俺、踏み台転生者にされました   作:サクサクフェイはや幻想入り

71 / 111
第七十話 interlude

「お見舞い?」

 

「う、うん。 すずかちゃんのお友達ではやてちゃんて言うんだけど、どうかな?」

 

放課後、帰り支度を進めていれば高町なのはからそんな誘いがあった。 何故俺に? とも思ったが、それよりも答えを言わないとな

 

「嫁からの誘いだ、もちろん!と言いたいところなのだが、遠慮しておこう」

 

「ど、どうして?」

 

断ったのにもかかわらず、今日は引き下がる様子はない。 不思議に思うが、こういうものかと思い理由を話す

 

「あそこで雑種とフェイト・テスタロッサが睨んでいるからな、そんな空気の中行ったところでそのはやてとやらも嬉しくなかろう」

 

「そっか......」

 

雑種とフェイト・テスタロッサの様子を見て、おとなしく引き下がる高町なのは。 とぼとぼとグループの中に入っていく高町なのはに後ろ髪惹かれながら、中断していた帰り支度を再開する。 すると、今度はアリサ・バニングスと月村すずかが声をかけてきた

 

「ねぇ、本当に行かないの?」

 

「む? 流石の嫁であるアリサとすずかのお願いでも、向こうの気分がよくないであろう?」

 

「そういうのいいから」

 

俺の言葉にいやそうに顔をしかめながら、そう言ってくるアリサ・バニングス。 この頃何故か前より拒否反応を示さなくなってきたが、言われ慣れたとか? 人間の適応能力はすごいが、これになれるのはいささかどうかと思う。 いや、やっている俺が言うのもなんだが。 すると、らちが明かないと思ったのか月村すずかが前に出てきて、とんでもない発言をした

 

「で、でも知り合いの人がお見舞いするのはいいことだと思うよ?」

 

「知り合い? 誰と誰が?」

 

「はやてちゃんと神木君」

 

妙に確信したように言う月村すずかだが、八神はやてが漏らしたか? いや、そんなことはないと思いたいが。 ともかく、その発言を聞き高町なのはたちの方が騒がしくなる。 意図的にシャットアウトしてるから問題ないが

 

「嫁よ。 我ははやてという子のことは知らぬぞ?」

 

「はやてちゃんも同じような反応してた」

 

「・・・・・・」

 

同じような反応、ねぇ...... 何も反応していないが、それが原因なのだろうか? どちらにしろ八神はやても何も言っていないなら、俺はしらばっくれるだけだ

 

「さすがにそんなことを言われてもな...... さて、我は帰ろう。 それでわな嫁たち!」

 

そう言って教室を後にした。 見舞いに行かない理由、本当の理由は八神はやてと接触すれば、予想が付かないからだ

 

--------------------------------------------

 

インターホンを押せば、中からスリッパの音が聞こえ、ドアを開ける。 玉藻が。 もう一度言おう、玉藻がドアを開ける

 

「あ、マスター、いらっしゃい」

 

「おう、色々と言いたいことがあるが、とりあえずお邪魔します」

 

ささ、どうぞー、と中に案内してくる玉藻に突っ込みをいれたくなるが我慢し、中に入る。 玄関口に居れば、隣人といさかいとまではいかないけど、面倒なことになるのは目に見えている。 中に入れば母親の姿はなく、金髪の少女が魔法の練習をしていた。  言わなくてもわかると思うが、俺が来たのはテスタロッサ家。 練習しているのは、アリシアというわけだ

 

「あ!理樹だ!」

 

「あのな? 毎回言うけど、抱き着くな」

 

「わひゃー!」

 

抱き着いてきたアリシアを首根っこをつかむことで引き離し、投げてやりたいところだがそのまま離す。 さて、ここまで来て黙っていないのが玉藻だ

 

「何をやってるんでしょうかねぇ、アリシア・テスタロッサさん?」

 

「何って、理樹を見つけたから抱き着いただけだよ玉藻さん?」

 

