俺、踏み台転生者にされました 作:サクサクフェイはや幻想入り
俺は家に戻るとすぐにトイレに駆け込んだ。 胃の内容物を吐き出し、トイレから出ると壁に背中を預け、ずるずるとその場に崩れ落ちる
「最悪だ......」
「マスター......」
「ペイルライダー、ポイントの方は?」
「流石に集まりが悪いですね、今回ので五ポイントほどです」
あんなことをして五ポイント、これからのことを考えると気が遠くなりそうだ。 俺がA's終了時までに集めなければいけないポイントは、一万。 本当に
「最悪だ......」
俺は膝を抱え、その場で俯く
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~なのは視点~
いつもの通り公園に行くと、そこにリキ君の姿はありませんでした。 いつもなら先に公園にいるとブランコに座って待ってるけど、今日はそうじゃなかった。 でも、他のお友達と遊ぶときなんかは、遅れてくることも多いのでしばらく待ってると、リキ君が来たみたい
「あ、リキくーん!」
嬉しくてリキ君に駆け寄る。 この頃はリキ君のお友達に混じって駆けっことかやるようになったため、転ぶことも少なくなった。 それでもリキ君は危なっかしいとか言うけど。 リキ君は一瞬顔をしかめたけど、本当に一瞬だったので気のせいだと思う、そしていつもの笑顔で
「来たか我が嫁よ!」
「よ、め? お嫁さん? ・・・・・・ふえぇぇぇぇぇぇ!?」
よ、め? お嫁さん? 私がリキ君の? リキ君が言ったことに驚く私、でも嫌じゃないけどいきなりそんなこと言われてもー......どうすればいいんだろう!?
「何をそんなに驚いている!まったくうぶなやつよな」
「ふえっ?」
そう言ってリキ君は、私のあごに手を添えてリキ君の方に向かせる。 私はそんなリキ君に見惚れてぼーっとしてしまう
「何やってるんだ?」
「うん? なんだ貴様は、我と嫁の邪魔をするとは、どうなるかわかっているのか?」
リキ君が何か言ってるみたいだけど、頭に入ってこない。 このままキスとかされちゃうのかな?
「その子は嫌がってる」
「雑種が、興がそがれた。 これで失礼する、ではな我が嫁よ」
そう言われると共に顎から手を引かれる、最後のリキ君の顔、笑顔だったけどなんか悲しそうだった? その後男の子から何か言われたけど、私はどうしてもそのことが気になった
~なのは視点end~
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その日俺はとある家の一室に忍び込んでいた。 隠しても無駄だし、白状するとなのはの家だ。 不法侵入? 心は痛むが知ったこっちゃない。 ・・・・・・どうせ俺がここに来た証拠は残ってないし、それにこれからすることに比べれば、な
「王の財宝」
後ろに現れる無数の穴から、一つの穴を選びあるものを取り出す。 その瓶に入った薬は霊薬で、効果は人の記憶を封印するもの。 もちろんついになる封印を解く薬もある、使うことは、あるのだろうか?
『本当によろしんですか?』
『・・・・・・なのはが今の記憶を覚えていたら色々不都合だ、なら記憶を封印するしかないだろ?』
『・・・・・・』
何も言わないペイルライダー、これは元から決めていたのだ。 今日のポイントの集まり具合から見てなのははそこまで嫌がっていない、今日はいきなり言われたからあんなに呆然としていたのだろうけど、慣れれば多分普通に流すだろう。 ならば記憶を消すか封印するしかない。 消す薬は見つからなかったのでこの薬で代用なわけだが。 すべては俺が生き残るため、そう思っていても胸が痛む。 だが、それでもやらなければならない
「ごめんな、なのは。 そしてさよなら」
詰まらないように気をつけながら、薬を飲ませ俺は別れを告げる。 仕方ないなんて逃げるつもりはない、だってこれは俺の自分勝手な都合からなのだから
「リキ、くん......」
寝言のようだが、どんな夢を見てるのかわからない。 しかもいつの間にか泣いていたようだ、片目だけ涙の跡がある。 いや
「泣いてるのは俺か」
透明な雫がなのはに落ちる。 どうやら俺はかなり器用なようで、左目だけ泣いてるようだ。 どうりで左だけ視界が悪かったわけだ
『行くぞ』
『次は高町士郎の病室ですね』
『あぁ......』
もう一度なのはを見て
「さよなら」
