俺、踏み台転生者にされました 作:サクサクフェイはや幻想入り
~なのは視点~
長い廊下をやっとの思いで走りきり、ブリッジで息を整えながらモニターを見るとフェイトちゃんが竜巻に吹き飛ばされながらも戦っていた
「フェイトちゃん!あの、私急いで現場に!」
そんなフェイトちゃんの姿に私は出撃しようとするけど、クロノ君たちの答えは私の思ってたものとは違った
「その必要はない、放っておけば彼女は自滅する。 仮に自滅しなかったとしても、消耗したところを捕獲すればいい」
「それでいいのか!?」
「私たちは常に最善の選択をしなければならないの、ごめんなさい」
クロノの言葉に食って掛かる織君、だけどリンディさんは冷静に返事をする。 最善の選択ってなに? 目の前の表示されているモニターを見ると、フェイトちゃんの魔力は切れかけなのか、いつも展開している魔力刀も消えかかっている。 今も暴走体に吹き飛ばされたけど、何とか体勢と立て直したみたいだった。 せっかくの魔法の力なのにこんな時に、誰かが困っているときに使えないなんて...... 私は顔をうつ向かせる。
『行って』
「っ!?」
いきなりの念話に驚いたけどい、話しかけてきたユーノ君のほうを向くと私たちのほうを向いていた
『行ってなのは、織』
『ユーノ......』
『僕がゲートを開くから、行ってあの子を』
『でもユーノ君、私がフェイトちゃんを助けて話したいのは』
『関係ないかもしれない。 でもね、なのはが困ってるなら力になってあげたい、なのはが僕にそうしてくれたように』
思い出すのは最初のユーノ君との出会い。 念話が聞こえてユーノ君を助けたあの日。 一度目を閉じ織君のほうを向くと、織君もこちらを向いていた
『ユーノ君、ありがとう!』
『すぐに来いよユーノ!』
『うん!』
私と織君が転送ポートに乗りこむと光はじめ、視線が集中する。 アースラの人たちには悪いけど、私は見ているだけなんて出来ないから
「君たちは!」
「悪いなクロノ、こんな状況で俺たちは見ているだけ、なんて出来ない!」
「ごめんなさい!高町なのは、命令を無視します」
「あの子の結界内へ、転送!!」
光に包まれ転送される。 目を開けるとたぶん結界内の上空なのかな、青空が広がっていた。 周りを見ると織君がいないけど、私がやることは変わらない
「行くよレイジングハート」
私の呼びかけに答えるように暖かく光るレイジングハートに、うれしい気持ちになりながら変身する
「風は空に 、星は天に、輝く光はこの腕に、不屈の心はこの胸に!レイジングハート、セットアップ!!」
「スタンバイレディ、セットアップ」
バリアジャケットに変身し厚い雲を抜けると、さっきモニターで見た風景が。 ううん、モニターで見るより風が強くなっていた。 そんな私にアルフさんが攻撃しようとしてくるけど
「フェイトの、邪魔をするなー!!」
「違う、僕たちは戦いに来たわけじゃない!」
ユーノ君がプロテクションで防いでくれる。 安心したのも束の間で、念話が来る
『何をやっているんだ君たちは!む?』
でもすぐに切れてしまい私とユーノ君は首を傾げたけど、すぐに織君が合流したので気を引き締める
「何をするにしてもジュエルシードの封印が先だ!俺が気を引くから封印を!」
「織!あー、もう!なのはは彼女をお願い、僕は織となのはのサポートをするから!」
「うん!」
ユーノ君の話を聞かずにジュエルシードが起こしている竜巻に向かっていく織君、そんな織君を放っておけないのかユーノ君はアルフさんとの会話をそこそこにサポートに向かう。 私は私の仕事を、そう思ってフェイトちゃんに近づきながら声をかける
「フェイトちゃん!お願い、手伝って!」
そういいながら私はフェイトちゃんに魔力の半分を渡す。 フェイトちゃんは呆けた顔をしていたけど、私がその場を離れようとすると
「なのは、フェイト・テスタロッサ!」
「クロノ君!?」
さっき途中で念話を中断したクロノ君がこの場にいた。 てっきり怒られるのかと思ったけど違ったようで、少し焦ったように話しかけてくる
