俺、踏み台転生者にされました   作:サクサクフェイはや幻想入り

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第十九話 Heartfelt cry それと次元震~なのは視点~

~なのは視点~

 

「いい加減にしなさいよ!」

 

「え?」

 

目の前のアリサちゃんは、なぜか私に怒っていた。 いきなり怒鳴られたことにびっくりしたけど、理由を考えれば当然なのかもしれない。 ここの所私は考え事ばかりしていて、どこか上の空だった。 考えていたのはきれいな瞳をしているのに寂しい目をしたのが印象的だったフェイトちゃんのこと。 たぶんアリサちゃんが怒っている理由は、何も私が話さないからだと思う。 でも魔法のことなんて言えないし、どうやって話せばいいかもわからず私が俯いて黙っていると、アリサちゃんは

 

「もういいわよ!」

 

そう言って、足音が遠ざかっていく。 急いで顔を上げるけどアリサちゃんの姿はなく、どうやら教室を出て行ってしまったようだ

 

「ごめんねなのはちゃん、ちょっと外すね」

 

「ううん、今のは私が悪いから......ごめんねすずかちゃん、お願い」

 

「うん、任せておいて」

 

私を安心させるように微笑むすずかちゃん。 その後すぐにアリサちゃんを追って教室から出て行った。 アリサちゃんには悪いと思ってる、もちろんすずかちゃんにも。 でも話したら二人を巻き込んじゃうから、そんなことは絶対に嫌だから

 

「ごめんね、アリサちゃん、すずかちゃん......」

 

そんな私の呟きは二人に届くはずもなく、私はそのまま俯く

 

「まったくアリサの奴......なのは、そんなに気にすることはないぞ? アリサだってなのはが心配だから言ってるんだ、だからそんなに落ち込むな」

 

「うん......」

 

織君が何か言ってるみたいだけど内容が頭に入ってこない。 私が思うのは、アリサちゃんとすずかちゃんへの謝罪の気持ちでいっぱいだった

 

------

 

放課後、アリサちゃんとすずかちゃんは先に帰ってしまった。 習い事があるからだけど、アリサちゃんには挨拶もできなかった。 でもしょうがないと思う、私が話さないのがいけないからアリサちゃんも怒っているんだから。 織君が一緒に帰ろうって言ってくれたけど、私は一人で帰りたいって言ったら気を使ってくれたみたいで、一人でジュエルシード探しに行くって言ってくれた。 本当にダメダメだな私...... ふと俯いていた顔を上げると、ガラスに映る私の顔はとっても沈んでいた

 

「こんな顔、家族のみんなに見られたら心配されちゃうよね、寄り道して行こう......」

 

海沿いにあるたい焼き屋さんの屋台でたい焼きを買って、ベンチで一休み。 そのまま私はぼーっと夕陽を見ていた。 色々なことを考えるけど、浮かんでくるのは今日のアリサちゃんとすずかちゃん。 ふと、私たちが仲良くなったきっかけを思い出す。 アリサちゃんとすずかちゃんとは最初から仲がいいわけじゃなかった。 アリサちゃんは今では考えられないほど悪い子で、すずかちゃんは今よりもずっと気が弱かったと思う。 私が見かけたのは偶然だった、中庭の花壇のところでアリサちゃんがすずかちゃんのカチューシャを振り回していて、すずかちゃんは何も言えずそれを見ているだけだった。 私はそれを見て、間に入ってアリサちゃんをいきなりぶったんだっけ。 それでアリサちゃんと取っ組み合いの喧嘩になって、止めたのはすずかちゃんだった。 それで騒ぎを聞きつけたのかわからないけど織君が来て、なぜか神木君もいて

 

「懐かしいなぁ......」

 

------

 

「そんなことが......」

 

「ユーノ君が気にする必要ないよ? 私がボーっとしてて、アリサちゃんのお話聞いてないのが悪いんだから」

 

「でも親友なんだよね?」

 

