俺、踏み台転生者にされました 作:サクサクフェイはや幻想入り
どうも周りがうるさい。 ここは何処なのだろうか? それに真っ暗だが、どういうことだろうか? 答えは簡単で、俺が瞼を閉じているからだった。 瞼を開いて周りを見れば、目に入ったのはこちらを睨みつけているクロノ。 うん、最悪だ
「・・・・・・なぜ貴様なんだ執務官、嫁は?」
「はぁ...... またそれか君は」
開口一番互いに軽口を言い合う。 嫁云々はなしにしても、目覚めが睨まれてるというのは控えめに言っても最悪だと思うんだけど。 体を起こすと腹が少し痛いがそれ、以外は何も問題はなかった。 結界を張り、改めてクロノと話すことにする
「ようクロノ、状況は?」
「さっきの感じから察するに、監視が付いたようだな。 状況だが、君が怪我してリンカーコアを抜かれたのと、藤森がリンカーコアを抜かれたことか」
普通に話し始めるクロノだが、なんかおかしなことを聞いた気がする。 雑種がリンカーコアを抜かれた? 雑種はあの戦闘に参加していないはずなのだが、どういうことだ?
「待て待て待て、普通に流そうとするな。 雑種のリンカーコアを抜かれた? あの時、あの場には雑種はいなかったぞ? どこかで戦闘をしていた、ということか?」
「その通りだ。 本人はいまだに寝てるが、修復中のデバイスの情報だとなのはが戦闘を開始したころ、彼らもちょうど戦闘になったようだ」
「なんだそれ、かなり距離が離れてたのか?」
「いや、そこまで離れてはいなかったが、藤森が魔力を開放するまでもなく一撃でやられたんだ」
「えぇー......」
アイツの転生特典に未来視があったはずなんですが...... それが役に立たなかったということでしょうか? その後クロノに詳しい話を聞くと、結界が張られたのと同時に外に出た雑種は、剣を持った女性と男に遭遇したらしい。 そして戦闘。 街の被害をなくすために飛び上がった雑種だったが、まず男の方に突撃されそれをデバイスでガードしたのはいいが、剣を持った女性の攻撃にプロテクションで対応したらしい。 まぁそんなのが持つはずもなく、すぐに破られたがそこは未来視を発動していたのかすぐにデバイスでガードしたようだ。 だが相手が悪かった。 カートリッジをロードされ、あの紫電一閃にあっさりとデバイスは切り裂かれ、そのまま地面にたたきつけられて気を失ったそうだ。 なんとまぁ、お粗末な
「そういうわけで、リンカーコアは抜かれ、眠っているわけだ」
「えぇー...... 本当の役立たずじゃないですか、えぇー......」
「口調が変わってるぞ」
いや、それくらい呆れてるんだって。 力押しで役に立たなくなる未来視って...... いや、それ以上にアイツの自力がないだけか。 流石にそれは本人が鍛えるしかないので、俺がどうこうする問題じゃない。 それであのクソ野郎からペナルティーを受けようものなら、アイツを殺したくなるものだが。 まぁ、それでペナルティーがあるなら、とっくの昔にあったはずなので多分ないだろう
「まぁいいや、状況は分かった。 他は?」
「フェイトはそんな状態の藤森を見て悔し涙を流していた。 自分に力があれば、なのはや藤森を救えた、ってな感じに、ね......」
多分、クロノはフェイト・テスタロッサの面倒を見ていた分、フェイト・テスタロッサが悔しがるのを見てやりきれない気持ちなのだろう。 まぁ結局は、雑種の自業自得なのだが。 高町なのはに関しては、まぁ俺も悪いのだが
「それで、高町なのはは?」
「なのはは...... なのはもひどい状態だった。 今はある程度落ち着いてるが。 君が放り投げて誰かが受け止めたみたいだが、その時君から腕が生えているのが見えたらしくてな。 ここに運ばれたときは、泣き叫んで大変だった。 君の手術が無事成功したと言ったら、疲れたのか眠ってしまったがね。 今度は目が覚めたら覚めたで、君の面会をして、目覚める直前までいたんだけどね」
