俺、踏み台転生者にされました   作:サクサクフェイはや幻想入り

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第三十話 水底にGO!

走って走って、走り抜ける。 食堂からブリッジがこんなに長く感じたのは初めてだ。 警報はもう鳴りやんでいるが、俺たちはブリッジを目指して走っていた。 ようやくブリッジにつき表示されているモニターを見てみると

 

「フェイトちゃん!あの、私急いで現場に!」

 

フェイト・テスタロッサが苦しい表情を浮かべながら暴走体と戦っていた。 それを見てか高町なのはは急いでリンディさんに駆け寄るが、帰ってきたのは非情な答えだった

 

「その必要はない、放っておけば彼女は自滅する。 仮に自滅しなかったとしても、消耗したところを捕獲すればいい」

 

「それでいいのか!?」

 

「私たちは常に最善の選択をしなければならないの、ごめんなさい」

 

クロノの言葉に食って掛かる雑種だが、リンディさんが冷静に返事をする。 最善の選択、ね...... 俺は目の前の表示されているモニターを見ながら考える。 フェイト・テスタロッサの魔力は切れかけなのだろう、魔力刀の展開も危うくなっている。 今も暴走体に吹き飛ばされたが、何とか体勢を立て直していた。 何が最善かなんて俺が言えた義理ではないが、ここで放っておくことが最善かと聞かれれば首をかしげる。 高町なのはは俯いていたが、いきなり顔を上げる。 俺に刻まれた記憶が正しければ、高町なのははフェイト・テスタロッサを助けに行く。 クロノ達を見てみるが歯を食いしばっている。 やはりクロノ達もこのまま見ているだけと言うのも嫌なようだ、何か方法はないだろうか? 俺だとばれず、なおかつあそこに行かせる理由が。 そうこう考えている間に、高町なのはと雑種が転送ポートに乗っている

 

「君は!」

 

「悪いなクロノ、こんな状況で俺たちは見ているだけ、なんて出来ない!」

 

「ごめんなさい!高町なのは、命令を無視します」

 

「あの子の結界内へ、転送!!」

 

どうやらユーノ達と念話で話していたらしく、リンディさんやクロノが止める間もなく転送準備が整い、転送されてしまった。 モニターを見ると映し出されているのはフェイト・テスタロッサだが、なぜか違和感を覚える

 

『ペイル、モニターの映像で変わったところはあるか?』

 

『変わったところ、ですか?』

 

『あぁ、具体的にどことははっきり言えないが、とにかくないか?』

 

ずっと注視しているためか今は感じられないが、さっき改めてみた時は何か強烈な違和感を感じた

 

『フェイト・テスタロッサや使い魔の位置はめまぐるしく変わっていますし、それ以外は...... まさか、竜巻の位置が変わっている?』

 

『ペイル、どういうことだ?』

 

『多分マスターが感じた違和感はこれです。 竜巻、正式にはジュエルシードが起こしている竜巻ですが、その位置が少しずつではありますが変わっています。 まるでお互いに引き合うかのように、中央に!』

 

『ペイル、秘密裏にクロノにその情報を送れ、手遅れになる前に!!』

 

モニターには高町なのは達が映っている。 やはりジュエルシードはたがいに引き合っているのか、さっきよりも近くなっていた

 

「何をやっているんだ君たちは!む?」

 

俯くクロノだったが、ペイルが秘密裏に送ったデータが届いたのか焦った様子でオペレーターに確認をとっていた

 

「すまない!数分前の竜巻の位置と現在位置、確認してもらってもいいか? 早急に!」

 

「は、はい!」

 

クロノの焦った様子にオペレータは驚いていたようだが、すぐに調べた結果は

 

「まさか、そんな!ジュエルシードの位置が......」

 

「やっぱりか!艦長、出撃許可を!」

 

「クロノ執務官、どういうことですか?」

 

「ジュエルシードはたがいに引き合っているのか、ジュエルシード同士の距離が近づきつつあります!このままだと融合の恐れも!」

 

