俺、踏み台転生者にされました   作:サクサクフェイはや幻想入り

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第五十三話 再始動

~はやて視点~

 

六月四日、これは私こと八神はやての誕生日。 いつもなら、変わらない日常を過ごすはずだった。 だが、今年はちょっと違う。 神木理樹君、図書館で会うようになった仲やけど彼が祝ってくれる、そう思ったんや。 本人はめんどくさがっているように見えてマメで、こういうイベントごとは外さないと思ったから。 もちろん短い付き合いやから、アクションがない可能性があるけど。 でも、それ以前の問題になってしまった。 闇の書、私が物心ついた時から傍らにあった本は、そういう名前らしい。 しかもただの本やなくて、魔導書と言うものらしい。 普通の人に言ったら何を馬鹿なことをなんて言われそうやけど、現実や。 昨日、いや正確には今日の深夜、本から四人の人が出てきた。 守護騎士、ヴォルケンリッター、闇の書の守護騎士らしい。 と言っても、私はいきなりのことに目を回して気絶してしまったけど。 説明はその日の朝、つまり今してもらっているというわけや。 闇の書はリンカーコア、つまり魔法を使うのに大切な器官を大量に蒐集することによって人知を超えた英知を手に入れることが出きりらしい。 でも私はそんなものいらない。 確かに足は動かなくてお父さんもお母さんもいないけど、私は今の生活で満足している。  さて、幸い貯金はおじさんのおかげで大量にある。 まずは新しく増えた同居人のための服やな。 みんなのスリーサイズや身長を測り、外に出る

 

「あれ?」

 

「どうかされましたか、主はやて」

 

「外で主はやめてな? いや、ポストに何か入ってるみたいやから」

 

桃色の髪の女性、ヴォルケンリッターの将、烈火の騎士でシグナム。 少々というか、かなり一般常識がないから一苦労やけど。 ポストを見てみると。何かが入っておりシグナムに取ってもらう。 見ると箱みたいやけど、裏返してみるとメッセージカードが。 差出人も見ると神木君みたいやけど...... 何故家を知っているか疑問に思いながら、カードを見ると。 まず誕生日おめでとう、言葉で申し訳ないけど今日は予定があるからさ。 それと、しばらく用事で外すから図書館には行けない。 さよなら、八神さん

 

「なんや、これ......」

 

「主?」

 

シグナムがなにかいっているようやけど、頭には入ってこない。 なんやこれ、まるで、まるでもう私の前に姿を現さないみたいな手紙やん! 思わず手紙を握りつぶすけど、今はどうすることもできない。 気持ちを切り替えて、誓う。 次に会ったときにぶん殴る!!

 

~はやて視点 end~ 

 

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「起きろ、起きぬか」

 

その声に目を覚ます。 確かベッドで寝ていたはずなのだが、俺は地面に横たわっていた。 周りを見回せば、そこには圧倒的存在感を持った存在が。 この感覚は英雄王に似てはいるが、視覚的にも存在的にもこちらのほうが圧倒的だ。 いや、比べるのは英雄王に失礼か。 体を起こし、立ち上がる。 首を垂れなかったのは、何故だろう、自分でもわからない

 

「やっと起きたか。 まったく」

 

「お前は誰だ」

 

知らず知らずのうちに口調が荒くなる。 玉藻に似てはいるのだが、いろいろと違う。 それに、こいつはどの存在より邪悪なのもわかるが、口が悪くなる

 

「くくっ!ハハハハハハ!!本能的に私がどのような存在かわかっているのにもかかわらず、それでも態度を変えぬか。 大した人間だ。 だが図に乗るな、貴様など消し去るのは簡単だ」

 

笑ったと思えば、殺気を向けてくる。 その殺気は圧倒されるもので、本当に寿命が縮んでいる感覚がするが、それでも睨み返すのはやめない

 

「お前は誰なんだ、答えろ!」

 

「なるほど、根性だけはあるようだな。 アレが力を貸してほしいといったから見定めようと呼んだが、気に入ったぞ貴様。 我は貴様の元にいる狐の本体ともいえばいいか、白面金毛九尾の狐だ」

 

白面金毛九尾の狐。 日本三大化生。 玉藻の大本。 俺が気に入らない理由もわかった、こいつは神の力の一部を持っているからだ

 

「理解が速いな。 あの阿呆にも見習ってもらいたいものだ」

 

「何故俺をここに呼んだ。 玉藻に頼まれたと言っていたが」

 

「その通りだ。 貴様を見定めつまらぬものなら消そうと思っていたが、気に入ったからな特別に力を貸してやろう」

 

「・・・・・・・」

 

あのクソと同じ神ということだから信じられはしないのだが、俺一人の力ではどうにもできないのは事実だ。 ここで突っぱねたりしたら、玉藻にも申し訳がない。 たぶん、玉藻自身ここに来るのは嫌だったに違いないのだ。 くだらないことでも相談に来る玉藻が、今回は相談に来なかったのだ

 

「我としてはどちらでもよいのだ、人間」

 

「・・・・・・力を貸せ、白面金毛九尾の狐」

 

「いいだろう、愚者。 なら話は終わりだ」

 

意識がだんだんと遠くなる。 白面金毛九尾の狐は俺を見て笑っていた。 笑いたきゃ笑え、俺はなんでも利用すると決めたんだ

 

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目が覚める。 寝汗がすごかったのか、服が肌にくっついて気持ちが悪い。 冬だというのにこんな思いをするとは思わなかった

 

「マスター? あ、目が覚めてましたか」

 

「玉藻か、おはよう」

 

そっとドアを開けた玉藻は、俺を見た瞬間妙に残念そうな顔をする。 そんな玉藻を気にせず、俺は挨拶を返す。  どうせツッコミをしたところで、ろくな結果にならないのは目に見えている。 とりあえず、シャワーを浴びようとベッドから出て

 

「みこ?」

 

「あれ?」

 

玉藻の頭をなでていた。 なんか自然に撫でているのだが、何故だろう?

 

「あの、マスター?」

 

「わからんが、しばらく撫でていいか?」

 

「は、はい」

 

恥ずかしそうに身を縮こませる玉藻にほっこりしつつ、カレンダーを見る。 十二月二日、どうやら今日から原作、A'sが始めるらしい。 何故そう思ったかと言うと、うざったい視線が復活したからだ

 

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