俺、踏み台転生者にされました   作:サクサクフェイはや幻想入り

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第七十一話 In the back of a smile

~はやて視点~

 

シャマルからすずかちゃんが友達を連れてお見舞いに来る、そう言われて私は楽しみにしていた。 つい先日、ちょーっと理由があり入院になってからというもの、毎日検査でちょっとつまらなく思ってた。 なので、すずかちゃんやその友達が来るて言うことになり、少し楽しみやった。 ・・・・・・まぁ、来ることないと思うけど()()()や、もう一人の男の子は話を聞いた限りご遠慮願いたいんやけど。 ともかく、すずかちゃんの友達、アリサ・バニングスちゃん、高町なのはちゃん、フェイト・テスタロッサちゃんが来るのは楽しみやった。 その時シャマルは何もない風装ってたけど、何かあるんやろか? すずかちゃん以外の人達には名前を出さないでほしいとか言ってたけど。 そんなことを考えてると、ノック音が

 

「はーい!」

 

「はやてちゃん、すずかだけど大丈夫かな?」

 

「どうぞー」

 

やっぱりすずかちゃんは礼儀正しい子で、こっちに気を使って中の様子を聞いてから入ってきてくれた。 その後ろには勝気な子、多分アレがアリサ・バニングスちゃんやな。 その後ろに何やら箱を持った女の子、高町なのはちゃんやろ。 そして最後に、金髪の女の子、フェイト・テスタロッサちゃんやな

 

「「「「こんにちわー」」」」

 

と思ったら、四人の声が聞こえた。 よく見えなかったけど、どうやら前に話が上がってたもう一人男の子が来たみたいやな。 内心ちょっと嫌な気分になりつつ、表にはそれを出さないようにした。 まぁ、すずかちゃんから聞いただけで決めつけるのは失礼な話やし、会話をしてからでも印象を決めるのは遅くない

 

「すずかから聞いてると思うけど、私はアリサ・バニングスよ。 気軽にアリサって呼んで頂戴!」

 

「私は高町なのは、なのはって呼んでね?」

 

「フェイト・テスタロッサです。 よろしくね?」

 

「藤森織だ、よろしく」

 

「八神はやてです、よろしく」

 

自己紹介を交わし、すずかちゃんが持っていた花を受け取る。 それを脇のサイドテーブルに置く。 後でシャマルに、飾ってもらおう。 そう思いながら、みんなと会話をする。 守護騎士(みんな)とはよくしゃべってるけど、こうやってほかの人と喋るのは久しぶりに感じる。 毎日喋るのは守護騎士(みんな)を除けば、石田先生や看護師の人数人やし

 

「今日はありがとうな? ちょっと具合が悪かっただけで、みんな慌てて救急車呼んだから、少し大事になってな?」

 

「全然!そんなに気にしなくても大丈夫だよ? それだけ、家族の人がはやてちゃんを心配していたってことなんだから」

 

「そうかな?」

 

ちょっと照れ臭くなり、頬を掻く。 すずかちゃんの言う通りなのかもしれない

 

「そうよ!それに、私たちのことなら気にしなくてもいいわよ? もともと、すずかの友達って言うことで、紹介してもらうつもりだったし」

 

「そう言うことだから気にしないではやてちゃん。 あ、これ私の家からの差し入れだよ」

 

そう言って差し出される箱。 少し甘いにおいがする。 中を見れば、人数分のシュークリームが入っていた

 

「これは?」

 

「私の家なんだけどね、喫茶店やってるんだ。 翠屋って言うんだけど、知ってる?」

 

「翠屋...... あー!前に雑誌かなんかで特集組まれてた店やろ? ほぇー、なのはちゃんの家だったんかー」

 

「にゃはは」

 

少し照れたように笑うなのはちゃん。 ほえー、美味しいって評判だったか楽しみやな。 それにドライアイスも入ってるから、少しの間は安心や。 これも机の上に置く

 

「でも、元気そうでよかったよはやてちゃん」

 

「さっきも言ったやろ? 守護騎士(みんな)が大げさにしただけだって」

 

「でも、調子が悪かったんなら、家族なら心配すると思う」

 

「それは...... まぁ、そうやな」

 

妙に実感のこもった声で言うフェイトちゃんに首をかしげつつ、肯定する

 

「本当はもう一人も来れればよかったんだけど......」

 

「もう一人? 誰やそれ?」

 

「神木理樹君」

 

「・・・・・・」

 

その名前に笑顔で固まるが、一瞬のことだ。 なんか、なのはちゃんが少し表情に陰りが出始めたけど気のせいや。 フェイトちゃんはそこまででもないけどともう一人、藤森君はあからさまに空気が変わったけどな?

