俺、踏み台転生者にされました   作:サクサクフェイはや幻想入り

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第六十八話 強者

「さて、終わったから転送を」

 

「あれ、通信が......」

 

敵性の反応もなく、帰投するために転送してもらおうと通信をしようとするが、通信がつながらない。 詳しい原因などは分からないが、多分向こうで何らかのトラブルがあったのだろう。 一応、玉藻は向こうについていかせてはいるが...... ボーっとしていると、高町なのはが話しかけてきた

 

「ねぇ、神木君」

 

「なんだ嫁よ?」

 

視線を向ければ、相変わらず暗いままの高町なのは。 さっきと同じ様な雰囲気から見て、さっきの話の続きだろう。 ・・・・・・そう言う話は、雑種にでもしてほしいところなのだが

 

「私、間違ってたのかな? 手伝えることがあるかもしれないって思って、でもヴィータちゃんの言うようなことはできない。 それでもって思ったけど...... 私、間違ってたのかな」

 

「・・・・・・」

 

目尻に涙をため、絞り出すように言う高町なのは。 あいにく、俺はその問いに対する答えなど持ってないし、真面目に答えるつもりはない。 俺は踏み台を演じなければならないしな

 

「ふん、嫁が間違っているわけなかろう!なんせ常に正しい我と共にあるのだからな!」

 

「・・・・・・うん、ありがとう」

 

涙は収まったものの、その表情はすぐれない。 まぁ、当たり前か。 真面目に相談しているのにもかかわらず、俺はけむに巻いているようなものだからな。 でも、こんなことで悩むとはな。 前回も今回も、俺には似たような状況だと思うのだが。 いや、確かに悩んでいたか。 俺は一人で自己完結していると

 

『マスター』

 

『玉藻か、どうした?』

 

フェイト・テスタロッサと雑種の方について行っている玉藻から念話が飛んできた。 その念話はめんどくさそうな感じなのだが

 

『一応、守護騎士とフェイト・テスタロッサの戦闘には介入していないんですけど、その後に現れた仮面の男と人形は流石に介入しました』

 

『やっぱり現れたか、それで?』

 

『えーっとですね、まず仮面の男が最初に現れて、フェイト・テスタロッサのリンカーコアを魔法で摘出、って言うんですかね? した後に雑種が突撃したんですが、体よくあしらわれまして、さらにそこに人形が加勢してきたんですよ』

 

『あー、もうそれだけで頭が痛くなる状況だな。 それで?』

 

『ぶっちゃけ、気を失ったフェイト・テスタロッサを()()()守りながら戦うのはキツイので、援軍が欲しいなーと』

 

まぁ、大体は予想はついていた。 雑種が一人で守り切れるわけがないし、いくら玉藻が強いと言っても限度がある。 しかも、あまり身バレするのもよろしくないので、全力とは程遠いし。 予想の範囲内だが、一つ問題がある

 

『別に援軍はいいけど、どうやってだ? 俺は魔法使えんぞ? 高町なのはにしても、転送なんて時間かかるだろうし』

 

『そこは問題ありません!許可も取れましたし、それー!』

 

足元が輝き始めたと思えば、転送が開始されているようだ。 玉藻め、最初から準備万端だったというわけか

 

「え? え? なになにー!?」

 

「転送反応? これは......」

 

隣で高町なのはは騒いでいるが、レイジングハートは冷静に状況判断で来ているようだ。 というか今思ったが、第三勢力の玉藻が、俺たちのこと転送するっておかしくない? まぁ、そこはプレシアさんとかが上手く誤魔化してくれるか。 そんなことを願いつつ、転送が開始される。 と言っても一瞬だが

 

「なのは、よく悩むといい。 悩んで悩んで、前の時と同じく答えを見つけ出せ」

 

「え?」

 

一瞬でも時間があるのなら、といらぬアドバイスを出してしまう。 というよりも、口が勝手に動いた感じだ。 高町なのはは呆けているが、転送は開始され砂漠に居た

 

「か「どこだここは!?」」

 

