俺、踏み台転生者にされました   作:サクサクフェイはや幻想入り

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第七十二話 お見舞い

クリスマスイブ前日、俺の姿はアースラのとある一室にあった。 ぶっちゃけ夜中ということもありすごく眠いのだが、クロノからの呼び出しだ、行かないという選択肢がないのが悲しいところだ。 結界はもうすでに展開しており、話は万全だった。 ただ、少し気になるのがクロノと俺の二人きりというところだ。 作戦会議かなんかだと思ったのだが、どうも違うようだ。 クロノは険しい顔をしながら口を開く

 

「夜遅くにすまないな」

 

「そう思うなら回りくどいのはよしてくれ。 これでも一応学生だ、明日も学校だしな。 て言っても、終業式だから式の最中に寝なければ問題ないが」

 

「あぁ、そうだな。 単刀直入に、グレアム提督は黒だ」

 

「・・・・・・」

 

どうやらクロノは、リンディさんの目を盗みギル・グレアムを調べていたようだ。 その表情は辛そうだが、話を聞かねばならないだろう

 

「黒、ということだが、どういうことだ?」

 

「君から注意しろと言われて、僕はその日から秘密裏にグレアム提督を調べ始めた。 もちろんそんな簡単に尻尾を出すとは思っていなかったし、注意するに越したことはないと思っていただけだ。 だが、調べてみたら少しおかしな点が出てきた」

 

クロノの話では、引退同然の身なのにもかかわらず、強力なデバイスを作っていたこと。 不自然なお金の動き、使い魔が時々どこかの世界に転移しているなどの情報があったという。 それらを総合し、今回黒と結論付けたらしい

 

「たぶん、グレアム提督は強力な氷結魔法によって闇の書を封印しようと考えているのだろうが......」

 

「そんなものでは封印出来ないだろうな。 そもそも、出来たとしても時を経れば解けるだろうそんなもの」

 

静かに頷くクロノ。 それにクロノも気が付いているのだろう。 俺が闇の書が見つかると同時に流した夜天の書と言う単語。 それにより、クロノとユーノの間では夜天の書に関しての情報は集まっている。 性質の変化、など。 そんな中で氷結魔法など発動すれば、主ごと処理するつもりだと

 

「それで、どうするんだ?」

 

「明日、正式な手続きを踏んで、ギル・グレアム提督を逮捕する。 闇の書を夜天の魔導書に戻す算段は付いていないが、騎士たちのこれまでの発言を考慮すれば、闇の書の主の命じゃないことは明らかだ。 無関係とはいえないが、主自身は何も知らない可能性がある。 そんな人物を巻き込んで封印なんて、とてもじゃないが許せれることじゃない」

 

顔は険しいままだが、その瞳には覚悟があった。 なら、俺がこれ以上とやかく言うことじゃないだろう

 

「そうか」

 

「あぁ」

 

短く言葉を交わし、クロノは俺の横を通りドアへと向かう

 

「話は終わりだ。 こんな時間に呼び出してすまなかった」

 

「いや、いいさ」

 

クロノが部屋から出ると同時に俺もドアに向かって歩き始める。 まぁ、何にせよ

 

『明日ですべてが終わりそうだな』

 

『マスターに刻まれた記憶通りとはいきませんが、概ねその通りに進んでいますからね』

 

『あぁ』

 

多分、使い魔が捕まったところで代わりに人形が原作通り遂行するだろうからな。 何も変わらない、そう、なにも

 

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あ、ありのまま今起こった事を話すぜ!俺は終業式も終わり、眠気を抑えきれず教室で寝てしまったんだが、いつのまにか病院の前に居た。 な、何を言っているのかわからねーと思うが 俺も何をされたのかわからなかった。 頭がどうにかなりそうだった。 催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ、もっと恐ろしいものの片鱗を今も味わってるぜ。 冗談ではないが、ポルナレフごっこはさておき。 何故か教室で寝ていたら、目覚めたらとある病院の病室の前に立っていた。 いや、本当になんでだ? 周りを見れば、こちらを睨む雑種。 これは平常運転だが、俺のことを可哀想なものを見る目で見る高町なのはとフェイト・テスタロッサ。 頭を抱えるアリサ・バニングスに、こちらをニコニコ見る月村すずか。 ぶっちゃけ、原因はこっちをニコニコしてみる月村すずかだろうが、どういうことだペイル