そう呟き窓から身を乗り出す、もちろん鍵を閉めることも忘れない。 不慣れな飛行魔法をペイルライダーに補助してもらいながら飛ぶこと数分、士郎さんの入院している病院に着いた
『ペイルライダー』
『スキャンは完了してます。 見回りなどがいるため、窓から侵入した方が得策かと』
『にしてもこれ、ホント便利だよな』
病室に侵入しながら念話をする。 身隠しの布、この布を被せる、もしくは括ったものは魔術的・光学的に観測不能となり、高度な結界にも探知されることはない。だが音や匂い、体温に気配その他諸々はだだ漏れで、全く役に立たない場合もあるようだが。 てか英雄王にこんなのいらないだろ、あの人の場合真正面から圧殺だし
「王の財宝」
さっきと同じ形をした、霊薬が入った瓶を取り出す。 もちろん中身は違って、どんな傷でも死んでいなければ治す霊薬だ。 この状態の士郎さんにはうってつけだろう
『ストックの少ない霊薬の大盤振る舞いですね』
『こっちは本当に少ないから、慎重に使いたいけどな。 まぁ、せめてもの罪滅ぼしだよ』
『・・・・・・』
点滴に霊薬を混ぜると、すぐに効果が表れる
『なぁ、士郎さんの体うっすら発光してないか?』
『ですが傷は治っているようですし、放っておいても問題ないと思われます』
『そうだな』
よく見ると身じろぎしている、どうやら目覚めが近いようだ。 俺が窓枠に足を掛けると、後ろから声を掛けられる
「だれ、だ?」
『すごい回復力ですね、いくらランクの低い宝具でそういう効果がないにしても、たったいま意識の戻った人間が気配を感じるなんて』
さっすが戦闘民族TA☆KA☆MA☆TI☆ですね!関係のない考えを思考の隅にやり、少し低めに声を出す
「その机の上にあるメモを見ろ」
そう告げて俺は病室を後にした。 メモに書いてある内容は
高町なのはが寂し想いをしている、気にしてやれ
そう書いておいた。 自分で書いておいてだが、ほんと何がしたいんだろうな俺
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次の日、また同じように魔力を垂れ流しにし、追ってきているもう一人を確認しながら、公園まで歩く。 昨日家に帰ってポイントを見てみたら、増えていたことを見て、たぶん俺のことを四六時中監視しているようだ。 アイツの監視をかいくぐる方法を考えているのだが、いまいちいい案が出ないがそこらへんは今日帰ってから考えることにする。 公園には先客がいた。 まぁ多分いるとは思った、会いたかったけど会いたくなかった。
「よう我が嫁!」
昨日と同じように声を掛ける、だがその反応は違う
「え、えっと......私のこと?」
「それ以外に誰がいるのだ、我が嫁のなのはよ!」
戸惑っているなのはに遠慮せず、俺は距離を詰める。 心が痛む、足が重い。 昨日あんだけのことをしでかして何をいまさらと、自分に喝を入れて進む。 そうして、ブランコに座っていたなのはを立たせ、手を引く。 そろそろ現れるころだろう
「さぁ行くぞ!」
「あの、行くってどこに?」
「そんなの「またお前か、懲りないな」・・・・・・雑種、一度ならず二度までも、そんなに死にたいか?」
王の財宝は出さないが、殺気は送っておく。 たじろいだようだがなおも一歩踏み出すオリ主、そうだ、そうじゃないと困る
「その子が嫌がってる、手を離すんだ」
「誰の許可を得てこの世界の主人公たる俺に指図している、貴様本当に死にたいようだな」
なのはの手を離し殴りかかる、前世で喧嘩なんかしたことはないが、出来るだけゆっくり殴るが違和感を感じる。 まるでコイツは、俺が殴ることを予想していたかのように避けたのだ。 大振りでゆっくり殴っていたので、普通転ぶことはないのだが、ここは転んでおく
「貴様!よくも我が嫁の前で恥を!!」
自分で転んでおいてなんじゃそらって思うが、一応キレておく。 再び殴りかかろうとするが、止めたのは意外にもなのはだった
「やめて!」
「・・・・・・」
「我が嫁よ、なにを?」
「やめてって言ってるの!私は貴方のこと知らないし、お嫁さんじゃない!」
強い言葉での否定、知らない、そうだなそれもそうだ、昨日俺が記憶を封印したのだから。 自分でも思った以上にダメージが大きい、今日は帰ろう。 確認したいことは確認できた
「命拾いしたな雑種......」
下を向いて、目の前の二人に表情がばれないようにしながら、俺はその場を後にした
『なぁ、ペイルライダー。 かなり虚しいな』
『・・・・・・』
追記:新年からせっせと誤字修正 2018/1/1