俺、踏み台転生者にされました   作:サクサクフェイはや幻想入り

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第三十六話 最初で最後の本気の勝負

「ついに始まった、か」

 

回収ポイントである海辺の公園に着くと、すでに高町なのはとフェイト・テスタロッサの戦いはすでに始まっていた。 シューターが飛び交い、時には近接戦闘。 目まぐるしく変わる状況、それに視線を合わせる。 二人とも魔力を結構放出したのか、肩で息をしている。 先に動いたのはフェイト・テスタロッサで、どうも魔力の大きさからして大技のようだ。 遠くで戦闘音が聞こえる所からして、援護は期待できそうにないな。 もちろん真剣勝負だ、俺も援護する気はない。 その間にも、高町なのはは四肢をバインドで拘束され動きを封じられていた。 そして撃ちだされる大量のシューター。 確かフォトンランサーファランクスシフトだったか? 30発以上のフォトンスフィアより繰り出される、フォトンランサーの一点集中高速連射。 目の前で見るのはすごいが、果たして高町なのははどうなったのか。 フェイト・テスタロッサはフォトンスフィアをまとめ、一つの槍状にしているが。 着弾点である高町なのはの周りは、煙のため姿が見えない。 煙も段々晴れていき、高町なのはの姿があらわになる。 見たところ防ぎ切ったようで、バリアジャケットがところどころ焦げているくらいだった。 その姿に驚くフェイト・テスタロッサだったが、スフィアをまとめたものを投げる。 高町なのはもお返しと言わんばかりのディバインバスターを放つと、フェイト・テスタロッサの攻撃は拮抗するどころか一瞬でかき消されてしまった。 フェイト・テスタロッサはプロテクションで防いではいるが、耐えきれるかどうかは微妙なところだ。 ディバインバスターの衝撃か、バリアジャケットはところどころ破れ満身創痍、だが長い砲撃も終わりを告げる。 肩で息をしながら耐えきったことをかみしめているようだが、高町なのはの次なる手の準備が始まっていた。 魔法陣を展開し、集まり始める周囲の魔力。 収束砲撃魔法だ。 それを見て抵抗を試みるフェイト・テスタロッサだが、先ほどの高町なのはと同じように四肢をバインドによって拘束されてしまう。 無情にも撃ち出される収束砲撃魔法。 アレは砲撃だなんて生易しいものではなく、大きい壁が迫ってくるようなイメージだと思う。 桜色の光も晴れ、高町なのはを見ると肩で息をしていた。 いくら収束していたといっても、さすがにあの量の魔力を打ち出したのだ、限界だろう。 一方フェイト・テスタロッサは、防御もろくにできずあの魔法を受けたのだ、海へと落ちていく。 高町なのはもそれに気が付いたのか、急いでフェイト・テスタロッサのもとに向かうが間に合わない。 海の中に沈むと思われたフェイト・テスタロッサだったが、すんでのところで助けが入ったようだった。 アルフではなく、雑種だったようだが。 目を覚ましたフェイト・テスタロッサは高町なのはと話していたが、やがてジュエルシードを出す。 勝敗も付いたようなので空を見上げれば、高町なのはたちの上空に雷雲が。 そして放たれる紫色の雷。 思った通りプレシアさんのもののようだ。 それをアルフと一緒に防ぎきる雑種。 だがジュエルシードは消えてしまった。 

 

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いつまでもあの場にいるのも無駄なので俺たちはすぐに転送され、アースラのブリッジにいる。 もちろんフェイト・テスタロッサやその使い魔アルフも一緒だ

 

「なのはさんたちはご苦労様。 それから、初めましてフェイト・テスタロッサさん、アルフさん」

 

「・・・・・・」

 

それにこたえる元気はないのか、フェイト・テスタロッサは俯いていた。 アルフはそんなフェイト・テスタロッサを心配そうに見ていた。 映し出されるモニターにはちょうど武装局員たちが時の庭園に乗り込み、プレシア・テスタロッサを捕縛しようというところだった

 

「プレシア・テスタロッサ、貴女を時空管理法違反及び、時空管理局艦船攻撃の容疑で逮捕します」

 

「武装を解除して、こちらへ」

 

武装局員がそう声をかけると、玉座に座っていたプレシアさんが立ち上がる

 

「・・・・・・ここら辺が潮時かしらね」

 

そう言って持っていたデバイスを局員に投げる。 局員もいきなりのことで混乱しているようだが、それはアースラ内でも同じだった

 

「なに!? どういうことだ!」

 

「おい、これで終わるならいいだろう!」

 

「黙れ雑種が!貴様か、貴様が余計なことをしたのか!?」

 

そう言って俺は雑種に殴りかかるが、容易く組み伏せられてしまう。 なんか拘束あまくてすぐ抜け出せそうだが、一応形だけの抵抗をしておく

 

