俺、踏み台転生者にされました 作:サクサクフェイはや幻想入り
~なのは視点~
あの事件から数日、私たちはアースラでお世話になっていました。 なんでもそれほど大きな次元震ではなかったにしろ、次元震が起きてしまったため地球までの航路が安定しないためです。 地球までの航路が安定するまでの数日、お世話になっていました。 あの事件も、終わってすぐは大変だった。 駆動炉の暴走を止めてアースラに帰還したけど、フェイトちゃんは無断出撃でそのままプレシアさんと護送室。 私とユーノ君、織君は帰ってきて早々事情を聴かれた。 そうはいっても庭園内で怪しいものがなかったかなど、簡単なことを聞かれて答えただけだけど。 それから少し休んで、ユーノ君や織君は負傷者の治療として出て行った。 なんとなく手持ち無沙汰な私が食堂に行くと、ユーノ君や織君、頭に包帯を巻いたクロノ君が治癒魔法を使って局員の人たちを治していた。 クロノ君の怪我が気になって私はクロノ君に近づくと、クロノ君も気が付いたのか話しかけてくる。 クロノ君の怪我はそこまででもなかったみたいなんだけど、そこで私は予想外のことを聞く。 神木君がジュエルシード確保中に負傷したらしい。 その言葉を聞いて私は頭が真っ白になり気が付いたら医務室の扉の前にいたけど、その扉があくことはなかった。 私がいきなり走り出したことに驚いたのか、遅れてクロノ君も到着する。 その後ろにはユーノ君や織君もいて、どうしたのか聞いてくる。 それよりも、神木君の姿が見たかった私はクロノ君にお見舞いできないのか聞くと、面会謝絶らしかった。 どういうことなのか聞くユーノ君たちに、クロノ君はため息をつきながら説明を始めた。 その時のことはよく覚えていない。 ただ神木君が心配で心配で、それだけだった。 それから数日、今回の件で表彰されたり色々話したりしたけど、アースラを出るまで神木君の面会が許されることはなかった。 お家に帰ってきて、みんなにただいまって言うとお姉ちゃんに抱きしめられたり、お父さんが頭をなでてくれてようやく、あぁ、帰ってきたんだって実感がわいた。 学校に行くと、アリサちゃんとすずかちゃんにただいまって言うと、やさしく出迎えてくれた
「なのはー、何難しい顔してるのよ?」
「ふぇ?」
そんな風にここ数日を振り返っていると、アリサちゃんから声がかかる。 今は屋上でお弁当を食べていて、私の箸が長いこと止まっていたから気になったみたいだった
「お弁当、食べないの? 長いこと箸が止まってたから」
「にゃはは...... ありがとうアリサちゃん、すずかちゃん。 ただ、ここのところのことを思い出してただけだから」
「ふーん」
「そっか」
たぶん気になると思うのに、アリサちゃんとすずかちゃんは何も言わずにお弁当を食べるのを再開した。 それにありがたいと思いながら少し罪悪さんを感じる。 少しずつお弁当を食べていると、ふとアリサちゃんは思い出したようにつぶやく
「そういえばアイツ、この頃見ないわね」
「アイツ?」
「たぶん、神木君のことだと思うよ?」
言われて納得する。 私の場合、アースラで顔を合わせていたけど、確かにこの頃ずっと来ていないことになる。 たぶん、先生に理由は説明していると思うけど...... そう思いながらも、思い出すのはアースラで聞いたこと。 神木君、大丈夫なのかな? 気になった私は、夜になったらクロノ君に聞いてみようと思った
~なのは視点 end~
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~フェイト視点~
あの事件(仮面の男のせいとは言え、起こした私たちがそう言っていいのかわからないけど)の後、アースラに帰ってくると私はすぐに護送室へと連れていかれた。 それについては不満はなかった。 もともと、容疑者でもあった私は無断で出撃したわけだし、こういう扱いになるのは納得している。 護送室に来ると、母さんが迎えてくれる
