俺、踏み台転生者にされました   作:サクサクフェイはや幻想入り

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第六十五話 強制終了

硬直状態はあっけなく終わりを迎える。 結界に魔法が直撃したからだ。 その魔法は結界を破る勢いであり、俺たちはその対応を余儀なくされたからだ

 

「くっ!結界が持たない、神木!」

 

「むぅ、あ奴らを逃がすのは腹立たしいが、嫁たちの方が先か」

 

「そっちはユーノとアルフに任せてある!少しは自分の心配をしてくれ!?」

 

どうやらクロノの話を聞くと、ユーノは結界内で闇の書の主、または闇の書を持つ騎士を捜索していたらしい。 なので、ユーノはそちらに向かわせたとのこと。 なのでどうやら高町なのは達は安心なようだ。 俺はクロノのプロテクションに隠れつつ、防御用の盾を展開する。 直後結界は破壊されたが、人的被害はなしだった。 魔力反応を見るが、やはり人形たちは逃げたらしい

 

「ちっ、逃がしたか」

 

「捕まえて事情は聞きたいところだったが、仕方ないだろう。 神木、帰るぞ」

 

「執務官、貴様いい加減に......」

 

今回の件の報告や情報の共有もある、なのでクロノに王の財宝を射出しつつ、司令部でもあるハラオウン家のマンションまで帰るのだった

 

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情報の共有はすぐに終わった。 俺やクロノ、プレシアさんが相手にしていた人形は、結局わからずじまいだったが。 だが、闇の書については少しわかったことがあったらしかった。 と言っても、俺にとってはもう知っていることあったので聞き流していたのだが。 闇の書の騎士たちは、守護騎士プログラムと呼ばれるプログラムの存在。 闇の書の機能である無限転生繰り返し、闇の書の主の護衛、蒐集。 過去の事件では感情らしい感情を見せなかったが、今回の事件では感情的になっている、そんなところか? そしてあとは、敵が増えたことか

 

「襲われた?」

 

「あぁ、そうなんだ。 闇の書の騎士が闇の書を持っていたから拘束しようとしたんだが、いきなり攻撃されてな」

 

「・・・・・・」

 

黙り込むクロノ。 聞けば、雑種はユーノと違い待機命令が出ていたらしい。 まぁ、デバイスもないのだから当たり前なのだが。 その待機命令を無視したことの処罰でも考えているのか、あるいわ。 まぁ、俺が考える所ではないので知らないが

 

「ふん、役立たずめ」

 

「なんだとっ!? お前だって、取り逃がしているだろうが!!」

 

俺が小声で言うと、目ざとく聞いていたのか食って掛かってくる雑種。 だが、今回に関しては攻めさせてもらうぞ

 

「大局もわからないのか貴様は。 あの場で我達がすることは、リンカーコアが抜かれないようにすることだ。 武装局員は抜かれてしまったようだがな」

 

「神木、そこまでにしろ。 藤森、君は待機命令だったはずだ。 それについての罰則は、艦長と協議し後で言い渡す」

 

「くっ!」

 

「ふん」

 

言い合いになるのを避けるためか、クロノが会話に入ってくる。 雑種は悔しそうに俺を見るが、俺はそれを取り合わない

 

「話は脱線したが、新しい敵が出た。 それだけははっきりしている。 映像がないから何とも言えないが、相手は僕たちの相手にした仮面の男たちのような手練れかもしれない、各自気を付けてくれ。 そしてもう一人、彼女だ」

 

モニターに映し出されるのは、黒い着物を着た女性だった。 ていうか、ぶっちゃけ玉藻だ。 画像が粗いのは、玉藻がそう言う結界を張っていたからだ。 プレシアさんとアリシアが喋ればバレるかもしれないが、プレシアさんは話す気がないのか黙っている

 

「ちょーっと、画像が粗くて分かりにくいんだけど、ごめんねー。 たぶん、認識阻害の結界をかけてるからだと思うんだけど」

 

そう言って画像を操作しているようだが、画像の粗さは一向に取れない。 やがて諦めたのか、エイミィさんは操作をやめた

 

「現状、彼女についてわかることはない。 プレシアさん、一緒に戦っていたんですから何か情報などは?」

 

「目の前の()の殲滅で忙しかったもの、会話なんてしてないわ」

 

「・・・・・・」

 

これにはみんな無言になる。 不機嫌なプレシアさんだが、殲滅って文字通り塵一つ残さずの殲滅じゃ、というのがみんなの共通の見解だろう。 触らぬ神に祟りなしということで、プレシアさんの話はそこで終了した

 

「敵か味方か、何処の所属かもわからない、彼女が現れた際も注意を払ってくれ」

 

「あの、プレシアさんを助けてるんですから、味方じゃないんですか?」

 

高町なのはがおずおずと手をあげ質問すると、リンディさんが首を横に振りながら答える

 

「彼女の目的が分からない以上、味方、とは断定できないわ。 今回は、偶然目的が一致したから加勢した、そうとも考えられるから」

 

その言葉に納得したのか、高町なのはは上げていた手を下げる。 他に質問がないのかを確認し、その場は解散となった

 

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「待たせてしまったかしら?」

 

「いえ、そんなには」

 

俺はクロノたちのマンションの屋上に居た。 作戦会議も終わり、帰ろうとしていたらプレシアさんからすれ違いざまに紙を渡されたのだ。 内容を読むと、たった一言。 屋上で待っていてほしい。 そう書かれていたため、俺は帰ることはせずにそのまま待っていたというわけだ。 プレシアさんも用事を終わらせたのかすぐに来てくれたため、俺も寒い思いをせずに済んだ

 

「まずは今回の事よ、玉藻を加勢させてくれてありがとう」

 

「いえいえ、どっちにしろ局員だけじゃダメだろうとは考えていましたから」

 

まぁやはりと言うか、玉藻の事だった。 もとから局員とプレシアさんじゃ局員が足を引っ張るのは分かっていた。 まぁそもそも、プレシアさんはバリバリの戦闘型というわけではないはずなのだが...... ともかく、元々警護するのに玉藻は近くに居たのだ

 

「それでも、よ。 ありがとう」

 

「はぁ...... どういたしまして」

 

これじゃあループになりそうだったので、俺が折れることにした。 ひとしきり笑い合った後、真剣な表情になるプレシアさん

 

「これ」

 

「あぁ、ペイルですか」

 

「お久しぶりです、マスター」

 

ペイルを受け取り声をかければ、ペイルも答えてくれた。 ペイルが渡されたということは

 

「カートリッジシステムの搭載、終わったんですね」

 

「えぇ、貴方に言われた通りにしておいたわ」

 

ペイルに言って内容を見せてもらうと、流石プレシアさんだ。 俺が思っていたよりも高性能に仕上げてくれたようだ

 

「ありがとうございます」

 

「いいわよ、今回の事もあるし、アリシアのこともある。 貴方には、感謝してもしきれないから。 それじゃあね」

 

そう言って去って行くプレシアさんを見送りながら空を見上げる。 空が近いためか、星がよく見える

 

「さて、帰るかペイル」

 

「久しぶりの我が家に、ですね」

 

屋上から階段に通じるドアを開け、俺はその場を後にした

 

 

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