高町なのはは何か言おうとしたようだが、俺はそれを遮るように大声を発した。 それにしても、何処を見ても砂漠だ。 風が吹いているせいか、服に砂が入ってじゃりじゃりする。 クッソ、自前の服なんだぞ。 ハラオウン家でシャワーは貸してもらえるだろうか? 割とどうでもいいことを考えながらた玉藻を探す。 まぁ、轟音がしたからすぐに見つかったのだが

 

「「「・・・・・・」」」

 

玉藻、シグナム、仮面の男、人形は四人で、睨みあっていた。玉藻はフェイト・テスタロッサを抱えているが、どうもまだ余裕そうだな。 解せないのがシグナムだが、大方勝負を邪魔されたからか? このまま観戦と行きたいところだが、四人とも気が付いたようだ。 こちらに視線が集まる

 

「む? 前からいるいけ好かないやつがいるな。 さっき殴り飛ばして、仮面が割れていたはずだが? フハハハハハ!そうだそうだ、二人いるのだったな!して、もう一人の新顔はさっきと同じやつか?」

 

挑発をしていると人形の方の殺気が増す。 ツッコミを入れるなら、周りから見ればさっきの仮面を割ったのはまぐれ当たりということになっているのだが。 仮面の男に声をかけるも、興味がないのか何も言ってこない。 転移反応とかしてないので、転移をするというわけでもないようだ。 仮面の男と人形が視線を離したすきに玉藻はこちらに飛んでくる。 高町なのはにフェイト・テスタロッサを押し付けて。 それもそれで困るのだが

 

「フェイトちゃん!? 気を失ってる......」

 

「謝りはしない!だが、テスタロッサが気を失っているのはこの二人が私とテスタロッサの真剣勝負中に後ろから襲ったからだ!」

 

シグナムが補足しているが、真剣勝負中にねぇ...... 俺が腹を貫かれた時、転移してきたんだから、転移反応とか見る結界を周囲に展開しておけばどうにかなったような気もするが、まぁ仕方ないか。 玉藻は高町なのはにフェイト・テスタロッサを預けると、その後ろで控えている。 これから第二ラウンドが開始してもおかしくない状況で、それは起こった。 天気のはずなのだが、空から紫色の無数の雷が落ちてくる。 ご丁寧に、俺と高町なのはを避けて。 広範囲に落とされる雷は、威力も相応のものなのか、仮面の男や人形が展開したプロテクションを安易に破っていた。 シグナムはデバイスで切ったりしていたが。 一応、そっち側は威力調整してあるのね。 この状況に高町なのははフェイト・テスタロッサを抱えながらポカーンとしていた。 一応、ここは戦いの場なので気を抜かないでほしいのだが

 

「消し炭も残らないほど、きれいさっぱり殺してあげるわ」

 

鬼が降臨した瞬間だった。 バリアジャケットはあふれ出る魔力のせいかユラユラしており、手からはバチバチと電気が迸っていた。 あかん、これ前回よりもマジ切れじゃん。 他の奴らにはバレないように玉藻に目で合図を送れば、結界を展開してくれた。 すると玉藻は用は終わったとばかりに、霊体化して姿を消す。 目の前では、圧倒的強者によって蹂躙劇が行われていた。 無限にお代わりが来る雷に()()はなすすべもなく焼かれていく

 

「か、神木君、織君が、織君が巻き込まれてるよ!?」

 

「いい気味だ。 ちなみにだが嫁よ、あの中に入れば問答無用で雷に焼かれるがそれでもよいのか?」

 

妙に焦った様子の高町なのはだが、俺がそう言うと青い顔をしながら下がっていく。 まぁ、目の前の惨劇を見て、進んで自分からあの中に入るドMがいたらぜひとも見てみたいものだ。 一応、プレシアさん手加減はしてるっぽい。 シグナムだけは。 雑種? 知らん。 度重なる落雷により砂ぼこりがひどく、状況の確認がしづらい。 煙が晴れたころには、雑種以外誰もいなかった

 

「・・・・・・やりすぎたわね」

 

今更!? とツッコミをいれたくなるのを我慢する。 やっちまった感を出していたのは一瞬で、次の瞬間には

 

「あぁ、フェイトは大丈夫なの!?」

 

高町なのはに駆け寄る親ばかに戻っていた

 

 

 

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