俺、踏み台転生者にされました 作:サクサクフェイはや幻想入り
楽しい楽しいお見舞いの時間も終わり、アリサ・バニングスと月村すずかが帰る。 俺や雑種、高町なのは、フェイト・テスタロッサは帰してもらえず見送った。 重苦しい空気の中、シグナムたちに着いてこいと言われ、その後ろをついて行く。 だが、そのどこかへ向かう際中、俺は強烈な眠気に襲われていた。 それもいきなりだ。 その眠気に抗うことができず、俺はそのまま眠りに落ちた
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「おい、起きろ」
声が聞こえる。 それに、かなりの威圧感も。 どこか覚えのあるような威圧感だが、眠くて思考が働かない。 このままいっそ寝てしまおうか?
「だから、起きぬか」
「っ!?」
体が宙に浮く感覚がした次の瞬間、全身に衝撃が走り一瞬息ができなかった。 それによって目を覚まし目の前を見れば白面金毛九尾の狐がいた。 あぁ、だから覚えがある威圧感だったのか。 俺は立ち上がり、体の具合を確かめる。 別に何ともないようだ
「いきなり何しやがる」
「我は起きろ、そう言ったはずだ。 それを寝ようとした貴様が悪い」
相変わらずだるそうに寝そべる白面金毛九尾の狐。 確かに悪かったが、だからと言って体がバラバラになるほどの衝撃で起こされるとは思わなかった。 まぁいいや、本題に入ろう
「それで、何のようだ?」
「貴様とて分かっているのだろう?」
クツクツと笑いをこらえる白面金毛九尾の狐、相変わらずムカつくやつだ。 多分前の件、力を貸すという話だろう。 このタイミングで呼ばれたということは、なるほど。 急な眠気にも説明が付く
「相変わらずよく頭が回る。 貴様が思っている通りだ。 眠気は神の仕業。 だが相手は低級の神だ、我が割り込むのもわけがない」
「ならさっさと力をよこせ」
神と言うのは身勝手だ。 こいつがアイツより上級の神と言うのは分かる、ならその力で消し去るのも安易なはず。 それをしないというのは、結局こいつはこの状況がどうでもいいからに過ぎない。 ただ単に気が向いたから力を貸す、今回の事は運がよかったに過ぎないというわけだ
「まぁそう言うことだ。 それでは貴様に能力を授けよう。 なに、貴様が知っている能力だ」
そう白面金毛九尾の狐が言うと、俺の体が光に包まれる。 それもすぐに止むが、身体に変わったような感じが見受けられない。 訝し気に白面金毛九尾の狐を見れば、笑いだす
「ははは!表面上に変わりがあるわけあるまい。 そんなことをすれば、いくら低級とは言えばれるぞ? 貴様に渡した能力は直死の魔眼、知っておるだろう?」
直死の魔眼。 月姫の主人公、遠野志貴が使っていた能力か。 無機、有機問わず、“活きている”ものの死の要因を読み取り、干渉可能な現象として視認する能力。 だが、本人が対象の死そのものを理解できなければ意味がないはずだ
「その通りだ。 貴様の記憶から読み取っているし、そのくらいは知っている。 だから厳密に言えば、それは直視の魔眼ではない。 機能的に言えば直死の魔眼ではあるが、貴様が対象の死そのものを理解しなくても、死の線や点は見えるようになっている。 まぁ、デメリットはあるがな」
「デメリット?」
「記憶だ。 と言っても使うのは貴様に刻まれたこの世界の記憶。 つまりはリリカルなのはと言う物語の記憶だ。 正直、ここまでサービスしてやる義理はないのだが」
多分それは、これからの未来の記憶と言うので差支えないのだろう。 記憶を犠牲にして神を殺す。 別にこんな記憶、無くなっても構わない
「それでは行くがいい。 生意気な人間」
徐々に意識がなくなっていく。 完全になくなる前に、言わなければならない
「相変わらず、神は嫌いだが...... あり、がとう......」
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突然の覚醒。 こちらに背を向けているようだが、その人物には見覚えがあった
「てめぇ......」
体を動かそうとするが、やはり動かない。 いや、少しは動くか。 魔力を最大まで使えば辛うじて。 そんな様子を気にすることなく、
「おい、なんで俺をここに呼んだ!」
「・・・・・・」
「答えろ!!」
「まったく、本当にうるさいのぅ。 その口を閉じていろ」
「・・・・・・」
ようやくこちらを向いたと思えば、めんどくさそうな顔をしていた。 それと同時に、口も自由に動かなくなる。 何もできなくなってしまったため、睨みつけるしかない
「ほっほっほ。 睨みつけたところで結果は変わらぬ。 貴様が消える結果はな。 さて、わしは慈悲深い神じゃ。 最後にサーヴァントたちに合わせてやろう」
指パッチンをした瞬間、この何もない空間に玉藻たちが現れる。 玉藻たちは驚いたようだが、一瞬で事態を理解したのか臨戦態勢だった。 そのことも
「くっ、貴様ぁ!!」
ハサンがナイフを投げようとするが、その瞬間消えるのが早まりもう体と顔しか残っていない
「や、めろ!!そいつら、を、消す、な!!」
「まだ喋れたか、見上げた根性じゃの」
「マスター!!」
「マスターは逃げてください、ここは私たちが!」
「お、まえたち、こそ、逃げろ!!このまま、じゃ、消えち、まう」
口が上手く動かず、片言みたいになてしまうが懸命に口を動かす。 だが、その思いは通じなかった
「いいんです、マスター。 たとえここで消えることになても、マスターのためならば!!」
お札と、鏡の形をした宝具を放つが消えてしまい、そして玉藻の姿も消えてしまった
「「玉藻さん!」」
「玉藻殿!!」
それからほどなくして、マシュ、リリィ、ハサンも消えてしまう。 俺はまた、家族が消えるのを見ることしかできなかった。 俺の様子を、どこか満足そうに見る
「ふん、いい気味じゃ。 いつの間にか八神はやてとも知り合っていたみたいじゃしの。 これではわしの計画がパーじゃないか。 まぁよいか、何故かわからんがアリシア・テスタロッサは生きておるし。 たぶんこのままいけばリインフォースも大丈夫で、藤森織による物語も完成じゃろ。 ほっほっほ、たのしみじゃ」
そんな、そんなくだらないことのために俺は...... 母さんや父さん、玉藻、マシュ、リリィ、ハサンは消されたって言うのか?
「ふ、ざけ、んな...... ふざけ、んな、ふざけんな!」
魔力を最大まで放出して、ようやく口を不自由なく動かすことに成功する。 神はそんな俺に気が付かず、何かをしている。 やるなら今しかない。 正直、どうやって使うのか説明はなかったが。 瞳を閉じて集中する。 すると、何かとつながったような感覚がした。 バリアジャケットを展開し、目を開ければ。 点と線がそこら中にある。 軽く吐き気もするが、今はそれよりも目の前の