「警戒するな、と言うのも無理な話だろうが聞いてくれフェイト・テスタロッサ。 時間がないから簡潔にアレを早急に封印したい」
そういってジュエルシードを指すクロノ君、封印したいも何も今から封印するつもりだったのだけど...... フェイトちゃんも訝しげにクロノ君を見ている
「二人の反応は分かるが事態は思ったよりも深刻だ。 六つのジュエルシードが一つに融合しようとしてる。 一つでアレだ、融合したらその被害は計り知れない。 だから早急に封印を施したい、二人とも頼めるかい?」
その言葉に神妙に頷くフェイトちゃん。 私も頷き、封印しやすいように高度を上げるんだけど、ユーノ君やアルフさんでも抑えきれない竜巻が私やフェイトちゃんに向かてくる。 迎撃しようとするけど、剣がいっぱい飛んできて払ってくれる。 驚いてそちらのほうを見ると、クロノ君が展開したプロテクションの上にいつものように腕を組み、剣を射出している神木君の姿が。 さっき声が聞こえたような気はしてたけど...... それに、プロテクションてああいう使い方もあるんだ。 神木君がバックアップをしてくれているので私たちは上空に上がり
「ディバインバスターフルパワー、行けるねレイジングハート?」
「オーライ、マイマスター」
チャージを開始する。 どのくらいかわからないけどとりあえず全力で!
「せーの!」
私のせーので砲撃が発射され、封印は見事に成功する。 竜巻はすぐに収まったけど、竜巻かはたまた封印の影響か波は高くて、フェイトちゃんもすぐにはジュエルシードを回収する様子はない。 その間に私は、私は伝えたいことを伝える
「友達に、なりたいんだ。 私、フェイトちゃんと友達に、なりたいんだ」
フェイトちゃんが驚いたようにこちらを向く。 私はそんなフェイトちゃんを見て、ゆっくりと返事を待つ。 だけど、紫色の雷が私たちの間を通り過ぎる
「母さん......」
フェイトちゃんのそんなつぶやきが聞こえた
「フェイト、ずらかるよ!!」
いつの間にやらジュエルシードを六個回収したアルフさんがフェイトちゃんに声をかけ、あっという間に転移魔法を使ってこの場からいなくなってしまった。 でも私はそのことを残念に思う暇もなく
「おのれおのれおのれー!!!!」
声がしたほうを向くと、ちょうど神木君が海に落ちていた。 海に落ちた!?
「神木君!?」
--------------------------------------------
「今回の件は不問とします」
神木君が海に落ちたあの後、無事に神木君は回収されて今はシャワーを浴びています。 私たちはその間説教というかなんというか...... クロノ君が言っていた通り、あのジュエルシードは互いに引き合っていたらしく融合の可能性があったみたいで、そのことはアースラの人たちも気が付いていなかったみたいです。 結果的に私たちがあの場にいてスムーズに封印できたことと、アースラでも気が付かなかったので、今回のことは不問になったみたいです。 でも組織に属する以上、命令無視などは自分や仲間にも危険にさらすということで注意を受けました。 そこは私も反省です
「さて、これとは別件でクロノ?」
「はい、艦長」
空気を切り替えるように明るく言うリンディさん。 名前を呼ばれたクロノ君は前に出ると、中央にモニターが浮かび女の人の映像が
「あら、この人は」
「はい。 僕たちと同じミットチルダ出身の魔導士、プレシア・テスタロッサです。 専門は次元航行エネルギーの開発、偉大な魔導士でありながら違法研究と事故によって放逐された人物です。 登録されていた魔力波動とさっきの攻撃、一致しています。 そして、あの少女フェイトは......」
最初クロノ君が何を言っているかよくわからなかったけど、さっき攻撃してきたのはこの人で...... あれ?
「でもフェイトちゃん、母さんて......」
「親子、ね」
私のつぶやきが聞こえたリンディさんはそう言ってたけど、なんでフェイトちゃんお母さんのこと怖がっていたんだろう...... 私はどうしてもそこが気になった