いた様子はなく、その近くで魔法を使って戦っていた。 どんどん高まる周りの魔力に呼応してか、ジュエルシード自体も怪しく光り始めていた
「マスター!」
「わかってる。 マシュは手を出すな、俺が行く」
話し合いをしていた高町なのはとフェイト・テスタロッサだったが、フェイト・テスタロッサが反転、ジュエルシードの方に向かっていく。 高町なのはも遅れて追いかけてはいるが、ジュエルシードの輝きは増すばかりだ。 普通に行っては高町なのはやフェイト・テスタロッサを追い越すのは不可能だが、俺には特典がある
「ふっ、かっこよく我、参上!!」
屋上から王の財宝より剣を射出しつつ飛び降りる。 もちろん当てる気はないが、射線上には高町なのはやフェイト・テスタロッサの姿もある。 俺の登場に驚いたのか二人とも動きを止めていたが、先に動いたのはフェイト・テスタロッサで、剣を冷静に避けたが止まってしまっていたため、その間に俺が追い越す。 高町なのはもフェイト・テスタロッサが動き出してすぐ後に避けたので、当たってはいないようだ。 地面に着地し、少し離れたところにあるジュエルシードを見る。 さっき射出した数本の剣のおかげで、さっきよりは輝きは収まってはいるのだが、やはり危険な感じだ
『ペイル』
『マスターの思っている通り、少しでも衝撃を与えれば次元震が起きます。 さっきの宝具でいくら魔力を強制的に放出させたとはいえ、危険すぎます!』
『もとより方法はない。 プラン通りに行く』
『マスター!』
ペイルの制止を振りきり、俺はいつもの考えなしで突入する演技をする
「雑種もいないならば我の独壇場。 嫁たちよ、我の勇士を見ておくいといい!」
『マシュ、もしもの時は高町なのはとフェイトテスタロッサを頼む』
『マスター、やめてください危険すぎます!!』
マシュに後を任せ、俺はバリアジャケットも展開せずに素手でジュエルシードを掴む。 その瞬間、視界は閃光に包まれ全身を衝撃が襲う。 正直言って想像以上だった。 瞬間的に何メートルも飛ばされたのは感覚的に分かったし、どちらが上も下かもわからない。 とりあえずプロテクションを全身に展開して、ダメージをコントロールする。 あんだけ吹き飛ばされたのに傷を全く負わないのも変だが、必要以上に負いたくないのは事実だ。 閃光も晴れようやく爆風みたいなのの勢いも弱まり俺の体は止まる。 思ってたよりもダメージが少ないのはいいのだが、起き上るのが面倒な俺は片目を開け状況を見る。 呆然とする高町なのはにジュエルシードを奪おうとするフェイト・テスタロッサ、そしていつ来ていたのか知らないがジュエルシードを守るように戦う雑種の姿があった
『ペイル、雑種はいつ来たんだ?』
『・・・・・・ほんの少し前です。 閃光はやんでいましたが、爆風いえ衝撃波でしょうか? その影響がやんですぐにフェイト・テスタロッサは動き出すのと同時に、と言うところでしょうか?』
『随分と都合のいい時に来たな。 まさか近くで見てたのか?』
『信じたくはないですが、本当に偶然だったようです』
俺たちが話している間にも戦いは続いていたが、やはり魔法を使って長いフェイト・テスタロッサの方が上手だったのか、雑種がジュエルシードを奪われ、決着がついたようだった
「マスター!」
「声を落とせマシュ。 どうやら雑種が結界といたようだし、周りの人に紛れて俺を運んでくれ」
「わかりました」
サーヴァントの身体能力を生かし、俺を楽々運ぶマシュ。 俺はその間に治癒魔法を使い体の傷を治し、ある程度離れたところで降ろしてもらい自分で歩く。 余談だが、家に帰るとマシュが今回のことをみんなに報告したため、俺はタマモ、マシュ、リリィにこってり絞られた。 ペイルは運ばれているときから延々と怒り続けていたから問題しかない