俺の予感は正しかったようで、やはり引き合う性質があったのか近づいているみたいだった。 その報告を受けどよめくブリッジだったが、リンディさんの判断は早かった

 

「クロノ出撃を、理樹君も行けるわね?」

 

「よかろう、行くぞ執務官」

 

「転送をお願いします!」

 

海上に転送される俺とクロノ。 うーむ、飛行魔法は適正がないことはないが、あんまり使いたくないのだが。 元の魔力が少ないし、あまり俺の手の内を見せたくないというのもある。 どうしようか途方に暮れていたのだが、ある程度の高さまで行くとクロノが足場用のプロテクションを展開してくれたようだ

 

「ふん、余計なことを......」

 

「・・・・・・」

 

こっちを一瞥し高町なのはとフェイト・テスタロッサの方に向かうクロノ、本当にありがたい。 ユーノとアルフは竜巻を抑え、雑種は...... 竜巻と遊んでいるようにしか見えない。 いや、多分吹き飛ばされながらの動きを見る限り、高町なのはとフェイト・テスタロッサに攻撃が行かないようにしているんだろうが、それにしたって遊んでいるようにしか見えない

 

『神木作戦が決まった!なのはとフェイト・テスタロッサ、僕が封印を行う、君はその援護だ!』

 

「だから、我に命令するなと言っているだろうが執務官!!」

 

王の財宝を使い宝具を射出する。 たぶんクロノが言っていた援護とは、周辺の魔力を放出させる類のものと判断し、それを連続で射出していく。 もちろん近くにいる雑種に当たりそうになるのだが気にせず、どんどん打ち込んでいく。 剣がジュエルシード付近を過ぎたら即回収をかけているのでストックの方は問題ないが、放出させられるのなど微々たるものだ。 高町なのはとフェイト・テスタロッサは高度を上げていくが、それを追いかける暴走体がいる。 雑種は遊んでいるため俺が迎撃するしかないわけで、当たらないように調整をしながら剣を射出する。 まぁ、たまにユーノやアルフが展開しているチェーンバインドに当たるのだが、切れてないから平気だろう

 

『神木、織、十分だ!』

 

「せーの!」

 

高町なのはの掛け声とともに封印が開始される。 と言っても三人の封印は成功で、竜巻はすぐに収まった。 だが竜巻の影響か波は高く、すぐにはジュエルシードに近づける状態ではないが。 それがわかっているのか、クロノも近づく様子がない

 

「友達に、なりたいんだ。 私、フェイトちゃんと友達に、なりたいんだ」

 

ジュエルシードを見ていると思ったら、いきなりフェイトテスタロッサの方を向いて、高町なのはが言い始める。 直後、そんな二人を引き裂くように紫色の雷が、二人の間を通り過ぎる

 

『今の魔力』

 

『マスターの思っている通り、プレシア・テスタロッサのものです』

 

やはりというかなんというか、プレシアさんのものだったようだ

 

「母さん......」

 

「フェイト、ずらかるよ!!」

 

いつの間にやらジュエルシードを六個回収したアルフはフェイト・テスタロッサに声をかけ、転移して逃げたようだ。 逃げたのはよかったのだが、俺はその時海に落ちていた

 

「おのれおのれおのれー!!!!」

 

------

 

「して、ここに我を呼んだ理由は?」

 

さっき海に落とされたことを形だけ散々文句を言った後、クロノに聞く。 さっき海に落とされた理由は簡単だ。 クロノに展開してもらっていたプロテクションが展開不可能になり、足場がなくなったため海に落ちたのだ。 あの空間攻撃はアースラと、特に現場にいたクロノに重点的に行われ、それによりクロノのデバイスが一時的に機能不全に陥ったためだ。 たぶん俺が思うにプレシアさんからのメッセージだと思う。 貴方には水底がお似合いよ、てきな

 

「説明しているとき君はシャワーを浴びていたからね、プレシア・テスタロッサの情報についてさ」

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