俺、踏み台転生者にされました 作:サクサクフェイはや幻想入り
「さて、本日午前零時をもって本艦の任務はジュエルシードの回収となります。 気を引き締めましょう」
会議室(?)のようなところに集まり、リンディさんがこれからのことを説明している。 俺や雑種、高町なのは、ユーノは協力者として、臨時職員として艦の同乗が許された。 基本的に行動は自由でいいとのことだが、有事の際、つまりジュエルシードやフェイト・テスタロッサが見つかった際は、優先的にそちらの解決にあたること。 とのことだった。 今はジュエルシードが見つかっていないので自由時間、なのだが、俺たち協力者は全員ブリッジに集まっていた
「そういえばなのはさんと織君、理樹君は学校の方は大丈夫なのかしら?」
「大丈夫です。 友達にも知らせてきましたし」
「はい、問題ありません」
「問題ないぞ」
元々、俺は学校に行かなくてもいいのだがポイント集めるために通ってるだけだし。 だが一応連絡はしないといけないので、そこらへんは玉藻に頼んで何とかしてもらっている。 雑談をしていると少し騒がしくなる艦内。 耳を澄まして聞いてみると、どうやらジュエルシードが見つかったようだ。 二か所同時、と言うことでチーム分けをされているわけなのだが
「おい!何故嫁と一緒ではないのだ!」
「それは君が問題を起こすからだ」
俺と一緒のチームになったのはクロノ。 戦力の温存、として高町なのは達を迎え入れたような気がするのだが、ここでクロノが出てもいいのだろうか? ちなみに嫁こと高町なのはは、雑種とユーノと一緒だ。 ぶっちゃけ、ここで揉める必要はないのだが、この頃踏み台としての活動は自重しているとはいえ、ここで何も言わないのはかえって変なので言っている感じだ。 クロノもそれがわかっていると思う
「お前はこういうときまで!」
「貴様は黙っていろ雑種が!!」
「理樹君、これは命令です」
「チッ! 行くぞ執務官」
「勝手に行かないでくれ......」
一応リンディさんは今回の責任者、事前に命令を無視すれば艦を下ろすともいわれている、という体になっているので渋々いうことを聞く。 実際そんなことは言われていないのだが、そちらの方が都合がいいのでそういうことにしていたのだ。 転送装置に先に走って向かうと、クロノは呆れながら追いついてくる。 光に包まれた次の瞬間には転送が終わっていて、少し離れたところにはジュエルシードの暴走体が
「さて、どう攻めるか」
「うん? 嫁がいないのだ、執務官一人で戦闘をやってもらうぞ?」
「君は......」
苦笑するクロノだが暴走体が待つはずもなく、こちらに攻撃を仕掛けてきた。 どうも今回の暴走体は扇風機を取り込んだようで、常に強風で吹き飛ばそうとしてくる。 しかも強風に交じって鎌鼬でもしているのか、周りの木々が切れていた。 今回、高町なのはたちの方は火の鳥で、俺たちはこの扇風機を各自で当たることになっている。 どちらにしろ、俺は空飛べるか飛べないか未知数なので、今回はこういう振り分けになったわけだ。 もちろん本当は飛べるが、高町なのはたちの前では飛んだことがない。 さて、目の前の暴走体だがまだまだ風が強くなる。 クロノは俺をかばうためにプロテクションを展開していて今は動けない
「それで、本当にどうする?」
「我はさっき言った通り観戦する。 せいぜい頑張るといい執務官」
「別に僕はそうしてもいいが、これを解けば君は吹き飛ばされるぞ? それに、アレを一人で止めればなのはにいいところを見せられるんじゃないか?」
クロノは俺をうまいように誘導していく。 こっちの内情を知っているからか、本当にやりやすい。 しかもクロノ自身、冷静に状況判断をしているので、神にばれる心配も多分ない
「・・・・・・執務官の口車に乗るのも癪だが、いいだろう。 その代り我の武勇、嫁にしっかりと伝えるのだぞ!!」
そう言って普通の大きさの剣を射出。 威力は調整しているが相手の風が強くなったせいか、剣が猛スピードでこちらに帰ってくる
「なにぃ!?」
「驚いてる場合じゃないぞ!」
「チィ!」
プロテクションの直前で剣を再収納する。 こうでもしないと、違和感を持たれるだろうからな。 それはそうと、生半可な攻撃だとかえって危ないわけで、ここは
