俺、踏み台転生者にされました   作:サクサクフェイはや幻想入り

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第六十話 悩み相談

「はぁ...... これだからガキのおもりは嫌なんだ」

 

突然だが、俺はイライラしていた。 今日一日ろくなことがなかったからだ。 朝の高町なのはが抱き着いてきた一件から始まり、雑種の暴力。 フェイト・テスタロッサの転校。 イベントが目白押しだ。 しかもこれが、朝だけで。 高町なのはが近寄ろうとすれば、雑種とフェイト・テスタロッサの二人で止める始末。 俺としては会話することもないし、朝の二の舞になるのはごめんだったので助かったといえば助かったが。 雑種は俺のことを四六時中睨みつけ、フェイト・テスタロッサは俺を監視していた。 これにはアリサ・バニングスも月村すずかも不審に思い、俺に話を聞きに来る。 まぁ、俺が馬鹿正直に言うはずもなく、いつものように我様節を発動してけむに巻いたが。 そんなことが一日あり、俺はイライラしていた。 一日目からこれだ、クロノには悪いが護衛をやめようと思ったくらいだった。 学校が終わると同時に、リリィの方に監視を任せたが。 そんなわけで、俺はとある方向に向かって一人で歩いていた

 

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~はやて視点~

 

今日は朝から定期健診で、今日の付き添いはシグナムやった。 定期健診、それは私の足の検診。 この足ともずっとの付き合いや。 最初はなんで私だけと思っていたこの足も、年を経るにつれてそんな思いも消えてった。 ううん、気にしてる余裕がなくなったんや。 お父さんとお母さんが死んで、一人で生きなアカンようになった、あの日から。 でも、悪いことばかりやなかった。 いや、足が悪いのは悪いことなんやけど。 この足が悪くなかったら()と出会うこともなかったし、すずかちゃんと出会うこともなかった。 良くも悪くもならない足。 いや、誤魔化すのはやめにしよ。 石田先生の奮闘虚しく、だんだんと悪くなってきている足。 自分の体や、自分が一番よくわかってる。 病は気から、なんてよく言うけど、この足にかんしては私は最初から諦めてたんや。 原因不明の足の麻痺。 何度も検診したけど、やっぱり原因が分からなかった。 そんなものに治療法なんてあるはずもなく、元々治療は難航していた。 石田先生は信じてるけど、この足が治るはずがないのは分かっていたこと。 人は遅かれ早かれ死ぬ。 ただ、私は人から比べたらかなり早いってだけ。 心残りがあるとすれば、せっかくできた新しい家族を残していくことと、彼、神木理樹君を殴ってないことやな。 お別れをするにしても、手紙やなくて面と向かっていってほしかった。 だから私は、草の根を掻き分けてでも探したいんやけどなぁ...... みんなに止められてる。 主が探すくらいなら、自分たちが探すといって聞かなかったんや。 妙に目が血走ってたけど、多分大丈夫、やな? 私は首にかかっているネックレスを触る。 なんや不思議と昔からあったような感じがするけど、本当に不思議や。 それと、私も意外に女々しいのかもしれない。 だって、なんだかんだ言いながら、理樹君のプレゼントを身に着けているのだから

 

「はやて、お待たせしました」

 

「ううん、待ってないよ」

 

石田先生とお話していたシグナムが部屋から出てきた。 私の後ろに行くと、そのまま車いすを押してくれる

 

「石田先生、なんて?」

 

「これからの治療の話を少々と、はやての日常生活を」

 

「そっか。 あ、シグナム、帰り図書館よってほしいんやけど」

 

「わかりました」

 

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借りていた本を帰し、図書館を歩いていると呼び止められる。 姿を確認すれば、すずかちゃんだった。 シグナムは気を使ったのか、少し離れた位置で私たちを見てた。 べつに、ええのに

 

「はやてちゃん」

 

「すずかちゃん、こんにちは」

 