 

『マスターが教室で寝ていたら、月村すずかの家のものがマスターを起こさないように車で運び、ここに来たというわけです』

 

『説明ありがとう、ペイル』

 

どうやら、そう言うことらしい。 これでも気配とかには敏感なのだが、俺を起こさないように運ぶとかどういう技術だ? 気になって聞いてみたら、ペイルから追加で口にハンカチが当てられており、そのハンカチから薬品の反応が出ていたらしくそれのせいでは? ということだった。 なにそれ、ガチすぎませんか? ともかく、当の本人に聞くか

 

「ここは何処だ?」

 

「病院だよ?」

 

何を言ってるんだみたいに首をかしげて言われるが、俺がおかしいわけじゃないからな?

 

「何故我は病院に? 確か教室で寝ていたはずだが?」

 

「何でだろうねー?」

 

やばい、話し通じない。 そんな月村すずかの様子にしびれを切らしたのか、アリサ・バニングスが騒ぎ始める

 

「いやいやいや!アンタが拉致ってきたんでしょ!? 何しらばっくれようとしてるのよ!?」

 

「えー、そんなことしてないよー?」

 

「棒読み!ならその棒読みやめなさい!」

 

「嫁よ、落ち着け。 ここは病院だ、他の患者に迷惑になる」

 

「あぁん!?」

 

ダメだ、冷静さを失っている。 俺には珍しく正論を言ってるのだが、何故かメンチきられた。 てか、女子がそんな口調はやばいだろ。 流石にこの状況はまずいと思ったのか、高町なのは、フェイト・テスタロッサがアリサ・バニングスを抑えに入る。 雑種は俺を睨んでいるだけ。 やくたたねー

 

「それじゃあ、いつまでも扉の前に居たら邪魔だし、お見舞い行こっか」

 

それまでのアリサ・バニングスの態度をまるでなかったかのように流し、扉をノックする月村すずか。 彼女は大丈夫なのだろうか? キャラがブレブレなのだが...... どうにもならないことを悟ったのか、それとも諦めただけなのか、アリサ・バニングスも月村すずかに続いて病室の中に入っていく。 俺は入りたくなかったのだが、月村すずかに引っ張られ病室の中に。 てか、結構本気で抵抗したんだが...... 病室に入れば、騎士の面々が。 男がいないが、些末なことだろう。 俺を見た瞬間驚愕したようだが、すぐに表情を引き締めいつでも動ける体制になる。 まぁ、間違ってはいないのだが。 俺は視界の隅にとらえていた、彼女の存在を。 彼女は、俺を確認すると同時に目にもとまらぬ速さで俺の目の前に来ると、頬を殴る。 とっさに踏ん張っていたからよかったものの、下手したら吹っ飛ばされてたぞ?

 

「久しぶりやなぁ、理樹君」

 

「いきなりご挨拶だな、少女よ?」

 

「あー、ごめんなぁ? 知り合いに似てたもんでな?」

 

笑顔でベッドに戻る八神はやてだが、目が笑ってないぞ。 まぁ、こうやって殴られるのも覚悟はしていた。 突然、一方的にいなくなったわけだしな。 騎士たちはそんな主の行動に驚き、ポカンとしていた。 まぁ、他の面々もだが。 そんな中、唯一突っかかってきたのが雑種

 

「お前、やっぱり!」

 

「やめろ雑種、病人の前だぞ? 貴様は常識もないのか?」

 

「せやね。 そんなんするんやったら、帰ってほしいんやけど?」

 

俺と八神はやての口撃によりいったんは俺のことを離すが、こちらを睨んだままだ。 何とも言えない空気になってしまったが、そこからはアリサ・バニングス、月村すずかがプレゼントを渡したりと楽しい時間になった。 まぁ、騎士たちも俺のことを睨んできているのだが。 俺は病室の端で背を預けながら、その光景を見ていた。 結局、こうなるんだな

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