「だからうるさかったのか」
「まぁ、そういうことさ」
クロノと一緒にため息をつく。 流石にあの場面を見られていたとなると、泣くぐらいはあってもそこまでひどいとは思わなかった。 マシュとリリィにお願いしたが、そこまでは気を遣えなかったか
「さて、状況確認はここまでだ。 あの襲撃事件のことを話してもらいたい」
「了解だクロノ執務官」
意識を切り替える。 流石にここで誤魔化しを言うほど腐っちゃいないので、正直に話す
「まず事の発端は夜だ。 いきなり結界が発動されてな、通信をしようにも封鎖結界だったらしく何をやってもダメだった。 監視がある以上表立って動けない俺は、ばれないように高町なのは達を見に行こうとしたわけだが、大きな魔力を感知した。 現場に行けば紅い少女に高町なのはがやられていたわけで介入。 ちょうど同時に合流したフェイト・テスタロッサが紅い少女を拘束。 だが嫌な予感がした俺はレアスキルを発動して、刀の刃をつぶした剣をフェイト・テスタロッサ、アルフ、拘束した紅い少女に向かって射出。 敵の増援の到着ってわけだ。 そこからはそれぞれ分かれて戦闘。 俺の補佐に高町なのはを安全な場所に移したユーノが合流。 俺の補佐をしながら転送準備をしてもらうが、封鎖結界の解析が進まず時間だけが立った。 そのまま戦闘を進めていると高町なのはが結界を破るという念話が入り、スターライトブレイカーが発射されるまで死守。 だが増援の可能性もあって、俺が高町なのはの方に向かうと空間魔法かわからんが高町なのはの真後ろに手が出ていた。 俺はその場から急いで離脱させ、スターライトブレイカーを発射させ結界を破壊。 その後は知っての通りだ」
「なのはを受け止めた二人組について知ってることは?」
「そもそもいたことすら知らないんだが......」
本当は知っているが、これをそこで言う必要はないだろう。 ひとしきり説明すると、クロノは難しい顔のまま固まる
「どうした?」
「たぶん、今回の事件はアースラで担当することになると思う。 君には申し訳ないが、裏で動いてもらうことになると思う」
まぁそうなるだろう。 監視があるから表立って動けない、しかもほとんどのアースラクルーには秘密なのだ。 そこまで仲は悪くないと言っても、いらぬ情報が高町なのはたちに漏れるのは避けたいためだ
「そういえばデバイスの方は?」
「そっちもひどい状況だ。 今ユーノに自己修復をかけてもらってはいるが、基礎フレームのほうが済み次第パーツの交換もしなければならない」
「そうか」
それだけ聞くと俺は再度横になる。 そろそろ腹の痛さが限界だった
「すまなかったな目が覚めたばっかりなのに」
「気にするなって」
クロノはそれっきり黙ってしまう。 部屋を出ていくわけでもないし
「「・・・・・・」」
無言の時間が過ぎる。 流石にこのままずっといられるのも面倒なので、話しかけることにした
「まだ何かあるのか?」
「・・・・・・」
「未来予知か?」
「っ」
「図星か」
この状況だ、少しでも情報が欲しいのだろう。 ならいつものように、ヒントともいえないものを与えるだけだ
「まぁ、おぼろげだが闇の書関連で。 夜天の書と言う単語を聞いたような気がする」
「この後の襲撃は?」
「あると考えていいだろう。 どこかまでは分からないが。 あともう一つ、ギル・グレアムには気をつけろ」
「どういうことだ?」
クロノが目を細めて聞いてくる。 確かにクロノからしたら恩人でもあるが、俺からしたら碌な人間ではない。 八神はやても感謝はしているが、八神はやてを犠牲にして闇の書の封印を考えていたぐらいだ。 これで、牽制にもなるだろう