俺、踏み台転生者にされました   作:サクサクフェイはや幻想入り

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第四十二話 Not told the truth

「・・・・・・」

 

目が覚めれば知らない天井で、なんてお約束何回やっただろうか。 起き上がろうと全身に力を入れると

 

「っ......」

 

腹の傷が疼いた。 どうやら治療はされているようだが、完全にはできなかったらしく無理をすれば腹の傷はそのままぱっくり開きそうだ

 

「なんで目覚めて早々君は起き上がろうとしているんだ」

 

声のした方向に視線を向ければ、見覚えのあるやつがいた。 クロノだ。 部屋内を軽く見まわしてみるが、他に人影はいない。 不用心だこと、もしあの仮面の男に繋がりがあったらどうするつもりだったのか

 

「ふん、貴様にそれを言う必要はない」

 

いつものように軽口を言い結界を張る

 

「それにしても不用心じゃないか、仮面の男とつながっていたらどうするんだ?」

 

「君はまたそういう減らず口を、だから勘違いされるんだろう」

 

「勘違いも何も、その通りだからな」

 

天井を見つめクロノと会話をする。 あいにく目を見て話したいところだが、起きると腹の傷が開きそうだからな。 クロノもそれが分かっているのか、特に何か言ってくるようなことはなかった

 

「勘違いどうこうは今更どうでもいいさ。 どうなった?」

 

「君が気絶した後の話かい? ジュエルシードは無事封印、駆動炉も封印処理は完璧さ。 なのはもユーノも藤森も大した怪我はないそうだ、フェイト・テスタロッサもな」

 

「フェイト・テスタロッサ? ふーん、そうか」

 

意外は意外だが、まぁ大方高町なのはが心配だったとかそんなところだろう。 それかプレシアさんが背中を押したか。 まぁ、些末なことか

 

「大きい怪我をしたのはジュエルシード組の僕たちだけ、というわけさ。 僕は軽く額を切った程度だったけどね」

 

「まぁ被害がなくてよかったよ」

 

「っ!君は、君はどうして!」

 

何故かクロノが怒っているようだったが、意味が分からない。 まぁいいさ

 

「それで、テスタロッサ家はどうなったんだ?」

 

「今は護送室さ。 彼女たち、プレシア・テスタロッサ、フェイト・テスタロッサ、アルフは本件の重要参考人なんだ。 アリシア・テスタロッサに関してだが、カプセルのままこことは別の医務室で保存している。 プレシア・テスタロッサの強い要望でね、すべてが終わったら自分の手で埋葬したいらしい。 それまで預かっていてくれ、とのことだ」

 

プレシアさんもうまい言い訳を考えたようだ。 後はここに玉藻を連れてきて蘇生させれば契約は完了というわけだ。 聞きたいことも聞けたし本題に入ろう

 

「俺の取り調べってところか? 見たところ人が少なすぎるが」

 

「そう、だな、君も取り調べしないといけないんだったな」

 

「それでいいのか執務官」

 

呆れというかなんというか。 言うまで気が付かなかったみたいだし、それで良いのかよ

 

「それじゃあ一つ目、フェイト・テスタロッサが言っていた巻物というのは?」

 

「さて、よくわからんね」

 

「はぁ...... 二つ目、あの仮面の男とのつながりは?」

 

「それはない。 未来視でもあの男は出てこなかった。 俺と雑種の驚きようからある程度は推察できただろうけどな」

 

「それは、まぁ......」

 

クロノの言葉が詰まる。 演技の可能性も否定はできなかっただろうが、たぶんクロノやリンディさんならおおよその見当がついていたと思う

 

「わかった、これで取り調べは終わりだ、ゆっくり休んでくれ」

 

「おいおい、そんな適当でいいのか?」

 

俺は部屋から出ていこうと扉の前に立ったクロノに視線を向ける、クロノはこちらを一瞥すると興味のなさそうにこういった

 

「確かに君の証言は不確かで何かを隠している。 でも、それをひっくるめて君を信じると決めた。 君はあの時、僕を助けてくれた。 すべてが終わったら話してくれればいいさ」

 

「・・・・・・ふん」

 

結界を解除すると部屋から出ていくクロノ、たぶん証言は少し変えて上に提出するのだろう。 ホント、本当に......

 

「本当に甘すぎるよクロノ。 そんな信頼してくれているお前すらだましているのに」

 

結界を再度展開しつつそう呟く。 天井を見るのも億劫になり腕で目を隠す

 

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アレからすぐに魔導士が来て、腹の傷に治癒魔法をかけてくれた。 どうもクロノが手配したようだ、本当におせっかいな奴だ。 しかも治癒魔法をかけた魔導士に伝言を頼んでいたようで、動けるようなら帰っても構わないということだった。 ホントなんというか、いろいろと言いたいことはあるが帰らせてもらうことにした。 ようやく終わりが見えてきた、家を見てそう思った。 ポイントはもうたまっていて、あの神がどうやって接触してくるかわからないが呪いを解いてもらうだけ、という状態になっている

 

「ながかったな、ここまで......」

 

「マスター、お体に障りますので」

 

「ありがとうペイル、さて入りますか」

 

そんなに長い時間外にいたわけではないが、ペイルが気を使って声をかけてくれたようだ。 鍵をひねり、ドアノブを回す。 そして扉を開ければ

 

「「「「お帰りなさい、マスター!」」」」

 

家族が温かく出迎えてくれる。 今回は腹の傷もあるので玉藻の抱擁はとびかかってきた瞬間沈めておいたが、他のみんなも嬉しいようだ

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作ってあった夕食をみんなで食べ、風呂上り、俺は縁側で星を見ていた。 気配を感じ声をかける

 

「ハサンか?」

 

「はい、マスター殿」

 

俺の隣に片膝をつくハサン、別にただ会話をするだけなのだからそんな必要はないと思うのだが。 そのことに内心苦笑しつつ、一応結界を張っておく

 

「それで、何か用か?」

 

「今回の事です。 予想外とはいえあんなことになるとは、いくら謝っても謝りきれません」

 

「あの機械のことか? それならお前の責任じゃない。 お前はよくやってくれたよハサン、今回の件はお前がいなきゃこうもスマートにはならなかった」

 

「いえ、ですが......」

 

「だから気にするなって。 今回の仮面の男役、ご苦労様」

 

「・・・・・・はい」

 

頭を下げ消えるハサン。 おそらく霊体化してここから離れたんだろう。 さて、仮面の男の正体はハサンだったわけで、そこはいいのだ。 俺が作戦を立案したこともあるし。 あの時にプレシアさんに話した内容は、悪役、つまりハサンにやってもらった仮面の男にすべての罪を擦り付け、プレシアさんたちの罪を軽くするというものだった。 これに関しては上手くいった、どう考えても情状酌量の余地はあるだろうし。 だが予想外だったのはあの機械群だ。 最後腹を貫かれたのは本当に予想外だったが、まぁいいさ。 俺はその場から立ち上がり自分の部屋のベッドに入る。 家のベッドというのも久しぶりな気がする。 これまでいろいろなことがあった影響か、ベッドに入り寝るまでにそこまで時間はかからなかった

 

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