「お帰り、無事でよかった」
言葉にすれば普通のことだけど、言われた私は思わず泣いてしまった。 ずっと、言われたことがなかった。 こうあればいいな、そうずっと思っていた言葉だった。 母さんは私が泣き止むまで抱きしめて背中をさすってくれた。 ずっと謝っていたけど母さんは悪くないのに...... それからは早かった。 次の日から私と母さんの取り調べが始まった。 と言っても私とアルフは母さんの言うことを聞いていただけ、そう判断され取り調べ事態はすぐに終わった。 母さんはというと、まずはあの仮面の男との関係性から聞かれていた。 母さんによると、あの男はリニスが消えて少し後、ちょうどジュエルシードが発掘された(クロノが時期的にそれぐらいと言っていた)ときぐらいに接触してきたらしい。 ジュエルシードが母さんの願いをかなえる可能性があることを上げ、集めるのに協力させたみたいだった。 母さんもただで協力するはずがないのだが、私やアリシアが人質に取られていてうかつに手が出さなかったらしい。 そして、犯罪者の娘として生きさせるくらいならいっそ、ということでああいう態度だったようだ。 それを聞いたとき泣きそうになったけど、それよりも私が弱いせいで母さんに迷惑をかけた。 だから私はこの時、誰よりも強くなろうと誓った。 そこから後は知っての通り、私はジュエルシードを集め、ああいうふうになったわけである。 でも、クロノは一つだけ腑に落ちない点があった。 それはなぜあの場で裏切ったのかだ。 その理由についてはジュエルシードを全部集めることが契約だったらしく、だが集まったジュエルシードの数は少なかった。 契約違反を問われればただでは済まない、そう考えた母さんはあのような暴挙に出たらしかった。 母さんが管理局に投降すればあの男は必ず出てくる、仮に出てこなければ母さんはともかく私は管理局の庇護を受けられる。 そこまで考えていたらしかった。 仮に出てきたとしても、男の力は未知数だとしても、局員などと一緒に私やアリシアだけ転移してもらい、自分が相手をすればいいと考えていたみたいだった。 話をし終えた私たちは部屋に戻されたけど、それ以降はアースラ艦内ならば自由に出歩きを許可された。 私は母さんに許可をもらってあの子を探したけど、数日前に帰ってしまったらしかった。 それに少し残念に思ったけど、クロノ曰く時間を作ってくれるとのことだった。 そしてその次の日
「アリシア!!」
「お母さん!!」
「「・・・・・・」」
私のクローン元、アリシア・テスタロッサが蘇った。 なんでも昨日の夜に目が覚めて、艦内をさまよっていたら局員に保護されたみたいだった。 母さんは泣きながらアリシアと抱き合っているけど、私は正直どうしていいかわからなかった。 今まで存在も知らなかったし、いきなり蘇ってこうしてる。 戸惑わないほうがおかしいと思う。 そんな私の内心を知らずに、アリシアは母さんと抱き合っていた。 数分後、アリシアは母さんから離れると、私に話しかけてきた
「貴女がフェイトだよね、私はアリシア!」
「う、うん。 フェイトです、よろしく」
同じような外見なのに、全く違うテンションに押され返事がどもってしまうけど、アリシアは気にした様子はない。 それどころか
「うーん、なんかちょっと他人行儀っぽいね。 よし、私のことはお姉ちゃんって呼ぼう!」
「え、えぇ!?」
「さ、はやくはやく!」
いきなりそんなことを言われて周りを見るけど、アルフは驚いた感じで止まってるし。 母さんはにこにこするだけ、アリシアは満面の笑みでこっちを見ている。 ど、どうすればいいんだろう? 慌てながらも、でも
「お、お姉ちゃん」
「・・・・・・うん!!」
「うわっ!?」
私がお姉ちゃんて言うと少し驚いたみたいだったけど、さっきよりも笑って私に抱き着くアリシア