 

「だれや、それ?」

 

「神木君と同じ反応だね、二人はやっぱり知り合いなの?」

 

「すずかちゃんの言ってる意味が分からんのやけど? 誰なん?」

 

すずかちゃんが私の顔を覗き込んでくる。 その顔は、どうも確信をつかんでいるような顔だった。 こう見えてもポーカーフェイスは得意や、このまま乗り切らせてもらう。 そもそも、その神木理樹君と私の知ってる理樹君が同一人物という保証は何処にもない。 我ながら苦し言い訳やけど

 

「知らないなー」

 

「すずか、それ以上はやめなさい」

 

止めに入るアリサちゃんに、おとなしく引き下がるすずかちゃん。 さて、気になってはいたけど藤森君、空気悪いし出て行ってもらいたいところやな

 

「それでえーっと、藤森君やったっけ? 正直言って、空気悪いから出て行ってほしいんやけど。 その神木君やったっけ? 話が出てから、こっちのほう睨むように見るのやめてくれへん?」

 

「あ、あぁ、すまない。 すずかが神木と知り合いだって言うから、つい、な?」

 

何がついなのやろう? 学校でのことはすずかちゃんから聞いているとはいえ、それを病室に持ち込まないでほしい。 病は気からって言うしな?

 

「ご、ごめんねはやて。 私たち、彼に嫌な思いさせられてるから」

 

「それとこれ、今関係ある?」

 

「・・・・・・」

 

「フェイト、関係ない話はやめなさい。 今は、はやてのお見舞いに来てるんだから。 悪いわね、はやて」

 

「ん。 こっちも熱くなってしもうた、ごめん」

 

早くも、アリサちゃんの立ち位置が決まった瞬間やった。 仕切り人や、アリサちゃん。 それにしても、同姓同名の人のために熱くなるとは、少し気恥しい。 すると、それまで黙っていたなのはちゃんが口を開く

 

「ねぇ、はやてちゃん。 本当に神木君とは知り合いじゃないの?」

 

「うーん、まぁ、会ってないからわからへんけど、少なくとも、そんな友達はおらへんかな?」

 

苦笑しつつ答える私。 嘘入ってない。 私と理樹君の関係を言葉で表すなら、赤の他人以上、友達未満だ。 理樹君は私のことを全く知らへんし、私は理樹君のことを全く知らない。 お互い踏み込むことはなかったしな?

 

「そっか......」

 

相変わらず表情の晴れないなのはちゃんを心配するフェイトちゃん。 笑顔でこちらを見るすずかちゃんに、ムスッとした顔の藤森君。 なんか微妙な空気になってしまったんやけど? その空気を引っ掻き回した本人は、にこにこしてるし。 アリサちゃんを見れば、眉間の皺をほぐしていた。 なんか、子供じゃないみたいなんやけど。 自分のことを棚上げしつつ、そんなことを思った。 アリサちゃんをじっと見ていると、目が合う

 

「あー...... そうね、はやてってクリスマス暇?」

 

「藪から棒に...... んー、入院してなければ? 入院してても暇やけど」

 

「ならちょうどいいわね。 クリスマス、みんなでパーティーしない?」

 

空気を変えるためなんやろうけど、少し驚いた。 こういうことに誘われたことがなかったからというのもあるけど、純粋にパーティーをするということにだ

 

「おー、いいなそれ!」

 

「ならもう一人もつれて来ないとね」

 

「別にええで?」

 

場を引っ掻き回そうとかそう言うことはないのだろうが、すずかちゃんが余計なことを言う。 私は笑顔で威嚇しておいたけど、すずかちゃんには効果がないみたいやな......

 

~はやて視点 end~

 

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