「そうだよ、入学してすぐからね」

 

「・・・・・・」

 

思いつめた顔をするユーノ君。 いつものように帰ってきて学校のことをユーノ君に話すんだけど、今日のアリサちゃんとすずかちゃんの話をするとこんなふうになってしまった。 言ってる通り私が悪いのに、ユーノ君は気にしてしまってるみたいだ。 いつまでもこのままではいけないと思い、さっき買ってきたたい焼きを半分に割り、頭の方の半分をユーノ君に差し出す。 ユーノ君は少し驚いた顔をしてこちらを向く

 

「半分こ。 今日は塾もないからジュエルシード探しも長くできるし、ね?」

 

「・・・・・・そうだね」

 

少しずつ食べ始めるユーノ君に私は少し安心して、私も自分の手に持っているたい焼きを食べ始める。 やっぱり冷めちゃってるけどおいしい。 私とユーノ君で買ってきたたい焼きを食べ終えると、私服に着替えてジュエルシード探しに出かける。 色々なところを探すけど簡単には見つからない。 ユーノ君が織君と念話で連絡を取り合ってくれてるので、探す場所が被ることはない。 織君は時間があったからと言うことで少し遠くを探しているらしく、合流に時間がかかるみたいでユーノ君と一緒に、織君が探していない近くを探そうってことになった

 

『ううーん、やっぱり簡単には見つからないねー』

 

『人通りもなかなか多いからね、仕方ないと思うよ』

 

ユーノ君と念話をしながら探すけど簡単に見つかるはずもなく、時計を見てみるともうそろそろ帰らないとまずい時間帯になっていた

 

『もうタイムアップの時間だ......』

 

『僕がもう少し探すよ』

 

『ユーノ君だけで大丈夫?』

 

『うん、織もいるしね。 だから夜ご飯は残しておいてね』

 

本当は私ももう少し探したいんだけど家族のみんなを心配させるわけにもいかないし、少し心配だけど織君もついているなら大丈夫だと思うし、私はユーノ君にジュエルシード探しを任せて帰ることにする。 走るのは苦手だけど走って帰ることにする。 途中で立ち止まって携帯を見てみるけど、新着メールは無し。 二人とも忙しいのかな? それとも......嫌な考えを振り払い、家に急ごうとしたけど何かを感じた。 空を見るとほんの数分前まで晴れて星が見えていたのに、いつの間にか分厚い雲が出てきていた。 もしかしなくても何かある、そう感じた瞬間ユーノ君の結界が展開されたみたいだった

 

「レイジングハート、お願い!」

 

私はレイジングハートに語りかけ、空にレイジングハートを投げる。 すると閃光に包まれ、何時もの通りに変身する

 

『なのは、発動したジュエルシードの光が見える?』

 

『うん!』

 

『なら封印を!あの子たちも近くにいるはずだから、あの子たちよりも早く!』

 

ユーノ君からの念話を受けて私はレイジングハートを構え

 

「リリカルマジカル!」

 

封印のための呪文を唱える。 直後封印するための砲撃がまっすぐジュエルシードに向かっていく。 反対側からも同じような砲撃が見えた。 多分魔力の色から見てフェイトちゃんだと思う。 私の砲撃とフェイトちゃんの砲撃は発動したジュエルシードにぶつかり、ジュエルシードは無事に封印できたみたいだった

 

「なのは、早く確保を!」

 

いつの間にか近くに来ていたユーノ君が叫び、私はゆっくりとジュエルシードに歩いて行く。 アリサちゃんとすずかちゃんとも最初は仲が良いわけじゃなかった、むしろ最初の出会いは喧嘩だった。 そう思い出し思わず苦笑する。 だって今の状況と似てるから、これは喧嘩じゃないけどあの時と似ている。 アリサちゃんみたいに怒らせたわけじゃないけど、私は言いたいことをちゃんとフェイトちゃんに伝えてない。 なんとなく、ずっと胸がモヤモヤしてたけど少しモヤモヤがとれた気がする。 改めてジュエルシードを見ると、上から狼さんが降ってきていた