月村すずかちゃん。 私と同じく本が好きな子で、出会いはここだった。 私が少し高い位置の本をとれなかったとき、後ろから本をとってくれたんや。 まるであの時と同じで、振り向き際に殴ろうとした私は悪くないと思う。 まぁ、すずかちゃんやったし、殴ることはなかったんやけど。 それでお礼を言って、なんか見覚えがあるなーと思ってみていたら、向こうも同じだったようで。 確認してみれば、前から来ている同じぐらいの歳の子やったんや。 そこで意気投合、話していくうちに友達になったっていうわけや。 実際、歳も同じやったし

 

「すずかちゃんは何借りたん?」

 

「今日はね、ちょっと悲しくて、でも素敵な物語で」

 

「へー、面白そうやな!」

 

話題はすずかちゃんの借りた本に。 シリーズものらしいのだが、一巻があるということで後で借りに行こう。 それから日常生活の話になり、やがて学校の話に。 一応、勉強とかはできるけど、学校なんて数えるぐらいしか行けなかったからな。 こうやって、生の話が聞けるのは嬉しい。 まぁでも、すずかちゃんに付きまとってくる男の子は勘弁やけどな...... 実際、すずかちゃんには親友がいて、その二人にも付きまとってるらしい。 それを王子様とはちゃうけど、守ってくれる男の子も。 まぁ、私はその男の子二人とも興味はないんやけど

 

「それでね、今日転校生が来たの」

 

「へー。 ん? それって、前から話してたビデオレターの子?」

 

「よくわかったね!」

 

「なんかすずかちゃん、嬉しそうやったし」

 

「そ、そうかな」

 

少し恥ずかしそうなすずかちゃん。 別に、恥ずかしがることでもないような気がするけど。  でも、その顔が少し曇る

 

「どうしたん?」

 

「えっとね、前から話してた子、いたでしょ?」

 

「あー、嫌がらせする方?」

 

「嫌がらせって、あはは......」

 

力なく笑うすずかちゃんだが、否定できてないで。 ともかく、話が進まないのでツッコミは入れないでおく

 

「それでね、その子なんだけど、復学してから少し様子がおかしいというか、何と言うか......」

 

「なんや? すずかちゃんから見ておかしいって思うなんて、相当やと思うで?」

 

「む、それってどういう意味かなはやてちゃん」

 

言い方がまずかったのか、すずかちゃんが少し怒ったように見てくる。 その様子を見て、慌てて勘違いを解くことにする

 

「いい方が悪かったけど、すずかちゃんてその子の事嫌いやん? その嫌いなすずかちゃんから見て、おかしいと思うって相当おかしいってことやで? 嫌いなんだから、その人の事必要以上に気にしないようにするやろ? まぁ、絡まれるのは仕方ないにしても。 その()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、おかしく見える。 だから相当って言ったんや。 まぁ、私の勝手な思い込みかもしれないけど」

 

「うーん...... でも、そうなのかも」

 

「それで? おかしいって?」

 

「なんていうのかな? 休学前ってところかまわずっていうのかな? 声をかけてきたけど、最近は少なくなったと思うし、それにこの頃はどこか事務的な気がするんだ」

 

「・・・・・・なんか、その男の子の事、ますますわからなくなってきたんやけど」

 

すずかちゃんの話を聞いて、思った感想がそれや。 前はしつこいほど付きまとってきたのに、最近はそこまででもなくどこか事務的に声をかけてくる。 なんやそれ

 

「うん、私もそんな感じ。 それで、アリサちゃんに聞いても私もよくわからないって言ってたし。 なのはちゃんはなのはちゃんで、今日の朝いきなり抱き着くし」

 

「うわー、もう状況カオスやん......」

 

「うん...... 藤森君は、そんななのはちゃんを見て、神木君のこと殴り飛ばすし......」

 

「・・・・・・」

 

 

 

 

 

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