「離せ雑種!!」

 

「うるさい!!」

 

「神木君、今は貴方に構っている暇はありません、静かにしていてください。 さもなくば退出してもらいます」

 

「おのれ、おのれおのれおのれ!!」

 

ポイントはもう目前、今回のこの騒ぎで溜まったので後は好きにさせてもらう。 ひとしきり叫ぶと黙っておく。 状況は動きプレシアさんは捕縛され、武装局員は奥の部屋へ。 そこで見つけたのはフェイト・テスタロッサそっくりの少女、アリシア・テスタロッサ、プレシアさんの娘だ。 そして明かされるフェイト・テスタロッサ誕生の秘密

 

「彼女はアリシア・テスタロッサ、プレシア・テスタロッサの実の娘なの。 プレシアはヒュードラの実験の時に彼女を亡くしているの。 彼女が最後に行っていた実験は、使い魔を超える人造生命の生成、死者蘇生の秘術。 フェイトって名前は、当時彼女のしていた研究の開発コードなの」

 

「よく知っているわね。 まぁどちらにしろもう終わり、アリシアは丁重に運んでちょうだい」

 

連行されるプレシアさん、だが話はそこで終わりではなかった

 

「困るなプレシア・テスタロッサ、勝手に計画を降りられては」

 

「っ!? 貴方は」

 

黒いマントを羽織り、変な仮面をつけた男が現れた。 声バレを気にしているのか、合成音声を使っているため気味が悪かった。 こんなもの、俺の記憶にはなかった!

 

「まったく、こんな簡単な仕事もできないとはな、君にはがっかりだよ。 こんにちは管理局諸君、名前は名乗れないが少しお付き合い願うよ」

 

「・・・・・・何者だ!」

 

クロノが何者かを問うが、仮面の男は肩をすくめるだけで答えはしない。 それどころか武装局員を一瞬で全員気絶させた。 これにはさすがに全員驚き、警戒を引き上げる

 

「武装局員への攻撃は犯罪行為です」

 

「そんなの今更だろう? ジュエルシードの輸送艦を襲いバラまかせ、収集を指示していたのだから。 まぁ、管理局は気が付いていなかったようだが」

 

「待て!お前が犯人だとでもいうのか!?」

 

「? だからそう言っているだろう、馬鹿なのか君は?」

 

雑種をあざ笑うかのように言う仮面の男に、雑種は肩を震わせていた。 そんな中、フェイト・テスタロッサは顔を上げる

 

「一つ聞きたいことがあります」

 

「なにかね? 今の私はとても気分がいい、何でも質問に答えよう?」

 

「彼は貴方の仲間ですか?」

 

そう言って俺を指すフェイト・テスタロッサ。 高町なのはや雑種、リンディさんたちも驚いているようだが、フェイト・テスタロッサは構わずに話を続ける

 

「母さんに変な巻物を使って、契約解除不可能な呪いをしたと言っていました」

 

「契約解除不能な巻物? そんなものがあるなら私が使いたいものだよ。 その少年は興味深いが私の仲間ではないよ、私ならもっとうまく使うしね」

 

「おい、どういうことだ!我を馬鹿にしているのか!!」

 

「ははは、威勢のいい少年だ。 さて、そろそろかな?」

 

周りを見回す仮面の男、直後倒れている局員やプレシアさんが転送された。 リンディさんたちもただ話していただけでなく、武装局員やプレシアさんの転送を進めていたのだが、仮面の男にはバレていたようだ

 

「私とて無益な殺生は好まないんだ、邪魔な人間が消えてくれたほうが楽だからね。 まさかプレシアまで転送するのは予想外だったが、まぁいいだろう」

 

そう言って玉座に歩き始める仮面の男。 何かやろうとしているのは明白なのだが、手を出すことができない。 一応クロノなどを転送しようとしたのだが、転送できなかったのだ。 なのでここで見ていることしかできないのだが

 

「本当は全部のジュエルシードを解析したかったのだがないものは仕方ない、せめて私の期待通りのものならいいのだが」

 

「ジュエルシードで何をするつもりだ!!」

 

「それを管理局に語る必要はないさ。 ・・・・・・ふむ、これも期待外れだ。 こんなものどうでもいいが、ただでくれてやるのももったいない」

 

「え、うそ!?」

 

「まさか、貴方!」

 

「そのまさかさ!!」

 

直後艦内に鳴り響くアラート音、どうやら敵はやったみたいだった

 

「さて管理局の諸君、後は頑張ってくれたまえ」

 

そう言って消える仮面の男

 

「追跡は!?」

 

「だめ、追えない!!」

 

「出力さらに上がっています、このままでは!」

 

アラート鳴り響く艦内、呆然とする高町なのは達。 そんな中命令が下された

 

「ジュエルシードを止めます!」

 

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