 

「そいつは渡さないよ!!」

 

「させるか!!」

 

ユーノ君がプロテクションを展開してくれたおかげで私は無傷で、改めてジュエルシードの方を見るとそこにはフェイトちゃんがいた。 さっき考えていたことを、伝えたいことを口にする

 

「このあいだは変な感じになったけど、まずは自己紹介!私なのは、高町なのは!私立聖祥大付属小学校三年生!」

 

「・・・・・・フェイト、フェイト・テスタロッサ」

 

そう言ってフェイトちゃんは手に持っていた鎌を構え、こちらに向かってくる。 振り下ろされる鎌をバックステップで回避して、そのまま空を飛ぶと後ろからフェイトちゃんが追撃をしてくる。 私は高速移動魔法などを使い、何とかフェイトちゃんの後ろをとりディバインシュータを当て硬直状態を作り出すことができた。 互いにデバイスを構えるけど

 

「フェイトちゃん!」

 

「っ!」

 

驚いた顔をするフェイトちゃん、でも私は思いを告げていく。 だって話さなきゃ何も変わらないと思うから!

 

「フェイトちゃんが覚えてるかどうかわからないけど、話し合うだけじゃ何も変わらないかもしれない......でも!話し合わなきゃ何も伝わらないよ!!お互いにジュエルシードを集めてるから競い合うのは仕方ないのかもしれないけど、だけど何もわからないままぶつかり合うのは私嫌だよ! だから言うね」

 

そこで私はいったん言葉を切り、私がジュエルシードを集める目的を話す

 

「私がジュエルシードを集めるのはそれがユーノ君の探し物だから。 ジュエルシードを見つけたのはユーノ君で、それを元通りに集めないといけないから!私はそのお手伝いで集め始めた、偶然だったけど、でも!今は違う、私は自分の意志でジュエルシードを集めてる!自分の住んでる街に、自分の周りの人たちに危険が降りかかったら嫌だから!!これが私の理由だよ!フェイトちゃんは?」

 

驚いた顔のフェイトちゃんだけど徐々に顔は俯いていき、私がフェイトちゃんの理由を聞くと完全に顔を俯いてしまった

 

「わたし、私は......」

 

「言わなくていい!! 答えなくていいよフェイト!優しい人たちに囲まれてぬくぬく育ってきたガキンチョに、言わなくていい。 私たちの最優先事項は、ジュエルシードの確保だよ!」

 

「「っ!?」」

 

狼さんの言葉にはっとした表情のフェイトちゃん、さっきまでの雰囲気はなくデバイスを構えている。 そして、ジュエルシードの方を一瞬見たと思ったら、そっちに向かって飛んでいく。 出遅れたと思い急いで追いかけていると、私たちの前を剣が横切る

 

「「っ!?」」

 

驚いて急ブレーキをかける私とフェイトちゃん、剣の降ってきた方の視線をたどると

 

「ふっ、かっこよく我、参上!!」

 

そう言って地面に着地する神木君、私とフェイトちゃんはいきなり現れた神木君に気を取られその場から動けずにいた。 でも神木君はそんなこと関係ないと言わんばかりに

 

「雑種もいないならば我の独壇場。 嫁たちよ、我の勇士を見ておくいといい!」

 

そう言って何の考えもなくジュエルシードに近づき、素手でジュエルシードを掴んだ。 直後、神木君の周りは閃光に包まれ吹き飛ばされていた

 

「なのは大丈夫か!?」

 

いつも間にか織君がきて何か言ってるみたいだけど、私の頭には入ってこなかった。 今のはなに? なんで封印したはずのジュエルシードが光を? それに神木君が何で吹き飛ばされたの? 突然のことに頭はぐちゃぐちゃで、私は茫然としていた。 気が付いた時にはジュエルシードは奪われ、神木君も忽然と姿を消していた......

 

~なのは視点 end~

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