「扇風機の分際で!!」
「待て待て! そんな大きな剣を刺すのはいいが、これまでのように学習して形でも変えられたら」
「我に命令をするな!」
射角を調整し、大きな剣を思いっきり射出する。 扇風機は通常手を巻き込まないようにカバーがついているわけだが、それはあくまでも手の話。 それより細いものなら入るわけで。 俺がその隙間に剣を貫通させ、タイミングもばっちり調整したので羽と羽の間に入り、扇風機の風がやむ
「チッ...... 本当は首のところと下をおさらばさせてやろうと思ったのだが、少しずれたな」
「君は...... いや、何も言うまい。 ジュエルシード、封印!!」
高町なのはよりも細い青色の砲撃がジュエルシードを包み込み、扇風機は元の大きさに戻っていく。 興味を無くした俺は空を見上げ、転送を待つ
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俺たちがアースラに移って九日目の夜、俺は結界を張りアースラの一室にいた。 部屋の中にはリンディさん、クロノもいる。 今日集まったのは他でもない、俺の刻まれた記憶、つまりは未来が知りたいとのことだった
「ジュエルシードはあと六個、君の未来視ではどこにあったんだ?」
「海の中だ。 ただ、正確な位置まではわからないからそっちで探してくれると助かる」
「やっぱり、そうなのね......」
リンディさんも予想通り、と言う顔でため息をつく。 まぁ、地上もあらかた探し終わった、なんて聞いたし、明日から海の中を探すって言ってたからこのくらい予想通りだろう。 別に俺も情報を出し渋ったわけでもなく、聞かれたのがたまたま今日だったというだけだ
「相手の動きとかわかるか? そうなれば対策も立てやすいんだが」
「未来視って言ってもそこまで万能じゃない。 俺から言えるのは、フェイト・テスタロッサが無茶なことをするってことくらいしかわからなかったしな」
「フェイト・テスタロッサ、その少女についての情報はないかしら?」
「さっきも言った通り、未来視は万能じゃないんです。 今回のこの事件に関係あるものから、関係ないものまでいろんなものを視る、それの取捨選択...... あげたらきりがないですが、ピンポイントでその情報だけ見れるわけじゃないですから」
「そう、よね。 ごめんなさい」
本当は知ってはいるが、それをやったら本当の意味で俺の知っている未来からずれる、それだけは避けなくてはならない。 どんなペナルティが待っているかわからないし。 すこしリンディさんやクロノに罪悪感を感じながら、話は終わる
「ごめんなさいね、貴方も大変なのにわざわざ時間をとってもらって、結界を張ってもらってこんな話」
「いえ、それじゃあ結界を解除しますのでこれで」
「あぁ」
部屋から出ると同時に結界を解除し、俺は自分に割り当てられた部屋に帰る
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そして夜が明け次の日、朝から海の中を捜索しているようだがいまだ反応が出ず。 小腹がすいたので食堂に行くと、高町なのは、ユーノ、雑種が集まって話していた。 特に興味はなかったのだが、久しぶりにポイント集めをすることにした
「なのはよ何を話していたのだ? まぁ、我の話だと思うが」
「神木君」
「・・・・・・」
「や、やぁ」
どうも少し空気が重いようだが、俺は気にせずに話しかける。 相変わらず雑種は睨んできているが特に気にせず、ユーノは俺を複雑な表情をしながら挨拶をしていた。 勝手になのはの左隣に座り、さっき貰ってきたクッキーを食べながら返事を待つ
「えっと、神木君のことは話してなかったけど、ジュエルシードのこととかをちょっと......」
「ん? 別に恥ずかしがることはないぞなのは、我の話なら我の話と言ってくれてもよいぞ?」
「にゃはは......」
「誰もお前の話など」
雑種の言葉は遮られる。 警報が鳴ったということはジュエルシードが見つかったのだろう、クッキーはもったいないが仕方なく立ち上がる。 少し後ろ髪をひかれる思いをしながら、同時に立ったなのはたちの後を追いかけるのだった