何でこいつら笑顔で威嚇し合ってんの? 幼女と女性が笑顔で威嚇し合いうという奇妙な光景に、俺はいみがわからなくなった。 まぁ精神年齢で言えば、女性と差し支えないアリシアとすごい年齢の玉藻なのだが。 無駄な考えを振り払いつつ、ここに来た目的を話す

 

「それで、アリシアの制御の方はどんな感じだ?」

 

「グルルルルル...... すみませんマスター。 アリシアさんの方ですが、順調ですよ? 私が思っていたよりも、進んでいますし」

 

「えへへー!ブイ!」

 

二人でうなり合っていたが、俺が声をかければすました顔で謝る玉藻。 どうやらアリシアの修行は順調なようで、アリシアはそれを聞いて得意げな顔でこちらにVサインをしていた

 

「さすがプレシアさんの娘、ってところか? まぁ力の制御は必要だし、このまま頑張ってくれ。 玉藻もよろしく頼む」

 

「わかりました、マスター」

 

「了解!」

 

用事も終わったので、お暇しようかと思ったら、そうも問屋が卸さなかった。 俺が帰ろうとしているのがバレたのか、アリシアがゆっくりしていけばいいとのこと。 話を聞くと、プレシアさんはアースラに呼ばれているらしくしばらく帰ってこないとのこと。 なので、空いた時間ができ玉藻に修行のお願いをしたらしい。 俺がお見舞いのことを聞くと、そのころには家に帰ってきていたらしく、断ったとのこと

 

「理樹はなんで断ったの?」

 

「うーん、まぁ、色々だよ、色々」

 

アリシアにそう聞かれ、俺は紅茶を飲みながら答える。 そう、色々だ。 そう答えると、アリシアは飲んでいた紅茶を置きながら聞いてくる。 真剣な表情で

 

「言い方は悪いけど、()()()()してるから?」

 

「・・・・・・まぁ、そうだな」

 

前回の事件の時もそうだったが、俺は未来を知っている。 その未来を知っているのにもかかわらず、変えようとしない。 自分で強制的に選ばされた(自分で選んだ)道だが、やはり覚悟を決めても後ろめたさもある。 たぶん、英雄王はそこら辺の苦悩が気に入ってるんんだろうが

 

「そっか......」

 

そう言い、納得したように紅茶を飲むアリシア。 俺もそれにつられ紅茶を飲む。 玉藻は何も言わない。 こういう話は、玉藻は意見を言ってこない

 

「でもさ」

 

「ん?」

 

紅茶を膝の上に置き、再び口を開くアリシア

 

「確かに知ってて、見ないふりしてるけどさ、こうやって救われた命もあるよ?」

 

そう言いながら、自分を指すアリシア。 ・・・・・・確かに、俺の知っている記憶ではアリシアはそのまま虚数空間に消えた。 だが、この世界では玉藻の力を借り生き返らせた

 

「だからさ、忘れないで。 たとえ貴方が自分の行いを悔いていたとしても、その行いによって救われて感謝しているものがいるって」

 

そう言って手を握り、俺を見てくるアリシア。 その瞳は真剣で......

 

「だーかーらー!毎回毎回、なんでアリシアさんはマスターにちょっかい出すんですか!」

 

「うわっ!?」

 

その手を引きはがすものが現れた。 まぁ、玉藻だ。 良い雰囲気だったのが耐えられなかったのか、玉藻がぶち壊す。 それに怒るアリシアだが、玉藻も怒っているため聞く耳持たない。 ヒートアップしていく言い合いに苦笑しつつ、紅茶を飲む

 

「玉藻、アリシア」

 

「なんですか!?」

 

「なに!?」

 

言い合いをしていたため、こっちを凄い形相で見てくる二人。 いや、いきなり呼んで悪かったけどさ。 ともかく、気を取り直す

 

「ありがとう」

 

「「・・・・・・」」

 

お礼を言えば何のことかわからず二人は目を丸くしているが、それでいいのだ。 飲み終わった紅茶を置き、立ち上がる。 そのまま部屋を後にして、外に出る。 ありがとう、玉藻、アリシア。 若干だが、気分が上向いた

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。